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11.こうするしかない!
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「だ、だれか…………」
今にも消えそうな声で人を呼ぼうとしたけど、即座にベリレフェク様が言う。
「呼んでも無駄だ。ここには、普段誰もこない。念のため、この部屋でどれだけ叫んでも聞こえないように魔法もかけている。喚くだけ無駄だが、次に声を上げたら、お前も殺す。余計な奴まで殺すのは面倒だ。あまり俺を煩わせるな」
……だったら領主様を殺さないでほしい。そしたら、僕だって声を上げたりしない。
だけど、これで叫んでも無駄だってわかってしまった。余計なことをすれば、今度こそ殺される!
だけど、領主様を殺されるのは困るし……だったら、もう領主様とここから逃げるしかない!!
僕は、床に落ちた自分の服を見下ろした。その中から、魔法の道具の入ったポケットの辺りの切れ端を見つけて、ベリレフェク様めがけて蹴飛ばす。ついでに、魔力も思いっきり込めて。
こうやって魔法使いを拘束する時は、普通、魔法で反撃されないように魔法を使えないように魔力を封じる枷や首輪、魔法なんかを使う。だけど、今回領主様はそれをしなかった。僕相手にそんなもの必要ないと思ったのかな? とにかく、チャンスだ!!
ベリレフェク様も、まさか鎖で吊るされた僕が反撃するなんて思わなかったんだろう。蹴飛ばした服の残骸から魔法の道具が飛び出して、それから魔力の弾が飛び出していく。
さすがに驚いたのか、ベリレフェク様は飛び退いた。
魔法の弾は僕の鎖も切ってくれる。思っていたより簡単に切れた。
僕は、領主様に駆け寄った。
「領主様!!」
領主様は倒れたまま動かない。さっきの魔法の道具の弾で怪我でもしてたらどうしようかと思ったけど、無傷だった。よかった……
早く逃げなきゃっ…………
魔法で手枷を破壊して、体を強化。それから、倒れたままの領主様を背中に担いだ。領主様の体、大きい……だけど体を強化したから走って逃げられそう!
でも、この強化の魔法も、いつまでもつか分からない。ろくに魔法も使えない自分が恨めしい!
僕は、魔法で扉を破壊して、部屋の外に飛び出した。
*
廊下に出た僕は、領主様を担いで逃げたまま、力の限り叫んだ。
「だ、誰かっ……!! 誰か来てっ……!! 誰かーーーーっ!! 助けてーーーー!!!!」
だけど、誰もこない。
そうか。
こんなところに連れてこられた僕がこんなことを叫んでも、拷問されて助けを呼んでいるように聞こえてしまうかもしれない。
僕だけじゃすぐにベリレフェク様に追いつかれる。誰かに来てもらわないとっ……
「だ、誰かっ……領主様がーーーー!! 領主様が襲われたーーーーーっっ!!」
もう一回叫ぶと、すぐに兵士たちが走ってくる。彼らの一番先頭に立った男が、すぐに僕に向かって叫んだ。
「……何事だ!? 領主様!!??」
彼は、僕が背中に領主様を担いでいるのを見て、驚いたみたい。領主様の方に駆け寄ってくる。
「これは一体……何があった!?」
「すぐに回復してください!! ベリレフェク様がっ……領主様をっ……」
言いかけた僕の声を覆い隠すように、背後からベリレフェク様の声がした。
「俺は知らない」
振り向けば、さっき領主様を襲った男は、平然と僕らの方に歩いてくる。そして、僕を指差した。
「拷問されそうになったそいつが、領主を攻撃したんだ」
「は!??」
なんだそれ。そんなの、知らない。
こいつっ…………!
平然とした顔して、全部僕のせいにする気だ。
「ち、違うっ……! 違います!! 僕は、何も知りません!!」
って、叫んでみても、誰もが冷たい視線で僕に振り向く。
領主様を抱き起こした兵士も、僕の方を睨んでいた。
「まさか……お前が、領主様を…………」
「違います!! 僕は、領主様を助けて逃げてきたんです!! 悪いのは全部、ベリレフェク様です!! あ、あの人が全部……領主様を殺そうとしたんです!!」
それでも、周りのみんなの態度は変わらない。誰も僕を信じていないらしい。
ベリレフェク様が平然と言う。
「……拷問されそうになって、その男が魔法を暴走させて逃げたんだ。領主様も、相手がその男だから油断していたようだ……俺に反撃されて、全てを俺になすりつけ、領主様を助けたふりをして逃げようとしたようだが……お前のようなグズに、王家からの使者である俺が出し抜かれると思ったか?」
言ってベリレフェク様が僕を睨むと、兵士たちが一斉に僕を取り囲む。
誰も、僕のことなんて信じてない。
それもそうか……
相手は王家からの使者で、僕は逃げてきた、一族からも捨てられた落ちこぼれ……どっちを信じるかと言われれば、王家からの使者だ。
こんな時ばっかり使者であることをアピールするなんてずるい!!!! さすがは悪役だよ!!
「すぐに捕らえろ!」
そうベリレフェク様が叫ぶのを聞いて、僕を捕らえようとみんなが近づいてくる。
けれどその時、力強い声が彼らを止めた。
「やめろ」
そう言って、兵士に抱き起こされた領主様が立ち上がる。
領主様…………無事だったんだ……
その姿を見たら、心底ホッとした。
「領主様っ……!!」
叫ぶ僕に、領主様が振り向く。
彼は無傷だ……本当に、無事みたいだ……よかったぁあ…………領主様の目が覚めなかったら、どうしようかと思っていた。
今にも消えそうな声で人を呼ぼうとしたけど、即座にベリレフェク様が言う。
「呼んでも無駄だ。ここには、普段誰もこない。念のため、この部屋でどれだけ叫んでも聞こえないように魔法もかけている。喚くだけ無駄だが、次に声を上げたら、お前も殺す。余計な奴まで殺すのは面倒だ。あまり俺を煩わせるな」
……だったら領主様を殺さないでほしい。そしたら、僕だって声を上げたりしない。
だけど、これで叫んでも無駄だってわかってしまった。余計なことをすれば、今度こそ殺される!
だけど、領主様を殺されるのは困るし……だったら、もう領主様とここから逃げるしかない!!
僕は、床に落ちた自分の服を見下ろした。その中から、魔法の道具の入ったポケットの辺りの切れ端を見つけて、ベリレフェク様めがけて蹴飛ばす。ついでに、魔力も思いっきり込めて。
こうやって魔法使いを拘束する時は、普通、魔法で反撃されないように魔法を使えないように魔力を封じる枷や首輪、魔法なんかを使う。だけど、今回領主様はそれをしなかった。僕相手にそんなもの必要ないと思ったのかな? とにかく、チャンスだ!!
ベリレフェク様も、まさか鎖で吊るされた僕が反撃するなんて思わなかったんだろう。蹴飛ばした服の残骸から魔法の道具が飛び出して、それから魔力の弾が飛び出していく。
さすがに驚いたのか、ベリレフェク様は飛び退いた。
魔法の弾は僕の鎖も切ってくれる。思っていたより簡単に切れた。
僕は、領主様に駆け寄った。
「領主様!!」
領主様は倒れたまま動かない。さっきの魔法の道具の弾で怪我でもしてたらどうしようかと思ったけど、無傷だった。よかった……
早く逃げなきゃっ…………
魔法で手枷を破壊して、体を強化。それから、倒れたままの領主様を背中に担いだ。領主様の体、大きい……だけど体を強化したから走って逃げられそう!
でも、この強化の魔法も、いつまでもつか分からない。ろくに魔法も使えない自分が恨めしい!
僕は、魔法で扉を破壊して、部屋の外に飛び出した。
*
廊下に出た僕は、領主様を担いで逃げたまま、力の限り叫んだ。
「だ、誰かっ……!! 誰か来てっ……!! 誰かーーーーっ!! 助けてーーーー!!!!」
だけど、誰もこない。
そうか。
こんなところに連れてこられた僕がこんなことを叫んでも、拷問されて助けを呼んでいるように聞こえてしまうかもしれない。
僕だけじゃすぐにベリレフェク様に追いつかれる。誰かに来てもらわないとっ……
「だ、誰かっ……領主様がーーーー!! 領主様が襲われたーーーーーっっ!!」
もう一回叫ぶと、すぐに兵士たちが走ってくる。彼らの一番先頭に立った男が、すぐに僕に向かって叫んだ。
「……何事だ!? 領主様!!??」
彼は、僕が背中に領主様を担いでいるのを見て、驚いたみたい。領主様の方に駆け寄ってくる。
「これは一体……何があった!?」
「すぐに回復してください!! ベリレフェク様がっ……領主様をっ……」
言いかけた僕の声を覆い隠すように、背後からベリレフェク様の声がした。
「俺は知らない」
振り向けば、さっき領主様を襲った男は、平然と僕らの方に歩いてくる。そして、僕を指差した。
「拷問されそうになったそいつが、領主を攻撃したんだ」
「は!??」
なんだそれ。そんなの、知らない。
こいつっ…………!
平然とした顔して、全部僕のせいにする気だ。
「ち、違うっ……! 違います!! 僕は、何も知りません!!」
って、叫んでみても、誰もが冷たい視線で僕に振り向く。
領主様を抱き起こした兵士も、僕の方を睨んでいた。
「まさか……お前が、領主様を…………」
「違います!! 僕は、領主様を助けて逃げてきたんです!! 悪いのは全部、ベリレフェク様です!! あ、あの人が全部……領主様を殺そうとしたんです!!」
それでも、周りのみんなの態度は変わらない。誰も僕を信じていないらしい。
ベリレフェク様が平然と言う。
「……拷問されそうになって、その男が魔法を暴走させて逃げたんだ。領主様も、相手がその男だから油断していたようだ……俺に反撃されて、全てを俺になすりつけ、領主様を助けたふりをして逃げようとしたようだが……お前のようなグズに、王家からの使者である俺が出し抜かれると思ったか?」
言ってベリレフェク様が僕を睨むと、兵士たちが一斉に僕を取り囲む。
誰も、僕のことなんて信じてない。
それもそうか……
相手は王家からの使者で、僕は逃げてきた、一族からも捨てられた落ちこぼれ……どっちを信じるかと言われれば、王家からの使者だ。
こんな時ばっかり使者であることをアピールするなんてずるい!!!! さすがは悪役だよ!!
「すぐに捕らえろ!」
そうベリレフェク様が叫ぶのを聞いて、僕を捕らえようとみんなが近づいてくる。
けれどその時、力強い声が彼らを止めた。
「やめろ」
そう言って、兵士に抱き起こされた領主様が立ち上がる。
領主様…………無事だったんだ……
その姿を見たら、心底ホッとした。
「領主様っ……!!」
叫ぶ僕に、領主様が振り向く。
彼は無傷だ……本当に、無事みたいだ……よかったぁあ…………領主様の目が覚めなかったら、どうしようかと思っていた。
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