君は俺の光

もものみ

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決意ー優月sideー

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 きっかけは、偶然町中で美女と寄り添って歩く陽仁を見たことだった。特徴を覚えてそれとなく調べてみると、相手はすぐに分かった。名家のご令嬢で、陽仁の実家の企業とも取引がある。それに目撃した時の様子、陽仁に気があるのは間違いなかった。

(いい人ができたら教えるって約束したのに…はる君の嘘つき。)

 調べ終えて、優月は心の中で悪態をついた。彼女がはる君にとって”いい人”であることは一目瞭然だ。まあ、優月と比べればたいていの相手はそうなってしまうかもしれないな、と優月は自嘲する。
 このことに気づいた日、優月はこっそり泣いた。気が付けば頬に涙が伝っていたのだ。愛しい人と離れなければならない。もちろんその思いもあったが、その涙の大部分は、この世界で一番大事な人を己のために縛り付けてしまったことへの罪悪感と、情けなさからだったように思う。涙が出たのは幼いころ以来初めてで、もう自分には涙腺が無くなってしまったのではないかとすら思っていたのに、優月は頬を伝う涙を止めることはできなかった。

 いい加減、陽仁を自由にしてあげよう。そう思いはしたものの、優月はなかなか実行に移せずにいた。優月がいなくなったって陽仁は大丈夫だろう。では、優月は?幸いいくつかの企業から在宅の仕事を請け負って代行していたのでお金の問題はなかった。では次に、住むところは?それに、陽仁になんて言おうか、などなど問題が山積みだったのだ。…そうは言いつつも実のところ一番問題だったのは優月自身だった。自覚はなかったがおそらくこの時はまだ陽仁と離れる決心がついていなかったのだ。

 そうこうして住む家だとか在宅以外にもできる仕事だとか、いろいろと考えて計画を練りつつ普段通りすごしていた。しばらくそうして過ごしていると、あるときから優月はなぜだか頻繁に体調不良を起こすようになった。幼いころから体は弱かったがこのところよくなってきていたはずだったので優月は不思議に思った。めまいがしたり吐き気がしたり、最終的に昼間家に一人でいるときに貧血を起こして倒れてしまった。少し休めば平気になったのだがその日は全然思うように家事ができず、ご飯を作ろうとすると気分が悪くなってしまて、結局夕飯は作り置きでしのいだ。

 これではだめだ、そう思って優月は病院に行った。まず問診を受け、いくつか検査を受けた。

「妊娠してますね。」

 不安な心持ちで待つ優月に、医師はそう告げた。
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