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-第四章-オータムクラウド国編-

-第四章五節 有名人のマサツグと女王様からの手紙と災難な一日-

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ギルドに辿り着き女の子と出会ったかと思えば次の瞬間泣かれ!…更にはニコッと

その女の子が笑い出し歓迎をする様な言葉を口にすると、マサツグは戸惑う!…

一体何をもって泣かれたのか?…そして歓迎されたのか?と戸惑うと、まずはその

女の子に面識が有るかを考え!…だが考えた所で当然その目の前の女の子と面識は

なく、余計に悩む様な素振りを見せて居ると、その女の子は漸く詳しい事を

話し出す!…


「ッ!…ご、ごめんなさい!…私ったらつい!……コホンッ!…

私は[皐月]…[本郷皐月]と申します!…

このギルド浮雲邸で受付の仕事をして居る者に御座います!…

マサツグ様のご活躍は予てより伺っており!……そのぉ!…

ふぁ…[ふぁん]と言うモノをやらせて頂いております!…」


「「ッ!?…へ?…」」×2


「……ッ!!…こ、こんな所で立ち話等!…

恐らくですが登録に来られたのですよね?…ど、どうぞこちらに!…

その際ギルドマスターも一度マサツグ様に

会ってみたいとおっしゃられてましたよ!?…」


困惑して居るマサツグ達の様子を見てハッとしたのだろう、その女の子は

マサツグに自己紹介をするとギルドの受付嬢である事を明かし!…更に

マサツグのファンである事も頬を赤らめながら明かすとマサツグを戸惑わせ!…

その際隣に居たアヤもマサツグと一緒に戸惑った様子で言葉を漏らして

居ると、シロはファンの意味が分からず首を傾げる…そしてそんなシロを

余所にマサツグとアヤが戸惑って居ると、更にその皐月と言う女の子は

ハッと何かに気が付いた反応で!…次には自身が邪魔になって居ると

悟った様で、慌てて謝る様にマサツグ達へ道を開け!…ギルドに中へ誘う

よう声を掛けると、その皐月の言葉にマサツグ達も更に困惑する!…


「ふぁ、ファンって?…俺そんなアイドル活動みたいな事してないんだが?…」


「で、でも現にこの子マサツグの事が好きみたいよ?……ほら?…

あの子の目キラッキラしてるもの…」


「ッ!?…ご主人様の事が好き!?…むうぅ~~~!…」


「……シロちゃん?…ヤキモチを焼くのは結構だけど…

私が言ってる好きとはちょっと違うかな?…」


当然突如ファンと言われた事にマサツグも困惑!…自身がそんな大層な事を

やって来た覚えが無い事を上げると、首を傾げ…しかしアヤは間違い無い!…

と肯定するよう、その皐月と言うこの眼を見てマサツグに好意を向けて居る

のは他人から見ても明らかと言葉を口にすると、今度はその言葉にシロが

ピクっと反応する!…そしてファンと言う意味についても理解した様子で、

皐月に対して頬を膨らませ!…そんなシロの様子にアヤもマサツグも気が付き…

若干苦笑いをしつつシロにちょっと違うと話すと、とにかくマサツグ達は

ギルドへと歩き出す!…その際妙に皐月にニコニコと視線を向けられる事で

やはり戸惑うのだが、中に入るとそれも終わり……


__コッ…コッ…コッ…コッ……ッ!…


ギルドの中に足を踏み入れるとそこは見慣れた場所で…如何やらギルドと

言うのは何処も構造が一緒らしく、二階のエントランスバルコニーに階段!…

クエストボードと受付カウンター等の位置が一緒である事が伺えた!…

ただ違う点が在るとするならギルドの内装はそれぞれの大陸で違う様で!…

例えば春野原スプリングフィールドだとまさに異世界らしい中世の酒場ッポイ物になるだが、

これが夏海原サマーオーシャンになると…気分はまるで南国バカンス!…ラタン調の机や

椅子!…その他にも壁にはまるで外に居るかの様なヤシの木等が書かれて有り!…

そしてここ秋羊雲オータムクラウドはと言うと、その内装はまるで古いシックな喫茶店に

居る様な!…とにかく年代を感じるダークブラウンを基調とした内装が

広がっていた!…


「……ギルドって何処も似た様なモンとは思って居たが…

こっちは本当に洋館風で落ち着いているな?…

何と言うかシックな喫茶店に居るみたいと言うか?…」


「…さぁ!…こちらへ!……ここがギルドの受付窓口になります!…

普段私はここで業務を行っておりますので…

何か御用が御座いましたらお気兼ねなくどうぞお申しつけございませ…」


「……一つ質問なんだが何で俺のファン?…

別に何もしてないと思うんだが?…」


そのギルドの内装が違うだけも別の場所に居る様な!…とにかく驚かされた

様子でマサツグ達が歩いて居ると皐月の案内は続き、いつもの様にギルドの

受付カウンターへ!…その際皐月は大体ここに居ると言った様子でマサツグ達に

話し!…嬉々とした様子で頼るよう声を掛けると、マサツグはふと疑問を持った

様子で質問をする…その質問と言うのも皐月が自身のファンだと言った事で、

マサツグは別に大した事はやって居ないと言うのだが…その言葉を聞いた皐月は

スッとマサツグの方へ視線を向け!…そうじゃない!…と言った様子で軽く首を

左右に振ると、マサツグのファンになった理由を話し出す!…


「ッ!……いいえ?…そんな事は有りません!……私は知って居ます!…

マサツグ様がスプリングフィールドで脚光を浴びた事を!…」


「へ?…」


「まだ駆け出しながらも増長していた騎士団長と一騎打ちを行い!…

辛くも勝利!…その後はカルト教団達による凶行を仲間と打ち向かい!…

教祖を倒して見事に勝利!…

スプリングフィールドの平和を勝ち取ったと聞いて居ます!…

…そしてサマーオーシャン!…鎖国状態にあったハーフリングスへ向かい

投獄されるも、自身の手で無罪を勝ち取り!…その後襲い掛かって来た

ドラゴンに裸同然ながら辛くも勝利し!…信頼を得る事で開国への道を

築いたとか!…その後ハーフリングスの大臣による凶行が起きるのですが

これも撃退!…平和を勝ち取って次にユグドラドに!…」


「……あぁ~…分かった!…もう分かったから勘弁してくれ!…」


マサツグの言葉に対して皐月は違うと否定し…自分は知って居ると話し出すと、

徐に両手を重ね始める!…それはまるで神に祈る様にも見えるのだが、両手を

重ねている相手はマサツグで!…マサツグもそんな皐月の様子に驚き戸惑い!…

一体何が始まるのかと言った様子で見守って居ると、恐らく他のギルドより

聞いた話を口にし始める!…その際最初から振り返る様にリーナとの一騎打ち

から始まると、カルト教団との戦いへ話は変わり!…更にはハーフリングス

事変へ!…その話でも何があったのかを話し続け!…マサツグだけでなく

アヤをも戸惑わせて居ると、最後にユグドラドの話へ行こうとする!…それは

まるで語り聞かせる様に延々と続きそうに感じられ、マサツグが呆れた様子で

止めに入り!…この時マサツグ自身でも黒歴史の様に感じられ!…

若干恥ずかしそうに手で顔を隠して居ると、そんなマサツグの様子に皐月も

ハッと我に返る!…


「ッ!!…も、申し訳ありません!…私ったら!…

つい本人様を前にして興奮を!…」


「……因みに質問なんだけど?…その話は何処で聞いたの?…

受付嬢同士の話でもそこまでは?…」


「ッ!…あぁ!…それでしたら!…

ギルドマスター同士の会議にて色々なお話が聞けるのです!…

中でもマサツグ様の話はよく出てきます!…

スプリングフィールドのギルドマスター様ですと…

{彼らと共に戦えた事は誇らしい!…}とおっしゃってましたし…

サマーオーシャンのギルドマスター様ですと…

{やっぱりマサツグちゃんはサイコーよね!♥…

いつも驚かせてくれるし!…何より可愛いんだもの♥}

とおっしゃってました!」


「ッ!?…勘弁してくれ!…」


ハッと我に返るとマサツグ達に慌てて頭を下げて謝り!…やはりテンションが

上がって居た様子で冷静さを取り戻すと、ふとアヤが興味を持った様子で

質問をする。その質問の内容と言うのもマサツグの話の入手先で、幾ら受付嬢

とは言えよく知って居ると!…別の何か…そう言った話を聞く場が有るのかを

徐に尋ね始め!…その質問を受けて皐月も隠す事無く答えると、その場はギルド

マスター同士の定例会に有ると話す。何でも皐月が言うには春野原フリード夏海原ロディと…

両者からマサツグは気に入られて居ると話し!…その際ロディの言葉にも気に

なる所が有るのだが!…とにかくマサツグは頭に手を当て悲観するよう項垂れ

始めると、嘆く様に言葉を口にする!…そうしてマサツグが項垂れている一方で、

更にふと思い出した様子で皐月が!…


「ッ!…そう言えば?…お隣に居らっしゃるのはアヤ様で御座いますよね?…

ユグドラド王国の皇女…アヤ・エルヴンフォード様?…」


「ッ!…やめて畏まらなくて良いわよ!…

私はアヤ!…冒険者のアヤなんだから!……で、何か有ったの?」


「ッ!…あ、いえ…然程畏まった話では無いのですが…

アヤ様宛に様よりお手紙が届いているのですが?…」


「捨てて頂戴!」


皐月はこれまたハッとした様子で反応し、アヤの方へ視線を移すと徐に本人

確認をし始める!…まるで何か言いたい事が有る様な?…アヤもその確認に

対して畏まらないよう笑って答え!…その用件を聞く様に皐月へ声を掛けると、

皐月はアヤに手紙が有ると言い出す。そしてその手紙の送り主を女王様と

答えた途端、アヤは笑顔で手紙を捨てる様に出し!…当然その言葉に皐月は

戸惑い!…何なら隣で頭を抱えていたマサツグもえ!?…っと言った様子で

反応すると、慌ててアヤを止めに入る!…


「ッ!?…い、いやちょっと待て!!…

そんなあっさり捨てると言わんでも!!…

何なら折角ギルドを通して手紙を送って来たんだ!…

ちょっと位目を通しても!…」


「……分かってないわね…マサツグ?…

読みたくないのよ!!…

…何ならマサツグが代わりに封を切って読んでくれても良いのよ?…

とにかく私は絶対に読まない!…」


__キャッキャッ!…キャッキャッ!…


マサツグが慌てて声を掛けるがアヤは聞かず!…寧ろマサツグにまだまだ!…

と言った様子で返事をすると、代わりに受け取るよう勧め出す!…当然そんな

アヤの様子にマサツグと皐月が戸惑って居ると、その一方でシロはと言うと

相変わらず他の冒険者達にモテて居り!…そんなシロを置いといて頑ななアヤの

意思に!…マサツグも逆に興味を持った様子で仕方なしにその手紙を受け取る

事を決めると、皐月に声を掛ける!…


「ッ!?…えぇ~………ったく、しょうがない!…

代理で受け取る事って出来るか?…」


「え!?…あっ…はい…

…ご本人様の承諾もありましたので……

これがその手紙です…」


__ガサガサッ…スッ……カサッ…


{……何の変哲も無い至って普通の手紙…ッ!…

あれ?…匂いが分かり難い筈なのに花の匂いが?…

と言う事はこれ強烈なまでに香水を振ってるんじゃ?…}


マサツグが戸惑い呆れた様子で代理受け取り出来ないか?と問うと、皐月も

本人許可は先程聞いたので行けると返事をし…カウンター内側の引き出し

より一通の手紙を…特にコレと言って何の変哲も無い本当に普通の手紙を

取り出して見せると、戸惑いつつもマサツグに手渡す!…そしてその手紙を

受け取ったマサツグも何故そこまで拒否するのか?が気になると、一応

手紙をマジマジと確認するのだが…裏表共に何か細工されて有ると言った

事は無く!…ただ花の匂いが微かにだけフワッと感じられると、マサツグは

その匂いに違和感を持つ!…このゲームに置いて匂いと言うのはある種

重要で!…ただでさえ感じ難いのに匂いが分かると!…アヤが嫌がっていた

のはこの匂いのせいか?と確認するのだが!…


__シラ~……ッ?……


{ち、違う?…一体何が原因なんだ!?……

と、とにかく封を開けて…}


__……ッ!…カチャッ…スッ……


アヤの方に視線を向けるが鼻を押さえると言った嫌がる素振りは見せて居らず、

何なら澄ました顔でこちらを見て居り!…その様子にマサツグは更に疑問を

抱え!…皐月の方にも視線を向けて確認をすると、やはり同じ様に!…若干

マサツグの様子に困惑した様子で首を傾げている姿を目撃する!…そして

自身に見当が外れた事で更にマサツグは戸惑うのだが、とにかく封を切る事を

決め!…近くに有ったペーパーナイフを手に取り、その封をしてある蝋にナイフを

当てると、切るタイミングで突如アヤから注意が飛び出す!…


「…先に言っておくけどマサツグ?…私は責任取らないからね?…」


「ッ!…え?…」


__ピッ!!…バシュウゥゥン!!!…ッ!?!?…


その突然のアヤからの注意にマサツグが戸惑った様子で返事をし!…そしてその

返事をしたタイミングでマサツグが封を切ると、それは途端に起こってしまう!…

マサツグが手紙の封を切ると突如中から煙が!…ギルド全体に充満すると言った

事は無いのだが、マサツグの視界を奪うには十分過ぎ!…アヤもやっぱりと言った

様子で呆れ!…皐月も突如煙が立ち上った事で驚いて居ると、マサツグも煙を

手で払っては咳き込み始める!…


「ゲッホ!!…ゴッホ!!…ガッホ!!…

……な、何なんだ!?…」


「ね?…だから捨てた方が良いって言ったのよ…

それはお母様が得意とする魔法の一つで[冗談魔法ジョークマジック]って言って!…

私に対して使うのはお仕置きの時だけ!…だから冗談で聞かないって…ッ!?…

な、何で私に被害が!?…」


「ゲホゲホ!!……あぁ?…何如何し?…ッ!?!?…」


当然の事で何が起きたのか理解出来ず!…ただマサツグが咽たよう目に涙を

溜めつつ困惑の言葉を漏らして居ると、アヤが詳しい話をする!…何でもこれは

女王様からのお仕置きらしく、殺傷能力の無い魔法と言い!…冗談魔法ジョークマジック

言ってはその限度について話し出し、何でもアヤにお仕置きする時だけ威力?…

が派手になる事を口にして居ると、アヤはふと自身の身の変化にハッと

気が付く!…そして驚いた様子で言葉を漏らして居ると、マサツグはそのアヤの

声に反応し!…次にアヤの方へ振り向くとそこにはファンキーな髪型になった

アヤの姿を目撃し!…当然そんな光景を目にしてマサツグは目を見開き戸惑いを

惜しげもなく露わにすると、シロも先程からの騒ぎに気が付いた様子で振り向き

出す!…


「ッ!?…何!?…何があったで!!……ッ!?…

ア、アヤお姉ちゃんの頭がふわふわになってるのですぅ~!?」


「な、何で!?…手紙を開いたのはマサツグの筈なのにぃ!?」


それこそ今更!?…と言いたくなるところでは有るのだが、振り向き煙に

若干覆われているマサツグ…ではなく!…アヤの髪型が変わって居る事に

気が付くと、そのアヤの頭を指差すなり驚きの声を上げる!…そしてそんな

アフロなアヤを指差しては驚くと同時に目を輝かせて居ると、アヤも自身に

被害が飛んで来た事で驚きを露わに!…マサツグも漸く落ち着いて来ては

手紙に目を向け出し、そこで書かれて有るモノを見て納得したよう困惑の

言葉を漏らすると、その手紙をアヤにも見せる!…


「……ッ!……あぁ~……アヤ?…如何やらこの手紙…

封を開ける事自体が間違いだったらしい……ほら?…」


「え?……ッ!?…」

 -----------------------------------------------------------------------

 拝啓我が娘へ…

 
 貴方がこの手紙を読んで居ると言う事は無事大陸を渡る事が出来た

 のでしょう。これからアヤが歩む道は遠からず過酷なモノになると

 思われます!…けれど決して折れる事無く自身を信じて突き進んで

 欲しいと同時に!…貴方にある試練を三つ課そうと思います。


 一つ目は貴方もいい歳をして居るのだから婿を見つける事!…

 アヤが好きになった人…私もそれを信じるとして、いい人を

 見つけて来なさい?…でないとこっちで勝手に見繕います!…


 二つ目は決して感情に飲まれない事!…アヤが言って居た

 敵討ちと言うのは恐らく人を討つ事ではなく、その事態に

 なった原因を知る事!…その際真実を知って自棄に!…

 怒りに飲まれその人を討ち!…事の結末を迎えようとしないで

 下さい!…真に罰を与えると言うのはその罪を分からせて

 償わせる事!…努々忘れてはなりません!…


 三つ目は見聞を広げなさい!…これに関しては王族として!…

 貴方の知識として役に立ち、後々私の後を継いだ際役に立つ事

 でしょう!…まだその時が来る事は無いでしょうが…今から

 始めても早過ぎると言った事にはならないでしょう!…

 常に新しい発見に目を向け!…自身の糧としなさい!…


 P.S

 それでも私に嘘を吐いた事!…逃げた事が許せなかったので

 少し罰を貴方に与えます!…この手紙に封入されている魔法は

 ランダムで髪型を奇抜に変えるモノ!…代理で誰かに封筒を

 開けさせようが魔法は貴方に降り掛かるので悪しからず…


 クリミア・エルヴンフォード

 -----------------------------------------------------------------------


「ッ~~~~!!!…おかあぁさまああぁぁ!?!?!?」


マサツグから手渡された手紙にアヤは一瞬警戒をするのだが、既に魔法は

発動した後なので改めて別に警戒をする必要は無く…マサツグから手紙を

受け取りスッと内容を確認!…そこでアヤに対し色々と書かれてある事に

気が付き!…更にその下にやはり嫌がらせについて色々と書かれてある事に

目が行くと、アヤは怒りに震えてはついに発狂する!…その時のアヤは

まるでブ○リーの様に足を開き腕を構えて怒りを爆発させており、マサツグは

その様子にタジタジになり!…もはや本来の目的も忘れた様子で気が高まって

行く様な!…とにかく珍しいアヤのお怒り具合に戸惑って居ると、皐月が

落ち着く様に声を掛け出す!…


「お、おおぉ落ち着いて下さい!!…

その髪型も魔法で変わってしまったのなら解呪の魔法を使えば!…」


「ッ!!…その解呪にどれ位掛かると思ってんのよ!!…

確かにやった魔法は幼稚だけど!…ただこれだけの魔法を解呪するだけでも

そこそこ掛かるのよ!?…」


「ッ!!…そ、それはそうですけど…」


「もとはと言えばマサツグのせいじゃない!!…

解呪代払いなさいよぉ~!!!」


「ッ!?…何で俺!?…」


落ち着くよう声を掛けようとするのだが、その声を掛ける本人が慌てて居り…

それでもまだ何とか出来ると解呪の魔法がある事を口にすると、アヤはその

皐月の提案に対しても怒りを爆発させる!…その際アヤの目には若干泣きが

入っており、解呪にも費用が掛かると!…その費用もそんなに高いのかお金が

掛かると嘆き出し、アヤのその様子に皐月も困惑した反応で思わず同意を

すると、その怒りの矛先はマサツグへと向けられる!…元々は廃棄する

筈だった手紙を!…封を開けたのはマサツグのせいと!…マサツグも自身に

飛び火した事で驚き戸惑い!…とにかくアヤを宥める事に必死になって居ると、

結果オータムクラウド国のギルドに冒険者登録するのが遅れてしまう!…


__ヴゥ~ン!!…ジジジジ!!…


「……は、はい…お待たせしました…これでお二方登録完了です…」


「ス、スマンな?…こんな事に巻き込んじまって…」


「い、いえいえ!…

…因みにその解呪のお店までの道のりは分かりますか?…」


実にその登録に掛かった時間は約三時間!…因みに手続きに掛かった時間は

約10分少々の事であり、残りの時間はアヤを宥める時間に費やされていた!…

この時二人の登録が漸く終わった所でマサツグと皐月は共に疲労困憊!…

疲れた様子で皐月が二人の冒険者カードを返し!…マサツグもマサツグで

ヘンな事に巻き込んでしまった事で謝り始めると、皐月もマサツグに

謝られた事で若干慌てた様子を見せる!…その際手を振ってマサツグに謙遜を

すると、続けて解呪の店に行くのかその店までの道の案内を申し出!…しかし

マサツグは大丈夫と言った様子で苦笑いしつつ首を左右に振り、彷徨いつつ

歩いて目指す様に返事をすると、そのままギルドを後にしようとしていた。


「ッ!…いや…ただ途中で道具屋に寄るつもりで居るから…

そこでマップとか買って…それを宛てに歩いて行くよ。」


「ッ!…あっ!…ではお気をつけて!!…

最近妙な事件が多発しているようですので巻き込まれない様に~!!」


「ッ!?……もう巻き込まれた後なんだよな?…」


背を向けるマサツグに対して皐月は慌てて挨拶をし!…その際改めて何か

不穏な事件が多発して居る事を口にすると、その去って行くマサツグ達の

背に向かって手を振って見せる!…そしてその皐月の言葉に対して

マサツグが苦笑いをすると、思わず小声でポソっともう起きたと口にし!…

それでも手を振ってくれている皐月に対してマサツグ達も振り返って見せ!…

皐月に手を振り返しギルドを後にすると、一同は道具屋を目指して歩き出す。

この時マサツグの脚も復活したのかいつの間にか普通に歩いて居り!…

何ならあの忍者達に襲われた時点で復活しており、アヤやシロもそんな

マサツグの様子に気が付く事無く歩いて居ると、その道具屋であるヘンな

話を耳にする!…


「……ッ!…そういやあんた達外の人だよな?…」


「ッ!…あ、あぁ…それがどうかしたか?…」


「いや…ただアンタ達に一応言っておこうと思ってさぁ?…

今となっては別にもう問題無いと思うんだが…

ここ数週間前…流行り病が蔓延しててな?…

もしかすると外から来た人だと感染するかもって話だ…

アンタ達も気を付けるんだよ?…」


「ッ!…流行り病?……そうか……」


道具屋の店主はマサツグ達を見るなり外の人だと言う事を確認し…マサツグも

その質問を受けて疑問に思うと、すぐさま如何意味か?と店主に尋ねる!…

その際まさか差別でもされるのか?と思わず身構えるのだが、如何やら違う

らしく!…店主は身構えるマサツグに対して慌てて違うと訂正し!…その外の

人である事を聞いた理由について流行り病と口にすると、次には心配の言葉を

並べ始める!…何でも外から来た人だとその流行り病に対して耐性が無いとかで、

単純に心配をしたらしく!…それを聞いてマサツグも納得!…構えを解いて

その話に耳を傾けるよう腕を組み出すと、道具屋での買い物を終えるので

あった!……さて、その後は何事も無く解呪の店へと足を運び、アヤの呪いを

解呪して貰うのだが…


__カランカラァ~ン♪…ッ!…いらっしゃいま……ッ!?…


「す、すみません…呪いを解いて欲しいのですがぁ?…」


「ッ!!…は、はい……どうぞこちらに…」


{……今明らかに動揺してたな?…}


店に入ると扉のベルが…それに反応して店の店主が振り返ると、そこにはボンバ

ヘッドのエルフが!…当然これには鳩が豆鉄砲を食ったよう戸惑いを露わにする

店の店主!…そん案店の店主に釣られてマサツグも戸惑い!…とにかくアヤの

代わりにお願いをし!…そのマサツグのお願いを聞いて店主もハッ意識を取り

戻すと、マサツグ達を案内する!…その時の店主の表情は夢にも出て来そうな

位に驚きを露わにしており、アヤもその案内に誘われるまま移動すると、椅子に

座らさせては解呪を受ける!…するとアヤの髪は元のストレートロングに戻り、

アヤも自身の髪が元に戻った事で安堵すると、一気に疲れる!…


__パアアァァァン!!……バサァ!!…ッ!…チラッ?…チラッ?…


「……はあぁ~!!…元に戻ったぁ~!!…」


「あ、あのぅ?…一体何が?…一体どんな事をやったらあの様な髪型に?…」


「ッ!…あっ!…そこは触れないでやって下さい!…」


ここに来るまでの道中でも視線を集め、解呪を受ける際も店主に奇異な目で

見られる!…そしてそんな目で見られる事も無くなってアヤがホッと安堵して

居ると、店主も経緯が気になったのか質問をし!…その質問を受けてアヤは

ビクッと反応するのだが!…マサツグが間に入って聞かないよう声を掛けると、

店主は気になりつつも同意する!…その際察した様子で見せるのだが、アヤの

頭への注目は解けず!…それは店を出るまでジィ~ッと続き!…アヤも疲れた

様子で宿に戻る事を訴えると、マサツグ達は宿に戻る!…


__コッ…コッ…コッ…コッ…ガチャッ!…


「ふぃ~!…やっと休め…」


「ッ!?…おっ!…帰って来たか!…マサツグや?…」


「……何でここにフィロが居るのかは分からんが…

もう今日は面倒事…ッ!?…」


宿に着くなりアヤは足早に自室へ戻り!…閉じ籠る様に鍵を掛けるとその日を

終える!…マサツグもマサツグでシロを連れて自室に戻ると、部屋の鍵を開け

中に入るのだが…そこには何故かフィロが鎮座しており、マサツグのベッドの

上!…お風呂にでも入って来たのかホコホコとした具合に薄着姿で正座をして

居ると、マサツグに三つ指を着く!…そしてそんな事など知らないマサツグは

振り返るなりそんなフィロの姿を見て驚き!…フィロもフィロで戦闘準備は

万端!と言った様子で頭を上げると、マサツグを迎え入れる!…


「……さぁ!…身を清めても来た!…これで文句は無い筈じゃ!…

…今日はすんなり寝かせて貰えると思うなや?…マサツグ?…」


__ゴソゴソッ!…シュピッ!!…


「ッ!?…な、何じゃその縄は?…そして何故その様に無表情なのじゃ?…」


「最後の最後でこの馬鹿狐は!……教育的指導!!!」


__ッ!?…のじゃあああぁぁぁぁぁ!!!!……


シロが居ようが関係無いと両手を広げ!…マサツグに襲い掛かられる準備を

するのだが、マサツグは冷静にアイテムポーチから縄を取り出し!…その縄を

手にフィロへ近付き!…フィロもフィロでそんなマサツグの様子に警戒を

するが、次にはグルグル巻きで拘束される!…その際マサツグは呆れた様子で

文句を言うと、言い訳も聞かない様子でフィロに襲い掛かり!…違う意味で

襲われたフィロは悲鳴を上げ、大人しくシロと一緒に!…それでもマサツグの

隣で寝る事を許されると妥協するのであった!…

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