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18.俺もやる
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城の庭はかなり広くて、城壁の向こうには深い森が広がっている。そこには、魔法の道具や武器には欠かせない素材が多く存在している。僕も仕事でよく行くが、この辺りは歩いているだけで楽しい。どんな強化をするかとか、そういうことを考えながら歩けるからだ。失敗することが多いんだけど…………
だけど、ベリレフェク様から頂いた魔法の道具……あれに防御の魔法の力を与えて、それからさらに強化すれば、きっとなんとかなるはずだ!! 領主様の拷問も怖くなくなる魔法……まずはこれを手に入れる!!
……そのはずなのに、なんで領主様と一緒に僕は庭を歩いているんだ!!
僕の反逆を疑っていてこれから僕を拷問する人と、なんで一緒に強化の素材を探してるんだっ……!!
こんなのバレたら、ますます疑われるんじゃ……いや、考えようによっては、チャンスか? 今こうして二人きりなんだから、これをチャンスだと思って、反逆の疑いを晴らせばいいんだ!!
……だけど、自信ないなぁ…………だって、僕にそんなことが出来るとは思えない。
緊張しながら、庭を歩く。もう日はとっくに暮れていて、暗い。こんなところを領主様と二人で歩くのなんて、初めてかもしれない。
なんで領主様、わざわざ一緒に来てくれたんだろう…………それに、ベリレフェク様が言った、僕が怯えているっていうのをひどく気にしているみたいだ。
なんで領主様が僕のことなんて心配するんだろう……
よく分からないけど……
とにかく、防御の魔法の強化のためのものを集めながら、領主様にかけられた、反逆の疑いも晴らす!! 僕はいつか、領主様の間者に抜擢されるくらい、領主様に信頼されるんだ。だったら、疑いを晴らすことだって、出来るはず!!
「り、領主様!!」
決意を込めて、僕は領主様に振り向いた。
領主様は驚いたのか、キョトンとしている。緊張しすぎて、声の大きさを間違えたらしい。
「……どうした?」
「あっ…………えっ……と…………こ、この辺り、強化に使える素材がたくさんあるんですっ……!! 僕もよくそれを取りに来ていてっ…………と、討伐のっ……役に立てるかなって思って……」
ちょっと反逆の意思なんてありませんよと、アピールしてみるけど、領主様は、そうかって言って、顔を背けただけ。
…………ほとんど興味を持ってくれてない……やっぱり反逆を疑われたままなんだ…………
どうしよう……
そんなことばかり考えていたら素材どころじゃない。頭を抱えてしまいそうになっていたら、領主様がいきなり立ち止まった。
「領主様?」
気づいて振り向いた時には、僕の方が少し前に出ていた。
立ち止まった領主様は、僕に向かって、一本の杖を突き出した。それは、僕の身長より少し長い、だいぶ古びているけど、大切なもの。
「僕の杖っっ…………!!」
手を伸ばしたら、領主様は僕にそれを渡してくれた。
確かに、僕の杖だ。どこも壊れていない。なくなった時のままだ。返してくれるのか?
びっくりして見上げたら、領主様は、どこか気まずげに顔を背けた。
「…………確かに、返したぞ」
そう言う彼を見上げたら、少し緊張した。
だって、まさか返してもらえるなんて、思わなかったからだ。
「あ、あのっ…………僕…………これ、い、いいんですか?」
「…………貴様が魔法に失敗すると、とんでもないことが起こるようだからな」
顔を背けたまま、小さな声で言われて、僕は苦笑い。確かに、勝手に死ぬところだったからな……
領主様、反逆を疑っているのに、よく助けてくれたなぁ……
杖だって、いいのか? 領主様、あれだけ返さないって言ってたのに。
「……あの…………これ、この領地を守るために必要なんじゃなかったんですか?」
「……今日の夜会で魔物退治を担う男に渡すはずだったが、今日は中止になった。新しいものを用意する」
「だ、だったら……僕に用意させていただけませんか!?」
「お前が?」
「は、はい! 代わりのものを用意しますと申し上げました!」
「それは聞いたが…………」
領主様は苦い顔だ。
あれだって、なんとなく言ったんじゃない。本当にそうしようと思ってたんだ。
こんな僕でも、討伐のための武器なら、いつも用意している。何度もちゃんと使えるか確認しているんだ。何より、この杖のことは、僕が一番よく知っている。
討伐のための力になれればいいんだけど……
ドキドキしながら、領主様の返事を待つと、彼は「分かった」と言ってくれた。
「次の夜会までに用意してみろ。使えるかどうかは、俺が判断する」
「……は、はい!! ありがとうございます!!」
「…………」
領主様は、黙り込んでしまう。もしかして、やっぱり反逆の疑いのある僕に任せるのは不安なのかと思ったけど、領主様は顔を背けたまま言った。
「…………悪かった」
「へっ……!??」
「……そんなに大切なものだとは知らなかった」
「あ……」
あ、杖のことか…………
領主様は領地を守ることを考えていたんだ。僕だって、そのために城に置いてもらっているんだし……
「……ぼ、僕っ……ちゃんと杖、用意します!! 待っていてください!!」
「誰が待つか」
「え……あ! そんなに長くお待たせはしません!」
「そうじゃない。俺も準備に立ち会う。一人では何をしでかすか、分からないからな」
「…………」
そうかも……だけど、領主様が手伝ってくれるなら、これ以上に心強いことはない!!
「あ……ありがとうございます! 領主様!!」
だけど、ベリレフェク様から頂いた魔法の道具……あれに防御の魔法の力を与えて、それからさらに強化すれば、きっとなんとかなるはずだ!! 領主様の拷問も怖くなくなる魔法……まずはこれを手に入れる!!
……そのはずなのに、なんで領主様と一緒に僕は庭を歩いているんだ!!
僕の反逆を疑っていてこれから僕を拷問する人と、なんで一緒に強化の素材を探してるんだっ……!!
こんなのバレたら、ますます疑われるんじゃ……いや、考えようによっては、チャンスか? 今こうして二人きりなんだから、これをチャンスだと思って、反逆の疑いを晴らせばいいんだ!!
……だけど、自信ないなぁ…………だって、僕にそんなことが出来るとは思えない。
緊張しながら、庭を歩く。もう日はとっくに暮れていて、暗い。こんなところを領主様と二人で歩くのなんて、初めてかもしれない。
なんで領主様、わざわざ一緒に来てくれたんだろう…………それに、ベリレフェク様が言った、僕が怯えているっていうのをひどく気にしているみたいだ。
なんで領主様が僕のことなんて心配するんだろう……
よく分からないけど……
とにかく、防御の魔法の強化のためのものを集めながら、領主様にかけられた、反逆の疑いも晴らす!! 僕はいつか、領主様の間者に抜擢されるくらい、領主様に信頼されるんだ。だったら、疑いを晴らすことだって、出来るはず!!
「り、領主様!!」
決意を込めて、僕は領主様に振り向いた。
領主様は驚いたのか、キョトンとしている。緊張しすぎて、声の大きさを間違えたらしい。
「……どうした?」
「あっ…………えっ……と…………こ、この辺り、強化に使える素材がたくさんあるんですっ……!! 僕もよくそれを取りに来ていてっ…………と、討伐のっ……役に立てるかなって思って……」
ちょっと反逆の意思なんてありませんよと、アピールしてみるけど、領主様は、そうかって言って、顔を背けただけ。
…………ほとんど興味を持ってくれてない……やっぱり反逆を疑われたままなんだ…………
どうしよう……
そんなことばかり考えていたら素材どころじゃない。頭を抱えてしまいそうになっていたら、領主様がいきなり立ち止まった。
「領主様?」
気づいて振り向いた時には、僕の方が少し前に出ていた。
立ち止まった領主様は、僕に向かって、一本の杖を突き出した。それは、僕の身長より少し長い、だいぶ古びているけど、大切なもの。
「僕の杖っっ…………!!」
手を伸ばしたら、領主様は僕にそれを渡してくれた。
確かに、僕の杖だ。どこも壊れていない。なくなった時のままだ。返してくれるのか?
びっくりして見上げたら、領主様は、どこか気まずげに顔を背けた。
「…………確かに、返したぞ」
そう言う彼を見上げたら、少し緊張した。
だって、まさか返してもらえるなんて、思わなかったからだ。
「あ、あのっ…………僕…………これ、い、いいんですか?」
「…………貴様が魔法に失敗すると、とんでもないことが起こるようだからな」
顔を背けたまま、小さな声で言われて、僕は苦笑い。確かに、勝手に死ぬところだったからな……
領主様、反逆を疑っているのに、よく助けてくれたなぁ……
杖だって、いいのか? 領主様、あれだけ返さないって言ってたのに。
「……あの…………これ、この領地を守るために必要なんじゃなかったんですか?」
「……今日の夜会で魔物退治を担う男に渡すはずだったが、今日は中止になった。新しいものを用意する」
「だ、だったら……僕に用意させていただけませんか!?」
「お前が?」
「は、はい! 代わりのものを用意しますと申し上げました!」
「それは聞いたが…………」
領主様は苦い顔だ。
あれだって、なんとなく言ったんじゃない。本当にそうしようと思ってたんだ。
こんな僕でも、討伐のための武器なら、いつも用意している。何度もちゃんと使えるか確認しているんだ。何より、この杖のことは、僕が一番よく知っている。
討伐のための力になれればいいんだけど……
ドキドキしながら、領主様の返事を待つと、彼は「分かった」と言ってくれた。
「次の夜会までに用意してみろ。使えるかどうかは、俺が判断する」
「……は、はい!! ありがとうございます!!」
「…………」
領主様は、黙り込んでしまう。もしかして、やっぱり反逆の疑いのある僕に任せるのは不安なのかと思ったけど、領主様は顔を背けたまま言った。
「…………悪かった」
「へっ……!??」
「……そんなに大切なものだとは知らなかった」
「あ……」
あ、杖のことか…………
領主様は領地を守ることを考えていたんだ。僕だって、そのために城に置いてもらっているんだし……
「……ぼ、僕っ……ちゃんと杖、用意します!! 待っていてください!!」
「誰が待つか」
「え……あ! そんなに長くお待たせはしません!」
「そうじゃない。俺も準備に立ち会う。一人では何をしでかすか、分からないからな」
「…………」
そうかも……だけど、領主様が手伝ってくれるなら、これ以上に心強いことはない!!
「あ……ありがとうございます! 領主様!!」
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