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38.えーっと……どういうこと?
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砦の中を魔法で温めた僕は、明日、宰相様の部隊の方々がいらっしゃることも考えて、砦の中の結界や装備を確認することにした。
宰相様たちも、砦の中の状況を見ておきたいみたいだったから、僕が案内して回ることになった。
なくなった婚約のこと、ちょっと思い出すし、気まずいような気がしていたけど……宰相様だって、気にしているような感じはないし、僕も考えなくて大丈夫だよね!
僕の周りを飛んでいる竜と一緒に、宰相様と歩いていると、宰相様は心配そうに言う。
「フィルロファル……案内なんて、いいよ。俺とヴィクトウェトルで、回復が終わったオフィセイールの部隊の魔法使いに聞くから……君も、ちゃんと回復した方がいい」
「大丈夫です!! 魔力は回復したし、僕は部隊のみんなと竜さんが助けてくれたおかげで、体の回復は必要ありませんから……僕が普段管理してる砦だし、案内は任せてください!」
そしたら、そんなに心配することもなくなるはず!!
僕は、いつもオフィセイール様の部隊のみんなにするみたいに、砦にある魔法の道具の話をしながら歩いた。
砦の装備を見て、宰相様も少し驚いているようだ。
「砦を守るための結界……随分、強化してあるみたいだね……」
「はい。魔物はほとんど増えていませんが、念のため……結界は日頃から用意しておくと、突然強力な敵が現れた時にも対処しやすいので……」
「そうか…………今回も、君たちに助けられたね……」
「僕たちだって、もしもの時にはこの地を守ることに力を貸すためにいるんです! 残党たちの捕縛だって、街の安全を守ることだって、僕らの重要な任務です!」
すると、一緒にすぐそばを飛んでいた竜が、楽しげに言う。
「これからは、僕もいるしね!! この砦も山も、僕の縄張りだもん!! ふざけた真似をする敵は、僕が殲滅してあげるね!」
「……殲滅はいいので……えっと……砦の防衛にだけ、力を貸してください……」
「えーー、それでいいの?」
「はい……あ、後で、結界の魔法の道具に、魔力を注ぎに行くんです!! あの……て、手伝ってもらえますか?」
「もちろーん!! そんなことなら、僕に任せてーー!!」
そう言って、竜は飛び回っている。なんだか楽しそう。よかった……僕、全然魔力はないから、竜がいてくれると心強い。
魔法の道具を保管する部屋に着くと、宰相様は、その一つ一つを確認して言う。
「……どれも、ちゃんと整備されている。それどころか、強化までしてあるのか……これがあれば、この砦での横領事件の調査も、すぐに終わりそうだ……整備しておいてくれていたの?」
「は、はい……いずれ必要になるだろうと思っていましたから……調査の役に立てるなら、用意していてよかったです!」
「……砦を守る結界も……準備できていたんだね……ここの状況については、レオトウェルラレットから聞いていたけど……」
「……宰相様……?」
「……改めて見て、驚いたよ。君の修復の魔法は、俺が思っていた以上の威力だ」
「そ、そうですか……? ここにあるものが直るのが楽しくて、よくやっていたので……」
「竜の魔力を抑えたのも、その魔法だろう?」
「はい……よければ、宰相様のローブも修復します」
「え…………?」
「よほど急いで飛んで来てくださったんですよね? ローブが破れているのは、襲ってくる魔物を振り切ったからですか?」
「いや……止めるヴィクトウェトルを振り切った時だ…………」
「…………」
「ま、魔物とも戦って来た! その……だけどやっぱり、ヴィクトウェトルの方が手強いかな……」
「……え、えっと……残党の確保も終わりましたし、ここはもう大丈夫です! 僕も砦を管理するために改善できるところはしていくつもりです。宰相様が、そんなふうに飛んでこなくてもいいように!」
だから、もうここには構わなくていい。もちろん、今回は緊急事態だったんだし、王都を狙う凶悪な敵なんて聞いたら、宰相様だって放っておけないだろう。だけど、話を聞けば聞くほど、やけにこの砦のことを心配させてしまっていたようだったから……
そんなことを考えながら、宰相様を見上げていたら、彼は僕に振り向いた。
「……フィルロファル…………」
「……? どうかなさいましたか?」
「…………飛んで来たのは……俺が勝手にしたことだから、気にしなくていい……その…………」
それだけ言って、宰相様は僕を見下ろしている。
ど、どうしたんだろう…………
宰相様、急に黙っちゃった……
何か、そんなに言いにくいことがあるのかな?? 警備の強化が足りなかった? もしかして、処分!? あ! 砦で宴会してまだちょっと散らかったままなのがまずかった!??
ハラハラしていると、宰相様は、酷く言いづらそうに口を開いた。
「後で、この魔法のこと、教えてもらえないかな? 修復した魔法の道具のこととか……」
「え…………?」
道具のことって……ここにあるものの話は全部したはずだけど……まだ何か、大事な話があるのかな?
「ここにあるものでは、不十分ですか?」
「いや……そんなことはないよ。ただ…………これだけ修復できていると思ってなくて、聞いてみたくなったんだ」
「…………??」
よく分からないけど、宰相様は、僕から顔を背けてしまう。
…………もしかして、ここにある魔法の道具、もう少し詳しく確認しておきたいってことかな??
「だったら、今度報告書をお渡しします!」
「ほ、報告書!?」
「はい! それなら、王城に帰ってからも、じっくり確認できます!! 他の貴族の方々に、ここのことを報告するためにも、あった方がいいですよね!」
「……えっと……報告書じゃなくて、その…………俺がここにいる間に話をしたくて……」
「話…………あ! 部隊の方々も集めて、会議ですね!!」
「……」
「任せてください!! 部隊の方々にも報告できるように、準備しておきますから!」
「………………」
宰相様たちも、砦の中の状況を見ておきたいみたいだったから、僕が案内して回ることになった。
なくなった婚約のこと、ちょっと思い出すし、気まずいような気がしていたけど……宰相様だって、気にしているような感じはないし、僕も考えなくて大丈夫だよね!
僕の周りを飛んでいる竜と一緒に、宰相様と歩いていると、宰相様は心配そうに言う。
「フィルロファル……案内なんて、いいよ。俺とヴィクトウェトルで、回復が終わったオフィセイールの部隊の魔法使いに聞くから……君も、ちゃんと回復した方がいい」
「大丈夫です!! 魔力は回復したし、僕は部隊のみんなと竜さんが助けてくれたおかげで、体の回復は必要ありませんから……僕が普段管理してる砦だし、案内は任せてください!」
そしたら、そんなに心配することもなくなるはず!!
僕は、いつもオフィセイール様の部隊のみんなにするみたいに、砦にある魔法の道具の話をしながら歩いた。
砦の装備を見て、宰相様も少し驚いているようだ。
「砦を守るための結界……随分、強化してあるみたいだね……」
「はい。魔物はほとんど増えていませんが、念のため……結界は日頃から用意しておくと、突然強力な敵が現れた時にも対処しやすいので……」
「そうか…………今回も、君たちに助けられたね……」
「僕たちだって、もしもの時にはこの地を守ることに力を貸すためにいるんです! 残党たちの捕縛だって、街の安全を守ることだって、僕らの重要な任務です!」
すると、一緒にすぐそばを飛んでいた竜が、楽しげに言う。
「これからは、僕もいるしね!! この砦も山も、僕の縄張りだもん!! ふざけた真似をする敵は、僕が殲滅してあげるね!」
「……殲滅はいいので……えっと……砦の防衛にだけ、力を貸してください……」
「えーー、それでいいの?」
「はい……あ、後で、結界の魔法の道具に、魔力を注ぎに行くんです!! あの……て、手伝ってもらえますか?」
「もちろーん!! そんなことなら、僕に任せてーー!!」
そう言って、竜は飛び回っている。なんだか楽しそう。よかった……僕、全然魔力はないから、竜がいてくれると心強い。
魔法の道具を保管する部屋に着くと、宰相様は、その一つ一つを確認して言う。
「……どれも、ちゃんと整備されている。それどころか、強化までしてあるのか……これがあれば、この砦での横領事件の調査も、すぐに終わりそうだ……整備しておいてくれていたの?」
「は、はい……いずれ必要になるだろうと思っていましたから……調査の役に立てるなら、用意していてよかったです!」
「……砦を守る結界も……準備できていたんだね……ここの状況については、レオトウェルラレットから聞いていたけど……」
「……宰相様……?」
「……改めて見て、驚いたよ。君の修復の魔法は、俺が思っていた以上の威力だ」
「そ、そうですか……? ここにあるものが直るのが楽しくて、よくやっていたので……」
「竜の魔力を抑えたのも、その魔法だろう?」
「はい……よければ、宰相様のローブも修復します」
「え…………?」
「よほど急いで飛んで来てくださったんですよね? ローブが破れているのは、襲ってくる魔物を振り切ったからですか?」
「いや……止めるヴィクトウェトルを振り切った時だ…………」
「…………」
「ま、魔物とも戦って来た! その……だけどやっぱり、ヴィクトウェトルの方が手強いかな……」
「……え、えっと……残党の確保も終わりましたし、ここはもう大丈夫です! 僕も砦を管理するために改善できるところはしていくつもりです。宰相様が、そんなふうに飛んでこなくてもいいように!」
だから、もうここには構わなくていい。もちろん、今回は緊急事態だったんだし、王都を狙う凶悪な敵なんて聞いたら、宰相様だって放っておけないだろう。だけど、話を聞けば聞くほど、やけにこの砦のことを心配させてしまっていたようだったから……
そんなことを考えながら、宰相様を見上げていたら、彼は僕に振り向いた。
「……フィルロファル…………」
「……? どうかなさいましたか?」
「…………飛んで来たのは……俺が勝手にしたことだから、気にしなくていい……その…………」
それだけ言って、宰相様は僕を見下ろしている。
ど、どうしたんだろう…………
宰相様、急に黙っちゃった……
何か、そんなに言いにくいことがあるのかな?? 警備の強化が足りなかった? もしかして、処分!? あ! 砦で宴会してまだちょっと散らかったままなのがまずかった!??
ハラハラしていると、宰相様は、酷く言いづらそうに口を開いた。
「後で、この魔法のこと、教えてもらえないかな? 修復した魔法の道具のこととか……」
「え…………?」
道具のことって……ここにあるものの話は全部したはずだけど……まだ何か、大事な話があるのかな?
「ここにあるものでは、不十分ですか?」
「いや……そんなことはないよ。ただ…………これだけ修復できていると思ってなくて、聞いてみたくなったんだ」
「…………??」
よく分からないけど、宰相様は、僕から顔を背けてしまう。
…………もしかして、ここにある魔法の道具、もう少し詳しく確認しておきたいってことかな??
「だったら、今度報告書をお渡しします!」
「ほ、報告書!?」
「はい! それなら、王城に帰ってからも、じっくり確認できます!! 他の貴族の方々に、ここのことを報告するためにも、あった方がいいですよね!」
「……えっと……報告書じゃなくて、その…………俺がここにいる間に話をしたくて……」
「話…………あ! 部隊の方々も集めて、会議ですね!!」
「……」
「任せてください!! 部隊の方々にも報告できるように、準備しておきますから!」
「………………」
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