冷遇された僕、思いが募るばかりなので遠ざかったら嫉妬心を見せつけた隊長が襲いかかってくる。僕じゃなくても良い、邪魔するなって言ってたのに……

迷路を跳ぶ狐

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72.ひと足先に

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 なんでこんなことになってるんだ? もう、このまま出してイっちゃいそう。

「……ぅっ…………あ、あのっ……媚薬って…………た、隊長……じ、冗談ですよね!?」
「本気だ。感じているんじゃないのか?」
「…………」

 そんなに嬉しそうな顔で、何言ってるんだろう……
 本気って、じゃあ本当に僕に媚薬の魔法をかけたの!? なんで!!??

「ご、ご冗談はやめてくださいっっ……!! なんでこんなことをっっ…………だってさっき、すまなかったってっっ…………!!」
「俺が婚約の話をしたことを覚えているか?」
「え…………ぁ……もちろん…………です……」
「……そうか…………魔法も……効いているようだな」
「……きっ……効いて、なんて……」

 効いてなんかない。そう言いたいけど……

 効いてる……絶対効いてる!! 体が熱くて、まっすぐ歩くのが辛くなりそうだ。

 何してるんだ……? 僕……

 腰の下からも熱が生まれて、下半身が震えている。ずっと優しくくすぐられているようで、力が抜けていく。

「ぅっ…………ぁ、ま、魔法っ……といてぇ…………」

 立つのが辛くなって、隊長の体によりかかったら、気持ちよくてたまらない。
 そんな風にろくに動けない僕を、隊長は支えながら歩いてくれて、僕に囁いた。

「今度は絶対に断らせない。デフィトリュウィク……俺と、婚約しろ」

 …………それは、魔法を解いてから言ってください!!!!
 ……いや……僕が面倒臭いからか……でもだからって、これは困るっ…………!!
 もう下半身が熱くて、むずむずして仕方ない。

「あ…………」

 隊長を見上げる。彼はずっと、僕を見下ろしているようだった。その視線に囚われていたような気がして、ますます心臓が高鳴る。

「えっと…………ぅ……」

 どうしよう…………やっぱり……変だ……

 なんだかフラフラする……体も痺れていくみたいで、力が抜けそうだ。僕がそんな風に全身の力を抜いて寄りかかっているのに、隊長はびくともしない。

 ……さすが……隊長だなぁ……力強い。隊長の体なら、僕の体の全部、簡単に受け止められるんだ……

 体の奥から熱くなって、歩くたびに、足を動かすたびに、なんだか……気持ちいい? 足が触れ合って、服が擦れるだけで……股間のそれを刺激されているみたいだ。

「う…………」
「デフィトリュウィク……俺が運んでいく。力を抜いていい」
「た、隊長っ…………!! 待ってくださいっ……! 僕、見回りをしないと……」
「それならもう、終わっている」
「え……?」
「ひと足先に終わらせている。さあ、行こう」
「でも……待って…………あ、あのっ……びっ……媚薬の魔法って、なんですかっ……僕、あのっ……こ、困りますっ……魔法を解いてっっ…………! こっ……侯爵様ぁ…………!!??」

 なんだ、今の声っ……! 隊長相手に、甘えるような声出して。まるで、ねだってるみたいじゃないか! 自分で聞いているだけで恥ずかしいっ……! 魔法を解いてもらうはずだったのに……

「んっ…………あのっ……!」
「……侯爵様か…………」
「え……?」
「まだ慣れないな」
「……?」

 ……慣れないって、どういうことだ?

 そうか。まだ侯爵様になったばかりだから……

「す……すみません。僕……隊長は、隊長なのに……ち、力が入らなくてっ…………」
「そうか……そんなにやりたいのか?」
「はっ……!? ち、ちがっ…………!!」

 そんなことを言いながら、もう勃っているんじゃないか……?
 明らかな異変に気づいたその時には、僕はすっかり隊長に身を委ねていて、自分では歩くことすらできなくなっていた。

 体が震える。魔法を解いてもらうはずだったのに、快感で体が疼いているようだ。

「えっ……と…………た、隊長…………ち、ちゃんと話をするので……あの、魔法を……」
「……嫌だ」
「そ、そんなっ……! 話しなら、ちゃんとしますからっ……!!」
「その状態なら、俺しか見れないだろう? そうでないと……嫉妬する」
「嫉妬………………?」

 嫉妬って……なんだ? なんで、隊長がそんな風に嫉妬するんだ? 僕はずっと隊長のことしか、考えてないのにっ……!!

 それに、僕の方が、よほど嫉妬している。隊長は侯爵様で、いつも、たくさんの人の注目を浴びているじゃないか。僕だって、いつも隊長のそばに行きたいのに……

 それなのに、隊長は僕を見下ろして言う。

「好きだ。デフィトリュウィク……俺と、婚約してほしい…………」
「隊長…………ぅっ……ぁっ…………! あっ……やっ……そ、その前にっ……魔法、解いてっ……ひゃっ!」

 解いてって言いながらも、僕はもう歩けなくて、隊長に寄りかかる。すると彼は、「人が来ないところに行くか」と言って、僕を連れて行ってしまった。
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