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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章二十六節 大人数用の馬車と家族の会話とトラブルは突然に!…-

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さて一同はドラ子に案内されてギルドの馬車乗り場に、と言っても直ぐ隣なので

案内と言う程の距離でも無いのだが…それでもドラ子は先頭を歩き!…そして

ふと思い出した様にチラッとマサツグ達の居る方に振り向くと、次にはその馬車に

乗る人数を確認する!…この時マサツグを筆頭にアヤ・リーナ・シロにフィロ!…

そしてオリハにマサキにくまさんと、計八人である事を確認し!…そしてふと若干

考える様な素振りをドラ子は見せ、それに気が付いたマサツグも何が有った?と

言った様子で反応すると、今回の物語が始まる!…


__コッ…コッ……ッ!…チラッ?……ッ……


「ッ!…何、どうかしたのか?…」


「ッ!…いえ…

…通常の馬車ではマサツグ様のパーティの方全員が

乗り込む事は出来そうに無いですね…少々お待ちください…」


「……え?…」


「……申し訳ありませんが…ここで少しお待ちになっててくださいませ…」


如何やら大人数である事に問題が有る様で、ドラ子はマサツグの問い掛けに

対してスッと答え…人数が多い事を口にすると通常では無理と…その言葉を

聞いたマサツグも戸惑った様子で思わず言葉を漏らして居ると、次には

ドラ子が待つ様に指示を出す!…そして一人ギルドの馬車管理事務所の方へと

歩いて行くと、中に入っては話を…一体中でどんな話をして居るのか?…

少し気になりつつも約五分位してドラ子がその事務所から出て来ると、

次にはその通常では無い馬車も姿を現す!…


__ガラガラガラガラ!!…


「ッ!?…デッカ!?…」


「…お待たせいたしました…大人数用の馬車の手配をしてまいりました…

ドワーフファミリアへはこの馬車に…

そして馬の方もさすがにこれを引く事は出来ないのでオラウルレインディアーを…

…この馬車なら百人乗っても大丈~夫!…っとまでは行きませんが…

マサツグ様達のパーティが乗る位なら余裕は有ると思います…」


「ッ!?…え?…今なんて?…」


通常の馬車で大体四人乗り…しかしマサツグ達に用意されたのはその二回りも

大きい!…八人位なら余裕で乗れる大きな馬車が目に前に引っ張って来られる!…

体感的には某・ファミバンのア○ファードを更に大きくした様なモノで、天井が

高く三角屋根と!…更にはその見た目からも分かる様に車輪が可笑しく!…何か

黒いゴムの様なモノが巻かれて有るのを目にして居ると、ドラ子が待たせたと

声を掛ける。そしてその用意した馬車に乗ってドワーフファミリアに向かうよう

説明をすると、そのドラ子の口から気になるフレーズが…その際何やら可愛らしい

ガッツポーズも披露!…となると勿論マサツグが機敏に反応して見せ!…思わず

今何と言ったのか?についてドラ子にもう一度訪ねようとするが、ドラ子は

はぐらかす様にして説明を続ける!…


「因みにこの馬車の車輪にはラバースネークと言うゴム質の皮を持つ蛇の皮が

巻かれている為…雪道でも安心して走る事が出来る上に…

更に揺れを軽減する為のバネ等が組み込まれています…」


「い、いやそれよりも…」


「ッ!?…うわスッゲェ!!…ホンマにこの馬車サスサスペンション付いてる!…

おまけに馬車言うから木製かと思ったらシャーシ骨組みは金属やし!…

案外しっかりしとる!」


「ッ!?…覗き込んでるし!!…」


ドラ子は馬車の説明をその細かなオプションについて説明を口にし…と言うのも

本当に車に近い物となって居るのか、その車輪にタイヤが履かれて居る事を!…

衝撃吸収のバネが付けられて居る事等を話すと、マサツグの追撃から逃れようと

する!…しかしマサツグもこれでは下がらず!…やはり気になった様子で声を!…

だがそんなマサツグの追撃も空しく…マサキが興味を持った様子で馬車の下を

覗き出すと、声を上げて驚いて見せる!…それこそマサツグの声を掻き消す様に!…

嬉々とした様子で面白いと!…となるとそんな反応を見せて居るマサキに

マサツグも驚き!…マサツグも一旦はドラ子を放置!…マサキにツッコむよう

言葉を口にして居ると、先にアヤ達が乗り込み始める!…


__コッ…コッ…ギッ…ギッ…


「ッ!…へぇ~!…大きいとは思ってたけど!…

やっぱ中も広いわねぇ~!…まるで行商人の馬車みたい!…」


「…床も木製デッキに絨毯が敷かれてますし…

ある程度の防寒効果は期待できそうですね。」


「ッ!…カーテンも付いて居る!…これは貴族様な何かなのでは無いのか!?…」


アヤが先陣を切って中に入るとその内部に心を躍らせ!…オリハもふと気が付いた

様子で視点を下に…するとそこで床に絨毯が敷かれて有るのを目にして行き、

底冷えについて心配は要らないと!…絨毯のフカフカ具合を足で確かめつつ…若干

驚いた様子で言葉を口にして居ると、それぞれが本当に馬車なのか?と疑問を

持ち出す!…そして今乗ろうとして居る馬車について各々が色々と驚いて居ると、

更にある事にも気が付き!…と言っても窓が付いて居るのだがそこにはカーテンが

着けられて有り!…リーナがそれを見て貴族用のモノなのでは!?と…何か驚愕

した様子で戸惑った反応を見せて居ると、とにかくその馬車の中からはキャッキャと

燥ぐ声が聞こえて来る!…さてそうして燥ぐ声を耳にしつつ…マサツグはふとある

不安を覚えると、ドラ子にある事を尋ねる…


「……で、この馬車の運賃はどれ位?…

見た感じかなり良い物そうで…結構なお値段になりそうに感じてるんだが?…」


「…料金は一人3000Gです…

マサツグ様達のパーティは8人なので…24000Gになりますね…」


「ッ!…意外と高くない?…いやでも地味にする感じか!…

…まぁとにかく…えぇ~っと……ほい、24000G!…」


マサツグが気になった事と言うのもその馬車の運賃!…良い物に乗ると言う事は

それだけ高く付くと言う事で…値段に警戒をしつつドラ子に質問をして行き!…

ドラ子もやはり澄ました様子で質問に答えるよう…一人頭の料金を口にすると、

次に全員分の料金を出して行く。するとそれを聞いたマサツグとしても微妙な

反応…高いやら高くない様な?…如何にも反応を取り辛い!と言った様子で言葉を

口に…しかし料金分のお金を取り出すとドラ子に手渡し、ドラ子もそれを受け

取った所で直ぐに確認をしたのか?…すぐ目の前でマサツグに頷いて見せると、

商談成立と返事をする。


「…はい…確かにお受け取りいたしました…では少々お待ちください…」


__クルッ…コッ…コッ…コッ…コッ…


「……御者さん?…出発の準備は出来ていますか?…」


「ッ!…あぁ!…いつでもイケるぜ、嬢ちゃん!!」


__コクリッ……スッ…パタパタ…パタパタ…


マサツグから受け取った料金を一旦はポケットに…そしてマサツグに待つよう

声を掛けると、クルっと振り向いては御者の元へと歩き出す。そして御者の元に

辿り着くと、次には準備が出来て居るかの確認を…そのドラ子の確認に対して

御者はサムズアップ!…笑顔で行けると返事をすると、ドラ子もその確認を

取れた所で静かに頷く…そしてマサツグの立って居る方に振り向くと、手を

振って乗り込むよう合図!…するとそれに気が付いたマサツグもドラ子に頷き!…

そして全員に乗り込むよう号令の言葉を掛けると、馬車にへと乗り込んで行く。


「ッ!…ッ……よぉし!…そろそろ馬車に乗ってくれ~!!

出発の準備が出来たぞ~!!!」


「は~い!(です!)(なのじゃ!)」


__ダダダダダダダ!!!……コッ…コッ…コッ…コッ…


「…よぉ~し、ちゃんと全員乗ってるなぁ~?…

一応点呼を取るぞぉ~?…」


__………ヒョコッ!…コクリッ!……ッ!…コクリッ…


マサツグが声を掛けるとマサキ達も返事!…そしてマサキ達は馬車に駆け込むと

それぞれ席に!…その際最後にマサツグが馬車に乗り込んで行き、全員が乗って

いる事を確認!…ちゃんと点呼を取って置いてけぼりになっている人物がいない

事を確かめに確かめると、窓から顔を出してはドラ子に合図!…ドラ子に笑顔で

頷いて見せると、ドラ子も頷き返事をする!…さてちゃんと確認を取れた所で

ドラ子が御者に手を振り、御者もそれを見て出発を!…


「ッ!…よし!…ドワーフファミリア行き馬車!!…

出発進行!!…ハイヤッ!!…」


__パシンッ!!……ガラガラガラガラ…


「ッ!…進み出したな!……ッ!…シロ、見てみ?」


「へ?……ッ!!…いってきま~す!!」


__はたはたはたはた……


景気よく掛け声を掛けると御者はオラウルレインディアーに鞭を!…すると

馬車はゆっくりと動き始め、徐々に徐々にとギルドを離れて行こうとし…

マサツグもそれを感じて言葉を口に!…新天地を目指す様な気持ちに浸りそう

になって居ると、次にはふとここである事に気が付く!…そして徐にシロを

呼び出すとそれを見る様に声を!…するとシロも突如呼ばれた事で困惑を…

だが呼ばれてくまさんから離れるとマサツグが覗いて居る窓に向かい、そこで

窓から顔を覗かせてふとマサツグの指差す方に視線を向けると、そこで見送り

をするドラ子の姿を見つけて行く!…この時ドラ子はハンカチを摘まむ様に

して持って見せると、ハタハタと揺れ動かし!…となるとシロもそれを見て

嬉々とした様子を露わにして行き!…ドラ子に向かって手を振り!…元気一杯に

ドラ子の見送りに対して答えて見せると、そのままギルドを後にする!…

さて馬車はそのまま一直線に町の外へ!…そしてこれまた徐々にスノーピースを

後に!…


__ガラガラガラガラ…


「……今更なんだがレインディアーって、トナカイの事なんだな?…」


「ッ!…何でぇ?…また急に藪から棒に?…」


「いや…最初オラウルレインディアーって聞いた時、一体どんな化け物かと…

でも見てみたらトナカイだし…何なら角にオーナメント着けてるし…

…まぁ、とにかく!…名前だけじゃ判断は出来ねぇなって思っただけよ!…」


「……ッ?…」


そんな馬車の中マサツグとシロは頭を引っ込め…元の自分の席に座って行くと、

徐にマサツグが…と言うのもこの馬車を引っ張っているモンスターがトナカイと

言う事に触れ出し!…後々調べた様子でトナカイと言う意味の英訳について話し

出すと、勿論そんなマサツグに疑問を持つ!…その際くまさんが不思議そうな

様子で問い掛け出すと、マサツグは事のあらましを話し!…ドラ子から聞いた際

仰々しい名前と!…一体どんなモンスターだったのかについて話すと、無理やり

まとめる!…とにかく何と無く話したかった様で、その話を聞いて全員がふ~ん

と…何だか微妙な空気になり、マサツグとしても滑った様な気分になって居ると、

次にはシロがガバっと反応する!…


「……ッ!…ッ!!!…み、見て下さい窓の外!!!…」


「ん?…如何したと言うの…じゃ!?…」


「ッ!?…な、何だ!?…敵襲!?……か?…」


シロは途端に驚いたよう目を真ん丸に!…そして慌てた様子で外を見る様に

言い出し!…するとそんなシロの慌て様にフィロは不思議そうに首を傾げ…

一体何をそんなに慌てて居るのか?と口にすると、次には同じ様に戸惑って

見せる!…それは身を乗り出す様にして反応すると、一点に窓の外の光景を

見詰め!…となるとそんな二人の戸惑い様にマサツグも慌て!…敵襲が来た

のか!?と身構え出すと、次には窓の外に目を向ける!…しかしそこで見た

モノは何処にもそんなヤバそうな物は無い光景で、ただ一面銀世界の様子が

広がり…勿論そんな様子にマサツグも更に戸惑ってしまい!…一体如何言う

事なのか?と思わず首を傾げてしまうと、シロが感動した様子で言葉を呟く!…


「……わあぁ!!……きれいです!…」


「おぉ!…ほんに!…ほんに美しいのう!…」


「ッ!?…だあたぁ!!…

…な、何だ…そう言う事か……ふぅ…驚いたぁ~…」


「ッ!……ッ?…」


如何やらシロが外を見ろ!と言ったのはその銀世界の様子の事らしく、綺麗!と

言っては目を輝かせて窓に張り付き!…するとそれに同意をするようフィロも

窓に張り付いては美しい!と言葉を!…二人揃って子供らしい!…何とも感動

した様子で二人揃って尻尾を振って見せて居ると、マサツグが新○劇張りに

ズッコケを見せて行く!…それこそ警戒して損をした様子で一息吐くと、驚いた

と漏らし!…するとその一方でシロもピクっと反応しては不思議そうに…何故か

マサツグがズッコケて居る事に疑問を持ったよう首を傾げて見せて居ると、

マサキが改めて感想を口に!…


「……にしても最近のゲームは凄いなぁ!!…

体感が凄いと言うか!…何かホンマに馬車に乗っているみたいやし!…

揺れもちゃんと感じるし!…とにかく五感に違和感がない!!…

そらこんな世界を体験出来んねんやったら人気にもなるわなぁ!!」


「ッ!…だろ?…ここの他にも色々有ったんだぜぇ?…

外国の大聖堂みたいな建物が有ったり!…巨大な木の町を作られて有ったり!…

ただ歩き回るだけでも十分に楽しめる!…そんなゲームだぜ?…これは?…

…まぁ、その分夢中になり過ぎて時間を忘れる事もしばしば有るけど……」


そのゲームの中で感じる五感にマサキも驚愕!…年齢的にもカルチャーショック

ものであり!…とにかく本物を体験して居る様な錯覚に如何なって居るのか?と…

不快に感じるのではなくこれが今のゲームなのか!?とある種の感動を覚えて居る

と、マサツグが同意する様に返事をする。そして今まで見て来た物を語る様に

言葉を口にし始めて行くと、マサキもその話に興味を持ち!…そのマサツグの話を

聞く一方でいつかは自分もと!…何か惹かれる物が有ったのか?…頷きながら

ずっとその話に耳を傾けて居ると、マサツグが話しのオチをつける。さてそうして

マサツグとマサキが綾子でそんな話をして居ると、その傍らでは…


__キャッ!キャッ!…キャッ!キャッ!…


「…くまさんは何処から来たのですか?…

ご主人様と仲良しさんみたいですけど?…」


「ッ!…ん~?…それはねぇ?…100エー○ーの森から来たんだよ~?」


「おい馬鹿やめろ!!」 ×2


此方でも本当の親子の様にシロとフィロがくまさんにじゃれ付き!…まるで

ぬいぐるみを相手に遊ぶよう抱き締めたりモフモフとその感触を楽しむ様な

反応を見せると、シロはふとある事を質問をする。と言うのもくまさんは

何処からやって来たのか?と、目をキラキラとさせながらその質問を口にし…

何なら今までシロが見てきたマサツグの友人と言うのは[人]であり、くまさん

みたく[獣の友人]と言うのは初であって!…シロは興味津々でジッと見詰め!…

するとくまさんもまるでノリと勢いに任せたよう某・蜂蜜が大好物な黄色い

熊の人形が住んで居る森の名前を口にすると、すかさずマサツグとオリハに

ツッコミを入れられる!…さてそんなやり取りを見せて居ると、アヤは何を

思ったのかじぃ~っと…


「……何だかこうして見て居ると…

マサキさん達とマサツグ達が家族の様に見えるわね?…」


__ッ!?…ガタガタガタガタ!!!…×2


「家族同士でおどけたり楽しそうに話したり…

何だかお母様の事を思い出すなぁ…」


アヤはそんなマサツグ達の様子を凝視すると一言、マサキとくまさん…そして

マサツグとオリハが家族の様に見えると言い!…となるとこの瞬間マサツグと

オリハに戦慄が走り!…こちらとしても説明が面倒になるので、マサキと

くまさんが実の親である事を隠し通したいのだが!…バレそうになった事で

慌て出す!…と言うのも今のくまさんのアバターに大きな問題が有る訳で

あって、確かにマサツグとオリハの親はマサキとくまさんでは有るのだが!…

それは現実リアルでの話であってこちらでは違う…今のくまさんの姿は人ではなく

何処をどう見ても熊!!…人と熊の間で無理に子を設ければそれはもう熊で

有り!…このゲームの中で親子だと言うとトンデモナイ誤解が生まれ!…

更には説明が出来ない程の混沌が訪れる事を理解して居ると、迂闊に話が

出来ないのであった!…そしてそのバレそうな場面でマサツグは冷や汗を

掻き出すと、誤魔化す様に言葉を口にし!…


「ま、まぁ!!…付き合いが長いからな!…

そんな風に見えても仕方が無いと思うぞ、うん!…」


「ッ!…そ!…そうだよ!…

でも、残念ながら違うんだよなぁ!…うん!…」


「…ッ?…そうね、違うものね?」


__ッ!……はぁ~…


「…ッ?」


アヤの話を聞いて過敏にマサツグが反応を示し!…慌てて話を終わらせようと

たどたどしく話をすると、マサツグとオリハにアヤが疑問を持ち出す…だが

アヤとしてもそれ以上の詮索をする気は無いのか話に返事!…この話も然程

広がらずに収束して行き…するとマサツグとオリハは安堵した様子で溜め息を

吐き出し…その様子を見て更にアヤが不思議がって居ると、二人が慌てる原因

となったくまさんはシロとフィロを膝に乗せる。そうして二人の頭を撫でて

不思議そうにマサツグとオリハの二人の事を見詰めて居ると、その一方では

リーナが…家族の話が出て来た事でホームシックになったのか、ふと若干俯く

様にして王様達が無事かどうかと心配そうな様子を見せると、一人暗い雰囲気

に落ちるのであった…しかしそんな落ち込み様を見せて居る場合では無い様子で、

次にはいつもの波乱が起きる!…


「……ッ!!…止まれえぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


__パシイィン!!…ヴオォ!!!…ガガガガガガ!!!…


「ッ!?…うおあッ!?」


「きゃあああぁぁぁぁぁ!!!」


それは突然の事であった!…御者が何かに気が付いた様子で驚き戸惑い!…

そしてトナカイ達に突如急停止を掛けると、トナカイ達も驚いた様子で足を

止める!…勿論そうなると馬車の方でも被害が及び、中では感性の法則が

働いてマサツグ達が飛ぶ等!…とにかく一同は驚き悲鳴を上げ出し!…

徐々に落ち着いた所で一体何が起きたのか!?と…とにかく混乱に見舞われた

様子でただただ戸惑いを感じていると、外の御者が異常を訴える!…


「いつつつ!!…一体如何したんだ?…」


「だ…旦那方!!…盗賊です!!…盗賊共が道を塞いでいます!!!…」


「ッ!?……お出でなすったってか!?…」


__……バァン!!…ザッ…ザッ……ッ!!…


この時御者が口にした言葉と言うのも盗賊が出たと!…更には道を塞がれて

振り切る事も出来ないと言い!…となるとそれを聞いたマサツグ達も途端に

ハッと気持ちを切り替え!…敵襲と言う言葉に警戒をするよう!…武器を

手にとにかく馬車を出て状況の確認をしに行くと、そこで進行方向に木材の

バリケードが形成されて有る!…マサツグ達を獲物として見るようニタニタ

と笑う!…見るからに悪党と言うのが分かる盗賊達の姿を目にして行く!…


__…へっへっへっへっへ!!……ガサッ…ガサッ…


「ッ!!…ご主人様!…馬車の周りにも何か居ます!!…」


「ッ!……だよな?…

たった七人で如何こう出来ると思ってねぇよな?……感知サーチ!!」


__ピィーン!!…ヴウン!…ッ!!…


その盗賊達を見た限りではバリケード越しに7人と言った所なのだが…辺りからは

別の気配が感じ取れると、シロがマサツグに注意するよう呼び掛け!…となると

マサツグもそれを素直に聞き入れた様子で次には感知サーチ!…するとマサツグのミニ

マップ上には敵性反応がゴロゴロと!…馬車を取り囲む様にしてマップ上に反映

されて行き!…その気配も感じ取ったのかマサツグもハッとした様子を見せると、

次には状況を理解する!…それは積もった雪の影に潜むよう身を隠す盗賊達の姿!…

勿論マサツグ達の隙を伺っており!…数はバリケードの後ろに立つ盗賊達と馬車を

囲む盗賊達で合わせるとザッと20人位だろうか…本来ならマサツグ達だけで

事足りるのだが、今回はそうも行かない訳で…


「…チッ!…地味に数が多いなぁ!!…

シロとフィロはマサキとくまさんの護衛を頼む!!」


「了解です!!(じゃ!)」


「アヤとオリハとリーナは御者のおっちゃん近くで馬車に

近づいてくる奴を対処!!

後出来ればバリケードをぶっ壊してくれ!!」


「分かったわ!!」


「了解!…」


「了解した!!」


今回守らなければならないモノが増えており、さすがに一人でと言う訳には

行かず!…すぐさま状況を整理するとオリハ達にそれぞれ指示!…すると

オリハ達も直ぐに了承!…シロとフィロは馬車の後方出入り口を護り!…

アヤとオリハは馬車の前方御者と馬車を引くトナカイを護る様に陣取る!…

その際リーナもアヤの援護に回れるよう剣を抜くと、先程の不安は消えた

様子で構えて居り!…そうしてマサツグ達が身構えて居ると盗賊達もニヤニヤ!…

まるでもう勝ちを確信した様子でとにかく汚い笑みを浮かべて見せると、

徐々にその間合いを詰め出す!…


「へっへっへっへっへ!……」


「ッ!…おい、見てみろよ?…きれいなネーチャン達が出て来たぞ!…」


「…それにちみっこいのもさっき二人居たなぁ?…

何なら片方は中々良いもんを持ってやがった!!…

…これは後でしっかりと慰めて貰えそうだぜぇ?…

うぇっへっへっへ!!!…」


「ッ!?…チッ!!…下種が!!…」


「身の程知らずにも程が有るわね!!…」


前方の七人が下調べをする様にジリジリ近付き、得物を手に絶えず笑みを

浮かべ!…その際その視線は馬車を守る三人に向けられると、更に興奮!…

アヤとオリハとリーナをそれぞれ…そう言う風にしか見て居ない様子で

徐に言葉を口にすると、更には後方!…シロとフィロも標的に入ったのか

舌なめずりをして見せる!…となるとその醜悪さに思わずリーナとアヤが

たじろいで見せると、次には嫌悪の言葉を!…だが言った所で盗賊達は

止まらず!…今だ勝った気で徐々に徐々にと近付いて来ると、次には

フィロの制裁を受ける!…


__……スゥ…ボッ!…ボッ!…ボッ!…ボッ!…


「うぇっへっへっへ!……ッ!…あん?…

火の玉ぁ?…これは一体どっからぁ?…」


「…こんな下種にその様な目で見られるとは!…

…まぁわっちが可愛い事は認めるが……それでも身の程知らず!…

失せい!!…わっちの体も心もマサツグの物じゃ!!!」


__どよ!?!?…


それは突如宙に火が灯り、人魂が現れたかの様!…突如何処からともなく青い火が

浮遊をし始めると、それを目にした盗賊達は脚を止める!…そして呑気にこれは

何と言った具合に言葉を口にして居ると、ただその火の玉をジッと見詰め!…

まるで警戒心を持っては居らず!…ただ不可思議な事が起きている程度に留めて

居ると、次にはフィロが言葉を零す!…その際その言葉と言うのもアヤやリーナと

同様、嫌悪感を露わにしては文句を零し!…更にはトンデモナイ爆弾発言をも

口に!…マサツグを巻き込んで辺り一帯に動揺の声を響かせて見せると、当然の

如くマサツグがツッコミを入れて行く!…


「ッ!?…ちょ!!…おま!!…誤解を招く言い方をするな!!!」


__ッ!?…ガバアァ!!!…


「ッ!?…な、何や!?…このゲームは結婚も出来るんか!?…

てかこんな小さい子を嫁にて!!…お前幾らゲームの中とは言え度し難いぞ!?」


勿論そんな事実は無い訳で、いつものフィロ節で有るのだが!…当然その言葉を

初耳とする者達が居る訳で…慌てて馬車からマサキとくまさんが顔を覗かせて

見せると、次にはマサツグに事実確認をし始める!…その際マサキは結婚が出来る

システムがある事にも驚くのだが、そのマサツグのお嫁さんが犯罪級と!…

これには親としてある種の心配を覚えるモノであって、マサツグにこれはヤバい!

と口にすると、くまさんもそれに続くよう言葉を!…と言うのも何やら混乱した

様子を見せて居り!…義娘が出来た事に対して何か途轍もない感情に襲われて居る

様な言葉を口にすると、ポロッとトンデモナイ事を零して見せる!…


「ゲームの中とは言え!?…

何だか凄く嬉しいやら悲しいやら!…もう良く分からんねんけど!?…」


「だああああぁぁぁぁぁもう!!!…だから結婚してないって!!…

ただそんな風に!!!………って、んん?…?…」


くまさんが零した言葉と言うのも、自身がマサツグの母であると!…特に注意も

何も気にして居ない様子でいつもの様に!…自身が混乱して居る事をマサツグに

伝えて口にすると、マサツグもその言葉にツッコミを入れる!…しかし次には

何かに違和感を覚えた様子でピタッと固まり、次にはゆっくりと馬車の方に振り

向き!…何ならその際のくまさんの戸惑い様は他の面々にも!…勿論聞こえたと

言った様子で固まっており、終いには何か哲学的な事を!…


「ッ!…お母さん?……お母さんって事は…

つまりお母さんって事で?……ッ?…ッ??…

……ッ!?…」


__……えええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?…


「……終わった…終わってしまった…」


「な、何が如何なってやがんだ?…こいつら一体何をそんなに?…」


とにかく困惑した様子で言葉を口に…そして次には少し間を開けたのち、馬車を

取り囲む様にして各々は大絶叫!…初めて聞いた!とばかりの驚きの声が辺りに

響くと、この時誰もがその言葉の意味を理解した様子でただただ戸惑う!…

この時マサツグとオリハに至っては思わず放心!…今までの苦労が水の泡と

なって消えると、思考が上手く働かなくなってしまい!…盗賊達も突然の大絶叫に

驚き戸惑い!…一体何が起きて居るのか分からず釣られて固まるよう戸惑って居る

と、次にはハッと我に返ったアヤが確認を取るのであった!…

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