どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章六節 一軒家とホルンズヒルダンジョンとシロの才能-

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シロをおんぶして丘を全力疾走後…マサツグはその場に倒れると息絶え絶えの

状態でTPの回復に勤めていた。一応動こうと思えば動けるのだが自身の体は

鉛の様に重く…思う様に動かせない状態に戸惑いつつただその場に倒れていると、

何処からとも無く心地良い風が吹き出し始める。その風にマサツグは何処から

吹いて居るんだと言った様子で頭だけを動かし確認をすると、そこにはシロが

葉っぱを手にマサツグを扇いで居る姿が有り…何処から見つけて来たのか

自身の身の丈位有る葉っぱを両手で握っては、不慣れながらも一生懸命に

マサツグの回復に協力していた。


__そよそよぉ~…ッ!……


「むぅ~~!!」


__パタパタパタパタッ!!…


「ご主人様ぁ~!!…しっかりぃ~!!…」


__……フッ!……ッ!……


マサツグの視線の先には顔を真っ赤にしながら葉っぱを扇ぐシロの姿、

本人は必死でマサツグに声を掛けてはただひたすらに風を送り続け、

その姿が何処か妙におかしく見えたマサツグはグロッキーながらも

笑いそうになると、ふとある事に気が付く。それは先程まで苦戦を

強いられていたあの風穴で有り、地面に耳を当て倒れて居たからこそ

分かった事であった。


{……頂上だとあの大音量の風穴音が響かない?…

今地面に耳を当ててるのに?……それに揺れも少ない様な?…

…本当に変わった丘なんだな?……一体?……

…って、いつまでもシロを酷使させるのも!…}


__ザッ!…ザッ!……


「ッ!?…ご主人様!?…」


先程までヤバい位に主張していた大音量の法螺貝の音…地面の揺れが

然程感じられない無い事にマサツグが気が付くと、改めてこの丘が

如何言った構造になっているのか?と疑問を感じては考え出すのだが…

その間シロが葉っぱを手に風を送り続けている事を思い出すと、

マサツグは動かし難い体に鞭を打っては何とか上半身を起こし始める。

そしてマサツグが起き上がる様子に気が付いたシロも慌てて葉っぱを

投げ捨てると、慌ててマサツグに駆け寄っては手助けに入り…シロの

手助けも借りてマサツグが起き上がると、漸く話せる位にまでは回復する。


「…ッ~~!!…だぁ!!……はぁ!…はぁ!…

一応動ける位にはTPが…」


「ご主人様!!…まだ動いちゃ!!…」


「だ、大丈夫大丈夫!…そんな涙目で迫らんでも!…

早々簡単に死んだりしないって!!……

…まぁ…確かにしんどかったのはしんどかったけど…」


__なでなで…なでなで…


マサツグが無理に起き上がろうとして居る事にシロが心配した表情で詰め寄ると

目をウルウルとさせ、そんな様子にマサツグは戸惑いつつも宥める様に大丈夫と

言うと、シロの頭を撫でて落ち着かせる。その際チラッと本音を漏らすのだが

幸いにもシロに耳には届いては居らず、暫く休憩した後マサツグが漸く自力で

動ける様になると、立ち上ってはあの謎の一軒家の前に立って見せる!この時

マサツグは若干緊張した様子でその一軒家の扉の前に立って居るのだが、

いざ覚悟を決めてノックをすると…


__……コンコンッ!…


「……ッ?…あれ?…」


__コンコンッ!…


「ごめんくださ~い!!…」


__しぃ~~~~~ん……


一回目…ノックをしても扉の向こうからは一切返答は無く…マサツグとシロは

返事が無い事に顔を見合わせ困惑すると、二度目のノックを敢行する。

二度目…今度は少し強めにノックをしては更に中に居るであろう人物に対して

呼び掛けを試みる!…が、やはり扉の向こうからは一切の返答は無く…

うんともすんとも…物音一つ聞こえない…ただシ~ンとした空しい時間だけが

過ぎると、マサツグの中で嫌な予感が芽生え始める!その嫌な予感と言うのは

的中しているのか三度目の正直で、失礼ながらも扉を叩いて見せると

その答えが分かって来る!


__……ッ!…ドンドンドンドン!!…


「ごめんくださ~い、留守ですかぁ~!!!」


__しぃ~~~~~ん……サアアアァァァ!!……


{……こ!…ここまで来てのまさかのまさかで留守!?…

もしくは曰く付きなだけに試されてるとか!?…居留守か!?…

だとすれば如何すれば!?…ここまで来て帰れ!はキツ過ぎる!!…

あの風穴をまた掻い潜らないといけないのかぁ~!?…}


三度目…少し乱暴に何度も扉を叩き大声で呼び掛けるもやはり結果は同じ!…

中から物音一つ聞こえずただ二度目と同じ様にシ~ンとした空しい時間だけが

過ぎて行く。そんな一軒家の様子にマサツグが青ざめ始めると頭の中で最悪の

展開と言った様子で困惑し出し、ただ如何すれば良いのかと一軒家の扉の前で

頭を抱えて悩む…迷惑極まりない行為をし始めると、シロが徐に扉を見上げる

なりある物を見つける。


「…んん~?…ッ!…ご主人様、ご主人様!!…

あそこに…ドアに何か書いてあります?…」


「え?…どれどれ?……ッ!…」

 -----------------------------------------------------------------------

          この先にダンジョン有り!!…

 用がある人は勝手に中に入って来やがって下さいw

 因みにこの先で貴方が死ぬ事になっても当管理局では一切の責任を

 持ちません!自己責任の後、勝手に中に入って来やがって下さいw

 これを読んで自信が無い、準備不足と言った方は回れ右してとっとと

 そのまま丘を下って行きやがれ下さいませw

 {因みに今日だけで丘を登り切る前に負傷者10人w}
 -----------------------------------------------------------------------


「ッ!?…え?…何これ?…この人を馬鹿にした様な注意書きは何?…

今まで幾度と無く色々注意書きを見て来て…脅迫めいた物とかは見た事あるけど…

こんな人を馬鹿にした様な注意書きは見た事が無いぞ?…」


__……よじよじ…よじよじ…


シロが不思議そうな表情でマサツグの腕を引いて呼び始めると扉に掛けられて

有る物を指差し、マサツグはシロの呼び掛けで漸くそのある物に気が付き…

シロの問い掛けに答えるようその指差す物を確認すると、そこには先程まで

目に付かなかった注意書きらしき看板の様な物が掛けられて有った。しかし

その内容は驚く事に一軒家の中にダンジョンが有ると言う何とも信じ難い内容で、

更にその文面は読んだ者を煽る様な酷い文章で書かれてあった。当然そんな

注意書きを目にしたマサツグは怒りを覚えるより先に困惑を覚え、自身の目が

可笑しいのかと思い目を擦って確認し直すが、文面は変わらず…そんな何とも

言えない注意書きを目にしてはマサツグが困惑し固まっていると、いつの間にか

シロがマサツグに攀じ登っては同じ様に注意書きに目を通していた。


「…ふんふん…なるほど……」


「ッ!?…どわぁ!!…シ、シロ!?…いつの間に!?…」


「大丈夫です、ご主人様!…

シロに任せてください!!」


__ピョインッ!…


「え?…」


マサツグの顔の隣でシロが理解した様子で軽く頷くとマサツグはシロの存在に

驚き、シロはシロでマサツグに大丈夫と自信満々の表情で答えて見せると、

マサツグの肩から飛び降りる。この時マサツグはシロの大丈夫の意味を全く

理解出来ていない様子で戸惑っており、何故かやる気満々のシロの様子に

戸惑いの視線を向けていると、シロは徐に扉の前に立って見せる!そして

何の躊躇も無しに勢い良く一軒家の扉を開け始めると、景気良く一言叫び出す!


__スッ…バアァァァン!!!…


「たのもおぅ!!!」


「ッ!?…ちょッ!?…うお~~い!!…

たのもおぅ!!!…じゃないだろ!?…伏せろ!!」


__ガバァ!!…………キィ…キィ…


シロが仁王立ちからの道場破り宜しく…掛け声付きかつ全くの警戒心

ゼロで一軒家の扉を勢い良くフルオープンさせると、マサツグは戸惑う!

もしこれが罠だったら!…困惑して居てもそう言った事を考えるだけの

余裕はあり、色々躊躇していたのだが!…シロが遠慮無しに扉を開けて

しまうとそれ所では無くなってしまう!…マサツグはシロにツッコミを

入れては慌てて庇う様に覆い被さり!…事が過ぎるのを待ち始めるのだが

何も起きる事は無く…ただ開いた扉の軋む音だけが聞こえて来ると、

マサツグは恐る恐る頭を上げて確認する。


「…ッ~~!!……ッ?…え?…

…ッ!…え?…」


警戒しながら頭を上げるのだがそこには罠らしき痕跡は何処にも無い…

その様子にマサツグは困惑しながら更に目を凝らし確認するのだが、

有るのは扉の開いた一軒家と、その一軒家の奇妙な内装だけ…しかも

その内装も広いと言う訳では無くただダンジョンの入口だろうか…

ドアを開けて直ぐにまたドアと…洞窟らしき岩山が一軒家の中に

納まって木製の扉で閉じられて有った。そんな奇妙な光景を目にした

マサツグが目の前の光景に戸惑って居ると、覆い被さって居るマサツグの

顎の下からシロが生えて来る。


__んむぎゅぅ~!…ポンッ!…ズリズリ…スポンッ!…


「んむぅ~…ご、ご主人様?…如何したのですか?…」


__伸びィ~~!…


「……ッ!……え?…い、いや…何も無いなって…思って?…」


マサツグの腹の下からシロがニョコっと生えて来ると、そのまま顔の前に

出て来るよう這い出来て…マサツグの様子に戸惑った表情で声を掛けると、

スッと立ち上がって見せる。その際大きく伸びをしては窮屈だったと

言いたげな態度をして見せ、マサツグもシロに声を掛けられてハッ!とした

表情で徐に体を起こし出すと、戸惑いながらもその覆い被さった理由に

ついて簡単に話し出す。しかしその言葉を聞くや否やシロは不思議そうな

表情をして見せると、マサツグに驚く一言を口にする。


「……ッ?…何も無いのは分かって居たのですが?…」


「……え!?…何も無い!……って!?…

シロ!?…お前分かって開けてたのか!?…」


「はいです!!…あんなにドアを叩いても誰も居ないですし…

何より水っぽい空気の匂いしかしませんでした!!」


「ッ!?……」


シロはまるで最初からその一軒家の中に何も無い事を知って居た様子で

話し出すとマサツグを驚かせ、そのシロの危険察知能力に驚いた様子で

マサツグが問い掛けると、シロはいつもの様に手を挙げては元気に

返事をする。そしてこれもいつもの様に尻尾を振り始めると褒めてと

言わんばかりに目を輝かせてはマサツグを見詰め、マサツグももはや

シロのオーバースペック具合に驚くと言った感情を失い出すと、ただただ

無言でシロの頭に手を置いては撫で始める。


__……ポン…なでなで…なでなで…


「えへへ♪…」


{…俺のあの無駄な警戒時間は何だったんだ?……

シロのこのスペックの高さよ!……もう心配の必要は…って!!

脱力してる場合か!!…シロを立派な[れでぃ]にするのは俺だろ!!…

しっかりしろ!!…}


「…シロ!!…行くぞ!!」


「ッ!…はいです!!」


マサツグに頭を撫でられシロが更に機敏に尻尾を振ってご機嫌になる一方で、

マサツグは自身の警戒は何だったのか?…と困惑すると、罠が無かった事に

拍子抜けして改めてシロの能力の高さに肩を落とす。何ならシロ一人で

何でも出来るのでは?…等と色々考え始めるのだが、まだシロが子供で

ある事と思い返すと自身の不甲斐なさにマサツグは若干の怒りを覚え!…

そうして一人勝手に自身を奮い立たせると、徐に立ち上ってシロを呼んで

手を引いて先へと歩き始める!改めて一軒家の中へ!…そのダンジョンへ続く

洞窟の扉の前へと移動する。


__ザッ!…ザッ…ザッ!…ザッ…コッ…コッ…


「…ここにも注意書き…じゃなくて説明だな…何々?…」


 -----------------------------------------------------------------------

          「ホルンズヒルダンジョン」

    ホルンズヒルの地下を進むと工房 ドレッグがあります。

  更にその地下は[龍の血脈]と呼ばれ、中ランクの魔物が出現します。

                                          推奨Lv.30

 -----------------------------------------------------------------------

マサツグとシロが手を繋いでそのダンジョン入り口の前に立つと、またもや

扉の前には注意書きに似た案内の看板が設置されてあった。ダンジョン名に

恐らくは目的の主で有ろう職人の工房!…更にモンスターが出て来ると

ばかりに魔物の存在が書かれては推奨レベルまで!…先程の一軒家の看板とは

大違いの真面目さに思わずマサツグは驚くのだが、それよりもダンジョン

説明に書いてある[龍の血脈]と言う二つ名の方が気になると、既に心が

折れそうになる。


「ゲッ!?…そこそこ面倒臭そう!……」


「大丈夫ですご主人様!!…シロが付いてるのです!!!」


「ッ!……ハハハ、そうだな!!…気合い入れて行くぞ!!」


「はいです!!!」


[龍の血脈]…明らかに入り組んでいるとばかりの二つ名が付いている事に

マサツグが思わず心の本音を漏らすと、シロは妙に自信に満ち溢れた笑顔を

見せて自身の胸を軽く叩いてマサツグを激励する!何をそんなに自信が

有るのか?…しかしそんなシロの激励と様子を見たマサツグは思わず笑って

見せると、シロに同意して再度やる気を見せ始め!…気合を入れた様子で

いざその洞窟に続くドアノブに手を掛けるとシロが元気に返事をし、二人が

覚悟した様子で扉を開けて中に入ると、そこはもう当然ながらダンジョン

であった。


__ガチャッ!…キイィィィ…


「……思ってたより明るい?…」


「行きましょう、ご主人様!」


「…ははは…シロは元気だなぁ…」


洞窟内は意外と明るく壁には火の着いた松明が設置されてある。薄暗い洞窟内を

照らすには十分な光量ではあるのだが、思っていた通りに足場は悪く湿った

岩場にガタガタの道と足を一歩踏み出すだけでも細心の注意を必要としていた。

マサツグがそれらを見て意外と洞窟内が明るい事を呟いて居ると、シロは妙に

マサツグを急かし…そんなやる気に満ちたシロの様子に戸惑い、苦笑いしつつも

洞窟内を歩き出すと何とも言えない冷たい空気がマサツグ達を出向かえると同時に、

安定の案内が出て来るのであった。

 -----------------------------------------------------------------------

          「ホルンズヒルダンジョン」

 ホルンズヒルの頂上にある一軒家…その中にある岩山より進入可能で、

 ちゃんと準備をしなければ遭難必至の地味に難度の高いダンジョンと

 なっている。ここでは色々な鉱石が取れると同時にレベル上げにも

 持って来いと、鍛冶師に取って有り難い場所となっているのだが…

 これより下…[龍の血脈]と呼ばれる場所では余程腕に自信が無い限りは

 行かない方が吉とされている!…何でも最深部には竜が住んでいると

 言う噂が有り、その竜を倒した者のみが最深部にある財宝を手に

 する事が出来ると言われている。

 -----------------------------------------------------------------------


__ヒュオオォォ……コッ…コッ…コッ…コッ……ズルッ!…


「うわぁ!?……っぶなぁ~!……

やっぱ湿ってるし足場は悪いし…オマケに道も入り組んでて一本道じゃ無いし…

かなり面倒だな…これ?…せめて何か道しるべだけでも…」


洞窟特有の空洞音が聞こえて不気味さを駆り立てる中…マサツグがその僅かな

光を元に慎重に進み出すのだが、やはり湿気が仕事をしているのか何度も

足を滑らせては転けそうになる。その度にマサツグは何度も踏ん張って耐えて

幾度と無く安堵の息を漏らし、見当が付かない洞窟の先を見てどの道が

正解なのか…二つ名の通り入り組んだ様子の洞窟に目を向けていると、ここでも

シロが大活躍し始める。


__ピコッ!…ピコピコッ!…ッ~~……


「……ッ!…ご主人様、あっちです!!」


「ッ!…え?…シロ…お前道が分かるのか?…」


「はいです!…あっちの方からカンカン聞こえるのです!!

後風がこっちから流れて来てるのも分かるです!!」


シロが何かに反応するよう耳をピコピコと動かすと徐にマサツグの所に

来ては手を握り、まるで案内するよう何かを感じ取った方を指差しながら

手を引き出すと、そのシロの様子にマサツグは戸惑う。そんなシロに

マサツグは正解の道が分かるかどうかについて戸惑い気味に尋ね出すと、

シロは振り返るなり笑顔でマサツグに返事をしてはその理由を話し出し、

その理由に音がする事・風を感じる事の二つを上げると、そのシロの返事を

聞いたマサツグは戸惑いながらも素直にシロに頼り出す。


「……シロ?…道案内頼める?…」


「ッ!!…はいです!!!

こっちですご主人様!!!」


「うぇえ!?…ちょっと待って!?…身長差~~!!!」


マサツグがキョトンとした表情でシロにお願いをすると、シロはマサツグに

頼られた事が嬉しいのか目を見開き輝かせては尻尾を全力で振り、笑顔で

マサツグに返事をすると期待に答えようと手を引いてはその何かを感じる方へと

歩き出す!その際グイグイと勢い良く引っ張るシロにマサツグが足を取られては

またもや転けそうになり…慌てて落ち着く様に声を掛けてはシロに手を引かれる

まま洞窟の中を進み出す。時々立ち止まって耳を澄ませ…音のする方を確かめると

再度マサツグの手を引いて洞窟の奥へと歩いて行く!…


__コッ…コッ……ピタッ…ピコッ!…ピコピコッ!…ッ~~……


「ッ!…こっちです!」


{……さすがと言うか何と言うか…本当に便利な子だなぁ…

それに可愛いし……でも何時かシロにも好きな人とか出来てゆくゆくは……

……ッ!?…お父さんは認めません!!!……って、まだ早いっての!!!…}


シロに手を引かれ歩いて行く道すがら…本当にシロが有能である事に

感激していると、ふと何の前触れも無く変な事を考え始める。それは

シロが立派に育って誰かと添い遂げると言った事であり、まだまだ

幼女のシロを捕まえてそんな事を考えるのもどうかと思うのだが…

一人勝手に考え想像し…親バカみたいな事を妄想していると、一人

馬鹿みたいに変な事を考えて表情を厳しくさせる!…

そうしてそんな事を考えていると徐にシロが振り返ってマサツグに

呼び掛け、マサツグの表情を見るなり驚いた表情を見せる。


「ご主人様ぁ~!!

次はこっち!…ッ!?…ど、如何したですか!?」


__シャキ~ン!!…ム~ン!!…


「え?…あっ…ゴ、ゴメン!!…何でもない…」


「……ッ?…」


決して怒っている訳では無い!…ただ渋い顔をしているとシロが振り返って

そのゴ〇ゴ13みたいな表情をしているマサツグを見て戸惑い!…

シロが心配した様子でマサツグに問い掛けると、マサツグも自身が渋い顔を

している事に気が付いて慌てて誤魔化し始める!そしてマサツグが

何を考えていたんだ!と反省する一方で、シロはマサツグを心配した様子で

ただ見詰めており…何とも言えない微妙な空気になりつつも奥へ奥へと改めて

進んで行くと、漸くマサツグにもそのシロが反応したであろう音が聞え始める。


__カァン…カァン…カァン…カァン…


「…ッ!…この音は…金属音?…

しかも感覚的には鍛冶場か?……にしても…」


「多分…もう直ぐこの音の所に着くと思うのですが?……」


「……やっぱスゲェわ!…」


シロの案内で奥へ進むと徐々に小気味良い音が聞えてくる…しかしその音は

洞窟内で有る為か反響すると元の音源が何処から来ているのかが聞き取り難く、

これに反応していたのか!…とマサツグがシロの聴覚の良さに感心していると、

シロはその音源である場所が近くにある事を確信しているのか、もう直ぐ辿り

着くと若干戸惑い気味に言葉を漏らす。その間迷う事無く耳をピコピコと

動かしてはマサツグの手を引いて案内し、マサツグが何度もシロの有能さに

感心しながら付いて行くと、遂にその音源場所に辿り着いたのか突如として

開けた場所に出る。


__ザッ!…カァン!…ザッ!…カァン!…ザッ!…カァン!…


「徐々に音が大きく!…」


「ッ!…こっこでぇ~す!!…こっこ、こっこ!!…

ご主人様ぁ!!…着きましたぁ!!!」


「ッ!?…あぁ!!…お…おいシロ!?…

そんなに引っ張るな!…転ける転けるぅ~!!!…」


開けた場所へ歩いて行くとハッキリ…先程までの反響が消え金属を叩く音が

聞こえて来ると、シロが辿り着いたと跳ね始める!その際何処かの女性芸人を

思い出させる様なフレーズで到着を喜び、マサツグの手を引いたままその

開けた場所の中心部に移動しようとすると、マサツグがまた引き摺られては

一人転けそうになる。感覚的には犬の散歩に引き摺られる飼い主!…そして

転けまいと踏ん張っては何とかシロに付いて行くのだが…中心部に辿り着いた

辺りで軍が使う様な医療用キャンプテントを見つけると、その似つかわしくない

光景に戸惑いを覚える。


__トットットットット…ッ!?…


{…な、何だあれ!?…大掛かりな!?…

てか、あそこからあのハンマーの音が聞こえる?…}


「ご主人様ぁ~は・や・く~♪」


「ッ!?…あぁ!…ちょっと待ってくれって!…」


シロに引き摺られてマサツグが戸惑いながらもその医療用キャンプテントが

設置されて有る周りを確認すると、そこには医療用キャンプテントや辺りを

照らすには十分な光量…もとい鍛冶に使う立派な窯が設置されてあった。

その他にも水桶に鉄床…明らかにその件の職人が居ると言った様子の設備が

置かれて有り、現在進行形で何かが作られているであろう金属を叩く音が

聞こえて来ると、シロが更にマサツグの腕を引っ張っては急かし続ける。

シロが引っ張って行こうとする方向はまさにその医療用キャンプテントで、

マサツグがまた転けそうになりながらシロに落ち着くよう声を掛けていると、

その鍛冶をしている主はマサツグ達に気が付いた様子で振り返る。


__カァン!……ッ~~!!…ッ!…クルリ…


「おぉっとっとっとっと!…分かったから落ち着け!…な!?…」


__グイッ!!…ガッシ!!…なでなで…


「きゃッ!?……うぅ~ん♥」


鍛冶をしている職人に見られている事も知らずに…何時までも引っ張られて

居ては体力が持たない!と言った様子でマサツグが逆にシロの腕を引っ張ると、

シロの体は簡単に宙に浮いてはマサツグの方へと飛んで来る。その際シロは

若干驚いた表情を見せるのだがマサツグに受け止められて頭を撫でられると、

直ぐに溶けた様なご満悦の表情を見せ…マサツグは漸くシロが落ち着いた事に

ホッと安堵し、抱えながら頭を撫で続けていると、その鍛冶をしていた職人は

マサツグ達に問い掛けるよう声を掛け始める。


「……ほほぅ?…こんな辺鄙な所に客人とは?…一体何者じゃ?…」


「ッ!…ッ!?…ア、アンタは?…」


かなり歳を取っているのか渋い声…シロより少し大きいか身長は約160cm位と

お手頃サイズ…頭には何処のヴァイキングだと言わんばかりに牛角ヘルムを

被っており、顔はもはやジャングルと化している様子で髪と髭の境目が

くっ付いてわからなくなっている…そして歳の割には丸太の様に太い腕と、

ズングリムックリな体型…見るからに典型的なドワーフが目の前に立って居て

マサツグを驚かせ、不意にその件の職人らしき人物に話し掛けられマサツグが

戸惑った様子で声を掛け直すと、そのドワーフみたいな見た目の男はマジマジと

マサツグを見詰め始める。


__じぃ~~~……


「……ふむ…あの丘を登って来ただけの技量は有るか…

…だが……」


「…あぁ~っと…もしもし?…」


ドワーフの男は持っている金槌で自身の肩を叩いては、まるで品定めを

する様にマサツグを頭の先から爪先までをマジマジ見詰め…何かを理解した

様子で独り言を呟くと、そのドワーフの男の反応にマサツグは戸惑う。

質問をしたのに返答が帰って来ない!…それに見るからに頑固オヤジっぽい

見た目からマサツグが苦手意識を持ち始めていると、手が止まっている事に

シロが反応してはマサツグに抱えられたまま顔をその職人の方に向け、

開口一番シロはその職人の顔を見るなり空気を読まずに一言ブッ込む!


__……クルリッ!…ッ!…


「お髭モジャモジャですご主人様!!!」


__サアアアァァァ!!!…


「ッ!?…コラシロ!!…人を指差さない!!」


「ッ!…は、はいです…ご主人様…」


堅物職人らしき相手を指差してまさかのシロの無邪気発言!…

無邪気に笑うシロにマサツグが青褪め慌てて注意する!…

シロを一旦降ろしては指差す手を丸めさせ、然程強くないトーンで

言い聞かせる様に顔を見合わせ注意をすると、シロは理解したのか

ショボ~ンとした表情で反省の色を見せる。そうしてシロが言う事を

聞いてくれた事に安堵する中…肝心の言われた方の面倒臭そうな奴ドワーフの男

恐る恐る目を向けると、そこには怒るどころか目を見開き驚いた表情を

見せる!…何とも予想外の反応を見せるドワーフの男の姿が有った。


「ッ!?…なっ!…馬鹿な!?…フェンリルじゃと!?…

何故ここに!?…いやそれよりも!!…叱り付けた!?…」


「え?…今なんて?…今シロの事をフェンリルって?…」


「お、お嬢ちゃん?…お前さんのご主人はこの人かい?…」


「え?…は、はいです…さっきはごめんなさんなのです…」


驚く事にそのドワーフの男はシロを見るなり一発でフェンリルと看破し、

何よりフェンリルを連れているマサツグに!…何ならフェンリルを叱って

見せた事に腰を抜かしそうな程驚いた様子を見せ、そのドワーフの男が

フェンリルと言う名前を口にした事にマサツグも驚いた反応を見せると、

そのドワーフは恐る恐るシロに近付くなり有る質問をする。それはマサツグが

シロにとってご主人様であるか?…要は主従の関係に有るかどうかについて

尋ねると、シロは困惑しながらもそのドワーフの男に返事をし…更に先程

指を差した事について謝って見せると、そのドワーフは酷く動揺した様子で

マサツグとシロを交互に見返すのであった。

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感想 63

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
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俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

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