誰もが我儘な私ではないお方が良かったようなので、悪役の私は残忍な猛将達に手酷く扱われに行きます。戻れ? 絶対に離れるなと脅されているのですが

迷路を跳ぶ狐

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27.あの方が

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 ロズルラト様とその部隊の方が手伝ってくださって、素材を運ぶことは昼が来る前に終わった。

 ロズルラト様たちは昼から見回りがあるらしく、時間が来るまででいいと言ったのだが、彼らは、鍛錬になる! と言って私たちに力を貸してくれて、城の中の魔法使いたちにも声をかけてくれた。

「ありがとうございました……本当に、助かりました……」
「今日は捕まったからな! 今度は捕まらないぞ!!」

 そう言って、ロズルラト様はにっと笑う。

「それで? 反乱はいつ起こすんだ!?」
「……起こしません」

 そんな会話をしていると、廊下の向こう側から、誰が歩いてくる。遠くても十分分かるくらいに私を睨みつけているその方は、美しいローブを身につけた、金髪の髪の男……テクフィノレク様だ……
 肩に小さな竜を乗せた彼は、私をじっと睨みつけた。

「何をしているのですか?」

 睨まれたって、ロズルラト様は平然としている。

「テクフィノレクー……と、領主だ!」

 はい??

 え!? 領主様!?

 びっくりしている私に、キュファリウェスが「肩の竜の方です! 竜の領主様ですよ!!」と慌てた様子で耳打ちしてくれた。

 すると、テクフィノレク様の肩に乗っていた小さな竜が地面に降りて、人の姿になる。体格のいい背の高い男性で、黒い短髪の、立派な剣を下げた人だ。

 ど、どうしよう……この領地を治める竜の領主、ドヴェラロウェト様だ。

 領主様はおでかけになっていると聞いていたのに、まさか、お帰りになっていただなんて!

「ご、ご挨拶が遅れてしまい、申し訳ございません!!」

 慌てて頭を下げると、領主様は、ははっと気さくな様子で笑った。

「そんなことは気にしなくていい。ヴィラウレルトに言われて連れてこられたんだろ?」
「い、いえ……! 違います!! 私から提案したことを、ヴィラウレルト様が了承してくださったのです。約束を果たすまでに時間がかかってしまい……申し訳ございません。こちらからお渡ししたものが領主様のお役に立てるよう、力を尽くす所存でございます」

 言いながらも、ひどくドキドキしていた。

 私たちはすでに、彼には何度も不義理を働いている。

 もしも、約束のものがうまく動かなかったらどうしよう……

 さすがにこれ以上彼らを蔑ろにするような真似を、オーテクルテスファー様はしないはず……竜の領地と完全に決別して、困るのはオーテクルテスファー様の方だから。そう思って来たけれど、やはり、怖いものは怖い。

 怯えていると、竜の領主様は微笑んで言った。

「その件だが、昼からテクフィノレクと一緒に、外の広場で頼む」
「はい!! お、お任せください!!」
「はは! そんなにかしこまるな!」

 言って、彼は豪快に笑う。

 ロクデラッド様と切り合いにまで発展しかけた時きましたが……思っていた様子とまるで違う。私にだって、ひどく腹を立てていると思っていたのに。

「預かったものは、結界に関するものだからな! 魔物から城を守るために重要なものだ! お前たちを信じていないわけではないが……頼んだぞ」
「はい!!」

 私が答えると、領主様は「じゃあなー」と言って、手を振って去っていく。

「頼んだぞー。テクフィノレクー」
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