どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第一章-スプリングフィールド王国編-

-第一章四十一節 反省と人それぞれと司祭-

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ゲーム内時間夕方位にマサツグ達が森を出て農村の方に目を向けると黒煙が

上がっており、その事に異変を感じた二人が慌ててブルーベルズの方へと

駆け出して行くと、村に近づく程…悲鳴が聞こえ始める。

その村に戻るまでの道中…幸いな事にモンスターに襲われると言った事は

無く村の前まで辿り着くのだが、その代わりに村の中がとんでもない事に

なっているとばかりに村の前ではギルドの職員と冒険者多数がブルーベルズを

包囲するよう取り囲み、中に居る何者か達に向けてずっと喋り掛けていた。


__ダッダッダッダッダッダッダ!!…


「…はぁ!…はぁ!……ッ!…これは!?…」


「立て籠もってないで出て来なさ~い!!!!…

君達は包囲されている!!!…逃げ場は無いぞぉ~!!!!

大人しく投降しなさ~い!!!!」


__キンッ!!…ガキィン!!…フォン!!!…


ギルド職員がメガホンの様な物を手に持っては中に居る者達に話し掛けるも、

その立籠っている者達は一切聞く耳を持っていないのか、取り囲むギルド職員や

冒険者達をその虚ろな目で見詰める。そして譫言の様に何かを呟いて居る奇妙な

光景を目にするのだが、村の中では誰かが戦っているのか剣戟音が聞こえて来る。

その見覚えの有る光景にマサツグモツが嫌な予感を感じつつ…恐らく事態の

鎮圧に来た冒険者らしき人物にモツが話を聞き始めると、その嫌な予感は的中する!…


「…ちょっと良いか!?…これは一体?…」


「ん?…あぁ…例のカルト教団クエストだよ!…

今度はこの村を襲い始めたとかで昼頃に発令されて…

自体の鎮圧に来たんだが如何にも相手のリーダーが切れ者で

膠着状態になっているのさ!…向こうには人質も居るし…

既に何人かが村の中に入って行ったけどこの通り…

中から戦ってる音が聞こえるだけで状況は分からない!…」


「ッ!!…じゃあ何人か連れ去られたりは!?…」


「……多分俺達の到着前に何人か…」


その冒険者が話し始めたのは予想通り…カルト教団の人攫いイベントで発生時刻は

昼過ぎと言う事は、マサツグとモツがエイブレントとライモンドと戦闘を

繰り広げようとしている時間帯であった。幾らその時既に森の中に居たとは言え、

自分達がその場に居なかった事を悔やみつつも誰かが被害に遭ったのかについて

尋ねると、その冒険者は若干暗い表情を見せては俯いて被害が有った事を口に

し始める。それを聞いたマサツグが少し慌てた様子で突如辺りを見渡して何かを

探し、その探していた物を見つけたのかマサツグは焦った様子で突如モツを

呼び出し始める!


__キョロ!…キョロ!……ッ!!…


「モツ!!…こっち、こっち!!…」


「ッ!!……ど、どうも!…

な、何だ如何した!?…」


「ここの柵が壊れてる!…ここからだったら村に侵入出来るかも!!…」


マサツグがモツを呼ぶ際…ショートメールもしくは個人チャットを送れば

良いものを態々呼び付け、モツが戸惑いながらもその話を聞かせてくれた

冒険者に一礼しマサツグの居る方へ駆け出して行くと、マサツグは村を

囲う様に建てられた柵の一部が壊れている場所を見つけ出しては指を差し、

侵入経路を見つけたと小声で話し始める。その時のマサツグは何かを

やろうとしている真剣な表情をしており、その一連のマサツグの様子から

モツが察した様子でハッ!と目を見開くと、マサツグに確認をする。


「ッ!…本気か!?…いや、やりたくないって訳じゃ無いけど…

最悪俺達のせいで悪化する事も!…」


「……大丈夫!!…

まずこの先を超えた所で目の前にあるのは俺達の腰位まである小麦畑!…

其処を中腰で進んで行けば他の奴らには見つからないし!…鎮圧も出来る!…」


モツの問い掛けに対してマサツグは柵の向こう側を確認し、入って直ぐには

バレないとモツに答えるとその進路も直ぐに考えたのか、麦畑を利用して近くに

居る信者達を制圧すると言った事をモツに提案し始める。その際マサツグは

何故か自信有り気にモツに提案し、モツがその話を聞いて戸惑った反応を

見せるも、その鎮圧方法について疑問を持ったのかマサツグに質問をする。


「ッ!…鎮圧って!…ステルスkill暗殺でもするのか!?…」


「いや…殺さなくても丸一日位は寝たきりにする事が出来る非殺傷方法は

思い付いてる!…後は協力次第!…」


「ッ!?…きょ!…協力次第って!……」


モツが制圧方法に疑問を持っては信者達を暗殺するのか?と戸惑った様子で

話すが、マサツグは自信満々で首を横に振っては否定し制圧する方法は

別にあると言い出すと、更にモツは困惑する。マサツグはそんなモツの反応を

見ても顔色一つ変える事無くただ二人で協力すればと口にするのだが、モツは

マサツグの謎の自信に不安を覚えた様子で言葉を返していると、悩んでいる

時間は無いとばかりに村からは悲鳴が聞こえ始める!


__きゃあああぁぁぁぁぁ!!!!…ッ!?…


「……悩んで居る暇はなさそうだし…そこん所は任せたぞ?…」


「了解!!…じゃあ作戦開始!!!…」


__ババッ!!…ガサガサ!…ガサガサ!…


悲鳴を聞いたモツとマサツグが直ぐに反応して悲鳴の聞こえた方に視線を向けるも

見えるのは壊れた柵と黄金の穂を実らせる小麦畑のみ…そしてモツも時間が無いと

その悲鳴をきっかけにマサツグの案に乗っかる事を決めると一緒に覚悟を決め、

マサツグに任せると真剣な表情を見せると、マサツグは頷き柵を超え始める!

それに続くようモツが柵を超えると二人揃ってか麦畑の中を掻き分ける様に中腰で

進み出し、小麦畑の中に潜みながら状況確認をし始める!


「正面玄関口出口には…さっきのギルド職員に冒険者多数…

それを見張る様に信者が…1234……大体6人…

二人で刹那を使えば制圧は…」


「ッ!…待ったマサツグ!!…アレを見ろ!…」


「えッ!?…何処?……ッ!?…

うげえぇ…日陰に人キメラが居やがる!…

面倒この上ない!!…」


「何で人キメラがここに?…それに何故信者を襲わない?…

まぁ、大体こう言うのは操っているのが相場だろうが…

それよりも…檻まで用意してある!…既に何人かが捕まっている様だが……

如何する?…人質に取られたら厄介だぞ!?…」


小麦畑から顔だけ出しては外の様子を二人で確認し、村の玄関口に立っている

信者の数を確認しては制圧出来るかどうかを考えるのだが、建物の日陰に

狩人狩りの森で幾度と無くマサツグ達を邪魔して来た人キメラの姿を見つけると、

その人キメラにマサツグが嫌そうな表情を見せては邪険にする。それと同時に

モツがその人キメラの近くに木製の檻が有るのを見つけてはマサツグに

如何するかの有無を尋ねるのだが、マサツグが少し悩んだ様子を見せては

モツにある事を確認し始める。


「…モツ……あの檻の鍵開ける事出来る?…」


「……恐らくは壊した方が速いとは思う!…」


「じゃあそうして貰って……

俺が暴れるからその隙に…ってのは?…」


「…了解!…タイミングは任せる!…

マサツグは玄関口で大暴れ、俺は外側から檻の破壊…

マサツグの好きなタイミングで行ってくれ!…隙を見て行く!…」


マサツグは檻の中に捕まっている人達を助ける事にしたのかモツに檻の鍵を

開けられるかと尋ねる様に質問をすると、モツはマジマジ檻の鍵を確認しては

徐に剣を抜き、壊す方向でマサツグに返事をして見せる。その答えに

マサツグは十分と言った様子で囮を買って出て、モツがそれに同意すると

マサツグのタイミングに合わせると答えて、互いの最初の目的を復唱する。

そしてマサツグに自分はいつでも行けると言葉を掛け、マサツグがその言葉を

聞いて頷くと数を数え始める!


「じゃあ!…321で行くぞ?…

3…2…1!!…」


__バッ!!!…バッ!!!…


「ッ!?…なッ!?…貴様!!一体何者だ!!…

我々の崇高なる儀式の準備の邪魔をして!!…」


「名乗る程のもんじゃっ!!…あ~りませ~ん!!」


カウントダウンと共にマサツグとモツが小麦畑から飛び出すと、マサツグは

信者達に襲い掛かるよう大きく踏み込み、モツは自分の存在を悟られないよう

物陰に隠れながら檻に近付き始める。するとまず信者達は突如自分達の側面から

攻めて来たマサツグに驚き戸惑い、マサツグに何者かと尋ねるのだが

マサツグは恍けた様子で返事をしては宙に浮いたまま瞬時に大剣を抜き、

その尋ねて来た信者に対して大剣の峰でぶっ叩くよう横薙ぎに振り回し始めると、

その信者の顔を見事に捉えて引き飛ばす!


__ブォン!!バキィィ!!!…バヒュン!!…


「ッ!?…んな!?…」


「えぇ!?…」


「……すとら~いく!…」


突如何処からともなく現れては大剣で吹き飛ばされ、その光景を目にして

戸惑ったのは周りの信者達だけではない!…玄関口で必死の説得を試みる

ギルド職員に冒険者と玄関口に居た全員が、マサツグのトンデモ行動に驚き

戸惑い、マサツグはその様子を知ってか知らずか不敵な笑みを浮かべると

一言呟き、空中で横に一回転し着地を決めて見せる。大剣を肩に乗せて

片膝を着く様に着地し、周りの信者達が突然の出来事に狼狽え戸惑って

居ると、マサツグが援軍や騒ぎを起こされるのは面倒とばかりに刹那を

発動し始める!


__スチャッ!!…ドヨドヨ!!…


「…刹那!!!……」


__ヴウン!!!……ゴイン!…ゴイン!…ゴイン!…ゴイィィン!…


そこからのマサツグは言わずもがなアッと言う間の出来事…逃がさず騒がさせず

大剣の峰で叩くよう信者の頭を縦に叩き、一撃で仕留めては気絶させ地面に

転がして行く。その突然の出来事に玄関口を取り囲んでいたギルド職員及び

冒険者一同が目を点にして戸惑い立ち尽くしていると、モツの方も人キメラを

始末した後自身の持っている剣の柄で檻の鍵を叩き壊し、捕まっていた村人達を

解放する。


__ガキン!…ガキン!!…バギャン!!…ギイイィィィ……


「さぁ、今の内に!!…

でも、静かにお願いします!…

安全になるまでの間何処かに隠れていてください!…」


「あぁ!!…ありがとう御座います!!…

このご恩は忘れません!!…」


「……ッ!?…あぁ!でしたらこちらに!!…

私達はギルドの者です!!…ここを開放する為にやってまいりました!!…」


モツが檻の扉を開けて中に捕まっていた人達に逃げるよう声を掛けると、

檻の中から奇跡が起きたと言わんばかりの表情を浮かべる村人達が次々出て来る。

人数にして七人位だろうか?…その被害者はやはり女性や子供ばかりで男性が

一人も居らず、モツにお礼を言った後家屋の方へと逃げようとするのだが、

玄関口で呆けていたギルド職員がハッ!と意識を取り戻した様子で目を見開くと、

その救助された人達に自分達が安全な人間である事を自己紹介しながら保護へと

勤め始める。その言葉に更に救助された人達は助かったと言った様子で

玄関口の方へと逃げ出し、ギルド職員が慌てながらも事前に決めていた振り分けを

口にしては冒険者達に指示を出し始める!


「…よ…予定より大分違う事が起きましたが!…手筈通り!!…

二手に分かれて行動を開始してください!!!…

玄関口で逃げて来た人達に保護と警備!…

村へ進軍しての鎮圧!…手筈通りにお願い致します!!…」


__オオオオォォォォ!!!…ダダダダダダ!!!…


「……ッ!?…だ、誰がやったんだ!?…

…と、とにかくここはオッケーだな?…」


「だな?…確か反対側にも出入口が有った様な気もするが?…

如何する?…」


玄関口が鎮圧された事により冒険者達が雪崩れ込む様に村へ侵攻し始めると、

マサツグが伸した信者は瞬く間に回収され、縄で拘束されて動けなくなる。

そして勢い止まる事無く冒険者達は既に侵入して行った他の冒険者の手助けに

入るよう、各地に広がり信者達との制圧戦を繰り広げ始めるのだが、その際

マサツグの目の届く範囲内にはただ縛るだけでは飽き足らなかったのか、

誰がやったか信者達をそれぞれ菱縄縛り・亀甲縛り・飾り縄とアブノーマルな

状態で縛られており、マサツグがそれを見て戸惑って居るとモツが反対側の

出入口の心配をする。それを聞いてマサツグが如何しようかと悩み出すのだが、

その前にと言った様子でギルド職員がマサツグ達の方に歩いて来るとお叱りの

言葉を口にし始める。


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「貴方達!!一体何を考えているのですか!?」


「ッ!?…え?…」


「先程のあの行動は見事な物でしたが!…

失敗したら如何するつもりだったのですか!?…

もしかするとあの村人達が危険な目に合って居たかもしれないのですよ!?」


ギルド職員が怒った様子でマサツグ達に詰め寄り、その怒声にマサツグ達が

戸惑って居ると先程現場の指揮をしていたギルド職員からお説教を受け始める。

ギルド職員のお怒りはご尤もである…幾ら救助に成功したとは言え、

一歩間違えればあの檻の中に入っていた村人の誰かが人質に取られ、

危険な目に遭っていたかもしれない!…それを改めて怒られた事に二人が

反省した様子で項垂れていると、ギルド職員もマサツグ達が理解したと

思ったのか早々に話を切り上げる。


「…はぁ~……とにかく!…状況を変えてくれた事には感謝します!…

ですが!!…今後この様な事が無いようにお願い致します!…

……引き続き制圧にご助力お願いいたします!…」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「……行ったか?…」


「行った行った!…」


ギルド職員が話を終えて現場指揮に戻るとマサツグが顔をチラッと挙げて、

ギルド職員が戻って行った事を確認する一言を呟き、モツがそれを肯定

するよう態々感知サーチを使って確認しては二人揃ってバッ!と頭を上げる。

手っ取り早く反省している意思を見せて話を切り上げさせ、自由になる為に

一芝居打った訳なのだが、それが成功すると二人はバレない内にと言った様子で

そそくさと村の中に入って行く。


「ふぃ~…上手く行ったな?…」


「まぁ…あの人の言う事も理解は出来るけど…

あのままだとずっと平行線だったしな…今回は大目に見て貰おう…

……それよりも!…」


「…あぁ…クランベルズよりひでぇかもしれん!…」


村の中に入って行くに連れ周りの様子は物騒な物へと変わって行く。建物には

争った跡と言わんばかりに剣が刺さっており、所々流血の後が見られては

辺りから悲鳴・怒声・剣戟音が絶え間なく響き続けている。そんな道中…

勿論マサツグ達も信者達に襲われるのだが、その信者達をねじ伏せた時…

ある行動を目にする。


__ゴイン!!!…ドサァ……


「ふぅ…これで終わりっと…にしても…武器を持って襲って来る割には

大した事が無いと言うか何と言うか…」


「…まぁ…エイブレントとライモンドを相手にした後だと……ねぇ?…」


「ははは…」


玄関口でやって見せた通り…マサツグは大剣の峰で頭を叩いては気絶させ、

モツは剣の柄で相手の腹を抉り込むよう突きを食らわせると行動不能に

してしまう。そうして信者達を軽く蹴散らし物足りなさを感じてはマサツグが

呟いて居ると、エイブレントとライモンドの話を持ち出しては仕方が無いと

モツが口にし、互いに苦笑いをしているとそれは起きた。


__バッ!!…


「あっ!!…先を越された!!」


「え?……」


「でも、捕獲はしていないみたいだぞ!?」


談笑しているマサツグ達の前に突如ブルーベルズの解放作戦に参加して来たで

あろう冒険者が数名…パーティを組んで路地の角から姿を現すと地面に

転がって居る信者達を見るなり一言…獲物を取られた!と言った様子で言葉を

口にする。その言葉にマサツグとモツが戸惑いながら振り向き冒険者の方を

確認すると、そこにはまるでお金かポイントが落ちているとばかりに倒れる

信者達の姿を見詰める冒険者達が目を輝かせて立っており、突然の光景に

マサツグとモツが困惑して居るとそのパーティに居る冒険者の一人が捕縛されて

いない事を口にしては、ある事をマサツグ達に尋ね始める。


「…なぁ?…あんた達?…物は相談なんだが…

こいつ等をこっちで拘束しても良いか?…

見た所拘束系のアイテム持って無さそうだし…」


「え?…あっ…あぁ…別に構わない…と言うか逆に助かる…」


「ッ!!…そうか!!…よし、許可は貰った!!

皆!…さっさとフン縛っちまおうぜ!!」


__オオオォォォ!!!…バタバタバタバタ!!…


冒険者の一人がマサツグ達に信者達の拘束をして良いかの許可を聞き、

その問い掛けにマサツグが戸惑いながらも許可を出すと、その冒険者一行は

言質を取ったと嬉々とした様子で後続に話しては、地面に転がる信者達を

縄で縛り始める。その縄で信者達を縛るのもまるでお宝を見つけた様に

嬉々として縛り出し、その光景にマサツグがただ戸惑いを覚えているとモツが

その冒険者達の様子に若干悲しそうな表情を浮かべる。


「…まぁ…所詮はそんなもんだろうな?…」


「え?…」


「彼らからすれば今ここに居る信者達はただのポイントで、

それ以上でもそれ以下でも無いって事さ…

俺も受けたから覚えているけど…このクエストは相手を倒せなくても

拘束出来たらクエスト評価のポイントは貰えるから自分達でも

対応出来るだけの場所で戦ってポイントを稼ごうとしているんだろうな…

村の人を助けようとしてるんじゃなくて、ただ仕事クエストとしてこなしている…

まだ彼らは良心的な方だよ?…人によっては手柄を横取りする為に

ワザと邪魔に入ったり…消し掛けたりする連中もいるから…

…まぁ…そう言うのは通報されるのがオチだけど…」


「あぁ……確かにゲームだし人それぞれ何だけど……ちっとばかし悲しいかね?…」


モツが察した様子で信者達が縛られる光景を目にしては一言呟いてその場を後に

し始め、マサツグがその一言に戸惑いながらもモツの後を追い掛ける様に

駆け付けると、モツは歩きながら説明するようマサツグに話しだす。それは

ゲームであるが故のある意味致し方ない光景なのであるが、モツはその様子を

悲しそうなトーンでマサツグに話しては先を急ぐよう歩き続け、話を聞いた

マサツグも先程の冒険者達の様子を理解したのか若干悲しい表情を浮かべる。

そうして暗い雰囲気になりつつも他に信者達に捕まって居る村人達が居ないかを

感知サーチで確認し、向かってくる信者達を相手にしつつそろそろ村の

十字路広場に辿り着こうとしていると、何やら人だかりが出来ては騒がしい

様子を見せる光景が目に付き、そこからは何やらこの騒動を起こした者らしき

人物の声が聞こえて来る。


__ワアアアァァァァ!!!…ワアアアァァァァァ!!!!…


「ッ!…人だかり!?…

…ッ!!…失礼しま~す!!!…ッ!?…」


「皆さん急いでください!!…

我々の輝かしく崇高なる目的の為に!!…

これ以上の悲しみを産まない為にも!!!…

…やけに抵抗が激しくなり始めましたね?…まさか玄関口が?…」


マサツグとモツがその人だかりに気付き、感知サーチを掛けるとその人だかりの

中心では幾つかのアイコンの塊と広場には敵対アイコンが反応し、慌てて二人が

人だかりの方へと走り出し人波を掻き分け中に入ると、そこにはクランベルズで

見たリーダー格信者より豪華な装いをした信者が、椅子と共に宙に浮いては

他の信者達を先導している姿が目に映る。両手を広げてアピールをし、右手には

赤い球の付いた金装飾の杖…纏っているローブもあちこちに金が散りばめられて、

もはや白いローブとは呼べない程に悪趣味全開フルスロットルに決めていた。

そんな異様な出で立ちの信者にマサツグとモツが戸惑いを覚えていると、

その異様な信者の後方より伝令を伝えに来たのか慌てた様子で一人の信者が

走って来る。


「し!…司祭様!!…

玄関口が突破されました!!!…

あと残る脱出口は裏の方からしか!!…」


「ッ!……このまま相手にし続けるのはさすがに分が悪いですか…

そこそこ贄は確保出来ましたし…そろそろ引き上げ…」


その走って来た信者の言う事には宙に浮いている信者はカルト教団での司祭…

高位の者らしく、冒険者や抵抗する村の人達に囲まれているにも関わらず

走って来た信者はいちいち跪き報告し始めると、その報告を受けた司祭は

宙に浮いたまま椅子に腰掛け悩み始める。そしてそろそろ引き際か…と言った

様子で他の信者に指示を出そうとした瞬間!…その宙に浮く司祭の足元から

怒声が聞こえて来る!


「このッ!!…娘を返せ!!!」


「……ん?」


「……ッ!?…ヤブ!!…」


「ッ!!…居た!!!」


怒声が聞こえた方にその場の全員が視線を向けると、そこには既に荷車に

乗せられた檻が積まれて在り、その檻の中に捕まっている娘を助けようと

している父親が檻の鍵を壊そうとしては声を荒げる様子が目に映る。

それと同時にマサツグ達はその檻の中でお世話になった宿屋の女将さんの

姿を見つけ、娘さんも一緒に捕まっていないのかと姿を探し始めるも

何処にもその姿が見つける事が出来ない。二人が娘さんの姿を探している

間にも信者達がその父親を羽交い絞めにしてでも止めようと群がり始め、

一度は拘束に成功するもその父親は農業で鍛えた体を満遍なく活用して、

信者達を薙ぎ倒してしまうと改めて娘を助けようとする。


「えぇ~い!!…邪魔だ!!!」


__ドガァ!!…ガチャガチャ!!…


「お父さん!!!…」


「待ってろ!!!今助けてやるからな!!!…

ッ!!…クソ!!!…無駄に頑丈にしやがって!!!…」


信者を薙ぎ倒して檻の鍵を開けようとする父親に、その父親の娘が心配そうな

表情を浮かべ恐怖に染まった声で父親の事を呼ぶと、父親は何が何でも助けると

言った様子で返事をする。だが果敢に挑むも檻の鍵は開かず…中々壊れない

檻の鍵に対して父親が苛立ちを覚え始めていると、当然その様子を見ていた

司祭は呆れた様子で溜息を吐いては杖を掲げ始め、詠唱もしていないのに父親の

頭上に雷雲が音を立てて生成されると、父親に向かって落雷が落ちる!


「…はあぁ~……」


__スッ…ゴロゴロゴロゴロ!…ズシャアァァァァァン!!!…ッ!?!?!?…


「ッ!?…いやあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?…」


「フン!!…何を馬鹿な事を!!…

もうその娘は貴様の娘ではない!!!…この娘は救世主の花嫁となったのだ!!!

……ん?…」


檻を壊そうとする父親の頭上に落雷が落ち、それを目の前で見た娘は更に恐怖に

染まった表情を見せては正気を失った様に悲鳴を上げ始める!目の前では

所々焦げて黒ずみ…火傷を負った様に腫れ上がった姿を見せる父親がガクンと

倒れる様を見せるのだが、そんな事など如何でも良いとばかりに司祭が

鼻で笑うと父親に対して説教をする様に救世主の花嫁と主張し始める。しかし

父親はまだ意識があるのかそんな話を聞いていないと言った様子で立ち上っては、

檻にしがみ付く様に腕を巻き込んで…死んでも連れて行かせるものか!と言った

様子を見せると、娘が涙を流して父親の腕に手を添える。


__ザッ!……ザッ!……ガシャアァァン!…


「ッ!!…お…お父さん!?…」


「…へ…へへへ!…大した事ねぇよ!…

こんなもん!…かぁちゃんの拳骨に比べりゃなんて事ねぇ!!…」


「……チッ!!…しぶとい!…

早くこの馬鹿を引き剥がせ!!!…

儀式に間に合わなくなってしまう!!!…」


父親の必死の抵抗にただその場に居る冒険者や村の人達は見詰める事しか

出来ず、父親が娘を安心させる為に軽口を叩いて見せると、その言葉に

司祭が不快感を覚える。司祭が信者達に父親を檻から引き剥がすよう命令し、

その指示に信者達が慌てた様子で取り掛かると父親に対して殴る蹴るの

暴行をし始める!恐らくは怯んだ所を一気に引き剥がそうと考えての

行動なのだろうが、父親は幾ら殴られようが蹴られようが…ただ耐える様な

声を挙げるだけで一向に手を放そうとはしない!


__ドガァ!!バキィ!!…ッ!!…ッ!!!…


「いやあぁぁ!……いやぁぁぁああ!!!…

お父さん!!もういい!!もういいから…!!!

離して!!お願い!!!お父さんが死んじゃう!!!!」


「えぇ~い、何を時間を掛けている!!!…さっさと引き剥がせ!!!」


その光景はもはや抵抗する者への見せしめと言わんばかりの公開処刑であった。

その後も娘の叫びも空しく響き…檻の中の女性・冒険者・他の村人は何故か

動かずその場に固まったまま、その間父親は必死に信者達の暴行に耐え続ける

のだが、司祭が怒りを露わにし始めると更に暴行はエスカレートする!

何処から持ち出して来たのか分からない手頃な木の棒で殴り掛かり、農機具で

暴行を働くなど耐えがたい絵面になり始め、その胸糞が悪い光景に…

マサツグとモツが娘さんを探すのを止めると怒りを覚え始め…

その怒りは徐々に…大きくなっては信者達に対する殺意へと変わり始める!…


「……えぇ~っと…リコちゃんだっけ?…居ないね?…」


「……そうだな…」


「……スゥ~……なぁ、本ちゃん?…これって…だよね?…」


「……そうだな…これはだな?…」


互いに娘さんを見つけられない事を話しては俯き出し、そのマサツグとモツの

怒りを体現している様に二人の体から赤い燃える様なオーラが滲み出し始めると、

そのオーラは他の者達にもはっきりと見えているのか気が付いた冒険者や村の

人達がマサツグ達から距離を取り始める。そのオーラは徐々に大きくなっては

互いのオーラが混ざり合う様に燃え始め、次に二人が顔を上げるとそこには

人を殺す事に対して躊躇いは無いと言った凶悪な表情を見せる二人の姿があった。


「じゃあ、あのクソ虫共跡形もなくぶっ飛ばしても良いよなぁ?…」


「ヤブだったらリアルでもやりかねんけどな?…」


「ハハハ!…如何だろうね?………付き合ってくれる?…」


「ッ!…そんなの聞くまでも無いじゃないか…」


もはやゲームの中だろうが現実リアルだろうが!…関係無いと言った様子で

いつもの二人の調子で会話をし…互いに徐々に拳を握って構えると、狙いをまず

あの父親を襲っている信者達と言った様子で狙い始める。そして互いに準備が

出来た所でマサツグがモツに一緒に暴れるかどうかの同意を求めると、モツは

苦笑いした様子で答え…その返事を聞いて二人がその場から姿を消すよう動き

始めると次の瞬間!…父親を襲っていた信者達は一斉に宙を舞っては血の雨を

降らせ始めるのであった。

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俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

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とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。

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二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

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スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

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