どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章四十七節 アルスのツンデレ?…と気になる気配と困った依頼-

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__……ギイイィィ!…コッ…コッ…コッ…コッ…


「……ふぅ!…これで良し!……大人しくしてるんだぞ?」


「ッ!…人を落ち着きのない子供の様に言うな!…全く!…」


「はは!…そんだけ元気が有んなら一先ずは安心!って所か…

…で、時間は?……まだ昼間か…まぁ朝の早くから集まってたもんなぁ?…

……暇だしちょっと外でも歩いて来るか…」


マサツグはアルスを抱えてえっちらほっちら…ベルベッタの家に辿り着くと

アルスをソファに寝かせ…安静にするよう続けてアルスに注意の言葉を

掛けると、そのマサツグの言葉でアルスが反発する!…その際子供扱い

されたと怒ると、マサツグも元気が有り余って居るようと笑い!…アルスを

運び終えた事で一段落し、ふと時間を確認してダークエルフ達の里に興味を

持ったのかマサツグが外に出ようとして居ると、突如アルスに呼び止められる…


「ッ!…ちょ!…ちょっと待て!…」


「ッ!…何だ?…如何した?…まさか寂しいなんて言い出すんじゃ…」


「ッ!!…そんな訳有るか!!!…いつまで子ども扱いする!!!…

……ただ…その……ッ~~…」


「……え?…」


いつものアルスなら呼び止めると言った事はしないのだろうが、この時だけは

違い…何やら慌てた様子でマサツグを呼び止めると、モジモジとしながら頬を

赤らめ!…マサツグもシロを肩車しながら不思議そうに振り返ると、アルスに

何用かと返事をする…その際やはり子供扱いするよう言葉を掛けると、やはり

アルスは文句を言い!…だがそれも直ぐに落ち着いた様子で、ただマサツグに

対し何やら恥ずかしそうな表情を浮かべ出すと、何やら小声でボソボソと喋る…

当然そんな聞き取り辛い言葉で喋られたマサツグは、アルスに対して戸惑い…

何て言ったのか聞こえなかった様子で自身の耳に手を添え、もう一度言葉に

するようアルスへジェスチャーをすると、そのマサツグの頭の上ではシロも

真似をする様に耳に手を添えていた。そしてそんな反応をマサツグ達が見せて

居るので当然アルスは…


「ッ!?…ッ~~~!!……あ、あり…ッ~~…」


「ッ!……蟻?…蟻が何だって?」


「ッ!?!?…ッ~~~!!…ありが!…ッ~~…」


「蟻が?…何?…床にでも這ってるのか?」


自分の言いたかった事がまさかの伝わらず!…恥ずかしいのか悶絶するよう

更に顔を赤くすると、もう一度言葉を口にしようとするのだが!…如何にも

最後まで照れが有るのか言えない様で…これまた奇妙な風にマサツグの耳へ

入ってしまうと、マサツグは困惑した様子で再度尋ねる!…その際今度は

若干アルスに近付いて何を言って居るのかを聞こうとするのだが、三度同じ

結果で!…マサツグももはや何を言って居るのか分からない様子で受け

取ってしまい、アルスへ更に近付き如何言う意味かを尋ねようとすると、

アルスは先に怒りが頂点に登ったのかマサツグにぶつける!…


「ッ!!!!…貴様ワザとやって居るのか!?…

ありがとうと言って居るのだ!!!…それを何回も!!!…」


「ッ~~~!!!…んなデケェ声で喋らんでも聞こえてるっての!!…

てか何を今更…」


「ッ~~~!!!!…もう行ってしまえぇ!!!

貴様など知らん!!!」


「ッ!?…うわあぁ!!…人ん家で暴れてんじゃねぇよ!!」


もはやワザとやって居るのではないか!?…と疑った様子でアルスがキレると、

顔を真っ赤にしながら文句を言い!…更に近付けて来たマサツグの耳に向かい

大声で叫び!…マサツグもその大声が耳に響いた様子で慌てて押さえながら

跳び退くと、逆にアルスへ文句を言う!…その際先程からアルスが言いたかった

言葉もちゃんと今度は届いたのか、呆れた様子を見せながら今更と口にし…

するとそのマサツグの言葉でアルスは更に興奮し始め!…近くに有った棒を手に

マサツグへ殴り掛かろうとブンブンと振り回し出すと、マサツグは慌ててアルス

から避難をする!…


__ギイイイィィ!!…バタンッ!!…


「ッ~~~~!!!!……ッ?……ぜぇ~~!!…

何なんだあの癇癪持ち!?…危なっかしくて仕方が……ッ?…

あれは?…」


この時さすがに追い駆けて来る事まではしなかったのだが、暴れようと思えば

暴れられるらしく!…マサツグはとにかく逃げるようベルベッタの家を出て

行き!…シロを頭に乗せたまま一旦は扉を抑えに掛かると、アルスの追撃から

逃れようとする!…しかしアルスからの追撃は無いのか、中からはウンとも

言わず…それに安堵し息を切らした様子でマサツグは扉にもたれ掛かり!…

若干脱力した様子を見せては困惑の言葉を漏らして居ると、ここである人物を

見つける!…その人物と言うのは…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


「……汝か…何故その様に息を切らして居る?…」


「ッ!…マルティス!……ッ!…あっいや!…その…」


マサツグ達の目の前を通る様に…杖を突きながらマルティスが集落の方へと

戻って来ると、マサツグ達の様子に気が付いた反応で声を掛け出す…その際

マサツグが疲労の色を見せている事にも疑問を持った様で、同時に質問をし…

マサツグはマサツグで素の返事をすると、マルティスの事を呼び捨てで

呼んでしまい!…自分でもやってしまったとばかりに失敗した表情を浮かべて

居ると、マルティスはそんなマサツグの様子を察してか大丈夫と声を掛ける…


「…構わない…何も間違ってはいない…

…して、何用にその様に疲れを?…」


「え?…あぁ…いや……行き違い?…」


「ほう?………汝の魂を見て理解した…

あの娘…まだ暴れる元気が有るのか…

随分と生命力にあふれている…」


呼び捨てにされた事よりマサツグの具合が気になると、再度マサツグの疲労の色に

ついて質問をし始め!…マサツグも再度問われた事で戸惑った反応を見せると、

一度背後の扉に視線を向け!…しかしそれもほんの数秒の出来事であり!…直ぐに

視線をマルティスの方へ戻すと、戸惑いながらも答える…その際マサツグは

大した事は無いと言った様子で答えるのだが、その答えを聞いたマルティスは一度

納得した様子で返事をし…しかしその後マサツグの顔に視線を向け!…何かを

見透かす様にジッと見詰め出すと、直ぐに原因を究明した様子で言葉を口にする。

その際の言葉も魂を見たとシャーマンらしく言うと、見事にアルスが原因と

的中させ!…それを聞いたマサツグも若干驚き!…何なら当てられた事に苦笑いを

して見せると、ふと誤魔化す訳では無いのだが疑問を覚えた様子で質問をする。


「ッ!…あ、あははは………ッ!…

そう言えばさっき何を?…一人残ってたみたいですが?…」


「……気配が…な…」


「…気配?…」


「何か邪悪な気配…それもかなり強力な……

それがこの地より遠方の方から感じられたので様子を…

それこそ試練の時から感じて居たのだが…

恐らくその邪悪な気配はいずれ近付いて来る…

…まだその時ではないが対策を…」


マサツグが覚えた疑問と言うのは、最後あの試練の場にマルティス一人だけが

残って居た事で…あの後何をして居たのかが気になり、何と無くでそれを

マルティスに聞いてみるのだが…マルティスは隠す事無く気配と語り、その

気配と言う言葉にマサツグも何かしら嫌な予感を感じた様子で尋ねるよう

復唱すると、マルティスはその気配について簡単に話し出す。マルティスが

言うにはこの大陸の何処かから邪悪なモノが感じられ、その邪悪なモノの

様子を伺って居たらしく…何ならアルスとナターシャが戦って居た時より

感じられたらしく!…いずれこちらに向かって来る事も予期し!…その対策に

ついて一人考えていた風に話すと、マサツグを驚かせる!…


「じゃ、邪悪なモノって!!…これ以上更に面倒事が増える感じかよぉ~!…

ただでさえまだ和平の話すら進んでないのにぃ~~!!…」


「……いつ来るかは分からん…備えるに越した事は無い…」


「…はあぁ~……また長引きそうだなぁ…

せめてぶつからなければ良いけど…」


その邪悪なモノの存在を聞かされイベントだと悟ると、マサツグは思わず

ガクッと折れそうになり!…この時シロはマサツグから落ちないよう頭に

しがみ付き!…マサツグはマサツグでまだ目的の話が一歩も進んで居ない事に

嘆き出して居ると、そんなマサツグとは裏腹にマルティスは冷静に事の

重大さを受け止める…その邪悪な気配が迫って来るのもいつなのか…分かって

居ない様子で呟くと、ただマルティスも警戒をする位に何か焦りの様相を

見せており!…マサツグはただダブルブッキングしない事を祈る様にフラグ

めいた事を口にし!…今だシロを頭にしがみ付かせながら項垂れて居ると、

ここでマルティスからあるお願いを受ける。それは…


「……して、マサツグとやらよ…少し頼み事を頼めないだろうか?…

……我を…ユグドラドに連れて行って欲しい…」


「ッ!?…え?…は!?…

え?……い、いやぁ…それは構わないけど…どして?…」


「…いずれこの和平の話に関しても答えは自ずと出る…

そしてその答えは本人に伝えなくてはならないだろう…

…故にその道中の護衛を……」


「は、はぁ…」


マルティスがマサツグにお願いをした事、それはユグドラドへ連れて行く

ようお願いをする護衛の話で有り!…族長自ら集落の外へ出る事に!…

ましてやある意味で敵対している種の所へ連れて行ってくれと言う内容に!…

当然マサツグもその内容に酷く驚いた反応を見せると、少しの間絶句する!…

しかしいつまでも絶句はして居られないので、酷く戸惑いながらもその理由を

マルティスに尋ね出し!…するとマルティスは至って平常の様で未来を

見据え!…和平の話をするに当たって長同士が話さなくて如何する?…と

言った様子でマサツグに話すと、改めて護衛の話をお願いする!…そうして

突然の話にマサツグも対応出来ずにただ息を吐く様に言葉を零すと、それを

同意と受け取ったのか!…マルティスは突如マサツグに背を向けてはその場を

後にしようとし始め!…マサツグもそのマルティスの様子に慌てて止めに

入ると、本気かどうかを確かめる!…


__クルッ!…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ッ!?…


「ちょちょちょちょ!!!…ほ、本気で言ってるんですか!?…

確かにそう言った話をするに当たって本人同士の話し合いってのは

大事だとは思いますが!!…」


「……覚悟が無ければ話はして居ない…違うか?…」


「ッ!?…いやそんなカッコいい視線を向けられても!!…」


マサツグが慌ててマルティスの肩を掴み!…無理やりにでも引き留めに掛かると、

慌てた様子で再度確認をする!…この時マルティスの言って居た話の意味は重々

分かると言った様子で話すと、違う意味でマルティスの身を案じ!…それこそ

直接命を狙われると言った事は無いだろうが、嫌な思いはするだろうと!…

迫害を受ける様な事が有るかも知れないとマサツグが口にしようとした次の瞬間!…

マルティスはマサツグの方に振り返るなり毅然とした態度で答える!…その際

マルティスの目はこの時だけ光を取り戻すと、真剣そのものの視線でマサツグに

目でも訴え!…マサツグもその視線を向けられた事で更に戸惑うのだが気を取り

直し!…改めてマルティスの身を心配するのだが、マルティスはこれ以上話を

する気は無いのかその場を後にする…


「…とにかくこれは決定事項だ…護衛の時はよろしく頼む…

…我はこれからやる事が有る…これ以上用件が無ければここで終わり…

…では……」


__スルッ…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「………マジかよぉ~…」


マルティスはマサツグの話を聞く事無く一方的に話を決め!…マサツグの手を

振り払う事無くその場を後にすると、何事も無かったかの様に自宅へと戻って

行く…その際マサツグの手はスルリとマルティスの右肩を撫でる様に滑ると、

そのままと硬直し…そして徐々に遠ざかって行くマルティスの背中を目の前に!…

マサツグは驚き戸惑う表情のままその背中を凝視し続けると、これまた徐々に

意識が戻って来たのか固まって居た右手を自身の顔に当て出す!…そして

決まってしまった事に対してショックを受けるよう言葉を口にすると、もはや

何も考えられない様子で座り込み!…この時マサツグの頭にしがみ付いていた

シロも!…さすがのマサツグの反応に心配した様子でふと膨れるのを止めると、

マサツグに声を掛け出す…


「……ごしゅじんさまぁ~?…大丈夫ですかぁ?…」


「………。」


「ご、ごしゅじん…」


話の内容はちんぷんかんぷんでも!…とにかく大変な事が決まったと言うだけでも

理解すると、シロはマサツグの肩から降りるなり顔を覗き込む…その際恐る恐る

シロはマサツグに具合を確かめるよう声を掛けるのだが、この時マサツグからの

返事は無く…そのマサツグの様子にシロは更に心配をし!…再び恐る恐るマサツグ

へ声を掛けようとすると、今度はマサツグから遮られる様に声を掛けられる!…


「…シロぉ?…散歩…行こっか?…」


__ずどおぉぉぉぉん!!!………


「ッ!!……は、はいです…」


これにはシロもビックリした様子で思わず後ろに仰け反ると、マサツグに警戒を

するのだが!…マサツグはシロにこれと言った何かをする事無く、ただ徐に立ち

上がり散歩に行こうかと言い出すと、その際心配を掛けたであろうシロに対し

安心させるよう笑って見せようとする…だがこの時シロから見たマサツグの表情

はと言うと、まるでリストラを受けた直後の公園のサラリーマンが如く!…

今までの覇気も何処へやら!…完全に何かを失い絶望した人みたいな状態に

なっており!…これにはシロも更に怯えて心配した様子を見せる事しか出来ず、

ただマサツグの問い掛けに対して返事をする事しか出来ないで居た!…そして…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ぽけぇ~~~…


{…き、気不味いのです!!…ご主人様が壊れちゃったのです!!…

あのお話が何だったのかは分からなかったですが…凄く辛いのです!!…}


「……あ、あのぅ…ご主人様?…」


__ぽけぇ~~~………ッ~~~!!!…


シロはマサツグと散歩に出ると、ダークエルフの集落の中を色々見て回るのだが!…

全然頭に入らない様子でマサツグが気になり!…マサツグも心ここに有らず!…と

言った様子でさながらアンデットの様に歩き回ると、更に気まずさを増させていた…

マサツグ本人としては恐らく深く考えないよう自己防衛をしているつもりなのだが、

シロからすれば廃人の徘徊にしか見えず!…気まずいと感じては励まそうと!…

マサツグに声を掛け何とか話題を作ろうとするのだが、そのシロの声すら届かない

程に上の空具合を見せて居た…そうしてシロもマサツグの様子にお手上げの様子を

見せては思わず涙ぐみそうになって居ると、ここでレイヴン達と合流し!…

レイヴン達もマサツグ達を見つけた様子で、彷徨っているマサツグに対し近付く

よう声を掛け出すと、シロはレイヴンへ助けを求める様に飛び付く!…


「……ん?…ヤブにシロちゃん?……お~い!…こんな所で何を…」


「ッ!!…レ、レイヴンさぁ~~ん!!!」


__バシュン!!!…ッ!?…ドゴオォォォ!!!…


「ッ!?…ぐはあぁぁ!!!…」


それこそここに居る理由についてレイヴンは尋ねようとマサツグ達に声を掛けた

のだが、帰って来たのは返事ではなくシロのロケット頭突きと!…それも切羽

詰まった様子でシロが飛んで来た事に!…レイヴンも咄嗟に回避!…出来る訳も

無くダイレクトにドテッ腹を貫かれると、後ろに居たオーディックとベルベッタの

間を抜けるよう後ろへ吹き飛ばされる!…そして当然そんな光景…もとい一瞬の

出来事に二人が絶句した様子で驚いて居ると、レイヴンは一人ダメージを受け!…

だがシロは構わずレイヴンに抱き着いては泣き縋り!…レイヴンはレイヴンで

今までこんな衝撃を受けていたのか!?と!…マサツグの腹筋の硬さに思わず

感心をしてしまうと、意識が飛びそうになって居た。


「ごしゅじんさまが!!…ごしゅじんさまがあぁ~~!!!…」


「ッ~~~!!!…何て破壊力だ!!…

今までこんなの受けてたのかよ!?…

そりゃ意識も飛ぶだろうよ!!…ガフッ!!…」


「ッ!?…ッ!?!?……ッ!!…

あぁ、イカンイカン!!…だ、大丈夫だでか!?…」


「と、とにかく落ち着いて?…

お姉さんに話してみて!?…ね!?…」


腹にシロを乗せたままレイヴンは動けず!…その一瞬の出来事に戸惑って

居た二人も意識を取り戻すと、慌ててレイヴンの救助に当たり出す!…

その際オーディックがまず声を掛けると、レイヴンを起こす様に手を貸し!…

ベルベッタはベルベッタでシロの様子に気が付き!…何が有ったのかを

小さな子に道を聞くよう優しく尋ね出すと、シロは若干泣きながらあった

事を話す。


「ひっぐ!…じつはぁ~…」


__…約数分後…


「……うわぁ!…そりゃ確かにあぁもなるわな!…

まさか自ら出て行くとは!…」


「…シャーマンの考えも分かるけど!…それと本当に大丈夫なの?…」


シロは話の内容が分からないながらも必死にレイヴン達へ説明をし、レイヴン達も

シロの話を聞いて理解した様子で…マサツグの状態についても理解したのか呆けて

いるマサツグを見て思わず戸惑いの言葉を漏らし!…その話をされたマサツグに

対して同情の言葉を口にすると、改めて驚いた様子でマルティスの事も口にする。

その際マルティスの考えにも驚かされるのだが、その豪胆さにも驚かされ!…

ベルベッタも驚いた様子で言葉を漏らし!…マサツグが危惧している事に同意する

よう思わず本音を漏らして居ると、オーディックがマサツグに声を掛ける。


「……ほれアンタも!…そろそろ正気に戻るだよ?

いつまでもこげな小さな子…心配させるでねえだよ!…」


__スゥ……パァン!!…ッ!?…


「ンぐッ!?……ッ~~~~!!!!………え?…何?…」


「しゃんとせい!!…幾ら考えとってももう決まってしまった事なんだで!?

先の事を考えるのも大事だが!!…考え過ぎるのは良くないだで!!…

別に自分一人だけで解決する必要もないだで!…皆で考えるだで!…」


「ッ!……あ、あぁ!…そう…だな…」


この時オーディックはシロの事をチラッと見ると、今だマサツグの事を心配して

いるシロの様子を目にし…その様子を見て先にマサツグを正気に戻す事を考え!…

声を掛けつつマサツグの背中に向かい手を伸ばし出すと、次には闘魂注入を

する様に背中を引っ叩く!…すると辺りにオーディックが背中を引っ張った

音だけが木霊すると、マサツグも突如背中を叩かれた事で前のめりに仰け反り!…

だが正気には戻った様子で次には慌てた具合に辺りを見回し!…その様子に

オーディックは畳み掛ける様にマサツグへ気合を入れるよう言葉を掛けると、

一人で悩むな!と助言をする!…この時自分達も力になると言った様子で

マサツグに声を掛けると、二カッと笑って見せ!…マサツグはマサツグでそんな

オーディックの様子に戸惑い!…一体何が起きたのか?…先程までの話を聞いて

居なかった様子でとにかく返事をすると、状況の把握に努めるのであった!…


さてややこしい話の共有出来た所で、マサツグ達は再度ベルベッタの家に戻り!…

そこで改めて一度聞いた話を纏める様に!…マルティスの話や邪悪なモノの話…

今後の予定についてと再度触れるよう話し出すと、一つ一つ整理をし始める!…


「……で、何やら表で揉めて居るとは思って居たが…

まさかそんな話が有ったとはな?……如何するつもりだ?…」


「…これに関しては俺達自身もそうした方が良いと思う!…

何せ大事な話だからな!…さすがに書面だけで済ますのは無理があると…」


「…なるほど?…

で、それを連れて帰るに当たって護衛の任を受けたと…

…言っておくが私は反対だぞ!…

話をするに当たっての重要性は理解したが…それでも今は敵対している!…

…何なら私との約束についてもまだ返事を!…」


「それは自分だけの話であって最初の話とは別の事だろ?…

…俺達の目的はあくまでも和平を結ぶ事!…それを忘れて…」


ベルベッタの家に戻って来た際、マサツグ達は先程話して居た内容をアルスにも

聞かせる!…この時アルスもマサツグ達を追い出した時に如何やらその揉めて

居る様な出来事には気が付いて居たらしく、改めてその詳しい話を聞かされた

事で納得し!…だが納得した所でアルスは不服そうにマサツグ達へ顔を顰め!…

更にその話を如何するのか?とまるで他人事の様に尋ね出すと、自分は受けない!

と言った態度を見せる!…当然これにはマサツグやレイヴンも分かって居た様子で

戸惑うと、受ける方向で話を進めようとするのだが…案の定その答えにアルスは

反発!…あくまでもまだ敵対して居るとベルベッタを前にして言葉を口にすると、

更にマルティスとの約束の話を口にし…だがそれはあくまでも個人的な話で

有り!…本来の目的とは関係無いと言った様子で最初の任務を思い出させるよう

言葉を掛けると、更にアルスは反発する!…


「ッ!?…忘れてなどいない!!…だが私にとっては重要な問題なのだ!!…

……やっとなのだ!!…やっと探し続けて居たその仇が遂に分かる!!!…

この気持ちが貴様達に分かるのか!?…」


「ッ!?……い、いや…確かに分からんが…」


「だろうな!?……あの日!…私の目の前から両親を奪ったダークエルフ!!…

ソイツの殺す為に私は今まで生きて来たんだ!!!…絶対に見つけ出す!!…

そして殺す!!!…それが!!!…私の願いなのだ!!!!…」


__ゴオオォォ!!!……ッ!?……バババッ!!…


この時マサツグの言葉に対してアルスは猛反発すると、本来の目的は忘れて

居ないと口にするのだが!…やはりマルティスとの約束の方が大事なのか!…

徐々に怒気を強めた様子で更にマサツグ達へ反発し出すと、自身の中の感情を

爆発させる!…この時復讐に燃える怒りと悲願が叶う喜びの感情!…

この二つを混ぜ合わせた様な表情を見せると、その不気味さにマサツグ達は

思わずたじろぎ!…そのアルスの表情に押されるままマサツグは返事をし…

アルスもその返事を聞いた所で更に狂気を見せるよう怒りを燃やし出すと、

その表情は初めてマルティスに出会った時の様な凶悪な表情へと変わって行く!…

勿論それに伴い言葉も徐々に興奮度を増して行くと、遂には今にも誰かに

襲い掛からん程の勢いを持ち!…これにはマサツグ達も思わず身構え!…

またあの時同様抑えに掛からん勢いを見せようとして居ると、ここでタイミングが

良いのか悪いのか!…誰かがベルベッタを尋ねるよう扉をノックする!…


__……コンコンコンッ!…ッ!?…


「ッ!?…だ、誰!?…今は物凄く忙しいから後にして欲しいのだけど!…」


「……私だ…マルティス…話が有って来たのだが…」


__ざわっ!?………チラッ?…コクリッ!…スチャッ!…


話し合いから一気に警戒態勢へ入って居る中、乾いた扉のノック音が突如部屋の

中に響き!…それに反応して全員が扉の方へ視線を向け!…ベルベッタも巻き

込まないよう応答し始めると、そのノックの主に帰るよう言い聞かせるのだが…

その声の主は場が悪い事にマルティス本人で有り!…マルティスは話が有ると

言った様子で扉越しにベルベッタへ声を掛けると、マサツグ達をザワ付かせる!…

今まさにその話して居たご本人様のご登場で更に場をヒリ付かせ、アルスも

当然の如くピクッと反応し!…マサツグとオーディックは互いに顔を見合わせると

アイコンタクトを取ったよう頷き!…レイヴンもいつでも魔法を唱えられる様に

杖まで構え出して居ると、マルティスは全く中の様子を知らない様子で話を

続ける!…


「…まだ休むにしては早い気がするが…何か有ったか?…」


「ッ!?…い、今立て込んでて!!…

出来ればそのままお帰り願いたいのですが?…」


「…なら扉越しに用件を聞いてくれ…何…時間は取らせない…」


{今すぐに帰って欲しいのですシャーマン!!!…}


焦るベルベッタの事など御構い無しに我が道を行くと、一先ずはベルベッタの

言葉に反応してか心配をし…しかし当然それ所では無いベルベッタは慌てた

様子で隠す事無く忙しいと言い!…率直に帰って欲しい!…とマルティスに

訴えるのだが、マルティスは受け入れようとはせずただ扉越しに話を進めようと

する!…その際時間を気にしているのか?と心配した様で、時間は取らせないと

言い…だが現実には全然違う事で焦って居る訳で!…そのマルティスの言葉に

ベルベッタも違う!…と焦った様子でツッコミを心の中で入れて居ると、

マルティスはある話を扉越しにし始める!…


「……あのエルフの娘の話なのだが……

引き分けとは言え一応試練は乗り越えて見せた…

よってあの者の希望通りに仇について教えてやろうと

思うのだが…万が一の事が有る…

話は私の家ですると伝えて…ベルベッタも覚悟をして置いて欲しい…

…話は以上だ…」


__ッ!?…バッ!!…


「「ッ!?…させん!!!」」×2


マルティスが話し出したのはそれこそ先程話して居た約束の話で、マルティスは

アルスに話すと!…当然この言葉にアルスも驚いた様子で目を見開き反応すると、

音もなく立ち上がり!…その間マルティスは続けてその話をする上で場所と

覚悟を決めて置く様にと意味深な言葉を残すと、話は終わりと口にする…その後

扉の向こうからマルティスの声どころか物音一つすら聞こえず、静かになり…

アルスは途端にマルティスを追い駆けようと思ったのか、駆けて行くよう突如

として動き出し!…だがそこには当然マサツグとオーディックが構えており!…

途端に動き出したアルスに対して二人掛りで止めに入ると、床に押さえつけるよう

アルスを押し倒す!…


__ガシッ!!…ドタアァァァン!!!…


「ッ!?…グッ!!…放せ!!!」


「良かったじゃねぇか!!…話して貰えるとよ!!!」


「だが追い駆けようとするのは駄目だで!!…

今のお前さんは何を仕出かすか分からんでなぁ!!…」


「ッ!?…クッ!!…クッソオオォォォォ!!!!…」


今だ満身創痍だと言うのにマルティスを追い駆けようとし!…マサツグと

オーディックの二人に取り押さえられると、アルスは完全に拘束される!…

その際痛みに耐えるよう言葉を漏らすと、マサツグに文句の言葉を口に

するのだが!…マサツグとオーディックは当然退かず!…そのまま押し

潰さない程度にアルスを拘束すると、まるで挑発する様な口調でアルスを

落ち着かせる!…まぁ当然落ち着く訳なく猛烈に抵抗をされるのだが、

大の大人二人に全力で圧し掛かられては勿論動けず!…オーディックも

見逃さない!と言った様子で声を掛けると、アルスは悔しそうな表情を

浮かべながら吠え出す!…余程飢えて居るのかそれとも恨みが深いのか!…

拘束と解いた所でまた駆け出さない様に!…レイヴンは魔法で麻痺針を

生成すると、アルスに打ち込んでは安静にさせるのであった…

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感想 63

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貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

収奪の探索者(エクスプローラー)~魔物から奪ったスキルは優秀でした~

エルリア
ファンタジー
HOTランキング1位ありがとうございます! 2000年代初頭。 突如として出現したダンジョンと魔物によって人類は未曾有の危機へと陥った。 しかし、新たに獲得したスキルによって人類はその危機を乗り越え、なんならダンジョンや魔物を新たな素材、エネルギー資源として使うようになる。 人類とダンジョンが共存して数十年。 元ブラック企業勤務の主人公が一発逆転を賭け夢のタワマン生活を目指して挑んだ探索者研修。 なんとか手に入れたものの最初は外れスキルだと思われていた収奪スキルが実はものすごく優秀だと気付いたその瞬間から、彼の華々しくも生々しい日常が始まった。 これは魔物のスキルを駆使して夢と欲望を満たしつつ、そのついでに前人未到のダンジョンを攻略するある男の物語である。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
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 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

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