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18.遠ざかるはずだったのに!
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ど、どうしよう…………ヴァンフィルイト様、そんなに怒っていたなんて…………
戸惑うばかりの僕を、ヴァンフィルイト様が、きつく抱きしめる。
「嬉しそうにしてないか?」
「…………え……?」
「俺に繋がれることが嬉しいのか?」
「ち、ちがっ…………う、嬉しそうになんてっ……してませんっ!! だ、だっ……て……首輪とか、鎖とか…………なんで、そんなもの…………ご、護衛には、必要ありません…………よね……?」
「そうしたら、二度と逃げられないだろう?」
「え…………?」
「離れることもできない。俺のもとにいるしかなくなる」
「………………」
確かに……そうだけど……え?? え!!??
ぼ、僕……逃げないのに……
やっぱり、怒っている? 僕が断ったこと…………だから、そんなことを言うのか?
もしかして冗談かと思ったけど、僕を見下ろすヴァンフィルイト様の目は、そんなことを言う時のそれには見えない。
……そんな風に怒るほど……
僕に部隊にいてほしいって、思ってくれていたのかな…………
「あ、あのっ…………ヴァンフィルイト様…………ほ、本当に…………僕が護衛で……いいんですか?」
「……ああ。勿論だ」
言われて、感情がぐらつく。
僕の存在が、ヴァンフィルイト様にとって迷惑になることは分かっているけど…………
そんな風に、僕がいいって、言ってくれるんだ……
彼の手が、そっと僕の耳の辺りに触れた。
「んっ…………!」
少し触れられているだけなのに、そうされるのが、気持ち良くなってきた。
こんな風に、簡単に触れるような人だったかな?
僕も、彼のことをそこまで知っているわけじゃない。彼のことで知らないことはたくさんあるんだろう。実際、そこまで僕をほしいと思ってくれていることにも、気づけなかった。
……お仕えできるのは短い間かもしれないけど……この間に、もう少し彼のことを知れたらいいな……
ずっと彼から目を離せないでいたら、背後から伯爵の声がした。
「ま、待ってくださいっ……! その男には、私が話があるんですっ…………!」
伯爵が、僕達の方に向かって怒鳴る。
それに振り向いたヴァンフィルイト様の目は、ひどく冷たい。
「そんなもの、俺の護衛に聞かせる必要はない」
「はっ……!?」
「貴様……俺の護衛に何をしていた? 彼はすでに、貴様の部下などではない。俺のもとに殿下が寄越した護衛だ。俺のものだ。それなのに…………部隊の出発前に、彼に何をしていた?」
「それはっ…………と、当然の罰です!! 私の言ったことを守らないからっ……!」
「彼が貴様の言ったことを守る道理はない。これはもう、俺の護衛だ…………これから何があっても貴様が使うな。俺だけのものだ…………」
「…………」
呆然とする伯爵を尻目に、彼は僕を抱き寄せる。
「ひゃっ…………!?」
びっくりして、それでも彼から目を離せなくなっていたら、頬が、かすかにくすぐったい。
…………あ……さっき、ぶたれたところだ……
ヴァンフィルイト様が、回復の魔法をかけてくれたんだ。
回復の魔法だけなのに、ヴァンフィルイト様にかけてもらったら、なんだか気持ちいい。
「んっ…………」
「……他に……怪我をしたところはないか?」
「な、ないっ……ないですっ……ないっ……からっ…………っ!」
ないって言っているのに、彼の手は、僕の頬をくすぐる。優しい手つきで触られたかと思えば、強く抱きしめられた。
微かな抵抗を続けていたせいか、体が熱くてたまらない。彼の腕の力まで強く感じるし、少し触られただけで、彼に包まれているみたいだ……
だけど、そんなことをしていたら、伯爵が僕を睨みつけて言う。
「……どういうつもりですか…………本当に、その男を連れていくつもりですか!? 王家派から送られた、その男を!!」
喚くその男は、僕を指差していた。自分で行けって言っておきながら、この男は何を言っているんだ。
「もちろんだ」
そう言う彼の腕が、僕の体を隠すように包んでいく。
……な……なんだか、だんだんエスカレートしている気がする…………
僕は護衛になるって言ったのに、せっかく手に入れたものを離すかと言わんばかりに捕まえられて、これじゃ、全く身動きできない。
もうこれは、護衛にならないんじゃないか? むしろ、なんで護衛の僕が、こんなことされるの?
微かに抵抗しようとしたら、ますます強く抱きしめられた。
「…………ぅっ……」
「俺から逃げようとは、いい度胸だ」
「……うっ…………」
「大人しくしていろと言ったはずだ…………」
「でもっ……」
「そう焦るな。首輪なら、後で頑丈なものをつけてやる」
いりませんっ!!!!
なんで僕がそんなのつけられるの!?
…………それをつけたら、僕は彼のそばにいられる…………のかな……?
……って、そうじゃなくてっ…………
近づかないつもりだったのに、早速こんなに近づいちゃっている。近づくどころか、抱きしめられている。
こんなつもりじゃなかったのに……な、なんでこんなことになってるんだ!??
だけど、こうしてもらえているのが、ひどく嬉しくて、つい大人しくなってしまう僕。
何してるんだ……すっかり言いなりじゃないか…………
戸惑うばかりの僕を、ヴァンフィルイト様が、きつく抱きしめる。
「嬉しそうにしてないか?」
「…………え……?」
「俺に繋がれることが嬉しいのか?」
「ち、ちがっ…………う、嬉しそうになんてっ……してませんっ!! だ、だっ……て……首輪とか、鎖とか…………なんで、そんなもの…………ご、護衛には、必要ありません…………よね……?」
「そうしたら、二度と逃げられないだろう?」
「え…………?」
「離れることもできない。俺のもとにいるしかなくなる」
「………………」
確かに……そうだけど……え?? え!!??
ぼ、僕……逃げないのに……
やっぱり、怒っている? 僕が断ったこと…………だから、そんなことを言うのか?
もしかして冗談かと思ったけど、僕を見下ろすヴァンフィルイト様の目は、そんなことを言う時のそれには見えない。
……そんな風に怒るほど……
僕に部隊にいてほしいって、思ってくれていたのかな…………
「あ、あのっ…………ヴァンフィルイト様…………ほ、本当に…………僕が護衛で……いいんですか?」
「……ああ。勿論だ」
言われて、感情がぐらつく。
僕の存在が、ヴァンフィルイト様にとって迷惑になることは分かっているけど…………
そんな風に、僕がいいって、言ってくれるんだ……
彼の手が、そっと僕の耳の辺りに触れた。
「んっ…………!」
少し触れられているだけなのに、そうされるのが、気持ち良くなってきた。
こんな風に、簡単に触れるような人だったかな?
僕も、彼のことをそこまで知っているわけじゃない。彼のことで知らないことはたくさんあるんだろう。実際、そこまで僕をほしいと思ってくれていることにも、気づけなかった。
……お仕えできるのは短い間かもしれないけど……この間に、もう少し彼のことを知れたらいいな……
ずっと彼から目を離せないでいたら、背後から伯爵の声がした。
「ま、待ってくださいっ……! その男には、私が話があるんですっ…………!」
伯爵が、僕達の方に向かって怒鳴る。
それに振り向いたヴァンフィルイト様の目は、ひどく冷たい。
「そんなもの、俺の護衛に聞かせる必要はない」
「はっ……!?」
「貴様……俺の護衛に何をしていた? 彼はすでに、貴様の部下などではない。俺のもとに殿下が寄越した護衛だ。俺のものだ。それなのに…………部隊の出発前に、彼に何をしていた?」
「それはっ…………と、当然の罰です!! 私の言ったことを守らないからっ……!」
「彼が貴様の言ったことを守る道理はない。これはもう、俺の護衛だ…………これから何があっても貴様が使うな。俺だけのものだ…………」
「…………」
呆然とする伯爵を尻目に、彼は僕を抱き寄せる。
「ひゃっ…………!?」
びっくりして、それでも彼から目を離せなくなっていたら、頬が、かすかにくすぐったい。
…………あ……さっき、ぶたれたところだ……
ヴァンフィルイト様が、回復の魔法をかけてくれたんだ。
回復の魔法だけなのに、ヴァンフィルイト様にかけてもらったら、なんだか気持ちいい。
「んっ…………」
「……他に……怪我をしたところはないか?」
「な、ないっ……ないですっ……ないっ……からっ…………っ!」
ないって言っているのに、彼の手は、僕の頬をくすぐる。優しい手つきで触られたかと思えば、強く抱きしめられた。
微かな抵抗を続けていたせいか、体が熱くてたまらない。彼の腕の力まで強く感じるし、少し触られただけで、彼に包まれているみたいだ……
だけど、そんなことをしていたら、伯爵が僕を睨みつけて言う。
「……どういうつもりですか…………本当に、その男を連れていくつもりですか!? 王家派から送られた、その男を!!」
喚くその男は、僕を指差していた。自分で行けって言っておきながら、この男は何を言っているんだ。
「もちろんだ」
そう言う彼の腕が、僕の体を隠すように包んでいく。
……な……なんだか、だんだんエスカレートしている気がする…………
僕は護衛になるって言ったのに、せっかく手に入れたものを離すかと言わんばかりに捕まえられて、これじゃ、全く身動きできない。
もうこれは、護衛にならないんじゃないか? むしろ、なんで護衛の僕が、こんなことされるの?
微かに抵抗しようとしたら、ますます強く抱きしめられた。
「…………ぅっ……」
「俺から逃げようとは、いい度胸だ」
「……うっ…………」
「大人しくしていろと言ったはずだ…………」
「でもっ……」
「そう焦るな。首輪なら、後で頑丈なものをつけてやる」
いりませんっ!!!!
なんで僕がそんなのつけられるの!?
…………それをつけたら、僕は彼のそばにいられる…………のかな……?
……って、そうじゃなくてっ…………
近づかないつもりだったのに、早速こんなに近づいちゃっている。近づくどころか、抱きしめられている。
こんなつもりじゃなかったのに……な、なんでこんなことになってるんだ!??
だけど、こうしてもらえているのが、ひどく嬉しくて、つい大人しくなってしまう僕。
何してるんだ……すっかり言いなりじゃないか…………
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