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-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-
-第三章八十一節 早速の作業とアヤの興味とベビーシッター-
しおりを挟むダークエルフ達の集落に着いて早々!…やる気を漲らせたロディ達はその
開拓地へ向かうと、早速作業に取り掛かろうとしていた。そして案内された
場所と言うのは、雑木林となっており…そこはまだ何かの恩恵が有るのか
モンスター等の姿は少なく、野生の動物達がただ楽しそうに辺りを駆け
巡っていた。その他にも物静かに葉が風に揺られては音を立てて辺りを包み…
とにかくそんな大自然が感じられる場所に案内された事でロディは思わず
戸惑ってしまい!…本当にここを開拓して良いのか?と考えていると、
ジーナは構わず説明をし始める。
「……ここがその予定地で…
まぁこれと言って何かしちゃいけないと言った決まり事も無い!…
自由に使って良いって話だよ!…ただ長年放置してあるから荒れ放題で…
こんな土地しか用意出来なくて申し訳ないってシャーマンが…
だからあたしが代わりに謝っておく…」
狼狽えるロディを余所にジーナは笑顔で説明し始め!…更にここで間違い無いと
言った様子で肯定すると、その際の決め事についても話し出す。何やらここ以外
だと細かな決め事が有る様で、結局の所ここは無いと話し…その際綺麗な雑木林
なのにジーナは荒れ放題と!…ロディがその言葉を聞いて若干驚いた反応を
見せて居ると、突如ジーナがマルティスの変わりと言って謝り出す。何でもマル
ティスはここしか用意出来なかった事に申し訳なさを感じて居る様で、ジーナが
代わりに謝り出した事でロディが慌てて返事をすると、思わず再確認をする!…
「ッ!?…い、いやいや!…謝らないで頂戴!?…
てか、本当にここで合ってるの!?…何か凄く整っている様な?…」
「ッ!…へ?…そうかい?……うぅ~ん…
…あたし等が本当にここを大事にして居たら
まずシャーマンはここを案内させないし…
もっと全体的に身綺麗にしてると思うけど?…」
「ッ!?…さ、さすがエルフ達ね?…
これで汚いって言えるんだもの!……まぁいいわ!…
貴方達、早速始めるわよ!!…まずは辺りの樹を撤去!!…」
頭を軽く下げて謝るジーナに慌てて大丈夫!と言い聞かせ!…凄く綺麗な所と
言った様子で場所が合って居るかを確認すると、そのロディの言葉にジーナは
戸惑った反応で返事をする…その際ジーナもその雑木林の方をチラッと振り
向き確認すると、やはり荒れ放題なのか唸って見せ!…そしてもし駄目だった
らまず案内しないと…そもそもの話をロディに戸惑った様子で続けて話すと、
更には自分達が手を入れた場合の話を口にする!…そしてその話を聞いて
ロディも更に戸惑った具合に反応すると、さすがエルフ!と言葉を漏らし!…
その自然に対するセンスの高さに困惑を覚え!…とにかく確認も取れた事で
改めて安堵をする様に!…作業員達に号令を出すと、作業員達も返事をするなり
工具を片手に作業を始める!…
__オウッ!!!…ガッチャガッチャ!!……フン!!…ドスゥ!…
「…これで良し!…ここが基準だからぁ!!…
間違えて余計な自然を伐採すんじゃないわよぉ!!
伐採した木は即時木材!!…石は石材として再利用!!…
何一つ無駄にしない様にぃ!!!……」
「……ッ!…あぁ、もう始まってる!…
…私は先に辺りの警戒に回るからね!…」
「ッ!…あぁ!…後で合流する!!……とは言ったものの如何するかなぁ?…
シロをおんぶして警戒に入る訳には行かないし…
かと言ってシロ一人にする訳にも行かない!…
何処かに託児所が有れば話は別だが…そんなモンこの世界に有る訳…」
ロディの号令を元にそれぞれが斧やらシャベルを手に動き始め!…とにかく
ギルドを建てられるだけの場所を確保し始めると、ロディも細かな指示を
出す!…その際ギルド建設予定地とばかりにロディが一本の旗を立てると、
それを基準に作業員達も展開!…ロディの話を聞いて大声で返事をして見せ!…
各自が言われた通りに!…各々任された仕事に取り掛かり始めると、遅らせ
ながらもマサツグ達も合流をする!…するとアヤはその光景を見て若干の
焦りを覚えると、マサツグ達を置いて先に警備へ向かい!…マサツグは
マサツグでそのアヤの言葉を了承し!…まだ眠そうにしているシロを如何する
かで一人悩んで居ると、そんなマサツグの元に助けの手が伸びる!…
「……ッ!…こんな所で如何したんだい?…」
「ッ!…ジーナ!…いやぁ…今日シロはお眠でな?…
一人にするには危なっかしくて…」
今にも再度寝てしまいそうなシロの状態にマサツグは困惑!…そんな様子に
気が付いてか案内を終えたジーナが寄って来ると、マサツグに尋ねるよう
声を掛ける。するとマサツグも声を掛けられた事で戸惑いながらも返事…
シロの状態について苦笑いしつつも状況を話し!…ジーナもその話を聞いて
シロの様子に目を向けると、そこで船を漕ぐシロの姿を見つける!…
__コックリ…コックリ……ッ!…プルプル!…ウトォ~…
この時当然今にもシロは寝てしまいそうになって居るのだが、マサツグの
手だけはしっかりと握っており!…器用にも立ったまま寝ようとして居て、
その際自身の眠気を飛ばす様に首を振って見せるが!…やはり払い切れ
なかった様子でウトウトとする…そんな様子にマサツグもシロを可愛く
思うと、仕事をボイコットしようか?と考えるのだが!…当然そう言う
訳には行かず!…悩んだ様子を見せては困り果てて居り、ジーナもそんな
マサツグの様子を見て同情するよう苦笑いをすると、次にはハッと思い
付いた様子である提案をする!…
「ッ!…あぁ~…こりゃ駄目そうだねぇ……ッ!…
そうだ!…あたしで良ければ面倒見てるけど?…」
「ッ!…え?…」
「寝ている子供のお守り位ならあたしにだって出来る!…
それにあんた達はここの発展…ギルドを建てる為に来てるんだろ?…
少し位は恩返ししないとねぇ!…」
ジーナが提案し始めたのはシロのお守り!…寝ている子供の相手位なら自分に
でも出来ると胸を叩き!…マサツグに笑顔で申し出て見せると、その突然の
申し出にマサツグは戸惑う!…まぁ知らない人物ではないし、信頼も出来ない
訳でも無い!…だがその申し出をして来た事に対しマサツグは何故?…と
考えてしまい!…その理由を思わず自分で考えて居ると、更にジーナはこう
続ける!…何でも集落の発展を快く思って居るそうで、自分にも出来る事は
無いかと!…その第一歩がシロのお守りで有り、シロのお守りを通して恩返し
をしたい!と話すと、マサツグは当然戸惑って見せる!…
「い、いやいや恩返しとか!!…」
__ッ!!…モンスターが出たぞおぉ!!…
「ッ!?…あぁ~もう!!…空気読めよッたくよぉ~!!…」
「ほら悩んでいる暇は無いよ!!…ここは任せて!!…
アンタはアンタで仕事しな!!」
ジーナの大層な言い分にマサツグは恐縮!…別に無理に頼まない!と言った
様子で返事をしようとするのだが、タイミング悪くモンスターの襲来!…
作業員の一人が声を上げて注意を促すと、当然それを聞いたマサツグも慌て
始める!…この時そのモンスターに対して文句を零すと、ジーナは行くよう
声を掛け!…既にシロを抱えては木陰に視線を向けて居り、いつでも子守りは
万全!と言った様子をマサツグに見せると、マサツグもそれを見て決断する!…
「……だああぁぁもう、しゃ~ない!!…じゃあ任せたぞジーナ!!…
もしシロが起きたら慌てないよう伝えといてくれ!!…
…あぁ~後これも渡しておく!!」
__ゴソゴソ!……ッ!…スッ!…
「ッ!…これは?…」
「フライドチキン!…シロの好物だ!…
何か有ったらこれで機嫌を取ってくれ!!…じゃ!!」
悩んでいる暇は無いとばかりにマサツグが叫び!…ジーナにシロのお守りを
任せると、同時に伝言もお願いをする!…この時フィロネウスの時みたく
ならないよう願うと、ジーナ達に背を向けるのだが!…次には思い出した
様子で振り返り、シロの好物であるフライドチキンをアイテムポーチから
取り出すと、ジーナに手渡す!…その際ジーナは初めてフライドチキンを
見たのか、マサツグへ不思議そうに質問をし…マサツグもマサツグで簡単に
説明して行き!…何か有ったらそれで対応するよう最後に言うと、現場へと
駆けて行く!…そうして残されたジーナはシロを抱えてフライドチキンを
手に…その場に残されると木陰へと移動して行き、シロのお守りをし始める
のであった…さて、シロをジーナに任せて現場に向かうマサツグ!…マサツグが
現場に着くとそこにはアンデッド!…既にアヤも戦闘に入っては身軽にヘッド
ショットを決めていた!…
__バ、バシュン!!…カカッ!!…ウボアァ!!…ヒラリッ!……
アンデッドの攻撃をステップで回避しつつ!…更にはサマーソルトやムーン
サルトで翻弄すると、一撃でアンデッドを昇天させる!…その際アンデッドは
属性攻撃でないと真面にダメージが入らない筈なのだが、アヤの場合は何か
有るらしく!…ただ矢に光る何かを纏わせると的確にアンデッド達の頭を
次々射抜いて行き!…しかしさすがに多勢に無勢!…とにかくその群がって来る
アンデッドに対して文句を漏らして居ると、ここでマサツグの到着に気付いた
反応を見せる!…
__ヴォアアァァ……ヴォアアァァ……
「ッ~~!!…まだ来るの!?…本当に!!……ッ!!…
マサツグ!!」
「スマン!!!…遅れたぁ~~~っとぉ!!!」
__チャキッ!!…ズアアアァァァ!!!…
マサツグに助けを求めるようアヤがその名前を呼ぶと、マサツグもアヤに謝り!…
謝りついでに目の前に群がるアンデッド達に!…一直線に一人突貫を仕掛けて行く
と、大剣を抜刀するなり一気にアンデッド達を薙ぎ払う!…その際回転も入れて
抜刀したので、マサツグは某・ベイブ○ードと化し!…アンデッド達を薙ぎ払っては
一掃!…しかし何の属性も付いていないただ物理で斬ったので完全消滅とまでは
行かず!…アヤからただアンデッド達を引き剥がしただけに終わると、アヤも
その様子に文句を言う!…
「ッ!?…ちょっとぉ~!!…
助けてくれたのは感謝するけど!!…散らばったじゃない!!」
「…はは!…大丈夫!!…こっから俺に任せてくれ!!
アヤは取りこぼしの頭を撃つだけの簡単な仕事をしてもろて!!…
俺は一気に片を付ける!!!…とりまこっからは暴れるぜ!!」
__チャキッ!!…スラアァ!!…
{…ここに有る木材は後で材木として再利用される!…
だとすると火葬に感電は不味いな!!…となると!!…}
ちゃんとマサツグが助けに来てくれた事には感謝をするが、的が散ったと!…
もうちょっと加減を見せる様にマサツグへ文句を言うのだが、マサツグは
やっちまった!とばかりに笑うと、タンカーを買って出る!…その際ここから
本気と言った様子でやる気を漲らせると、アヤを後ろに大剣を構え!…
アンデッド達の動きを観察!…その上でアヤに援護をお願いし始め!…
一気に片付ける!とだけ意気込むと、更に頭の中で考え出す!…この時考えた
事と言うのは自身が属性を使う場合で、火だと周りに引火する恐れがあり!…
火事になっては被害が拡大!…電気も同じく火事になる恐れがあり、自身が
使える属性の中で有効性のあるモノについて考えていると、自ずと答えが
出て来る!…それは!……
「…いっちょやって見ますか!!…」
__コオオォォ!!…パキパキパキパキッ!!…
「ッ!?…剣が凍った!?…マ、マサツグ何を!?…」
「氷結斬り!!…乱舞!!!」
マサツグが思い付いた様子で大剣を握り直し!…それと同時に大剣が冷気を
纏い出すと、その様子にアヤが驚く!…まだエンチャントもしていないのに
剣が凍る!…そんなの初めてと言った具合に驚くと、マサツグに声を掛けよう
とするのだが!…マサツグは言う事を聞かずに大剣を振り被ると、斬撃を
飛ばす様に冷気を放つ!…それは正規の氷結斬りをアレンジした物!…言わば
オリジナル技で!…木々の間を駆け抜けるようアンデッド達だけを裂いて
行くと、その斬られた部位から凍結して行く!…
__ヒュバババババアァ!!!……パキパキパキパキッ!!…
「ッ!?…凍った!?…」
「うっし!!…これなら開拓の邪魔にもならな…あぁ!?…」
__パキパキパキパキッ!!…ヒュオオオォォ!……ッ…
斬られた部位から凍結して行く事で動きが鈍くなって行き!…また部位欠損を
した事で地面に倒れ!…そのまま地面とくっ付くよう凍て付き動けなくなると、
その時点で既に倒した判定が出て居るのか、光となって消えて行く!…そして
そんな光景を目にしてアヤが一面アンデッドの氷の世界に戸惑って居ると、
マサツグも会心の出来と喜ぶのだが!…気が付くとそこはマサツグの氷結斬りで
凍っては樹を凍て付かせ!…結局の所木材として樹を傷める事になってしまうと、
マサツグはまたやってしまった!…とばかりに天を仰ぐ!…この時顔に手を当て
やっちまった…と言った様子で黄昏て居ると、騒ぎを聞き付けたのかロディが
やって来て!…
「……一体如何したの!?…モンスターが出たって!……ッ!?…
ちょ!?…な、何これ!?…」
「ッ!…あ、あはははは……やり過ぎちゃった?…」
「…やり過ぎってレベルじゃないわよ!…
一体どんな事をしたらこうなるのかしら?…」
「あははは……すんません…」
その一面アンデッドの氷漬けの光景を見るなりロディは驚きを示し!…
一体何をやったのか?についてマサツグ達に訳を聞き始めると、マサツグは
苦笑いをする!…そして誤魔化す様にマサツグがやり過ぎた?…と恍けた
感じにロディへ尋ねると、ロディは呆れた様子で返事をし!…その光景に
戸惑ってはマサツグのやった事についても疑問を持ち!…同時にマサツグへ
ツッコミを入れると、マサツグもただ苦笑いをしながら謝るしか無くなる…
そしてその光景を作り出したマサツグに対してもアヤは今だに戸惑って
おり!…そうこうしている間にさすが常夏の島か、氷も直ぐに解けて行き…
アンデッド達も一旦は迎撃する事に成功すると、作業員達は持ち場へと戻って
行く。そして再び開拓事業が始まる訳なのだが…
「……うぅ~ん…大剣だと攻撃範囲がデカすぎるなぁ…
しゃ~ない!…刀に持ち替えて警備に当たるか…」
「……ッ!…そう言えばシロちゃんは?…
ここに来るまでの間苦労してた様に思うのだけど?…」
「ッ!…あぁ、託児所に預けて来た!…ダークエルフの…」
「……託児所?…」
警備に戻る前にマサツグも反省を生かして大剣から刀へ!…攻撃間合いが
狭くなるも堅実さを追求し!…改めて警備の仕事に就こうとすると、ふと
疑問に思ったアヤから質問を受ける。そしてその質問の内容と言うのは
他でも無い、マサツグが遅れた原因についてで…近くにシロがいない事で
疑問を持ち、何処に置いて来たのかについて若干戸惑った様子で尋ねると、
マサツグは簡単に託児所と答える!…その際ジーナが見てくれている事に
ついては触れずに言うと、アヤはその託児所と言う言葉に疑問を持ち!…
こう言った世界では託児所と言うモノは無いのか、初めて聞いたと言った
表情を見せると、更に続けて質問をする。
「………ねぇ?…その託児所って、何?…」
「ッ!…え?…あっ……そうか、こっちにはそう言ったモノが無いのか…」
「え?…」
まるで興味を持った様に質問し始めるアヤに対し…マサツグはその存在が知られて
いない事にふと違和感を持つと、直ぐに理解を示す!…この時マサツグとしては
当たり前の知識なので疑問を持ったのだが、よくよく考えると現実とは違う訳で…
思わず納得した様子で言葉をポロっと漏らし!…アヤもそんなマサツグの反応に
戸惑った様子で言葉を漏らすと、マサツグがそのアヤの疑問に答え始める!…
「ッ!…あぁ、いやいやこっちの話!…えぇ~っとだなぁ?…
簡単に言うと子供を預かってくれる所だな?…
例えばだが両親が共働きでこの間子供の面倒が見られない!…
勿論一人にするのも危険だし!…何より何か有った時直ぐに動けない!…
そんな人達の悩みを解決する為に出来た施設…だな?…
勿論相手も仕事な訳だからお金も払わないといけないけど……あぁ~…
ベビーシッターが常駐してる所とでも言えばいいかな?」
「ッ!…じゃあこの集落にはそれが有ったって事なの?…」
「いや…正確には託児所じゃなくて六森将のジーナに
面倒を見て貰って居るだけなんだが…」
「ッ!…だったら最初からそう言いなさいよ!!
紛らわしい!…」
アヤの戸惑いの言葉に釣られてマサツグも戸惑い!…とにかく質問に答えるよう
託児所について説明をすると、アヤはそれを黙って聞く!…この時何故そんな
託児所に興味を持って居たのかは疑問を持つところなのだが、マサツグはただ
説明を続け…子供を預けられる場所・ベビーシッターが居る等…マサツグ自身も
何から何まで知って居る訳では無いのだが…自身が知って居る事についてアヤに
説明をして居ると、アヤはこの集落にそれが有るのかを尋ねる…しかし当然この
集落にそんなモノがある訳もなく、マサツグは正直にジーナへ預けた事を話し…
するとそんなマサツグの返答にアヤはツッコミを入れ出し!…最後に文句まで
言うよう言葉を口にすると、マサツグもそんなアヤの様子に戸惑ってしまう!…
何故あんなに怒ったのかは不明なのだが、文句を言った後のアヤは暫く考えた
様子で…とにかくその日一日の警備もそのアンデッドの強襲一回だけで終わり、
後は淡々と事は進み!…ジーナの元へシロを迎えに行くと、そこにはすっかり
目を覚ましたシロがマサツグの帰りを待って居た。
__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……ピクッ!…
「ご主人様!!」
「おぉ~シロぉ~!…いい子にしてたかぁ?…
いやぁジーナも悪かったな!…って、如何した?」
マサツグの近づいて来る足音に反応してシロは耳をピクっとさせ!…振り返るなり
マサツグの方へと駆け出して行くと、頭突きは無いもののマサツグへ抱き付きに
掛かって行く!…するとマサツグもそんなシロを抱き留めると頭を撫でながら声を
掛け、そしてジーナに迷惑を掛けたとばかりにお礼を言おうとするのだが…そこで
物悲しそうにして居るジーナを見つけてしまい、何が有ったのか?について尋ねる
と、ジーナはシロを抱えて居たであろう両手を見てはポツリと呟く…
「………子供って良いモノだなって…」
「え!?…や、やらんぞ!?」
「ッ!!…ち、違う、そう言うのじゃないよ!!!…
…ただ子供を世話する物悪くないなって…
今まで戦う事しか考えて来なかったからさ?…」
「ッ!……」
まるで何か感慨深いモノを得た様にジーナは漏らし…マサツグはマサツグで
勘違いしたようシロを抱えると、渡さない!と慌てる!…この時シロは
マサツグに抱き締められた事で尻尾を振ると、頬を赤らめてはギュッと
抱き締め返し!…そんなマサツグとシロの様子にジーナも慌てて違う!と
言い!…如何言う事かを話し出すと、自分でも言葉にし辛いと言った様子で
言葉を漏らす。まるで今だ自分でも戸惑って居ると言った様子でただ単純に
感想を口にすると、それを聞いてマサツグもジーナの事を若干理解し!…
三人の間で妙な沈黙が訪れ始め、シロもマサツグとジーナの顔を交互に見ると、
恐る恐る声を掛ける…
「…ッ?…ッ?…ッ?……ご主人様?…」
「……なぁジーナ?…もう少しだけシロの面倒を見て見るか?」
「ッ!!…え?…」
「ご主人様?……ッ!……」
二人固まって動かない様子にシロは若干戸惑い!…マサツグはマサツグで
ジーナを一点に見詰めると、徐に声を掛け出す。そして次に提案し始めた
のはシロの面倒を見るかどうかで、そのマサツグからの問い掛けにジーナと
シロが戸惑った様子で反応すると、ジーナは困惑気味に返事をする!…
この時当然シロも同じ反応を見せて居ると、マサツグの事を呼ぶのだが…
マサツグはシロを安心させるよう頭に手を置くと撫で始め、シロの事を
捨てる訳じゃない!とばかりに笑顔を見せると、話を続ける…
「さっきも言った通りシロを渡す気はサラサラ無い!…
でも人の手を借りたいのは事実だ!…
出来ればシロには危険な目に遭って欲しくないし!…
面倒を見てくれる誰かが欲しい所と思って居た!…
そんな所でジーナ!…お前だ!…」
「ッ!…あ、あたし?…」
「そうだ!…期限としてはここにギルドが立つまでの間!…
…そうだなぁ?…あの作業ペースだと約一ヶ月位は掛かるかな?…
シロのお守りをして40万Gで如何だ?」
「ちょ!…ちょっと待っとくれよ!!…
そんなアッサリ決めちまっても良いのかい!?…
仮にもアンタはこの子の親!…」
正直自分一人だとシロの面倒を看るのが大変だと言う事を明かすと、人手を
探して居た事をジーナに話し!…そしてそんなジーナの様子を見て渡りに船と!…
ジーナが最適の人物と言った様子でマサツグが話を続けていると、当然の如く
ジーナは困惑する!…しかしマサツグはもはや決まり!と言った様子で更に話を
進めると、お給料の話までし始め!…だがこれにはジーナも慌てて止めに入り!…
肝心のシロに相談も無し!…何ならそう言った重要な話を簡単に決めて良いのか!
とマサツグにツッコミを入れていると、その預けられる当本人がこう答える…
「シロは大丈夫ですよ?…
ご主人様に置いて行かれるんじゃないから大丈夫です!…
それにジーナさん優しい匂いがするから好きです!…」
「ッ!?…ちょ!?…」
「…本人もこう言ってる訳だし…これで如何?…
何ならジーナの中に有る何かを探るチャンスにもなると思うが?…」
シロは案外ケロッとした様子でマサツグの言う事を了承し!…以外とジーナに
懐いて居る事も明かすと、二人に満面の笑顔を浮かべて見せる!…その際
シロの笑顔からは作られている様子は全く見られず、本心を見せて居り!…
シロは懐いて居る理由にジーナの匂いが優しい事を挙げ出し、その事を
言われてジーナが顔を赤くすると、慌てて手を振り誤魔化そうとする!…この時
バレないよう自身の体臭を確かめる様な素振りも見せるのだが、自分で嗅いだ
ところで分からず!…そんなジーナを余所にマサツグは構わず話を続け!…
この時ジーナを説得するようその感じている違和感について探るチャンスだ!と
言い聞かせると、ジーナもそれを聞いて今だ恥ずかしそうにしながらも
ハッとする!…
「ッ!………」
「…自身が成長するきっかけになるかも知れないぞ?…
…後は花嫁修業の一環として子供をあやす練習とか?…」
「ッ!!…ごぉ~しゅ~じぃ~ん~さぁ~まぁ~!!」
__ムイィ~~!!…アデデデデ!……
ジーナ自身そのマサツグの言葉を聞いて思う所が有ったのか、考える様な
素振りを見せ!…マサツグもそれ見てチャンスだと思い!…シロの面倒を
見て貰うよう言葉を巧みに続けると、その途中で墓穴を掘ってしまう!…
その墓穴と言うのはシロを子供扱いする事で、シロはそれを聞くなり耳を
ピクっと反応させ!…マサツグに対して文句有り気に振り向き始め、顔に
向かって両手を伸ばし!…徐にマサツグの両頬を掴み左右に引っ張って
見せると、マサツグに罰を与える!…当然マサツグも突如両頬を引っ張られた
事で驚きを露わにすると、軽めの悲鳴を上げ!…シロはシロでマサツグに
対して膨れて居り!…一向に放す気配を見せないで居ると、その様子を見た
ジーナは突如笑い出す!…
「……プッ!!…ククククッ!……アァッハッハッハッハッハッハ!!!」
「ッ!?…ひゅうひひょうした?…」
「いや!…アンタ達を見てると笑いが!……ククククッ!…
アァッハッハッハッハッハッハ!!!」
「……ッ?…」
子供相手にやられるがままの英雄様…そしてそんな英雄様の頬を掴んでお仕置き
するペット!…当然可笑しい事に変わりはなく!…突如ジーナが笑い出した事で
二人は驚き戸惑い、思わずその攻防を止めて二人揃ってジーナの方に視線を
向けると、マサツグが困惑気味に声を掛ける。その際シロに両頬を摘ままれた
まま話すのだが、意外と通じたのか!…ジーナはそんなマサツグ達の様子を
見ながら笑い転げ!…笑って居る原因にマサツグ達の様子と答えると、マサツグは
その返事を聞いて更に戸惑う…確かに傍から見て居れば可笑しな光景に違いは
無いのだが、笑い転げる程ではなく!…とにかくジーナが落ち着くまでの間、
二人はそのままのポーズで固まってしまい!…漸くジーナが落ち着きを見せ始めた
所でマサツグはシロから解放される!…
「…ヒイィ~!…おぉ、痛!…そこそこ効くなぁこれ?…」
「ご主人様が悪いんですからね!!…」
「……決めたよ!…報酬の件に関してはそっちで任せるとして!…
その子の面倒!!…アンタがここに居る間あたしが見てやろうじゃないか!!」
「ッ!?…えぇ!?……」
シロから解放された直後、マサツグは両頬を押さえて痛みを宥め…シロはシロで
マサツグが悪いとばかりに頬を膨らませ文句を言うと、腕を組みそっぽを向く!…
そしてジーナもその様子を見て微笑ましく笑みを浮かべると、何やら覚悟を
決めた様子で…マサツグから頼まれたシロの面倒を突如見ると言い出し!…その
返事を聞いてマサツグが戸惑った反応を見せると、ジーナはマサツグ達に疑問の
表情を浮かべる!…
「んん~?…何だい?…
そっちから持ち掛けて来た話じゃないかい?…
何か不満でもあるのかい?…」
「ッ!…い、いやそう言う訳じゃないんだが!…
今の一連の様子を見て決めるに至った要因が分からなくてな?…」
「ッ!…プッ!…ククククッ!…別にいいだろ?…
とにかく引き受けようじゃないか!…
…あたしの中に有るこの感情もハッキリさせないとね?…」
戸惑うマサツグ達の反応を見てジーナは文句を言い出し、その文句にマサツグも
慌てた様子で誤解だ!と言うと、恐る恐る質問をする!…その質問と言うのは
マサツグからの依頼を受けるに当たっての要因で…今の一連の流れに受けたくなる
様な事は無かったと話すと、ジーナも同意するようまた笑い出す!…しかし
それでも受けるに当たっての何かは有った様子で、ジーナは笑いながら気にしない
よう言い!…とにかくマサツグに胸を張って見せるとやる気も滲ませ!…自身の
中に有る感情についてもハッキリさせると豪語すると、マサツグからの依頼!…
シロのベビーシッターを請け負うのであった!…
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希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
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2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
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過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる
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社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。
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コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。
かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。
もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。
なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。
カクヨム様にも投稿しています。
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2000年代初頭。
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【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
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45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
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2巻決定しました!
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皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
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彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
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欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
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