誰より重くて愛がないと言われる僕の後ろには、いつも監禁趣味のあいつがいる

迷路を跳ぶ狐

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番外編

104.本当に


「い、いや……フューアっ……! お願い……こ、こんなところでっ……!」
「誰も来ない。トラシュのいやらしいところ、見ていいのは俺だけだから」
「だったら家でやれよっっ!!」

 僕は結構もっともなことを言っていると思う。それなのにフュイアルさんはニコニコしたまま、僕の言うことなんて、まるで聞いてくれない。

「家まで待てないだろ。こんなにお漏らししてるくせに」
「ちがっ…………!」

 否定したいけど、違わない。だってもう、ずっと先走りが溢れているせいで、僕の股間の辺りに大きなシミができている。こんなの見られるなんて、恥ずかしくて死にそう。それなのに、フュイアルさんは、僕の頬に触れて腰に触れて、僕に体を擦り付けたまま、羞恥を植え付けるように、濡れたそこを撫で回す。

「うっ…………あっ……やだぁっ……!」

 どれだけ泣いたって、フュイアルさんは力を緩めてくれない。僕の体を媚薬の魔法で昂らせて、自分の魔力で中からくすぐって、僕の一番感じるところに触れて、喘ぐ僕を弄ぶ。
 せめて、媚薬か魔力か、どっちか止めてほしいのに、それどころか、やめてって叫ぶたびに、媚薬の魔法が強くなっていく気がした。

 もう、全身に彼の魔法と魔力が満ちて、気持ちよくてたまらない。
 すっかり彼に溺れてしまった僕は、僕を縛る鎖に締め付けられたまま、ねだるような声を上げていた。

「フューア…………あ、ぁ……も、もっと……」

 こんな風に縛られて喘ぐ僕じゃないのに……

 それなのに、鎖で強く縛られるたびに、痛いのに僕の欲望が震えてる。何度もぎゅうぎゃう締められて、その度に欲望の先から待ちきれないものが溢れていく。

「あっ…………あぁっ……い、いたっ……!! 痛いっ……ふゅーあぁっ……! や、やめてっ……!」
「本当に痛い? こんなに媚薬の魔法、使ってるのに?」
「はっ……!? お、お前っ……わ、わざとっ……! あっ…………あぁぁっ……! し、縛るのっ……い、いたっ……あぁっ……!」

 強く締め付けられているのに、フュイアルさんが媚薬の魔法を使うから、すぐに痛みなんて忘れるくらいの快楽が襲ってくる。この男は、僕の身体をいいように痛めつけながら、僕の身体を惑わしては快楽を教え込むんだ。

 こんなところで縛られて、股間もいじられて、嬲られながらも、イキたくてたまらないくらいに昂る僕に、僕を崩す男は、耳元で甘く囁く。

「本当に、痛いのか……? いやらしいトラシュが、気持ちよくなることしかしてないのに?」
「うっ…………あっ……い、いたぁっ……!」

 この男が言っていることは、本当だ。さっきから痛くて痛くて、泣くたびに鎖が僕を締め付けて、ずっと泣いているのに、気持ちよくてたまらない。僕はこの人に繋がれていたいんだ。逃げられないようにされてないと、不満なんだ。
 だけどこんなの認めたくない。僕自身がどうしようもないものって認めることのような気がする。そんなこともう分かってるけど、向き合うのは、まだ怖い。こんな面倒なところが原因で、この人に愛想つかされるのは、もっと怖い。

「あっ…………うあぁっ……!」
「……痛い? トラシュ…………」

 痛いって言いたいのに、我慢できないくらいに身体は焦らされている。
 目の前の男を見上げると、そいつは僕の好きな顔で微笑んでいた。
 この男は最低だ。ニコニコしながら、いっぱい優しくして油断させて、僕の全部を攫って行く。

「……き、きもちいい…………ふゅーあに、しばられて…………い、いきたいぃ……」
「可愛いっ……」

 そう言って、フュイアルさんが僕を抱きしめる。

「じっくり嬲った甲斐があった……トラシュの痛いも気持ちいいも、全部俺のもの。次は何を貰おうかな……?」
「うっ……うぁぁっ…………全部、フューアのだから……もうイカせて…………」

 泣きながら言う僕は、キツく縛られているのに、彼に貫かれたくて、腰を動かしている。ダラダラ流れた先走りは、すでにズボンの下で足をつたって落ちている。
 いやらしい姿を晒して服従する僕を見て、フュイアルさんは満足げに笑って、僕の服のボタンを外していった。

 こんなところで僕を辱める気だ……

 だけど、人払いをしたとはいえ、僕らはここに魔物退治をしにきたんだ。ふいに、僕らの頭上が暗くなって、あたりが影に包まれる。
 見上げたら、ビルの屋上から、空を覆い隠してしまうほどに巨大なタコのような魔物が湧いてきている。
 あちこちのビルの影からも、僕らの身長を軽く超えてしまうような巨大生物が、僕らを覗くように集まっていた。

 僕らの魔力に引き寄せられてきたんだ。すでに、僕らは大量の魔物に囲まれている。こんなのに一度に襲われたら、ひとたまりもない。ちょっと残念だけど、先に魔物を退治しなきゃいけない。

「ふゅ、ふゅーーあ…………ま、魔物が……」

 だけどフュイアルさんは、僕の涙を舐めて、僕の頬にキスをして、僕の股間をいじってる。

 こいつ、魔物が出たのに止める気まるでない!!

「ふ、フュイアルさんっ……! 敵が来てるっ!」
「……トラシュのエロいところ見たやつを、俺が生かしておくはずがないだろ?」

 彼がそう言うと、周りにいた魔物は突然切り裂かれ、灰のように細かくなって消えてしまった。

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