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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章四十八節 脱線する話と案の定の逆上とアルスの望む答え-
しおりを挟むやはり色々と面倒事に巻き込まれる事が決まり、更にはマルティスがアルスの
願いを叶えると言った事でアルスは殺気付き!…それを抑えるのにマサツグ達が
奮闘する事で約二週間の時間が過ぎ、アルスも本調子…更に何とか理性を保てる
位にまで調教…ゲフンゲフン!…もとい言い聞かせる事に成功すると、一同は
そのマルティスの話を聞く為にその家へと向かって居た。因みにアルスが完全
回復するまでの間、マルティスとの連絡はベルベッタが勤め!…アルスも何度か
一緒に付いて行こうと脱走を試みるのだが麻痺針漬けにされてしまい…仕舞いには
耐性を付けるまでに至ってしまうと、レイヴンも何処か既視感の有る光景だと
感じては腕を組み、悩む様な様子を見せていた……さて…
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……
「漸く!…漸くだ!!…長かった!…実に長かったぞ!!!…」
「……なぁ、本当に会わせるのか?…
何ならこのまま本国送還でも良い気がするんだが?…」
「……シャーマンは話す気で居るみたい…
…護衛の話をされた時に気付いて居るかもしれないけど…
シャーマンは一度やると決めたら梃子でも曲げない人なの…
帰した所で無駄よ…絶対ユグドラドに行くって言い出す!…
…それで苦労するのは毎回私達なんだけどね?……」
「ッ!……大変だな?…ダークエルフ達も…」
マルティスの家へと近付く度にアルスは嬉々として喜び、その様子を見る度に
マサツグ達は不安を覚え!…この時マサツグはもうアルスをユグドラドへ
帰す事を考えるのだが、それをした所で無駄だとベルベッタは諦めた様子で
語る!…その理由にマルティスが頑固者である事を口にすると、帰した所で
マルティスが追い掛ける様な事を言い出し!…そしてアルスへ会いに行くに
当たって苦労させられるのは自分達と…ベルベッタが疲れた表情で徐に苦笑いを
しつつマサツグ達に話すと、その話を聞かされたマサツグ達はベルベッタに
同情をする…そうしてそんな話をして居るマサツグ達を余所にアルスは
依然として先頭に立つよう先行しており!…その表情も今だ嬉々としており!…
とにかくそんなアルスの様子に一抹の不安を覚えつつ…不測の事態に備えて
いつでも動けるよう覚悟してマルティスの家へと歩を進めて居ると、遂にその
マルティスの家へと辿り着いてしまう!…
「……着いた……ッ~~!!…あぁ!…辿り着いてしまったぞ!!…
…長かった!…ここまで辿り着くのに本当に長かった!!……
騎士として動いて居ればいつかは辿り着けると思って居たが!!…
それでもこの数百年は私にとって空虚な物だった!!!…
だがそれもこれで終わる!…後は真実を聞くだけ!!!…」
「……言っておくが万が一お前がやらかしそうになったら!…」
「分かって居る!!!……女王陛下!…今一度私に時間を!…
この醜い心を持った私にしばしの時間を!!……お許しください!!……」
マルティスの家の前に辿り着くなりアルスは興奮を抑えられない様子で不気味に
笑みを浮かべ、これまでの自分の人生を振り返るよう徐に言葉を口にし始め!…
その際も空しい時間だったと語るのだがそれも終わりと!…何やらアルス自身が
怪しい雰囲気を放ち始めると、その様子を見たマサツグが警戒気味にアルスへ
釘を刺す!…するとそのマサツグの言葉に対してアルスもハッとしたのか、
途端にマサツグへ反発し!…そしてマサツグに文句を言った後、アルスは途端に
人の家の前で両手を重ね…ユグドラドに居る女王へ向かい許しを請うよう祈り
始めると、そこからは黙祷を続ける!…まるで一応は自身の心を静めている様にも
見えるのだが、あくまでもアルスは感情的なので!…当然その様子を見ても
不安しか無く!…マサツグ達も再度覚悟を決め直すようアルスの黙祷が終わるのを
待って居ると、時間にして約五分…アルスはスッと立ち上がるなり扉を叩く!…
__……スッ……コンコンッ!…
「……入って参れ…既に役者は揃えている…」
「ッ!……役者は揃えている?………失礼する!…」
__ガチャッ!…ギイイイィィ!!……ッ!?…
アルスが家の扉をノックすると中からマルティスの声が聞こえて来る…まぁ当然と
言えば当然なのだが気になる事に…マルティスは入って来るようアルス達に言葉を
掛けると、まるで他にも同席させている者が居るのか人が居る様な言葉を続ける…
その言葉にアルスも引っ掛かりを覚えた様子で思わず警戒をするのだが、それも
数秒間の出来事で…直ぐに扉へ手を掛けるとアルスはマルティスに声を掛け!…
中の様子を恐る恐る確かめるよう扉を開け始めると、そこで六森将達が集まって
居る…それこそあの試練の話が決まった時の様な配置で座って居るマルティス達の
姿を見つける!…
「……さぁ…望みの話を聞かせてやろう…
……入って参れ…」
__ゴゴゴゴゴゴ!!!……
「ッ!?……し…失礼する!…」
その六森将達の集まっている姿を見てアルスが戸惑って居ると、マルティスは
再度中に入って来る様に声を掛け!…この時六森将全員が何やら緊張した!…
それこそピリピリとした雰囲気を滲ませると、まず最初に入って来たアルスに
対して睨みを利かせる!…まるでこの後に起きるであろう事を警戒した様子で
アルスを見詰めると、身構える様な素振りも見せ!…当然そんな六森将達の
様子に!…アルスも更に驚き戸惑った反応を見せるのだが、気を取り直した
様子で中に入る!…その際気後れしないよう堂々とした態度で入ると、その
アルスの様子に…マルティスは感心を持ったのかジッとアルスを見詰め!…
アルスもジッと見詰められて居る事に気が付いたのかマルティスの事を
見詰めると、後続でマサツグ達も中に入って来る!…
「お邪魔しまぁ~す……ッ!…
あれ?…ジーナもう大丈夫なのか?…」
「ッ!…な、何がだい?…」
「ベルベッタから聞いた話だとあの後オーディックの事が
気になって仕方がないみたいな?…」
「ッ!?…ベ!…ベル!!…アンタ!?…」
マサツグ達もマルティスの家に入って来るなりまずはその六森将達が集まって
いる事に驚くのだが、マサツグは空気を読まずに!…ジーナへ声を掛けると
その身を案じ…突如マサツグに心配をされた事でジーナも戸惑ったよう返事を
すると、マサツグは続けてベルベッタから聞いた話を口にする。この時その
話した内容と言うのは、ジーナがオーディックに興味を持ち出した事で…
当然この話にジーナは赤面!…ベルベッタの事を愛称で呼んで文句を言おうと
するのだが、ベルベッタは澄ました表情で自分の席へと座って行く…
「どっこいしょっと!……ッ~~♪」
「ッ!?…ちょ!…ベェ~ルゥ~!!…」
__バババッ!!…じぃ~~~~!…
当然の様に誤魔化しながらスラッ恍けると、ベルベッタはジーナに対して
そっぽを向き!…勿論そんな態度を見せられてジーナも慌て!…更に
文句を言うようベルベッタに声を掛けようとすると、その話を聞いて他の
六森将達も色めき出す!…それこそジーナやベルベッタを覗く六森将!…
あのマルティスですら興味を持った様子であのジーナが!?…と言わん
ばかりに目を輝かせ!…そうなるともはや先程の緊張感も何処へやら!…
とにかく視線が一気にジーナへ向けられ始めると、ジーナは赤面したまま
困惑する!…
「ッ!?……ッ~~~~!!…あぁ~もう!!
…そ、そんなに見ないでおくれよ!!…
…は、恥ずかしいじゃないか!…」
「…ほう?…珍しい事も有るものだ…
あの戦う事しか能に無かった小娘が…色恋に目覚めるとは…」
「ッ!?!?…ッ~~~~!!!…シャーマン!!!
ここに集まったのはそんな話をする為じゃないだろ!?…
サッサと本題に入ってくれ!!!…」
一同から視線を向けられ始めた事でジーナはとにかく恥ずかしいのか、両手で
乙女の様に顔を隠し!…そして全員に訴えるよう見ないで!と声を掛けるのだが、
視線が外れる事は無く…寧ろマルティスにまで煽れる様な言葉を掛けられると、
ジーナはその言葉にショックを受ける!…すると今度はジーナがマルティスに
対して文句を言い出すと、珍しい事にジーナが軌道修正を入れ!…そのジーナの
言葉にマルティスもハッとした様子で…珍しく小さな驚きの反応を周囲に
見せると、咳払いをしては本題に入る!…
「ッ!…おっとイカン…
余りにも珍しかったのでつい脱線してしまった…
……では…んん!!……覚悟して聞くがよい…」
「ッ!…ッ~~~…」
「……端的に言うともう汝の憎む者はここには居ない…
…と、言うよりはこの世に居ないが正解か…」
気を取り直すよう咳払いを挿みつつ…アルスに覚悟して聞くよう言葉を掛けると、
マルティスは元のポーカーフェイスに戻る…その際マルティスに声を掛けられた
アルスもギュッと奥歯を噛み締めて平常心を保とうとすると、ジッとマルティスの
目を見詰め!…するとその視線に答えるようマルティスもアルスに視線を向け…
単刀直入に話を切り出すと、そのアルスの仇はここに居ない事を口にする!…
その際ただ居ないと言うのはこの地に居ない別の大陸とかそう言う意味ではなく、
既に死んでいると言う風に答え!…当然その答えを聞いたアルスは目を見開き
出すと、先程の平常心も何処へやら…とにかく酷く慌てた様子でプルプルと
痙攣するようその身を震わせると、次には怒りを爆発させる様にマルティスへ
詰め寄ろうとする!…
「ッ!?…なっ!?…ッ~~~!!!!…
ふざけるなぁ!!!…やはり同胞を匿う為に嘘を!!!…」
「ッ!?…おいアルス!!…」
「嘘は言って居ない……現に魂もここに呼び寄せて有る……
…だが我の問い掛けに対して何も答えようとはせん…故に憑依も不可能…」
「それもただの貴様の妄言では無いのか!?…
……もういい!!…
如何しても答えぬと言うのならここに居る者全てを斬り伏せて!…」
マルティスの言葉に激昂しアルスが詰め寄り出すと、マルティスの背後に
座って居る六森将達が途端に身構え!…マサツグ達もそのアルスの様子に
危機感を覚え!…慌てて止めに入るよう手を伸ばそうとすると、マルティスが
そんなマサツグや六森将達に対して待つようジェスチャーをする…勿論今
自分の身が危ないと言う事は本人も分かって居る筈で、止められた
マサツグ達は戸惑い!…だがマルティスの話は止まらず!…そのアルスの
両親を殺害した魂を呼んであると言う風に説明するが、アルスは一向に話を
聞こうとしない!…その際やはりダークエルフ達は悪だ!と言った様子で
言葉を口にすると、特定を諦めたのか皆殺しにする!とまで言い出し!…
これには当然マサツグやレイヴンも駄目だと感じ!…マルティスの制止を
振り切りアルスを止めに掛かろうとすると、マルティスは更に続けて話をする!…
「……汝の両親は平民の出…それも貧しい家庭のようだな?…」
「ッ!!…だから如何した!!…」
「…汝の両親を殺したのは…我々ダークエルフでは無い…
我々を装ったエルフの者達による仕業!…」
「ッ!?!?…何だと!?…匿うだけに飽き足らず!!…
我が同胞達まで愚弄!!!…ッ~~~~!!!!…
万死に値する!!!!…」
マルティスは依然として顔色一つ変える事無く話し続けると、徐にアルスの
出生について質問を始め…その質問にアルスの更に激情し!…その怒気を
更に強めて返事をすると、マルティスは衝撃の真実を口にする!…その真実と
言うのはアルスの仇はダークエルフではなく、アルスの同胞であるエルフに
殺されたと言うものであり!…更にダークエルフの仕業に見せかけて殺したと!…
更にアルスを逆上させそうな内容であった!…そして当然この話を聞いて
アルスは更にマルティスへ目を見開き感情を露わにすると、遂には我慢の
限界!と言った様子で!…剣の柄に手を掛けては鞘から剣を抜いて見せ!…
酷く激情した様子で剣を構えると、マルティスに対して今にも振り下ろさん
勢いを見せていた!…だが!!…
「ここで散れええぇぇぇ!!!!」
__フォンッ!!…パシッ!!…ッ~~~~!!!!………ッ?…どよ!?…
「ッ!?…貴様あぁ!!!」
この時瞬く間に剣を抜いて構えたアルスの動きにある人物を除いて誰も動けず、
レイヴン達や六森将達は遅れを取り!…アルスはアルスで剣を真っ直ぐに
マルティスに向けて振り下ろし!…マルティスも眼前に迫って来る剣に対して
一切避けると言った行動を見せないで居ると、次の瞬間誰もが最悪の展開を
予想する!…そして予測した者達はそれぞれ見たくない!と言った様子で目を
閉じ顔を背け出すのだが、次に聞こえて来たのは意外にも乾いた音で…その場に
居る者達全員!…特にスプラッターが苦手な者が異変に気が付いた様子で
恐る恐る目を開け出すと、そこである光景を目にする!…それはマサツグが
真剣白刃取りをしている!…それもアルスの太刀筋は見えて居ない様子で後ろ
向きに受け止めている光景であり!…アルスも剣を止められた事でマサツグに
対し怒りを燃やして居ると、マサツグは危機一髪と言った様子で一息吐く!…
「ッ~~!!!…ふぅ~!…危機一髪!…
やっぱりこうなると思った…」
「放せぇ!!!!…何故邪魔をする!!!
いっその事根絶やしにして和平の話も無い物に!!!」
「ッ!?…出来る訳ねぇだろうが!!!…このスカタン!!!
そろそろ頭を使う事を覚えろ!!!…この単細胞!!!」
「ッ!?…ッ~~~~!!!…」
片膝を着きながらアルスとマルティスの間に入ると、その手に剣の刃を握った
まま予想出来ていたと話し…剣を止められたアルスもマサツグに文句を言うと、
その白刃取りされた剣を抜こうとする!…しかしマサツグがしっかり掴んで
居るせいか、剣は抜ける気配を見せず…その間周りの者達はそのマサツグの
機敏さに驚いては固まってしまい!…ただその様子を思わず眺めるよう見て
居ると、マサツグはアルスの文句に対して怒りを露わにする!…その際やはり
理性を失ったであろうアルスに対して真剣に怒るよう言葉を掛けると、
アルスは若干怯んだ様な反応を見せ!…そしてそのマサツグの怒鳴り声で
ハッとしたのか!…レイヴンやオーディックも気が付いた様な反応を見せると、
慌ててマサツグの助けに入り出す!…
「ッ!?…い、イカンイカン!!…やめねぇだでか!!!」
__ガッシ!!!…グイイィ!!!…
「ッ!?…何をする!!!…放せ!!!」
「《金色の針よ具現化し!…かの者の動きを鈍らせん!!…
それは永久なる苦痛を伴い!…自由を略奪する冥府の針!!…
パラライズニードル!!!》」
オーディックは呆けている場合では無いと言った様子で言葉を漏らすと、
怒りを露わにしてはいつもの様にアルスを羽交い絞めにし!…レイヴンは
レイヴンで魔法を詠唱し始め、麻痺針を…それこそ普段は一~二本程度で
アルスの自由を奪って居たのだが、耐性が付いた事でフルに発動し!…
オーディックがアルスの動きを止めた事で狙いを定めると、オーディックに
当てないようその麻痺針をアルスに打ち込む!…
__バシュシュン!…スゥ……バススス!!!…
「グッ!!!…何をするぅ!!!…
てきはわたしではなくやつらのほうだろうが!?…」
「ッ!?…マ、麻痺状態になったってのにまだ喋れるのかよ!?…
どんだけ耐性が付いてんだ?…」
レイヴンが生成した麻痺針は決して羽交い絞めにして居るオーディックに当たる
事は無く!…アルスの露出した肌に深々と刺さって行くと、そのまま吸収される
様に針は消えて行く。すると如何だろう…幾ら麻痺に対する耐性が出て来たとは
言え、やはり数が刺さったらダメなのか…アルスはオーディックに羽交い絞めに
された状態で麻痺に掛かっては動けなくなり!…まるで硬直したようその身を
痙攣させると、更に怒りを露わにする!…その際まだ喋る事は出来る位に敵は
マルティス達の方!と言った言葉を口にすると、まだ喋れる事にレイヴンは
驚き!…アルスが拘束された事で掴んで居た剣も放され、マサツグも漸く安心と
言った様子で構えを解くと、アルスの剣を手放しては地面に転がす…
__……スッ…ガラン!カランカラン!………テテテテッ!…スッ…
「ッ!……シロ……ッ…」
__ギュッ!…
「……で?…実際に所は如何なんだその話?…」
「ッ!……と、言うと?…」
アルスの剣が床に転がると空しく音を響かせ…当の本人も今だオーディックに
羽交い絞めにされた状態で固まると、ただ恨めしそうにマルティスの事を音も
なく睨み続ける!…それこそ睨み付けた所で何も意味は無いのだが…その際
シロも心配した様子でマサツグの元へと駆け寄ってはマサツグの手を握り!…
マサツグもそれに気が付いた様子でシロの名前を口にすると、その握って来た
手を握り返す…そして徐にマルティスへ対し疑問を持った表情を浮かべると、
質問をし始めるのだが…マルティスはマサツグからの問い掛けに対して今だ
澄ました様子で座っており、ただ一言だけ尋ねるよう返事をすると、マサツグは
こう続ける。
「仮にそれが真実だとして色々と疑問点が出て来る!…
一つ目は何故アルスの両親が殺されたのか?…
二つ目は偽装…まぁこれに関しては何と無くだが分かる…
それでも理由が知りたい…
三つ目…仮に殺したとしてそれをやった人物は何故死んだのか?…
この三つだが?…」
「……理由はとても簡単…そしてとてもクダラナイ理由だ…」
「ッ!…くだらない?…」
マサツグが口にし出したのは先程のマルティスの話の内容で、その際自分が
疑問を感じた事で有り!…その疑問と言うのも三つ有り!…それぞれ
マルティスに答えるようシロの手を握りながら問い掛けると、マルティスは
やはり妙な間を開けながら簡単と答える…その際同時にその理由がくだらない
モノと答えると、マサツグもその言葉に若干戸惑った様子で反応するのだが…
マルティスはそんなマサツグなど知らないと言った様子で…とにかくその
尋ねて来た理由について最初から振り返り始めると、今度こそ順序立てて
説明をする!…
「如何にも……まず我は最初にその娘に貧民である事を尋ねた…
その理由は過去の大戦にある…」
「ッ!…と言いますと?…」
「…知っての通り過去の大戦とはすなわちこの大陸の覇権を巡って起きた大戦…
勿論エルフとダークエルフもその覇権争いに加わって居た…
そして互いに隣同士…言うなれば目の上のたん瘤…
当然我々が邪魔であるが為…戦うに当たってエルフ達はその理由を求め…
行きついた先がその娘が両親を失う…その事件へと発展したのだ…」
マルティスは最初にアルスの出身について質問をした事に意味が有ると話すと、
更にその尋ねた理由に過去の大戦が関係して居ると話し!…突然のデカい話に
マサツグ達は戸惑い!…マサツグが如何言う意味かとマルティスに尋ねると、
マルティスはその過去の大戦が如何言うものなのかを簡単に説明し始める!…
その際その過去の大戦には自分達も参加して居た事を話し出すと、ここでも
エルフとの関係の悪さが話され…戦うに当たっても理由が要るのかその理由に…
アルスが両親を失い事件について話が続くと、ここでレイヴンが疑問を持った
様子で質問をする!…
「ッ!…待った!!…
戦う理由って!…覇権争いをしている最中なら理由も何も無いんじゃ?…」
「……エルフ達の中には穏便に事を済ませようとする連中も居た…
つまり一枚岩では無かったのだよ……これを機に大陸の掌握を考える過激派…
戦いに参加する事無く存命を考える穏健派…
…二分されたエルフ達はそれぞれ自分の信念に従って行動し、
それぞれの目的を得る為に忠実になって居た…
…分かるだろうか?…つまりは戦闘の理由…
我々ダークエルフ達が侵攻して来たと発覚させる為の嘘…
それを必要としたのだ…」
レイヴンの疑問はこうである…戦争をするに当たって何故理由が必要なのか?…
現実とは違い宣戦布告の必要性も感じられない!…つまりは始めた者勝ち
なのでは?とレイヴンは指摘をするのだが、マルティスはその質問に対して首を
左右に振って見せると、何故理由が必要なのかを話し出す…この時話された
内容と言うのは耳を疑う物で、簡単に言うと身内切り!…それを敵に擦り付けて
戦争の口実にしようとするモノであり!…当然この話を利かされたマサツグ達が
思わず絶句してしまうと、レイヴンは続けて質問をするよう言葉を口にする!…
「ッ!?…じゃあそれってつまり!!…」
「…文字通り自作自演……
奴らのやった事は自分達より身分の低い者達を犠牲に戦争の理由を作り上げ…
我々との戦争を企てようとしたのだ!…
…その際ワザと子供を残す様にして始末し…その恨みを我々に向けさせたのだ…
…そのアルスの言う娘はさぞ奴らにとって思い通りの駒となっただろうな?…
事実こうして我々の所に乗り込んで来ては見事に剣を手に取り…
その復讐心でその地位まで上り詰めたのだからな?…」
「ッ!?…………」
レイヴンが驚いた様子で言葉を口にすると更にマルティスの話は続く!…
マルティスはこの身内切りを自作自演と話してはアルスはその犠牲者と語り…
何故アルスが残されたのかその理由も付け添えて説明をすると、遂には
アルスが黙ってしまう!…完全に何が何だか分からない!…と言った表情を
浮かべてはもはやそこから怒りは消えて無くなり!…自分が守って来た者達は
一体何だったのか?…と考え出すと、自我が消えてしまいそうになって居た…
それこそ自分がこうして生きて来たのは復讐の為!…なのにその仇も
居なければ騙されて居たと…勿論まだ完全にマルティスの話を鵜呑みにした
訳では無いのだがこうも信憑性が出て来ると、アルスの中で何かが震える!…
{……嘘だ…私の両親を殺した者は…同胞?…
いや…嘘に決まっている!…こいつ等は自分達の罪を逃れる為に嘘を!…
…だがさっきの話は直ぐに作り出されたものなのか?…
にしては上手く出来過ぎている…
…もしこいつ等の言って居る事が真実だとするなら!…私は?…
私は何の為に今まで生きて来たのだ!?…復讐は!?…仇は!?…
何処にも…ない?…私の感情は!……何処?………}
自分の中で自問自答をしているのかアルスは徐々に俯き出すと、もはやウンとも
スンとも言わなくなり…先程の殺気も完全に失われてしまうと、今度は廃人に
なるかの様に自我が崩壊し掛ける…その際自分の感情も迷子になった様子で探す
のだが、何処を探せば良いのか分からず…そんなアルスの状態にマサツグも気が
付いた様子で…とにかくアルスの正気を保たせるよう話を続けると、マルティスに
最後の質問をする。
「………ッ!…アルス?……ッ…
…話の流れは分かった…じゃあ最後の…
そのアルスの仇を討ったのは誰なんだ?…
さっきマルティスは既にその仇は死んでるって言ってたけど…
老衰って訳じゃないんだろ?…」
「ッ!………」
「……確かに討たれている…それもつい最近な……
…このくだらん策を考えた者の名は[アルデミトフ]…
[アルデミトフ・ガバーナ・プラタナス]…」
マサツグが最後にした質問と言うのはそのアルスの仇を討った者の事で、
マサツグは真面に死んでいないと!…自分の勘を頼りに殺されたと決め
付けながら話し出し!…その詳細についてマルティスに質問をすると、
アルスもその質問を聞いてかハッと気を取り戻す!…だがやはりアルスは
ショックを隠し切れない様子で、その目に光りを失い…そんな様子を
マルティスは目にするのだが、ただ淡々と説明をするようまずはその策を
考えた者の名前から上げ出すと、その名前にアルスが反応を示す!…
「ッ!?…ア…アルデミトフ…だと?…」
「ッ!…アルス、知ってるのか?…」
「知って居るも何も…ユグドラドの十貴族の一人!…
[枯れ枝のアルデミトフ]とはソイツの事だ…
…確かに奴は勢力を伸ばす事に異様なまでの執着心を見せてはいたが…
死んだと言うのは…」
アルデミトフの名前を聞いて驚いた反応を見せるアルスに!…マサツグが
戸惑った具合にテンプレの様な質問をすると、アルスはマサツグに呆れた
様子で返事をする…その際話し出したのはユグドラドの十貴族である事と
同時に、野心家であった事なのだが!…殺されたと言う話は初めて聞く
らしく、アルスは悩んだ様子を見せ…だがそんな悩む時間すら無いとばかりに
マルティスは話を続け!…そのアルデミトフを討った者の正体について
話し出すと、マサツグ達は更に衝撃を受ける!…何故なら!…
「…そのアルデミトフと言う男を討った者!…それは汝も良く知る者だぞ?…
……そのアルデミトフを討った者の名は…[リリー]…」
__どよッ!?…
「[リリー・レム・ブラックル]と言う者だ…」
「ッ!?…そ、そんな!?…隊長が!?…」
アルデミトフを討った者の名はリリー…つまりアルスの上官・エルヴンナイツの
隊長で有り!…マルティスの口からその名前が出て来た事で一気にマサツグ達の
中にどよめきが走ると、更に肯定するようマルティスはリリーのフルネームを
口にする!…当然これにはアルスも酷く驚いた様子で言葉を漏らすと、動揺を
隠し切れない表情でただマルティスを見詰め!…そんなアルスの視線に
マルティスは視線を逸らす事無く…ただ見詰め返す様に視線を向けると、更に
ある事を話し出す…
「……如何やらこのリリーと言う者…
この者も恨み有って討った様だな…」
「ッ!?…え?…な、何を!?…」
「……魂の記憶から見るからに…
そのリリーと言う者もまた被害者…とでも言えばわかるだろうか?…」
「ッ!?…なっ!?…」
マルティスは徐に説明を続けるようリリーがアルデミトフを討ったのには
理由があると言い出すと、その理由を恨みと語り…その言葉にアルスも
生気を取り戻した様子で!…途端にそのマルティスの言葉に対して戸惑った
反応を見せると、有り得ない!と言った言葉を口にしようとするのだが!…
マルティスには根拠があるとばかりに虚空を見詰め…そこに有るのは
アルデミトフの魂か、そこから情報を読み取る様にリリーも被害者と語ると、
その言葉にアルスは更なる驚きを覚えるのであった!…
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魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
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過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
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社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
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カクヨム様にも投稿しています。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
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