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36.どう思ってるんだろう……
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ベリレフェク様にひどく冷たくあしらわれたオフィガタス様だけど、さすが僕の前で自信満々だっただけあって、まだ怯まない。
「あ…………あの、いや…………そ、そうじゃない! 花も渡したかったのだが、俺はお前とデートを……」
「ごめんだ。貴様とデートなど、反吐が出るほど嫌だ。死んだ方がマシだな」
「………………」
……この上なく拒否されている……
オフィガタス様だって、公爵家の方だ。それを相手にここまで言うなんて……
ベリレフェク様も、計画がバレて開き直る前は、領主様の前で丁寧な態度を取っていたし、どれだけ嫌でも、丁寧に器用に断りそうなのに……
まるで脈がないどころか、ひどく嫌われているみたいだ。これでよく領主様がどうこう言えたなぁ……
けれど、ここですっかり落ち込んでしまうかと思いきや、オフィガタス様はいきなり立ち上がって、ベリレフェク様に近づいて行く。
「おっ……俺は! こんなことでは引き下がらないぞっ……!! ベリレフェク!!」
「諦めろ」
「まっ……待ってくれ!! やはり、そうなのか!? ベリレフェク!! そこの男に強要されているのだな!?」
そう医務室どころか廊下と周辺一帯にまで聞こえてしまいそうな大声で言って、オフィガタス様は、あろうことか領主様を指差す。
その場にいたみんなが領主様の方に振り向いた。
それに気づいているのかいないのか、オフィガタス様は領主様に向かってますます声を張り上げる。
「お前がっ……ベリレフェクに強要しているのだろう!! この城にいて、お前に仕えることを!! そして奴隷のように扱っているんだ!」
「ちょっ……やめてください!!」
僕はすぐに二人の間に立った。
こんなところで、領主様の悪評を勝手に作られてたまるか!!
いずれここに来る王子は、この領地の惨状を見かねたと言って、領主様を断罪する。「横暴な領主様」の勝手な噂なんて聞きつけられたら、そのままバッドエンドの方に突き進んでしまうかもしれない。
オフィガタス様と領主様の関係がこのままなのも困る。二人には、この領地を守ってもらわなきゃ、ここは魔物で溢れてしまうんだから。
……それに……なによりもまず、こんな風にみんなの前で領主様を侮辱するなんて許せない!!
「領主様が、そんなことをするはずがありません!!」
「だが、ここで働くことになったのは領主の命令だろう!」
「それはっ…………確かにそうですがっ……!! あなたがおっしゃるのとは違います!! そうですよね!? 領主様!!」
振り向いて領主様に尋ねると、領主様は首を傾げる。
「なんのことだ? 俺は確かに、ベリレフェクにはここで働くように命じている」
「そ、それはっ……確かにそうですがっ……いやっ…………ち、違う!! 違います!! そうじゃないんです!!」
ベリレフェク様に酷いことなんてしてないんだから、そうオフィガタス様に分かってもらいたいのに。
それなのに、領主様はいつもと変わらない様子だ。ベリレフェク様に振り向いて言う。
「違わないだろう? もう、王城には返さない。これからずっと、俺に従ってもらうぞ」
「ち、ちょっと……! 領主様っ…………!」
なんでこんな時にこんなこと言うの!?? 確かにそういうことにはなっているけど、今そんなこと言ったら、絶対に誤解されるじゃないか!!
ベリレフェク様は、腕を組んで領主様を睨みつける。
「確かにそう言われているが、俺はお前にずっと従うつもりはない」
「そんな自由が、お前にあると思うのか?」
そう冷たく言って、領主様はベリレフェク様を睨みつける。
それを見て、オフィガタス様は領主様に向かって声を張り上げた。
「やはりそうかっ……!! ベリレフェクは、貴様の怒りに触れ、酷い扱いを受けているんだ!!」
彼がそんなふうに怒鳴るから、医務室にいたみんなが、領主様に振り向いた。
「やめてください!!」
叫んで、僕はオフィガタス様と対峙する。
「かっ、勝手なことばかり言わないでください!! それはあなたの妄想だって言ったじゃないですか!!」
「妄想だと!? 見てみろ!! ベリレフェクは、く、首輪までつけられて…………許さん!! 俺のベリレフェクだぞ!」
「それは魔力を勝手に使えないようにするためです!」
ついにオフィガタス様が剣を抜き、僕も魔法の杖を構えた。
領主様は、そんなに酷いことをしない。
だけど……ベリレフェク様のことはどう思ってるんだろう…………
「あ…………あの、いや…………そ、そうじゃない! 花も渡したかったのだが、俺はお前とデートを……」
「ごめんだ。貴様とデートなど、反吐が出るほど嫌だ。死んだ方がマシだな」
「………………」
……この上なく拒否されている……
オフィガタス様だって、公爵家の方だ。それを相手にここまで言うなんて……
ベリレフェク様も、計画がバレて開き直る前は、領主様の前で丁寧な態度を取っていたし、どれだけ嫌でも、丁寧に器用に断りそうなのに……
まるで脈がないどころか、ひどく嫌われているみたいだ。これでよく領主様がどうこう言えたなぁ……
けれど、ここですっかり落ち込んでしまうかと思いきや、オフィガタス様はいきなり立ち上がって、ベリレフェク様に近づいて行く。
「おっ……俺は! こんなことでは引き下がらないぞっ……!! ベリレフェク!!」
「諦めろ」
「まっ……待ってくれ!! やはり、そうなのか!? ベリレフェク!! そこの男に強要されているのだな!?」
そう医務室どころか廊下と周辺一帯にまで聞こえてしまいそうな大声で言って、オフィガタス様は、あろうことか領主様を指差す。
その場にいたみんなが領主様の方に振り向いた。
それに気づいているのかいないのか、オフィガタス様は領主様に向かってますます声を張り上げる。
「お前がっ……ベリレフェクに強要しているのだろう!! この城にいて、お前に仕えることを!! そして奴隷のように扱っているんだ!」
「ちょっ……やめてください!!」
僕はすぐに二人の間に立った。
こんなところで、領主様の悪評を勝手に作られてたまるか!!
いずれここに来る王子は、この領地の惨状を見かねたと言って、領主様を断罪する。「横暴な領主様」の勝手な噂なんて聞きつけられたら、そのままバッドエンドの方に突き進んでしまうかもしれない。
オフィガタス様と領主様の関係がこのままなのも困る。二人には、この領地を守ってもらわなきゃ、ここは魔物で溢れてしまうんだから。
……それに……なによりもまず、こんな風にみんなの前で領主様を侮辱するなんて許せない!!
「領主様が、そんなことをするはずがありません!!」
「だが、ここで働くことになったのは領主の命令だろう!」
「それはっ…………確かにそうですがっ……!! あなたがおっしゃるのとは違います!! そうですよね!? 領主様!!」
振り向いて領主様に尋ねると、領主様は首を傾げる。
「なんのことだ? 俺は確かに、ベリレフェクにはここで働くように命じている」
「そ、それはっ……確かにそうですがっ……いやっ…………ち、違う!! 違います!! そうじゃないんです!!」
ベリレフェク様に酷いことなんてしてないんだから、そうオフィガタス様に分かってもらいたいのに。
それなのに、領主様はいつもと変わらない様子だ。ベリレフェク様に振り向いて言う。
「違わないだろう? もう、王城には返さない。これからずっと、俺に従ってもらうぞ」
「ち、ちょっと……! 領主様っ…………!」
なんでこんな時にこんなこと言うの!?? 確かにそういうことにはなっているけど、今そんなこと言ったら、絶対に誤解されるじゃないか!!
ベリレフェク様は、腕を組んで領主様を睨みつける。
「確かにそう言われているが、俺はお前にずっと従うつもりはない」
「そんな自由が、お前にあると思うのか?」
そう冷たく言って、領主様はベリレフェク様を睨みつける。
それを見て、オフィガタス様は領主様に向かって声を張り上げた。
「やはりそうかっ……!! ベリレフェクは、貴様の怒りに触れ、酷い扱いを受けているんだ!!」
彼がそんなふうに怒鳴るから、医務室にいたみんなが、領主様に振り向いた。
「やめてください!!」
叫んで、僕はオフィガタス様と対峙する。
「かっ、勝手なことばかり言わないでください!! それはあなたの妄想だって言ったじゃないですか!!」
「妄想だと!? 見てみろ!! ベリレフェクは、く、首輪までつけられて…………許さん!! 俺のベリレフェクだぞ!」
「それは魔力を勝手に使えないようにするためです!」
ついにオフィガタス様が剣を抜き、僕も魔法の杖を構えた。
領主様は、そんなに酷いことをしない。
だけど……ベリレフェク様のことはどう思ってるんだろう…………
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