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12.聞こえなかったか?
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起き上がる領主様を見て、ベリレフェク様が、こっちには気づかれないように「ちっ……」と舌打ちをするのが聞こえた。
領主様は、微かにベリレフェク様に振り向く。
そして、兵士たちに言った。
「俺はなんともない。下がれ」
「し、しかしっ…………」
「聞こえなかったか? 全員下がれ。俺は無事だ。そこにいるキャトラズイルが、身を挺して俺を助けたからだ」
「は!!??」
その場にいたみんなが僕に振り向く。みんな、僕が領主様を襲おうとしたと信じていたんだろう。
けれど、領主様はますます鋭い目をして言った。
「聞こえなかったか? その男が、身を挺して俺を守ろうとしたんだ。そいつが俺を庇っていなければ、俺は死んでいた」
「そ、そんな……まさか…………」
「分かったら、全員下がれ。俺はまだ、その二人に話がある」
「し、しかしっ……領主様っっ! 何があったのか、説明していただかないとっ……!」
「後で話す。俺の話が先だ。失せろ」
領主様に強く言われて、みんな、まだ戸惑いながらも去っていった。
兵士たちがいなくなってから、領主様は、僕に振り向いた。
「…………」
しばらく無言だった領主様は、僕から顔を背ける。
領主様……何か、言いたいことがあるようだったのに…………
そして今度は、僕じゃなくてベリレフェク様に振り向く。領主様は誰に狙われたか分かっているはずなのに、ベリレフェク様を見てニヤニヤしていた。
「…………やっと動いたか。ベリレフェク」
「……俺があなたを狙っていると、気づいていたのですか?」
え?? そうなの??
びっくりする僕だけど、領主様はさも当然と言わんばかりの様子で答えた。
「ああ。それだけ殺気を剥き出しにされれば、誰でも気づく。俺が無防備になれば正体を表すのではないかと思ったが、案の定だったな」
「…………」
ベリレフェク様は、無言で領主様を睨んでいた。
……じゃあ領主様は、ベリレフェク様が自分を狙っていることを知ってて、僕と二人のところにベリレフェク様を入れたのか?
そんな…………
危険すぎるだろ!!
「り、領主様っ……」
そんな危ないことをされたら困る。領主様には、ずっとここを治めていてもらわらないと、僕らみんな悪役になって、領主様だって断罪されちゃうんだ。
けれど、僕に振り向く領主様は驚いた顔をして言った。
「……貴様が、俺を守るとは思わなかった……」
「え……?」
「ベリレフェクが何を仕掛けてきても、俺は死なない自信があった。気絶したところで、あらかじめ用意した魔法の道具でベリレフェクを捕らえることができる。なぜ、俺を助けた?」
「…………だって……」
なんでって……? それはもちろん……
「だって、領主様が死ぬのが……嫌だったんです…………」
これは、本音だ。
本当に、領主様が死ぬのが嫌だった。
だって、僕を助けてくれたのに。
領主様がいなくなると悪役になる未来が待っているとか、いろいろあるけど、なによりも、領主様がいなくなるのが嫌だ。
素直に言うと、領主様は僕から顔を背けた。
「……妙な奴だ」
「…………」
「だが、助かった………………お前のおかげだ……」
「…………」
……え?
今、なんて言ったんだ?
僕に領主様がお礼を言ったような気がしたけど…………領主様が、僕に!!??
びっくりして、僕は顔を上げる。
すると、領主様はすぐに僕から顔を背けてしまう。
なんだか、信じられない。領主様が僕にお礼を言うなんて。
領主様は、微かにベリレフェク様に振り向く。
そして、兵士たちに言った。
「俺はなんともない。下がれ」
「し、しかしっ…………」
「聞こえなかったか? 全員下がれ。俺は無事だ。そこにいるキャトラズイルが、身を挺して俺を助けたからだ」
「は!!??」
その場にいたみんなが僕に振り向く。みんな、僕が領主様を襲おうとしたと信じていたんだろう。
けれど、領主様はますます鋭い目をして言った。
「聞こえなかったか? その男が、身を挺して俺を守ろうとしたんだ。そいつが俺を庇っていなければ、俺は死んでいた」
「そ、そんな……まさか…………」
「分かったら、全員下がれ。俺はまだ、その二人に話がある」
「し、しかしっ……領主様っっ! 何があったのか、説明していただかないとっ……!」
「後で話す。俺の話が先だ。失せろ」
領主様に強く言われて、みんな、まだ戸惑いながらも去っていった。
兵士たちがいなくなってから、領主様は、僕に振り向いた。
「…………」
しばらく無言だった領主様は、僕から顔を背ける。
領主様……何か、言いたいことがあるようだったのに…………
そして今度は、僕じゃなくてベリレフェク様に振り向く。領主様は誰に狙われたか分かっているはずなのに、ベリレフェク様を見てニヤニヤしていた。
「…………やっと動いたか。ベリレフェク」
「……俺があなたを狙っていると、気づいていたのですか?」
え?? そうなの??
びっくりする僕だけど、領主様はさも当然と言わんばかりの様子で答えた。
「ああ。それだけ殺気を剥き出しにされれば、誰でも気づく。俺が無防備になれば正体を表すのではないかと思ったが、案の定だったな」
「…………」
ベリレフェク様は、無言で領主様を睨んでいた。
……じゃあ領主様は、ベリレフェク様が自分を狙っていることを知ってて、僕と二人のところにベリレフェク様を入れたのか?
そんな…………
危険すぎるだろ!!
「り、領主様っ……」
そんな危ないことをされたら困る。領主様には、ずっとここを治めていてもらわらないと、僕らみんな悪役になって、領主様だって断罪されちゃうんだ。
けれど、僕に振り向く領主様は驚いた顔をして言った。
「……貴様が、俺を守るとは思わなかった……」
「え……?」
「ベリレフェクが何を仕掛けてきても、俺は死なない自信があった。気絶したところで、あらかじめ用意した魔法の道具でベリレフェクを捕らえることができる。なぜ、俺を助けた?」
「…………だって……」
なんでって……? それはもちろん……
「だって、領主様が死ぬのが……嫌だったんです…………」
これは、本音だ。
本当に、領主様が死ぬのが嫌だった。
だって、僕を助けてくれたのに。
領主様がいなくなると悪役になる未来が待っているとか、いろいろあるけど、なによりも、領主様がいなくなるのが嫌だ。
素直に言うと、領主様は僕から顔を背けた。
「……妙な奴だ」
「…………」
「だが、助かった………………お前のおかげだ……」
「…………」
……え?
今、なんて言ったんだ?
僕に領主様がお礼を言ったような気がしたけど…………領主様が、僕に!!??
びっくりして、僕は顔を上げる。
すると、領主様はすぐに僕から顔を背けてしまう。
なんだか、信じられない。領主様が僕にお礼を言うなんて。
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