誰より重くて愛がないと言われる僕の後ろには、いつも監禁趣味のあいつがいる

迷路を跳ぶ狐

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95.僕の大好きな人はずっと僕のそばにいる

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 僕の目の前で、僕の大好きな人が、僕が一番好きな顔で笑う。

「何をされたい?」
「フューアの、指っ……欲しいっ……! 中っ……僕の中、グヂュグヂュして!! ……あっ!!」

 待ち侘びている後孔に少しだけ、指を立てられる。それなのに、それはすぐに抜かれて、代わりに媚薬が入ってきた。それは僕の中に染み渡り、勝手にそこを昂らせてしまう。

「あっ……あああああああっ!!」

 あまりに残酷な刺激に背中が反り返り跳ねた。だって、中は刺激してもらえないのに、勝手に熱くなっていく。早く奥まで抉り尽くしてくれないと、焼けたまま狂ってしまいそう。

 先からの刺激も止まらない。せめてこの暴虐な快楽から逃れたくて何度も腰を捻るのに、快感は僕の中で暴れ回るばかり。

「あっ……あーーっ……ぁっ…………」
「イッたのか? また? 本当にトラシュはいやらしい……」
「ち、ちがっ……だってっ…………だって……」
「……可愛すぎる…………やっと……やっと、俺のものだ…………」
「あっ……」

 ひどい……イってる途中で媚薬を押し入れるなんて。
 ただでさえ、ドロドロだった自身に、さらに熱いものが入ってくる。
 微かな悲鳴が漏れて、僕は意識すら焼き切れそうな快楽の中、イキ続けた。このままじゃ、死んでしまうんじゃないかとすら思った。

「……またイッた?」
「い、イってる……ぼく、フューア……が……好きだから…………フューアに触られて、い、イきたいっ……!」

 そう言った途端、僕の後孔に、熱いものが押し当てられた。散々焦らしてしまったフュイアルさんの欲望だ。
 長く弄られ続けて、ぐちゃぐちゃに濡れていたそこに、彼の肉棒が入ってくる。ずぶずぶとそれが僕の中を押し広げ、中を擦られるだけで、僕は絶頂を迎えてしまう。

 フュイアルさんは、すごく嬉しそうに笑った。

「トラシュ……もしかして、後ろでイくの、初めて?」

 僕にはもう、喘ぐことすらできなかったけど、フュイアルさんには分かったみたいだ。僕は後孔に挿れられて、気持ちいいって感じることなんて、初めてだ。だって、僕はいつも気持ちよくさせる側で、僕が気持ちよくしてもらうことなんて、なかったから。

 フュイアルさんは微笑んで、嬉しいって言ってくれた。

「じゃあ、俺がトラシュの初めての男ね?」

 僕は、今度は微かでも、頷いた。

 もう、フューアのことしか考えられない。

 大好きな人の欲が放たれるのを受け止めながら、僕自身も、ずっと溜まっていたものを吐き出した。







「フュイアルさんって、どうやったら死ぬんですか?」

 今までで一番真剣に聞いたのに、フュイアルさんから返ってきたのは、相変わらずのふざけた笑顔とムカつく返事。

「そうだなー。トラシュなら、いつか俺を殺せるかも。俺、トラシュには弱いから」
「ふざけないでください。死んでください。むしろ、僕が殺したいんですが、いいですか?」

 せめてもの仕返しに、ベッドの上で寝転がったまま聞くけど、フュイアルさんは、コーヒーを淹れながら、ダメって言った。

「だって俺、まだ全然抱き足りないから」
「まだ!? 一体、いつまでやる気だよ!!」

 初めてフュイアルさんに好きって言って、初めてフュイアルさんに抱かれた日から、僕は一週間、抱かれ続けた。もう無理って言ったのに、フュイアルさんは全然やめてくれない。ずっと抱かれて、泣き叫んで気絶した時だけ休ませてもらえる。もう、腰なんて動かない。それなのに、フュイアルさんは、まだ僕を離す気がないらしい。

 僕は首輪をつけられて布団の上でぐったりしているのに、フュイアルさんは、僕の頬をつついて楽しそう。
 やっぱり絶対、この人を好きなんて、何かの間違いなんじゃないのか。

「トラシュ……このまま、魔界に行かない?」

 フュイアルさんは、ベッドで隣で寝転んで、僕に微笑む。
 僕を動けなくしておきながら、何が魔界だ。誰がそんなところ行くもんか。

「行かないです……魔界なんか……死ねよ」
「えー……そんな可愛いこと言うと、また好きって言うまで拷問するよ?」
「やめろっ……!! す、好きだからっ……!!」

 慌てて言う僕に、フュイアルさんが優しくキスをしてくれる。
 それなのに、また僕の手首に鎖が巻きついてきて、僕をベッドに縛り付けてしまう。

「ふ、フューア!? な、なに!? ちゃんと好きって言っただろ!! 解け!!」
「聞いたけど……こんな可愛いトラシュ見たら、もう我慢できない……」
「やめろっ…………いやっ……!」

 拒絶する僕に、フュイアルさんは不気味な顔で笑う。

 やっぱり、こんな奴を好きなんて、気のせいだ。そう思いたいのに……やっぱり好きで、彼のものになりたくなる。結局その日も、彼に抱かれ続けることになった。


*誰より重くて愛がないと言われる僕の後ろには、いつも監禁趣味のあいつがいる*完
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