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二章:共助/共犯
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ハチの車が止まったのはモーテルだった。かなり寂れた印象がある。外壁は雨に打たれ風に吹かれ塗装は剥げて落ちている。特に修繕した様子もなく、建築されたときからそのままの姿で月日を重ねているようにみえた。
車は停まってはいたが、廃車寸前と思われる見てくれだったから、建物と同様にそのまま放置されているものではないかとユーマは思った。
「外は酷いけど中は綺麗だから」
「ホントに?」
思わず訝しげに声を上げたユーマだったが、ハチは特に答えずに車を降りた。それに従って降りるしか選択肢はなく、ユーマも助手席から降りてドアを閉めた。
後ろからいくつか購入してきた銃器類を入れたカバンを取り出して、ハチはユーマを先導する。それに着いて行きながら、ユーマはあたりを見回していた。
他に誰かが住んでいるような様子はなかった。既に太陽も低くなりはじめていた。しかしまだ明るくて、本来ならば人の通りもある程度ありそうなものだ。そういったものもないし、営みを感じさせる活気がない。音がないのだと気づいてユーマはハチに問いかけた。
「他に誰か住んでないの?」
「いないよ。ここの建物は一応全部俺のモノ」
「へぇ。維持費大変そう」
「見てくれ気にしなきゃさほどかかんないよ」
そう言ってハチは二階へと上がる階段へと向かう。それについてユーマも階段を上がって廊下を歩いて行く。一階には三つの扉が、二階には四つの扉があった。ハチは迷うことなく二階の三つ目の扉まで歩くとドアノブに触れる。扉のスコープ部分に顔を近づけると、カチャリと解錠する音がした。
ノブで指紋や静脈の認証を行い、スコープは虹彩認証だ。建物の見た目によらないセキュリティはセーフハウスとしては正しく思えた。
扉を開けたところでハチは立ち止まり振り返った。
「結構風景もいいよ」
言われて外を向くと、何もない土地が広がっていた。今まで通ってきた道がずっと東に延びている。その先にごちゃごちゃと見えるビルの山はあの街だとすぐに分かる。
南、北の方角に視線を向けると、少し離れた場所にはビルがあった。違う街であり、おなじ国のはずなのに遠く感じられる街が二つ。どちらも離れている。そしてどちらも遠く、何もない荒野の先に蜃気楼のように建っていた。
「なんか、こんなに他の建物がないの初めてみたかも」
「マジで?」
「うん」
部屋に入ったハチに続いて、ユーマは視線を戻すと部屋の中へ一歩踏み入れた。
「おじゃまします」
手を添えたまま扉を閉めると、カチャリと音がして自動で施錠された。電気も自動でついた様子で、ハチは土足のまま中へと歩いて行く。
「まぁ気楽にしてよ」
「……っいうか、広くね?」
思わず漏らした声と共にユーマは左右の方向を見ていた。一室というには広く感じる。おそらく外にあった別の扉がある部屋に繋がっているのだろうと思わしき引き戸が左右に一つずつあった。それを抜きにしても一室は広々としている。
入ってすぐの部屋にはテーブルとチェアがあり、奥にはアイランドキッチンがあった。どれも外観とは対象的に綺麗である。ハチは荷物をテーブルの上に置くと右の引き戸へと向かった。
「こっちがネット用の部屋」
そう言ってガラリと音をたててドアが開くと、おなじぐらいに広い部屋が一つあって、そこは壁沿いにモニターやパソコンの本体、そのコード類がまとまって配線されている部屋だった。
「すご。ハッカー向けじゃないのこの設備」
「まぁ、簡易的には色々できるよ」
部屋にはいるハチに続いて、ユーマも中へと入っていく。
パソコンに向かって専用チェアが一つ。それとは別にテーブルと椅子のセットも一式あり、その上は綺麗に片付けられていた。仕事をする時ならば、そこに資料などを置くのに丁度いいだろうし、籠もるならば食事をするにも丁度よさそうだと思う。
「連絡取りたいところあるならコレ使っていいよ。さっき言ってた知り合いに会いに行くなら、連絡した方がいいんじゃない?」
そう言ってハチはノートパソコンを一台手にしてテーブルの上に置いた。
「一通り暗号処理はされるようになってるから、トラッキングは効かない。あと、ログイン情報も端末には残らないようになってるから、使ったらアプリからはログアウトしといてね」
「ありがとう」
説明を終えると隣の部屋に居ると言って部屋を出てって、ユーマは一人部屋に残された。
ふと外の扉がある場所を見てみると、そこには一応扉があった。おそらく何かあってもすぐ出られるようにしているのだろう。
「まさかモーテルまるごとセーフハウスとは思わねぇよ」
未だに信じられないと思いながらも近くにあった椅子に座る。メジャーからマイナーなものまで様々なトークアプリは入っており、その中からユーマは連絡を取るために使っているアプリを起動させると、必要情報を入力していった。
車は停まってはいたが、廃車寸前と思われる見てくれだったから、建物と同様にそのまま放置されているものではないかとユーマは思った。
「外は酷いけど中は綺麗だから」
「ホントに?」
思わず訝しげに声を上げたユーマだったが、ハチは特に答えずに車を降りた。それに従って降りるしか選択肢はなく、ユーマも助手席から降りてドアを閉めた。
後ろからいくつか購入してきた銃器類を入れたカバンを取り出して、ハチはユーマを先導する。それに着いて行きながら、ユーマはあたりを見回していた。
他に誰かが住んでいるような様子はなかった。既に太陽も低くなりはじめていた。しかしまだ明るくて、本来ならば人の通りもある程度ありそうなものだ。そういったものもないし、営みを感じさせる活気がない。音がないのだと気づいてユーマはハチに問いかけた。
「他に誰か住んでないの?」
「いないよ。ここの建物は一応全部俺のモノ」
「へぇ。維持費大変そう」
「見てくれ気にしなきゃさほどかかんないよ」
そう言ってハチは二階へと上がる階段へと向かう。それについてユーマも階段を上がって廊下を歩いて行く。一階には三つの扉が、二階には四つの扉があった。ハチは迷うことなく二階の三つ目の扉まで歩くとドアノブに触れる。扉のスコープ部分に顔を近づけると、カチャリと解錠する音がした。
ノブで指紋や静脈の認証を行い、スコープは虹彩認証だ。建物の見た目によらないセキュリティはセーフハウスとしては正しく思えた。
扉を開けたところでハチは立ち止まり振り返った。
「結構風景もいいよ」
言われて外を向くと、何もない土地が広がっていた。今まで通ってきた道がずっと東に延びている。その先にごちゃごちゃと見えるビルの山はあの街だとすぐに分かる。
南、北の方角に視線を向けると、少し離れた場所にはビルがあった。違う街であり、おなじ国のはずなのに遠く感じられる街が二つ。どちらも離れている。そしてどちらも遠く、何もない荒野の先に蜃気楼のように建っていた。
「なんか、こんなに他の建物がないの初めてみたかも」
「マジで?」
「うん」
部屋に入ったハチに続いて、ユーマは視線を戻すと部屋の中へ一歩踏み入れた。
「おじゃまします」
手を添えたまま扉を閉めると、カチャリと音がして自動で施錠された。電気も自動でついた様子で、ハチは土足のまま中へと歩いて行く。
「まぁ気楽にしてよ」
「……っいうか、広くね?」
思わず漏らした声と共にユーマは左右の方向を見ていた。一室というには広く感じる。おそらく外にあった別の扉がある部屋に繋がっているのだろうと思わしき引き戸が左右に一つずつあった。それを抜きにしても一室は広々としている。
入ってすぐの部屋にはテーブルとチェアがあり、奥にはアイランドキッチンがあった。どれも外観とは対象的に綺麗である。ハチは荷物をテーブルの上に置くと右の引き戸へと向かった。
「こっちがネット用の部屋」
そう言ってガラリと音をたててドアが開くと、おなじぐらいに広い部屋が一つあって、そこは壁沿いにモニターやパソコンの本体、そのコード類がまとまって配線されている部屋だった。
「すご。ハッカー向けじゃないのこの設備」
「まぁ、簡易的には色々できるよ」
部屋にはいるハチに続いて、ユーマも中へと入っていく。
パソコンに向かって専用チェアが一つ。それとは別にテーブルと椅子のセットも一式あり、その上は綺麗に片付けられていた。仕事をする時ならば、そこに資料などを置くのに丁度いいだろうし、籠もるならば食事をするにも丁度よさそうだと思う。
「連絡取りたいところあるならコレ使っていいよ。さっき言ってた知り合いに会いに行くなら、連絡した方がいいんじゃない?」
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「ありがとう」
説明を終えると隣の部屋に居ると言って部屋を出てって、ユーマは一人部屋に残された。
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「まさかモーテルまるごとセーフハウスとは思わねぇよ」
未だに信じられないと思いながらも近くにあった椅子に座る。メジャーからマイナーなものまで様々なトークアプリは入っており、その中からユーマは連絡を取るために使っているアプリを起動させると、必要情報を入力していった。
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