どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第ニ章-サマーオーシャン連合国-獣人の国編-

-第二章五十四節 獣人国の戦い・序章と煽りの片鱗と狂獣人化-

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「…はああああぁぁぁぁぁ!!!」


__フォンッ!!…ズババァン!!!…


「ッ!?…え?…」


「……二種詠唱ツインスペル!!…

《貫ける氷の槍!!…

刺し穿ちて敵を凍てつかせん!!…アイスボルト!!!》」


ハーフリングス内全体が戦場と化した中…まずマサツグ達は衛兵長を助ける為に

動き出すと、その衛兵長に襲い掛かる悪魔達の討伐に掛かり出す!この時…

相手に気付かれる事無くマサツグとシロは素早く接敵すると、互いに一体づつ

仕留めるよう悪魔を一撃で葬り!…残りの二体をレイヴンが魔法でササッと

仕留めてしまうと、あっさり救出を完了させてしまう!…その際助けられた

本人はと言うとほんの一瞬で事が終わった事に驚き!…斬られた悪魔達もまだ

消滅までに時間が有るのか何が起きた!?と言った反応を見せると、戸惑いの

言葉を漏らし出す!…


「ッ!?…バ、馬鹿ナ!?…一体何ガ起キテ!?…グフッ!!…」


「い…一体何が!?…ッ!?…ゆ、勇者殿!?…」


「おい、大丈夫か!?」


斬られた悪魔達も原因が分からないまま事切れた様にその場でバタリと

力尽きると、光りになって消滅し…目の前から敵が消えた事によって

衛兵長は戸惑い!…辺りを見渡し始めるとマサツグとシロの構えている

姿を見つけ、それで全てを察したのか納得した表情で安堵し一度警戒を

解くと、マサツグは詳しい情報を得る為に衛兵長へ声を掛ける。

心配した様子で声を掛けると衛兵長はマサツグに敬礼し!…お礼の言葉を

口にし始める。


「は…ハハァ!!…助けて頂き感謝致します!…

このご恩はいずれ!!…」


「それよりも状況は!?…

見た感じかなりヤバそうだってのは分かるが!?」


「……ハッキリ言って芳しくありません!!…

今現在!…突如現れたゲルデウス率いる魔物の軍と交戦中です!!

交戦が始まったと同時に民間人には避難勧告を出したのですが!…

敵の侵攻は思いの他早く!!…逃げ遅れた者達が数十名!…

民間人を先導していた兵士達と共に篭城をしていますが!…

長くは持たないと!!……

更に敵が何処からやって来ているのか等も不明!…

徐々に押されつつ在る状況で!…敵の増援も増える一方と!!…」


命を助けて貰った事に感謝するよう衛兵長はマサツグ達へ敬礼をする

のだが、マサツグ達はそれ所では無いと言った様子で焦りながら戦況に

ついて尋ねると、衛兵長は戸惑いながらも詳しい戦況状況を報告し

始める!…今現在分かって居る事は敵は何処から来て居るのかすら

不明で、逃げ遅れた人も多数!…中には籠城して時間を稼いでいる者達も

居るらしいがそれも長くは持たないと!…圧倒的に劣勢に立たされて

おり!…それを聞いたマサツグ達は悲観しそうになるのだが、まずは

人命救助!と言った所で意識を改めると、動き出そうとするのだが…


「……大体は分かった!…

とにかく籠城している連中達は俺達が行こう!!

衛兵長はギルドにこの事を連絡…」


__ダッダッダッダッダ!!…


「で…伝令!!!

王宮にてゲルデウスが姿を現した事をご報告いたします!!!!

ですが!!…奴は何故か奇妙なオーラを纏って居り!!…

ものの数分で王宮はゲルデウス一人に占領された模様!!!…」


「なっ!?…何だとぉ!?…そんな馬鹿な!?…

王宮の兵!!…近衛は何をしている!!!」


それは突然の報告で有った!…状況を理解した所でマサツグは衛兵長に

ギルドへ救援要請をするよう指示を出そうとするのだが…そこへ慌しく

伝令の衛兵がやって来ると、驚くべき事を口にし始めたのである!…それは

マサツグが血眼?…になりながらも探して居た憎きネズミ!…ゲスデウスの

姿を見たと言う報告であり、更にそのゲスデウスの手によって王宮が

落ちたと言う!…自身の耳を疑う様な内容であった…当然その報告を聞いた

マサツグと衛兵長は驚きを露にするのだが、同時に衛兵長はその伝令が真実か

どうかと疑う様に!…伝令兵の肩を掴んで嘘である事を願う様に確認をするの

だが、伝令兵から帰って来た言葉は先程の伝令を肯定するよう!…

更に不可解な事が分かったと言う内容であった…


「そ!…それが……ゲルデウスは如何やら魔法を使えるようで…

何やら呪文を唱えたかと思えばその場に居る兵士全員を催眠!…

意識を朦朧とさせた様子で寝返らせたようでして…

現段階では王宮の兵は完全に機能して居らず……

心苦しいですが…完全に敵の手に落ちたかと…」


「ッ!?…で、では女王陛下と姫は!?…

お二方のご無事は!?…」


「……現在…不明です!!…」


「ッ!?…そ…そんな馬鹿な!?……」


伝令兵が話し出したそのもう一つの内容…それはゲスデウスが魔法を使えると

言う事であり、自分達に魔法適性が無い事を良く知って居る衛兵長はその話を

聞いた途端に更に驚いた反応を見せ、同じ様に話を聞いたマサツグ達も驚いた

反応を見せて居ると、その伝令兵は王宮で何が有ったのかを語り出す!…

話を聞けばゲスデウスは如何やら催眠魔法を使って王宮の兵士達を制圧!…

そのまま操り人形の様に従えた様で、王宮の防護機能は完全に停止させたと!…

これにより王宮はゲスデウスの手に落ちたと伝令兵は戸惑いながらも衛兵長に

説明し、その話を聞いて更に慌てた様子で衛兵長がフィアナやミスティーの事に

ついて尋ねると、伝令兵は悔しそう俯きながら分からないとだけ答える!…

こうして事実上完全敗北を意味した報告を受け取ると、失意のどん底に落ちた

様子で衛兵長は崩れ始め…同じ様に話を聞いていたレイヴンとシロは…

ただ困惑した様相を見せ出すのだがマサツグだけは腑に落ちていない様子で、

その場で腕を組んで悩み出すと何が腑に落ちないのかを徐に考え始める。


__……スッ……


{……あれ?…やっぱ可笑しい?…

まだ絵で見ただけだからご本人に会ってみないと何とも言えないが…

あの様子を見た限りとてもじゃないが魔法を覚えれるだけの知能は

無さそうに見えた…いや確かにこの国の宰相をやる位だからそれなりに

知能が無いと駄目だとは思うが?…それでもアレは魔法を覚えられる

だけの才能が有る様に見えない…じゃあ如何やって催眠魔法を覚えた?…

確かレイヴンが言ってた説明ではその手の魔法は覚えるのがそこそこ

面倒臭いって…他の攻撃魔法も覚えていない奴がいきなりそんな魔法を

覚える事が出来るのか?…それもただの宰相に?……

だとするなら考えられるは協力者?…いやそれにしたって目的は?…

それにあの嫌われ者に協力するって…一体どんな?……分からん!!…

…それにこの戦いはまだ終わっていない!…

もし本当に終わってる筈なら何らかのアピールをする筈!…

特にあの下種なら!!…それが無いって事は何かに手こずって居るか、

舐めプ!…まだ諦めるには早い!…}


「……確かに獣人族は身体能力が高い代わりに魔法面には弱い種族だからな…

実際この国に来た時…魔術師系の獣人は一人として見て居ないし、

大体が…狩人・戦士・剣士・盗賊と言った感じだったからな?…

余計に魔法への耐性が無いのも分かる…けど!…やっぱり?……」


マサツグの腑に落ちない点…それはゲスデウスが催眠魔法を使うと言う事!…

マサツグはレイヴンの説明を覚えていたのか、ゲスデウスが他の魔法を

使えないと仮定して催眠魔法だけを覚えて居る事に疑問を持ち、

いつ覚えたのか?と考え出すと、裏に別の誰かが居る様な何かを感じては

違和感を覚える!…それは最初この異変に対処し始めた時から薄々感じて

いた物で、ここに来てハッキリと分かる様になって来た物でもあり!…

そんな奇妙な感覚に疑問を持ちつつ…このままでは戦況を逆転する事が

見出せない!…と改めて一人確認して居ると、レイヴンも徐に獣人族の

特徴について何やら話し出しては疑問を口にする!…恐らく考えている事は

マサツグと同じなのか納得していない様子で…とにかくまだ戦う!と

決めたマサツグ達が武器を手に決意を固めて居ると、目の前では惨状を

見て嘆く衛兵長の姿が有った。


__ダンッ!!…ダンッ!!…ダンッ!!…ダンッ!!…


「クッ!!…このままではこの国が落ちてしまう!!…

我々の祖国…我々の故郷が!!……如何すれば…!!」


目の前の衛兵長は実質負けを突き付けられて居るにも関わらず…その場で

四つん這いになり悔しがり始めると、認めたくないとばかりに地面を

殴り出す!…何度も何度も力の限りに殴るその様子に、シロや伝令兵は

戸惑った反応を見せるのだが…マサツグだけはふとある賭けに出る事を

思い付き出すと、徐にレイヴンの事を呼び出してはある質問をし始める。


「……なぁ?…レイヴン?…」


「…ッ!…如何した?…」


「シロを連れて籠城している人達の救助…と、

そのモンスター達の侵入口を閉じに掛かる事って出来る?…」


__ッ!?……じぃ~~~~!!!


レイヴンはマサツグに呼ばれた事で何と無く察したのか、物分かりの良さ

そうな感じで返事をすると用件を聞き…そのレイヴンの返事を聞いた

所でマサツグもシロを連れて言い出した事を出来るか?と尋ねると、

その話を聞いたシロに衛兵長と!…同じく話を聞いていた伝令兵は戸惑いの

様相を見せ出す!…衛兵長と伝令兵はまだ諦めていないマサツグの様子に

驚き!…シロはレイヴンと一緒に居るよう言われた事でショックを受けた

様子で、マサツグの事を見詰め出す!…そしてマサツグはそんな

シロの視線に耐えつつレイヴンの返事を待って居ると、レイヴンは悩み

ながらも正直な事を言い出す。


「…うぅ~ん……正直な事言うと出たとこ勝負!…

まず俺がシロちゃんに付いて行けるか?…って所からだな?…

シロちゃん…ヤブより動きが速いからな?…

後普通に今までの事も踏まえて如何動くとかも予想出来るし…

侵攻ルートを確実に潰すならヤブとシロちゃんで…

何なら王宮の方を二人で行くってのも有りなんだが…

さすがに前衛無しの戦闘となると俺もしんどいからな?…

ハッキリ言って囲まれたら終わりだし?…もしこのままやるとしたら

互いにスピード勝負になるぞ?…それでも良いのか?…」


__じぃ~~~!!!……


「……はあぁ~…しょうがないだろ?…

俺としても不安は残る所だが……シロぉ~?…

話してた通りなんだが?…」


レイヴンはマサツグの質問に答える際…単純に分からないとだけ答えると、

その理由をマサツグに話し出す。マサツグとシロでは行動を起こす・完了

させるまでの時間が違う事…付き合いから来る予測が出来ない事…それらを

踏まえてぶっつけ本番となると結果は分からないと悩みながら答え…

マサツグの提案にもう一つの選択肢を出す様にマサツグとシロで行動する

事を口にするのだが、そうなると自分がキツイと言ってやはり悩み出す…

そうなって来ると自動的にシロとレイヴンで行動して貰うしか無くなって

来るのだが、それを悟ってかシロは抗議の目でマサツグを見詰め続け!…

マサツグもマサツグでその視線を感じつつもシロに声を掛けると、

同意を得ようと思考錯誤し出すのだが…


「……はあぁ~…分かったです…」


「ッ!?…え?…」


「シロも分かってるのです!…このままだといけないって!…

でも約束してくださいね!?…絶対に皆無事に帰って来るのです!!

…ご主人様は無茶をしちゃだめですよ!?…」


「ッ!?…へ…へ~い…」


さすがの緊急事態とシロは悟ってか溜息を吐くと同意し…レイヴンの元に

歩き出すと、マサツグはそのシロの様子に戸惑いを覚える!…またシロに

恨めしそうな目で見られて文句を言われるんだろうなぁ~…と覚悟して

居た半面、そのシロの聞き訳の良さに驚き!…ただシロの後ろ姿を見詰めて

居ると、シロは突如マサツグの方に振り返って忠告の言葉を口にする!…

絶対に生きて帰る!…全員を心配した様子で口にしたその言葉に!…何なら

突然シロに釘を刺された事にマサツグはと言うと、驚き戸惑い…

気の抜けた返事しか出来ず、シロの成長?…具合にただただ困惑する。

そうして各々が向かう所を決めると行動に移ろうとするのだが、

その前にマサツグは衛兵長に言葉を掛け出す!…


「……驚いたぁ~!…まさかシロにあぁ言われるとは!?…

…まぁ…当然生きて帰る気で居るけど?……さて、それより!…

衛兵長!!」


「ッ!?…ハッ?…」


「いつまで地面に這い蹲ってんだ?…

ここから反撃の狼煙を上げる位の気概を見せて見ろよ!!

…んで、今動ける残りの兵を教えてくれ!」


「ハッ…ハァ…ざっと残存兵は4300人位かと?…」


完全敗色濃厚だと言うのにまだやる気を見せるマサツグ達!…そんな様子に

衛兵長は戸惑いの視線を向けると同時に何故ここまでするのか?と疑問を

持つのだが…マサツグが突如声を掛けて来た事でハッと意識を取り戻すと、

マサツグはまだ終わっていないと!…まるで衛兵達を煽る様に意気揚々と

言葉を掛け出し!…更に動ける兵の数について尋ね出すと、その問い掛けに

衛兵長は戸惑いながら答える…そして残存兵の数を聞いた所でマサツグは

フッと笑って見せると、徐に準備運動をし出し!…更に煽るよう衛兵長の

居る方に振り向くと、こう尋ねる!…


「…じゃあ!…

敵の侵攻ルートを封鎖すれば町の中に居る連中を排除出来るか!?」


「え?……ッ!…ハッ…ハハァ!!…

可能!…いえ、必ずやり遂げて見せるであります!!」


「おッ!…いい返事だ!!…って事だレイヴン!!…

急いで塞いできてくれ!!…」


「ッ!?…あ、あの野郎!…簡単に言いやがって!!…

……しょうがない!!…乗り掛かった舟だ!…

やってやりますか!!……頼むよ?…シロちゃん!!」


「はいです!!!」


失意の衛兵長を焚き付けるようマサツグは声を掛け続け!…そのマサツグの

言葉に乗っかるよう衛兵長もハッ!とした表情を見せると、徐々に立ち上がり

始めては奮起するよう答え出す!…そうしてまだ終わっていない事を衛兵長に

分からせると、マサツグは後の処理を任せるよう更に言葉を掛け!…レイヴンに

急ぐよう声を掛け出すと、そのマサツグの台詞を聞いたレイヴンはツッコミを

入れる様に文句を零す!…しかしレイヴンは意外とやる気になっているのか、

出来るだけ早く動けるよう徐にウォーミングアップし始めると、シロに

よろしくと前衛を任せる様に挨拶をし!…シロもその挨拶を聞いた所で

やる気を見せると、手を上げて返事を返す!…こうしてスピード勝負のハーフ

リングス防衛戦に突入し始めると、最後に互いに声を掛け合う!…


「じゃ!…チャッチャと終わらせますか!

頼んだよ!…シロちゃん!!」


「はいです!!…ご主人様もやられちゃ駄目ですからね!?

絶対にお姉ちゃん達を助けて下さいね!?」


「おうよ安心しろ!!!

やられる気はサラサラ無い!!

絶対に助け出してみせる!!

……じゃあ!…また後で!!!」


__バッ!!!…


最期互いに声を掛け合うとマサツグは王宮に!…レイヴンとシロは敵を

殲滅しつつの侵攻ルートを探しては封殺する為の行動に出始める!…

全く負ける気無しの三人に感化されたのか衛兵長と伝令兵はその場を

後にしたマサツグ達の後ろ姿に敬礼をし!…更に同じ様に他の冒険者達も

感化されたのか!…あの三人だけに良い格好はさせない!!とばかりに

奮起し始める!…


「…まだ頑張っている奴だっているんだ!!…

俺達が逃げたらそいつ等が可哀想だ!!…」


「私だって…まだTPは残っている!…

最後の一メモリまで魔法をあいつ等に叩き込んでやる!!」


「同志が来ないのなら…俺が一人で覆すだけ!!

ここから!!……俺の英雄譚ロードが始まるぜ!!!」


__オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!


きっかけは些細な事で有るのだが!…あの三人を見てやる気の引き出された

冒険者達はモンスターの大群を前にしても引かず!…吠えては進み続ける!…

大盾で侵攻を防ぐ者達は防ぐだけでなく押し返し!…戦う者は敵を斬り伏せ

突き崩し制圧する!…癒す者も自身の限界を突破するよう傷つく者を癒し!…

各々が奮起する姿を見せ出すと、衛兵長も何かを決心したのか!…静かに

頷いて見せては衛兵達に叫ぶよう命令を出す!…


「……ッ!!…聞けええぇぇぇ!!!!」


__ッ!?…


「これより我らは修羅となる!!…しかし努々忘れるな!!!…

我らは誇り高い獣の一族!!!…害有る物のみを排除する!!!!!

仲間を傷つける事叶わず!!!…

守るべき物を守る為にその力を振るえ!!!!」


__ッ!!!…ウオオオオオオォォォォォォォ!!!!!


衛兵長が声を張り上げて叫び出すと周りの衛兵達は一斉に!…遠方に居る筈の

衛兵達もその声の聞こえた方へ振り向き、ただ何が有った?と言わんばかりの

若干困惑気味の表情を見せては凝視する!…幾らモンスターに迫られて

鍔迫り合いをして居ようとも!…一度身を引き隠れている危機的状況で

あろうとも!…まるで時が止まった様にその声の元へ注目すると、衛兵長は

続けて衛兵達に激励の言葉を掛け出し!…自分達の信条かそれを信じ誇る様に

続けて言葉を叫び続けると、衛兵達はその叫ぶ声に反応するよう突如として

吠える!…その余りの変わり様にモンスター達も戸惑い出すのだが、衛兵長は

合図とばかりに更に続けて叫ぶと、今まで隠して居た様子で衛兵達に

号令を出す!…


「ハーフリングスの衛兵諸君!!!…判断が遅れて申し訳ない!!!…

これより反撃に出る!!!…今こそ我らの底力を見せる時!!!

各自の発動を許可する!!!」


__オオオオオオォォォォォォォ!!!!!……


「ッ!?…狂戦士の血?…」


衛兵長は部下達に謝るよう言葉を口にすると、今から反撃に出る事を

堂々宣言し!…何やら聞いた事の無いスキルを使うよう更に衛兵達へ

許可・指示をすると、その言葉を聞いた衛兵達は待ってましたとばかりに

その場で吠え出す!…そしてそんな指示を聞いた冒険者達も何事か?と

言った具合に衛兵達の様子に戸惑い出すのだが、その号令を聞いた瞬間!…

衛兵達の体は徐々に獣の姿へと変化…近付き始め、ある者はジャッカル!…

またある者は象と!…各々がモデルとなっている動物の姿に近い!…

本当の獣人族の姿へと変身を遂げる!…


__ゴゴゴゴ!!…メキメキ!!…バキバキ!!…


「ッ!?…なッ!?…」


「膨れ上がって!?…と言うより骨格変わってる!?」


__…ハアァ~!…ヴヴヴヴヴヴヴ!!!…グルルルルル!!!…


体が膨れ上がる様な若干生々しい音が聞こえ出すと、先程まで見られなかった

体毛も濃い位に生え出し!…まるで本物の狼男ワーウルフの様に衛兵達が変身

すると、その変身を初めて見た冒険者達は戸惑いの様相を見せ出す!…

変身を終えた衛兵達はと言うと、息を荒げながら獲物モンスター達に視線を向け!…

低い唸り声を上げると今までのお返しとばかりに武器を構え、眼光鋭く己の戦意を

高め始める!…そして衛兵長も!…程無くして変身を終えると

その姿は本当に狼男ワーウルフになったよう黒く大きな狼の姿に近付き!…同じ様に

息を荒げ出しては獲物モンスター達を睨み!…徐に武器を掲げ始めると号令を出す様に

振り下ろす!…


__スゥ……フォンッ!!…


「掛ぁ…かれええええぇぇぇぇ!!!」


__オオオオオオォォォォォォォォォォォォ!!!!!


衛兵長が号令を出すと衛兵達は一斉にモンスター達へ襲い掛かる!…

それはまるで飢えた獣の様で、冒険者達には目も暮れず持っている武器を

さも蛮族の様に扱い出すと、先程までの劣勢が嘘の様に押し戻される!…

…なら何故最初から使わないんだ?…思わずそう思ってしまう冒険者達も

居る様で、疑問を浮かべた表情を見せながら戦闘に参加して居ると、

その答えは直ぐに分かるよう目の前で見られ始める!…


__ガアアアァァァァ!!!!…ガブゥ!!…ブチィィィ!!!…


「ッ!?…うひぃ!?…」


「ペッ!!…クソ不味い!!…

この姿になると牙が伸びて色々なモノを

噛み千切れる様になるのは良いんだが…

どうにもなぁ?…皆本能のままに戦い出すから

辺りが汚ねぇのなんのって…

……まぁ、戦いに汚いも綺麗も無いけどな?…」


「………。」


何故そう簡単に使わないのか?…理由はその戦闘スタイルに問題が有った…

彼らの戦い方は本能!…獣よりであり、寧ろこっちの方が彼らにとって

性に合って居るのだが!…その後始末が大変なのである!…牙が有る者は

相手の喉を噛み千切り!…爪が有る者はズタズタに引き裂く!…

またしなる様な四肢を持つ者はその特性を生かして鞭の様に扱い!…

力加減が出来ないのかその一撃を入れると反動で家の壁をぶち向く始末!…

圧倒的に蛮族なのである!…この点から彼らも不味いと感じたのか普段から

変身を使わない様にし、通常時でも戦えるよう訓練をして来たのだろうが…

その余りの暴れ振りは残酷描写の規制入り放題ほぼ無法地帯と化し!…

規制無しでこのゲームを遊んでいる居る者からすればその光景はただ

地獄でしかない!…故に使わなかったのか…と冒険者達は理解すると

次第に何も言わなくなる…そうして衛兵達が本腰を意ら出した光景を

レイヴンも見ており!…その余りの暴れ振りに思わず感心すると、言葉を

漏らし出す。


「……おぉ!…噂には聞いて居たけど…

あれが獣人族の固有スキルなのか…えげつないな!…」


「ひゃあぁ~!…すっごいのです!…

レイヴンさん!!…皆如何しちゃったのです?…

お腹が空いたのですか?…」


「いやお腹が空いたにしてもヤバすぎると思うが……あぁ~っと…そうだな?…

あれは獣人族の固有スキル[狂獣人化ウェアバーサーカー]て言って、

まぁ簡単に言うと彼らの本当の姿とでも言おうかな?…

だから凄い勢いで敵を倒してるだろ?…あの状態になると力も身体能力も…

えぇ~っと…とにかく素早く動ける様になるんだ!…でも、アレを長時間

やり続けると物凄く疲れるみたいで…たまにしかやらないとっておき!…

…って、奴なのかな?…」


先を急ぎながらも流し目で衛兵達がモンスターを倒す姿を見ると、シロも

その衛兵達の変わりようが気になったのか…自分なりに考えた答えを口に

しながらレイヴンへ説明を求め出すと、レイヴンはシロの考えにツッコミを

入れるよう戸惑ってはシロの質問に答える。その際レイヴンはスキルと

言うメタい説明をする訳には行かないと…冒険者プレイヤー視点での説明をしない様に

心掛けてシロに話すのだが、意外に難しく!…言葉を探しながら

何とか説明し、とにかく彼らはお腹が減ってあぁ言った事をして居るのでは

ない!と理解させると、シロは本当に理解したのかしてないのか…とにかく

言葉を漏らしキョトンとした表情を見せると、先を急ぎ続ける。


「ほえぇ~!……ッ!!…

邪魔です!!」


__ババシュン!!…ズババァン!!!…


{……本当に分かってるのかな?…

いや確かに俺の説明もヤバかったけど…

…てかこの光景を見て何とも思わないこの子は何!?…

これが平常運転?…それともフェンリルだから!?…

…ヤブ?…お前はこの子をどう育てて居るんだ?…}


ぽやんとした表情でレイヴンに返事をしては前を向き直し!…邪魔をして来る

敵に関しては薙ぎ払うようカマイタチを連発すると、そのまま突っ切る様に

駆け抜けて行く!…この時レイヴンはそのシロの躊躇いの無さに!…何なら

周りの地獄絵図を見て全く動じないシロの様子を見て本当に子供!?…と

困惑した反応を見せ!…思わずマサツグの教育方針について疑問を持つと、

違う意味でシロの心配をし始める!…そうしてシロを先頭に戦火の中を駆け

抜けて居ると、後ろから黒い狼の様な!…衛兵隊の服を身に付けた何者かが

猛烈なスピードでレイヴン達に追い付いて来ると、突如として声を掛け出す!…


「魔術師殿!!」


「ッ!…おわぁ!!狼!?…」


__スチャッ!…ッ!?…


「まッ!…待ってください!!…

私です!!…衛兵長です!!…」


背後から追い上げて来たのはあの衛兵長で、シロはレイヴンの事を考えて

一応加減をしながら走って居ると、遥か後方より衛兵長が全力で走って

来ては余裕で追い付き!…レイヴンの事を慌てた様子で呼び出し!…

呼ばれたレイヴンも戸惑った反応を見せると思わず杖を構えてしまう!…

そんなレイヴンの様子に衛兵長は更に慌てた様子を見せるのだが、

レイヴンが誤解と気付いた所で並走をすると、籠城している仲間の

居場所について話し忘れたと報告し始める。


「ッ!?…へ?…衛兵長?…ッ!!…あぁ!!…

ス、スマン!!…何分走りながらだと識別が!…」


「籠城先を伝えて居なかったのでご報告を!…

この先を真っ直ぐ行った所にこの町の道具屋が立っております!…

その道具屋を左に!!…更に真っ直ぐ進んで三つ目の角を曲がると

背の高い建物が見えて来るかと!…

そこに逃げ遅れた者達が籠城をしているとの事です!!」


互いに驚き慌てながらも誤解を解くと、レイヴンは謝り!…衛兵長は

戸惑いつつも籠城をしている仲間の居場所について改めて報告をすると、

何とか間に合ったと言った様子でホッと安堵する…しかし問題なのは

ここから!と更に認識をすると、互いに頷き返事をし!…散開する様に

別れの言葉を掛けると、衛兵長はレイヴン達から離れ出す。


「ッ!!……そうか!…ワザワザすまない!!…」


「いえ!…では、ご武運を!!!」


「あぁ、互いにな!!…死ぬんじゃねぇぞ!!……

シロちゃん聞いた!?」


「ばっちりです!!」


衛兵長に敬礼をされつつ別れると、レイヴンは気を付ける様に衛兵長へ

言葉を掛け…その後レイヴンはまずシロへ先程の話について確認の言葉を

掛けると、シロは振り向き様にマサツグの真似をするようサムズアップを

して見せる!…そして笑顔で大丈夫と言うとさすがにマサツグとは違うのか、

聞いた通りの順路で道具屋の角を左に曲がり…レイヴンをホッと安心させると

急ぎ籠城の現場へと向かい続ける!…そして何時しかレイヴンの中に有った

シロへの恐怖心も何処かへ消えてただシロの事を一人の戦友として見始めて

おり!…自ずとシロに頼り出して居る事にこの時レイヴンは気付いて居ない

のであった。

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

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ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話

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岩崎理(いわさきおさむ)40歳バツ2派遣社員。とっても巻き込まれ体質な主人公のチーレムストーリーです。

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

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HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

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