どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

文字の大きさ
285 / 944
-第三章-サマーオーシャン連合国-エルフの国編-

-第三章八十三節 二度目の地鎮祭と二人の賭け事と怨念の森-

しおりを挟む



フィロネウスから忠告を受けて更に数日の時間が過ぎた今日この頃…開拓地には

漸くギルドが建てられるだけの土地が出来ては、今まさに地鎮祭が行われようと

していた。その際いつぞやで見たあの祭壇が用意されると、建設予定地に置かれ…

ロディもロディでその祭壇の前に立っては祝詞を上げ…これまたいつぞや見たく

天高く拳を振り上げると、地面に向かい強烈な一撃を放とうとしていた。それを

傍から見ているマサツグ達もやっとここまで来た!と言った様子で見守り…後は

フィロネウスから受けた忠告について考え!…どうやって危機を回避するかに

ついて悩んで見せて居ると、ロディが地面に向かい拳を振り下ろす!…


__……ウオラアアァァ!!!!…ズズウゥゥン!!!…バサバサバサバサ!!…


「ッ!……相変わらずエゲツナイ一撃!…地面揺れたモン今!…」


「…へえぇ~、これが地鎮祭って言うのかい?…

何だかあたしにも出来そうな気がする!…」


辺り一帯に気合の入った男らしいロディの掛け声が響き渡り!…そこから地面に

一撃、当たり前の様に地面を揺らし!…天変地異でも起きたかの様に木々に

止まっていた鳥達も一斉に飛び立つと、その様子を見守って居た参列者達は驚き

戸惑う!…その際二度目となるその光景を見ていたマサツグは、改めてロディの

一撃に衝撃を覚え!…同じ様に見て居たジーナも対抗意識を燃やし!…自分にも

出来るのではないか?と言い出すと、慌ててナターシャに止められていた。


「ッ!?…や、止めて下さいね!?…

今日の事だって予めマサツグさん達に報告を受けて居たから!…

あんまり驚かないで済んで居るんですからね!?……」


__ざわざわ!…ざわざわ!………


「……ふぅ!……と、言うよりさすがのジーナさんでもアレは無理かと…」


因みにこの地鎮祭をするに当たって予めこう言った地震が起きるかも知れないと、

周りに忠告をしていたお陰か!…一瞬集落の方でどよめきが有ったにせよ直ぐに

落ち着きを取り戻し、ナターシャもその様子を感じ取ってか安堵…改めてアレは

無理と言った様子でジーナに言い聞かせようとして居ると、マサツグの隣では

一緒に参列していたシロが驚きの表情を見せて居た!…マサツグの手を握っては

地面に拳を着けるロディを見詰め、地面が揺れた事に怖がるどころか好奇心を

示し!…チラッと地面を確認した後!…マサツグに声を掛けるよう顔を上げて

見せると、笑みを浮かべては嬉々とし話し掛けていた!…


「ッ!…ほおおぉぉ~~!!…ご主人様!!…今の、今の!!…」


「え?…あ、あぁ…そうだな…スゲェ一撃だったな?…」


「ズドン!!…ズドン!!!…」


「……何でこんなに大興奮してるんだ?…」


マサツグに今の地震を感じたかについて質問をするよう声を掛けると、何故か

妙に目をキラキラと輝かせ!…マサツグはマサツグでそんなシロの様子に当然

戸惑い!…とにかく凄い一撃だったとシロに返事をすると、シロはその一撃に

関心を持ったのかロディの真似をするよう腕を振る!…その際上機嫌に効果音

まで口遊んで見せると、更にそのシロの興奮具合にマサツグは戸惑い!…

思わずシロに対してツッコミを入れ出し!…尻尾を振って上機嫌のシロに

戸惑いの視線を向けていると、フィロネウスがある話をし始める!…


「……ふむ…もしかするとその

ロディに興味を持っているのではないのかえ?…」


「ッ!…へ?…」


「一説によればフェンリルとは[地震を起こす者]とも呼ばれているらしい!…

まぁ確かにあの巨体で走り回らずとも歩き回れば地震も起きようて…

とにかくフェンリルと自身と言うのは案外関係が深いのかもしれん…

…まぁ憶測の域は出んがな?…何せ神話では母親の心臓を喰らい生れ出た者ゆえ…

やはりそこら辺の事に関しては詳しくは…」


「……うちのシロちゃん卵から生まれたんだけど?…」


フィロネウスが話し出したのはシロが地震に興味を持っている理由について!…

その理由にロディが地震を起こしたからと言うと、当然マサツグは戸惑った

様子で返事をし!…フィロネウスはそんなマサツグの反応など御構い無しに!…

続けて興味を持っている理由について神話より抜粋した具合に話をすると、

あくまでも憶測と答える…その際その話をする中でも物理的に考えれば地震も

起きると言った様子で話すのだが、この時気になる事に…フィロネウスが

言うにはフェンリルの出産は壮絶なモノで!…でも実際シロは卵から

生まれたけど?…と言った様子でフィロネウスにツッコミを入れると、その

マサツグからの言葉にフィロネウスも困惑する!…


「……そんな事言われてもわっちも知らんのじゃが…

でもまぁ確かにあの廃墟でその白いのを見つけた時…

確かに卵から生まれてきおった…

これに関しては別な何かが有ったとしか?…」


__うぅ~ん……


「……ふぅ!…契約完了!!…っと!…

じゃあ早速ギルドを建てちゃいましょ!!…

一刻も早く人手を確保しないと!!!」


__オオオオオオオオォォォォォォォ!!!!


勿論の事ながらフィロネウスの与り知らない所な訳で、そうマサツグに

問われた事で困惑して見せ…でも実際にフィロネウスもシロが生まれて

来る瞬間を見て居たらしく!…マサツグと一緒に悩むよう…何故?と

言った様子で腕を組みその理由について思考を働かせて居ると、次には

ロディが儀式を終えたと声を掛ける!…そしてその場に集まって居る

作業員達にギルドの建設を任せると、その場一帯には男らしい掛け声が

響き!…予め現地で集めていた資材を元に!…早速ギルドの建設が

始まろうとして居ると、悩んでいるマサツグ達の元にアヤが声を掛けに

来る。


「…ッ!…ほらマサツグ!…今日も頑張って警備に着くわよ!!

ギルドマスターの話だとあと二週間!…

それ位でここのギルドの運営も出来る様になる筈だから…

それまで頑張りましょ!!…そうすれば警備も楽になると思うから!…」


「ッ!…あ、あぁ…そうだな…

…とにかく今は悩んで居ても仕方が無いか…

……で、シロとフィロネウスは如何する?…」


「ッ!…一緒にお仕事するです!!」


「ッ!…仕方がないのぅ?…ちょっとばかし付き合ってやるかの?」


アヤは仕事と言った様子でマサツグ達に手を振り声を掛け!…マサツグも

その呼び掛けに対して手を振り反応すると、戸惑いながらも返事をする!…

この時同時に悩んで居ても分からないと言った様子で考えるのを止めると、

シロとフィロネウスの二人に声を掛け!…シロは久々!と言った具合に

二つ返事で手を上げ!…その様子にフィロネウスも仕方が無い…と言った

具合に若干呆れた様な素振りを見せると、マサツグと共に行動をしようとする。

こうして久々のフルパーティ!…とまでは行かないのだが、マサツグの仲間が

全員揃い!…基本的には警備場所は同じであり、シロとフィロネウスは

マサツグ達に付いて行くよう参加をすると、いざ森の中を歩き出すので

あった!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……


「……ふむ、さすがにこうも開拓がされておると…

当然じゃが辺りが見易くはなって居るのぅ?…

お陰で敵の位置が察知し易い!…」


「……ッ!…スンスン!……ッ~~~!……

うぅ~!…くちゃいのです!!…何だか変な臭いが?…」


「ッ!…あぁ、そうだな?…

ここはアンデッドが良く出て来るからシロやフィロネウスには

キツイかも知れないな…」


開拓中とは言え最初に比べると大分見通しが良くなり…フィロネウスもそれに

感心した様子で辺りを見回すと、マサツグ以上に怪しい影が無いかを探し出す。

そして敵の気配を探りつつ気を張って居ると、シロも何かに気が付いた様子で

匂いを嗅ぎ出し!…しかし次には鼻を押さえて臭いと!…シロ自身何の匂いかに

気が付いて居ない様子でただ臭うとマサツグに話して居ると、マサツグもそれを

腐臭として理解しては二人に声を掛ける…その際鼻が良く利く二人には

キツイかも?と、遅かれながらも声を掛けると…


「ッ!…ふふん!…やい、白いの!!…

お主はあのままデカい女子の所に居ても良いんじゃぞ?

その間にわっちはマサツグと一緒に!…」


「ッ!!…し、シロは大丈夫です!!…

そっちこそお散歩は如何したのですか!?…

…ッ!…もしかして怖いのですか?…」


「ッ?!…な!?…なにょおぉぉ~~~!?…

こ!…このフィロネウスに対して怖いじゃとおぉぉ!?…」


「……私が居る事は忘れられて居るのね?…」


その腐臭を嫌煙しているシロに対しフィロネウスが突如マウントを取り出し!…

シロにジーナの所へ戻るよう意地悪そうに声を掛けると、フィロネウスはシロに

向かってほくそ笑む!…するとそんなフィロネウスの様子にシロは途端に反抗!…

マサツグを取られまいとその握っている手へ組み付き出し!…逆にフィロネウスへ

向かい何処かへ行くよう声を掛けると、挑発をする!…この時フィロネウスの事を

ビビりと言った様子で声を掛けると、フィロネウスはその言葉に過敏に反応し!…

何があったにせよまた二人は喧嘩ムードに!…その際アヤが忘れ去られている事に

ついて呆れた様子でツッコミを入れていると、マサツグは苦笑いをする!…


「あ、あはははは……」


「いいじゃろう!!…だったら今日!!…

何方がより敵を屠ったかを競おうでは無いか!!…

負けた方は勝った方の言う事を何でも一つ言う事を聞く!!…

それで如何じゃ!!!」


アヤの事を不憫に思いつつ…マサツグが二人の事を放置して居ると、話は

賭け事へと発展して行く!…その勝負の内容についてもモンスターの殲滅と

フィロネウスが決めると、より数を倒した方が勝ちと言うモノになり!…

その際罰ゲームまで設定をし始め!…その設定にシロ自身も乗っかった

様子で返事をすると、普段のシロからは聞きなれない言葉が飛び出して来る!…


「ッ!…良いでしょう!!…受けて立ちます!!!…

絶対に吠え面を掻かせてやるのです!!!」


「ッ!?…あぁ!…またシロちゃんがいけない言葉を!…」


「よし、言ったな!?…もう逃げる事は許さんからな!!…

これを機に年長者として敬わせてやるからのぅ!!…覚悟せい!!!」


「絶対に負けないです!!!」


一体何処でその言葉を覚えて来たのやら…マサツグは当然記憶に無いと

ばかりにショックを受けると、シロとフィロネウスは互いにやる気と

闘志を漲らせ!…マサツグがショックを受けている一方で更に話は進み!…

何方も互いに引き下がる気配を見せないで居ると、身構える様な体勢を

取り始める!…そして二人がやる気満々の様子を見せて居ると、何かを

合図に構えたまま固まり!…この時マサツグは今だショックを受けて居り、

アヤもこの状況に如何したら良いのか?と悩んで居ると、フィロネウスと

シロは痺れを切らした様子でカウントダウンを始める!…


「……5!…」


「ッ!……4!!…」


「3!!!…」


「2!!!!…」


「「1!!!!」」×2


最初にフィロネウスが五秒前のカウントを取り始めると、次にシロが四!と

言い!…更にフィロネウスが続けて三!と口にし!…またまた続けてシロが

二!と続けると、最後は二人で一!と言う!…その際カウントダウンに合わせて

二人は徐々に腰を落としては足に力を入れて行き!…今にも飛び出さんばかりに

気合を入れ!…互いに負けたくないと言った気迫を全面に放ち!…辺りに敵が

居ないかを探るよう神経を研ぎ澄ませて居ると、遂に二人共カウントと同時に

飛び出して行く!…


「「ッ~~~!!!…ゼロォ!!!」」×2


__…ドッ!!!…バヒュウウゥゥン!!!…


「ちょッ!?…ゲホッ!!…ゴホッ!!…ッ~~~!!…もう!!…

二人揃って何でそんなムキになってるのよ!!!…ッ!…

マサツグもいつまで呆けているの!!…二人とも行っちゃったわよ!?…」


「…ッ!?…え?…ッ!?…あぁ!!…」


零の合図で一気に力を解放して行き!…土埃を巻き上げながら駆けて行くと、

置いて行かれたマサツグとアヤがその被害を被る!…この時アヤはその土埃が

向かって来る事に対して咄嗟に防御の姿勢を取るが、完全には防ぎ切れず!…

若干被っては咽ながら手で払って見せ!…二人に対して文句を言うよう言葉を

口にすると、今だ隣でショックを受けているマサツグの姿を見つける!…

その際マサツグは全く防御して居なかった様子で諸に土埃を被っており、

そんな様子にアヤがツッコミを入れ!…マサツグはマサツグでそのアヤからの

言葉にハッと意識を取り戻し!…改めて自分の姿を確認するよう驚くと、

シロとフィロネウスが居ない事にも気が付く!…さてこうして二人の掃討競争が

始まった訳なのだが、この時マサツグ…ではなく!…アヤは一抹の不安を

覚えていた!…


「……はあぁ~……勝手に二人共飛び出して行っちゃったけど…

…まぁフィロネウスはまだ大丈夫として!…

シロちゃんは本当に大丈夫かしら?…」


「ッ!…と言いますと?…」


「…マサツグ貴方…シロちゃんにこの森にヤバいのが居るって事教えたの?…」


「ッ!?…あっ!!…」


アヤの言う一抹の不安と言うのは、フィロネウスが話していた怨念の塊で!…

フィロネウスはまだ大丈夫としてシロの方が怪しいと言葉を口にすると、

マサツグは土埃を払いながら理由を尋ねる!…その際全く気が付いて居ない

様子で質問をすると、アヤはそんなマサツグの反応に呆れ!…今度は逆に

マサツグへ質問をするようその怨霊の事について声を掛け、マサツグも

その話を聞いて漸く理解したよう慌て出すと、更にアヤはマサツグに対して

呆れる!…


「はあぁ~!!…もう何をやってるのよ!!…

とにかく二人を追い駆けないと!!…手遅れになる前に!…」


「そ、そうだな!!…追い掛けよう!!…ってアレに追い付けるか!?…

…あぁ~っと!!…名前も呼ぼう!!!…」


「ッ!…そうね!!…到底追い付けるとは思えない!!…

せめて名前だけでも耳に届けば!!…」


そして事の重大さに気が付いた所で二人は慌ててシロ達を追い駆ける事に

するのだが、当然二人の足に追い付くなど不可能であり!…如何やって

捕まえるかと悩み始め!…咄嗟にとにかく二人へ向かい声を掛ける事で

止めようと二人が一致すると、必死に二人へ向けて叫び出すのであった!…


さて一方でマサツグ達を置いて行ったシロとフィロネウスはと言うと、

勢いよく飛び出して行っては本来の警備エリアを越えて森の中へ!…

モンスター達と邂逅をしてはただ無差別に負けない!と言った様子で

蹴散らして居た!…


__シュンシュンシュンシュン!!!…


「…ッ!!…一気に薙ぎ払ってくれる!!…焔薙ぎ!!!」


「シロも負けられません!!!…てやああぁぁぁ!!!」


凄い勢いで森の中をその小柄な体で駆け抜けると辻斬りみたく!…フィロ

ネウスは燃やしシロは斬り刻み!…見掛けた敵は全てサーチ&デストロイを

して居ると、互いに一歩も引く気配を見せないでいた!…それこそ遠方より

マサツグ達の呼ぶ声も本来なら聞こえて居る筈なのだが、耳に入らない位に

互いに負けたくない一心で!…更に二人は森の奥地へと入って行き、フィロ

ネウスも興奮してあの怨念の事を忘れ掛けて居ると、シロがある異変に

気が付く!…


__テテテテテテ!!!…ッ~~…ゾクゥ!?…


「ッ!?…な、何なのですか今の!?…

今変なのに見られた様な!?…」


「ッ!…にょ~ほっほっほっほ!!!…

足を止めたな白いの!!…この勝負は勝ちの様じゃな!!

さぁて?…何をして貰うか考えとかねば!……ッ!?…」


全速力で駆け抜けて居ると突如それを感じる!…まるでこの世のモノではない

何かにジッと見られて居る様な!…自身の背筋に何か冷たいモノが伝うのを

感じ!…思わず急ブレーキを掛けて直ぐに警戒に入るよう辺りを見回すと、

シロは顔を真っ青にして居た!…それはまるで今まで感じた事の無い何かに

恐怖する様に!…フィロネウスは何ともないのか足を止めたシロに対して

笑って見せ!…シロが動きを止めた事で自身の勝利は決定した!と言った

具合に余裕の言葉を口にして居ると、次の瞬間にはフィロネウスもハッとした

様子で急ブレーキを掛ける!…


__ザザアアァァ!!!……ッ……


「……チッ!…ぬかったわ!!…

白いのにかまけて走って居ればここはいつの間にか奴のテリトリー!…

……白いのもここがヤバいのは分かって居る様じゃな!!…

…となるとさっさとここから立ち去る事を!…」


__ウオオオオオォォォォォォォォ!!!!!……ッ!?…


フィロネウスが思い出した様にブレーキを掛けて辺りを見回すと、そこは

鬱蒼とした森ではなく黒く変色した…まるでモノクロの世界に居る様な

錯覚を覚える森の中に立っており、フィロネウスもしまった!…とばかりに

言葉を漏らすと、途端に辺りを警戒し始める!…そう!…フィロネウスが

言って居た怨霊と言うのはまさにこの場所に居る様で、まだ居場所がバレて

いない事を良い事に引き返そうとするのだが!…次の瞬間には耳障りな声が

地を這う様に何処からともなく聞こえ出し!…シロとフィロネウスが揃って

その声に耳を塞ぐと、更にフィロネウスが警戒を強める!…


「ッ!?…クッ!!…見つかったか!?…」


__オオオォォォォォ………


「………ふぅ!…まだ見つかっては居らんようじゃな?…

とにかくこの場を一刻も離れなくては!……おい、白いの!…

こんな所で死にたくなければ……ッ?…白いの?…」


叫び声の聞こえた方に視線を向け!…その他からの奇襲に対しても身構えると、

怨霊の様子を伺う!…その際見つかった時の事を考えて最悪その怨霊と

一戦交える覚悟もするのだが、幸いな事にその怨霊はただ吠えただけの様で…

フィロネウス達の居る場所に気付く事無く通り過ぎて行き!…その地を這う様な

声も遠ざかって行き出すと、怨霊に居場所がバレていない事でフィロネウスも

安堵する!…そして警戒を解くなり見つからない内に慌ててシロに声を掛けると、

何だかんだでシロの事を気に掛け!…早くここから逃げる様に言い聞かせようと

するのだが!…シロの様子が可笑しい事に気が付く!…


__カタカタカタカタ!…ブルブルブルブル!…


「な、何なのですか!?…ここ!?…

こ、怖い!!…色んな人の声が聞こえて!?…」


「ッ!?…お主まさか!?…クッ!!…何と言う事じゃ!!…」


シロは青褪めるなり頭を抱えて身を丸くししゃがみ込み!…そして恐怖に震える

よう小刻みに揺れて動かなくなると、気になる言葉を口にする!…それはまるで

死者の声が聞こえて居るかの様で、その声を聞きたくない!とばかりにシロは

耳を押さえ!…フィロネウスもそんなシロの様子に気が付くと、直ぐに状態を

把握し!…今の現状が追い詰められて居ると言う事に焦りを覚えると、その打開

策について考え出す!…


{…如何する!?…今この場所はとても危険!!…

白いのを抱えて移動などこの成りでは到底出来ぬ!…

……かと言ってここに留まり救援を待つのも危険過ぎる!!…

何ならマサツグ達をも巻き込む危険性だってある!!……

幸いマサツグ達の声はまだ辛うじて聞こえる!…

せめてその白いのが正気に戻ってくれれば!!…}


この時マサツグ達に助けを求める等考えるのだが、その助けを求めるにしても

伝える手段がなく!…その際使える物が辺りに無いかを見回すのだが、有るのは

黒く変色した木々しか無い!…そもそもマサツグ達も危険に巻き込む可能性が

ある事を考えると、更にフィロネウスは悩み出し!…せめてシロが動ける状態

ならば!…そんな風に後悔をしつつとにかく考え!…今だけは怨念に見つからない

事を願って居ると、場面は変わってマサツグ達の方に切り替わる!…


「……おぉ~~い!!…戻ってこおぉい!!!…」


「シロちゃあぁ~~ん!!!…フィロネウスウゥ~~!!!!…」


「……ったく!…何処まで行ったんだ!…

確かに呆けて居た俺も悪いが!!…」


「文句を零すのは後々!!…今は早く見つける事に専念しましょ!?…

……何だか嫌な気が集まって居る気がする!!…」


この時マサツグ達はただひたすらにシロ達が通って行ったであろう道を突き進み…

辺りに呼び掛けるよう声を張り上げると、周りに警戒をしつつ二人の姿を探して

居た!…その際如何やってシロ達の後を追って居るのかと言うと、その場に

転がっているモンスター達がその行先を物語っており…光になって消える前の

状態で死屍累々と!…マサツグ達はそれを手掛かりにシロ達の後を追い駆け!…

道中出て来るアンデッド達を駆除しながら進むと、ただひたすらに二人へ向けて

声を掛けていた!…そして中々見つからない二人に対して思わずマサツグが

本音をポロッと零してしまうと、アヤがそれを宥め!…とにかく見つける事を

最優先にし!…それと同時に嫌な気も感じている事を口にすると、そのアヤの話を

聞いたマサツグが尋ねる!…


「ッ!……嫌な気?…」


「えぇ!…何と言うか…悲しくも禍々しい!…

とにかくフィロネウスから聞いていた通り怨念めいた何かとしか!…」


「ッ!?…近いって事か!……急ぐぞ!…」


「えぇ!…」


マサツグは疑問を持った表情でアヤの方に振り向き…そこで嫌な気について

意味を確かめるよう尋ねると、アヤはその嫌な気について良く分からない

返答をする!…何でも悲しい…それでいて禍々しい!…とにかく情報が曖昧で

アヤ自身も困惑した様子で気を感じ…とにかくフィロネウスが言って居た

通りとマサツグに話すと、マサツグもその話を聞いて焦りを覚える!…勿論

マサツグにはそんな嫌な気など感じられないのだが、アヤが感じて居ると

言う事は件の怨霊が!…近くに居るかもしれない!と言う事を悟って見せ!…

探すペースを上げるようアヤに声を掛けると、アヤも同意をしては探索速度を

上げる!…そうなるともはや警備どころの話ではなくなり、ただ時間との

勝負で!…シロ達の後を追い駆ける様にモンスターの死骸を追い駆け!…

徐々にマサツグ達もそのモノクロの森の中へと進んで行くと、アヤも更に

警戒を強める!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…ザッ………ッ!?…


「…嫌な気が強くなって来てる!…辺りに警戒して!!…」


「…モンスターの死骸もここまで!……オマケに辺りは妙に黒いし!…

さて、何処へ行ったのやら?…」


今まで目印として居たモンスターの死骸もここで途絶え!…改めて辺りを

見回すと、その異様な森の様子に困惑を覚える!…葉は黒く樹も墨汁で

染めたかの様に黒く生えて居り!…ふと地面にも目を向けるとそこには

境目が!…一歩後ろには色が付いて居るにも関わらず目の前は灰色!…

まるで昔の写真の中に入ったかの様な光景に戸惑いを覚えて居ると、アヤが

警戒をする様に声を掛ける!…そしてそれを聞いてマサツグも改めて状況を

確認するよう言葉を口にすると、周りの風景にツッコミを入れ出し!…

とにかく辺りを見回しシロ達は居ないと!…この奥に行ったのかと思いつつ、

アヤの言う通り警戒しながらその森へ足を踏み入れると、マサツグの目の前に

案内が表示される!…


  ------------------------------------------------------------------------

          「不帰の森奥地・怨念樹の回廊」

  過去の大戦に置いて敗走した兵士達…及び国を追われた者達が最後に

  逃げ込んだとされる森の道。後方より迫り来る炎の壁に怯えつつ…

  生き延びようと逃げ込んだ道の先には何が有るのか?…その答えを

  知るにはその先に進んだ者にしか知り得ない…そしてこの森に生える

  樹は特殊で有り、ここの樹を原料にして作られた呪物は一級品に!…

  しかし当然怨念が込められている為、扱いが難しく!…一度でも

  扱いを間違えると身を亡ぼす!…そんな恐ろしい呪物になると

  言われている!…

  ------------------------------------------------------------------------

{……物騒な案内だな!…じゃあここに生えている樹は全部怨念持ちって事か?…

だとするとこの森で何十…いや、何百の人が亡くなったって言うんだ?…}


「……ッ!…如何かしたの?…」


目の前に現れた案内にはその土地が特殊である事が書かれて有り、まるでその

真相を突き止める様に文章が書かれて有ると、最後にはとにかく呪われて居る

とばかりにその度合いが書かれて有った。その度合いとして呪物で上げると、

失敗したら呪われると書かれて有り!…そんな案内を読んでマサツグは物騒に

感じてしまい!…とにかくその案内を睨みながら思わずその被害者の数について

悩み出して居ると、アヤがその様子に心配したのか声を掛ける!…この時

マサツグの表情はと言うと、まるで人でも殺さん!と言わんばかりに強張って

おり!…マサツグはアヤに声を掛けられた事でパッと元の恍けた表情に戻り、

アヤを安心させる様に声を掛けると、先を急ごうとする!…


「ッ!…え?…あっ…あぁ、いや!…何でも無い!…

とにかく行こう!…」


「ッ!…え、えぇ……気を付けてね?…

この森!…相当ヤバい気がするから!…」


「……了解!…」


突如アヤに声を掛けられた事で戸惑って見せるのだが、誤魔化す様に慌てて

返事をし!…アヤはアヤでそんなマサツグの様子にやはり戸惑い…それでも

ちゃんと返事をしてくれた事に安堵すると、再度気を付ける様に声を掛ける!…

その際奥の方からヤバい気を感じているのか、アヤはこの時若干震えて居り!…

マサツグもマサツグでそんなアヤの様子に気が付き!…気合いを入れ直すよう

アヤの言葉に返事をすると、いざその森の奥へと足を勧めるのであった!…

しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

『山』から降りてきた男に、現代ダンジョンは温すぎる

暁刀魚
ファンタジー
 社会勉強のため、幼い頃から暮らしていた山を降りて現代で生活を始めた男、草埜コウジ。  なんと現代ではダンジョンと呼ばれる場所が当たり前に存在し、多くの人々がそのダンジョンに潜っていた。  食い扶持を稼ぐため、山で鍛えた体を鈍らせないため、ダンジョンに潜ることを決意するコウジ。  そんな彼に、受付のお姉さんは言う。「この加護薬を飲めばダンジョンの中で死にかけても、脱出できるんですよ」  コウジは返す。「命の危険がない戦場は温すぎるから、その薬は飲まない」。  かくして、本来なら飲むはずだった加護薬を飲まずに探索者となったコウジ。  もとよりそんなもの必要ない実力でダンジョンを蹂躙する中、その高すぎる実力でバズりつつ、ダンジョンで起きていた問題に直面していく。  なお、加護薬を飲まずに直接モンスターを倒すと、加護薬を呑んでモンスターを倒すよりパワーアップできることが途中で判明した。  カクヨム様にも投稿しています。

処理中です...