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15.これ、命令なんだけど?
俺がウィンルゼンド様をお守りするんだ……
そう決意を新たにしながら荷物をしまっていたら、背後からそっと声をかけられた。
「フィリレジレク…………」
「は、はい……!」
やばっ……エロいことばっかり考えてるの、バレた!?
振り向いたら、ウィンルゼンド様はベッドの上に座っていた。
薄い間接照明に照らされて、寝巻きから出た彼の肌が際立っていて……い、色気がすごいっ…………
それは無意識ですか!?? 美しすぎて声が出ません!
「そろそろ寝ようか」
「へっ……!? あ、はいっ……そ、そうですねー……」
下心を覆い隠したせいで、声が裏返ってる……
落ち着け、俺……
下心なんて、何もない。
俺は護衛としてここにいるだけ。それなのに、性的な欲望に塗れた目でウィンルゼンド様を見つめて、どういうつもりだ。
俺は、この方の身の安全を確保するためにいる、いわば生きた結界だ! この方に手を出すなど、とんでもない!
「では、俺は見張りをします。照明を消しますので、おやすみなさいませ」
「は? 何言ってるの?」
たずねるウィンルゼンド様が首を傾げる。
そんな姿を見ただけでも、鼓動が高鳴るのに、彼はとんでもないことを言い出した。
「フィリレジレクも、ちゃんと寝ないとだめ」
「……えっ…………で、でもっ……俺は護衛です! 結界と見張りは、俺に任せてください!」
「だめ。フィリレジレクだって疲れてるだろ? 部隊を抜けてくるのだって大変だっただろうし、急いで準備をして、俺に挨拶をしにきてくれたんじゃないのか?」
「それはっ……俺がウィンルゼンド様にお会いしたかったんです!! それに、俺はウィンルゼンド様の護衛としてここにいさせてもらっている身です。それなのに…………」
「護衛なら、結界を張ればいい。俺とフィリレジレクの二人で」
「そ、そんなっ…………俺のことなら、ご心配は無用です! 一人でずっと警備をすることなら、慣れていますし…………どうか、俺のことはお構いなくっ……っっ!!」
そう言ったら、ぎゅっと、強く手首を握られてしまう。
ウィンルゼンド様は、ひどく真剣な顔をしていた。
「……俺の言うことが聞けないのか?」
「……っ!?」
どうしたんだろう……ウィンルゼンド様……
急に口調が強い。
「馬鹿なことを言うな。俺の屋敷に来るまで、尋問されたり、城を出る前に言いつけられたことをこなしたりしているはずだ」
「……それは………」
確かに、そんなことはあった。だけど、回収し損ねた素材のことを聞かれた時、少し強めに聞かれたくらいだ。こっそり魔法で自分自身のことを守っていたし、追い出されること自体はすんなり了承したから、ちょっと時間がかかって大変だったくらいで、俺は別になんともない。俺のことより、ウィンルゼンド様の方が大切だ。
「そのようなこと、俺は全然気にしてません! 俺、体力ありますからっ! 俺のことよりっ……ウィンルゼンド様のことの方……が…………」
俺が話している間にも、ウィンルゼンド様の目が、冷たさを増していく。
掴まれた手首が、少しだけ痛い。あの屋敷で拘束された時も、枷で腕が痛いことなんかなかったのに。
それに……目も。
俺とお茶をして雑談をしているときは、いつも優しいその目が、今はひどく鋭い。魔法のことを考えている時みたいだ。
「……俺の命令が聞けないのか?」
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