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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章六十九節 団体行動と巨大鼈甲石と帰り道の問答-

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さて、場面は変わって今度はアダマンタイトを掘りに行くマサツグ達!…そして

全てを任されたオリハもマサツグ達と難無く合流を果たして行くと、ドンドンに

これで全員か?と確認を取られ!…と言うのも本当にその場に居るのはマサツグと

オリハと二人だけ!…モツとリーナは倒れるアヤの看護に就き!…ドワーフ達も

しばしの休憩を必要とした様子で同じく洞窟に残る事を決めて行くと、何とも若干

寂しい様子を見せて居た!…


__タッ…タッ…タッ…タッ…


「…おまたせしました~。」


「おう!…じゃあ、アダマンタイトを取りに行くのはこれで全員かい?…」


「…まぁ、全員っつっても俺とオリハの二人だけだけどな…

…因みにモツとリーナは?」


「寝ているアヤさんとそのアヤさんの看病をしているノーム達を守る為に護衛!…

またあの馬鹿共が来ても対処が出来るようにだって!…」


「ッ!…なるほど……」


駆けて来たオリハが待たせた!とばかりに声を掛け!…この時にドンドンも

集まったのは二人だけか?と問い掛けて行き!…と、そんな問い掛けに対して

マサツグは少し不安げな様子で頭を掻き…これだけしか居ない事を改めて

ドンドンに伝えて行くと、次にはオリハに質問をする!…と言うのもその内容と

言うのはモツとリーナの二人は如何したのか?と言う事で、それを尋ねられた

オリハは率直に如何言う事かを説明!…単純に馬鹿共デグレアントのせいである事を話して

行き!…ついでにまた余計な事をされない様に二人が保険で残った事を説明

すると、マサツグも納得した様子で言葉を零す!…さてそうしてマサツグの

疑問を解けた所で改めてドンドンもやる気を見せ出し!…ふと洞窟の奥に

視線を向けると突如声を!…


「ふぅ~ん?…んじゃまぁ!…アダマンタイトを取りに行きますかぁ!!!…

んじゃあ失礼して…………お~い!!!…採掘員は全員集合!!!…

アダマンタイトを取りに行くぞ~~~!!!!」


__……ドタドタドタドタ!!…ウィ~~~~ッス!!!…ワラワラワラワラ!!…


「ッ!?…え?…え?…えぇ!?……」


「た、確かにアダマンタイトを掘りに行くとは行っていたけど!?…

どうしてこんなにノーム達が!?…そんなに集まらないと掘れないの!?…

アダマンタイト!?…」


さもこれから現場に向かうとばかりにドンドンが徐に号令を!…するとその号令を

掛けた後、数分後には男性のノームと思われる者達がワラワラと!…何ならやはり

ドンドンと同じ格好で徒党を組んで大行進して来て!…その際元気良くウィ~ッス!

と声を上げながらマサツグとオリハの足元に集まって来ると、そんな様子に

マサツグとオリハも戸惑って見せる!…そして次々にやって来るノームのお陰で

現場は大渋滞に見舞われ出し!…マサツグ達としても迂闊に動けず!…が、突如

ドンドンが首から下げているホイッスルの様な物に手を掛け!…慣れた様子で

スッと交通整理をする様に吹き始めると、その大渋滞を解消する!…


「……ぴぃぃ~~~~!!!…ぴっ!…ぴっ!…ぴぃぃ~~~~~~!!!…」


__ッ!!…ザッザッザッザ!!……ズラアアアァァァァァァ!!…


「ッ!?……手馴れているな!…」


「…そうだね…大渋滞が笛一つで見事に整列されて綺麗な隊列を!…

…人間顔負けだね……」


「さぁ!!…俺っち達は俺っち達なりに兄弟に恩返しをするぞぉ!!!

皆ぁ!!…俺っちに続けぇ~~~!!!!」


__オオオオオオオオ!!!…ザッザッザッザッザッザッ!!!…


それはとても訓練をされた様にスムーズに!…笛の音を聞いて機敏にノーム達が

反応し!…洞窟の片側を開ける様に五列に整列!…その訓練された様な動きに

マサツグ達も驚き!…思わず感嘆の言葉を漏らすと、次にはドンドンが更に号令!…

洞窟の外に向かって走り出す!…それこそ自身が先頭を切る様に!…恩返しの

言葉を口にし!…と、それに続くようノーム達も大移動!…ドンドンを先頭に

隊列を乱す事無く駆けて行くと、マサツグ達も戸惑いながら付いて行く事を

決める!…


__ぴっ!ぴっ!…ぴっ!ぴっ!…ぴっ!ぴっ!…ぴっ!ぴっ!…


「……とりあえず着いて行くか…」


「……うん…」


この時さも駆け足を指示する様にドンドンのホイッスルの音を聞き続け!…これに

マサツグ達も依然として戸惑い!…が、ついて行く事を口にするとオリハも覇気を

抜かれた様に返事して見せ!…二人はそんなノーム達の最後尾に付いて行き!…

何か隊列に交じった様な気分になって居ると、そのままアダマンタイトが取れる

ポイントの所まで移動をする!…さてそうして駆けて行く事時間にして約十数分!…

意外と近くに有ったのかアダマンタイマイの首元近くまでやって来ると、とある

甲羅の上に立ち…そこは他の甲羅と比べて何か黒く濁った様な?…とにかく異様な

様子が見て取れるところまでやって来ると、ドンドンのホイッスルの音も終着を

迎える!…


__ぴぃぃ~~~~~~!!!…ぴっぴっ!!!…


「…良かったぁ!!…!!…

これで剥がれ落ちてたら如何しようか?って考えてたところだぁ!!…

…それにコイツはかなり良い感じに出来上がってる!!!…

最っ高の仕上がり様だ!!!……よぉ~し!!…

皆配置に就いてくれぇ~~~!!!」


__オオオオオオオ!!!!…ダダダダダダダダダ!!!!…


「……え?…まさかこの黒い部分の甲羅がそうなのか?…

思っていたのとは違うというか何と言うか……」


「…それもそうだけど、何で皆その甲羅を囲む様に陣取り始めたの?…

それに誰一人として鶴嘴を持っていないけど?……」


ドンドンがホイッスルを拭き終えた所で一人その黒い部分を触り出し!…何やら

状態を確認し始め!…その際更に気になる事をドンドンはポロポロと零して行き!…

次には連れて来たノーム達に何やら奇妙な指示を出し始めると、次にはそれに

合わせてノーム達もその黒く濁った様に見える部分を取り囲んで行く!…となると

その様子に当然疑問を持ったマサツグ達が言葉を口に!…マサツグがこれが

そうなのか?と戸惑った様子で漏らす一方、オリハもジッとノーム達を見詰め!…

と、この時ノーム達の誰も採掘道具を持って居ない?と言う事に気が付いて行き!…

採掘するのでは?と言った具合に首を傾げる様なそんな素振りを見せて居ると、

次には二人の目の前であっと驚く!…それはとても不思議な光景を目にして行く!…

何故なら!…


「よ~し!!!…ちゃんと全員配置に就いたな~!!!

じゃあ、ぞ~~!!!」


「ッ!……へ?…持ち上げる?…」


ノーム達全員の配置が確認出来た所でドンドンが音頭を取り出し!…その際

妙な事に持ち上げる!と…と、この時そのノーム達の様子に目を向けて行くと

確かに黒い部分の下の隙間に何やら手を入れる様な!…何なら取り囲んでいる

ノーム達全員が同じ様に手を!…それぞれしゃがんで腰に力を入れる様な

そんな様子を見せており!…そんな異様な光景にマサツグ達が驚いた様子を

見せて居ると、次にはドンドンが合図を取り出す!…


「じゃあ!!…せ~~…の!!!」


__グッ!!…カポンッ!!!……


「ッ!!……え?……うえええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?!?」


「え!?…ちょ!?……ま!?……」


それこそ勢いを付けるとかそう言った様子もなくただ一言!…せ~の!の掛け声で

ノーム達全員がグッと甲羅を持ち上げる様なそんな様子を見せて居ると、次の瞬間

その甲羅は何の抵抗も無く綺麗にカポン!と…いとも簡単にその黒い部分だけが

摘出される!…となるとそんな様子を見せられたマサツグ達としても動揺を

隠せず!…思わず反応が遅れた具合に絶叫!…ただただ思って居たのと違う!と

ばかりに驚きを露わに!…目を見開きそのアダマンタイトの採取方法にマサツグと

オリハがトンデモナイ勢いで驚き続けて見せて居ると、ノーム達は一仕事終えた!

とばかりに息を零す!…


「ふぅ……よし!!…兄弟!!!…これを!!!」


「ッ!?…い、いやいや!!…これをじゃなくて!!!…

良いのか!?…ってか簡単に取れたけど!?…

甲羅の下って確か普通に亀の………あれ?……」


「だいじょ~ぶだって!!!…

あくまでも俺っち達が剥がしたのはの方で!!!

下には新しい甲羅があってちゃんとそれがアダマンタイマイを守ってくれる!!!…

そしてこいつが!!!…だ~~~!!!!」


「え?…えぇ…ええぇぇぇぇぇ!!!!…」


ドンドンが満面の笑みで剥がした黒い部分をマサツグに渡そうとすると、すかさず

マサツグがドンドンにツッコミを入れ始める!…と言うのも何の躊躇も無く剥がした

事で甲羅に穴が開いたのではないか!?と…慌てて心配をしその剥がした後の甲羅の

下を覗き込んで行くと、そこで新しい甲羅がある事を…穴など何処にも開いていない

様子を目にすると、マサツグの心配は杞憂に終わる…するとドンドンもその事に気が

付いた様子でマサツグにフッと笑って見せると、剥がしたのは古い角質の様な

物だと!…そう笑って話した後改めてノーム達はその黒い部分をマサツグ達に

差し出し!…その際これが本物のアダマンタイトである事を口にすると、マサツグも

ただただ処理し切れない様子で立ち尽くしていた!…因みにその黒い部分は勿論

渡されても困る位に巨大で有り!…黒く輝くツヤが見られるとラメでも振ったのか?

と思う位に光を反射し!…当然元が亀の甲羅である事から六角形の大きな一欠片で

あり!…大体縦5m横3m!…厚さに至っては50cmと言うとにかく予想より

トンデモナイ上物の代物となって居た!…


「ッ!?……ッ!?!?……ッ!?!?!?…」


「あいつ等がワザワザ苦労までして掘って行ったのはただ鉱石!!…

何ならアダマンタイマイの甲羅ですらない代物だぁ!!!

オマケに取るのに凄く苦労するし、硬くて生産性にも向いていない!!!…

けど、こっちの甲羅はそれより凄くて!!…大きいのに軽い!!…

コツさえ分かっていれば簡単に剥がす事が出来る!!!…

更にこの甲羅は言うなれば古い角質で剥がしてもアダマンタイマイには

何のデメリットもない!!!…寧ろ好都合でしかないんだ!!!…な?…

まさに画期的な[鼈甲石]だろ!?…兄弟!!…」


「っ!?…い、いやいやちょっと待て!?…

確かに凄いってのは良く分かったけど?…

何でそんなデカイ物を簡単に剥がし取れるんだ!?……

いや、それよりも鼈甲石ってのは!!…えぇ~っと!?…」


「……とにかく落ち着きましょう兄さん!…色々と追い着いていません!…」


「ッ!?…うえぇ!?…」


ドンドンはその黒い部分を古い角質…つまりはアダマンタイマイの鼈甲と言って

話し出すと、徐にデグレアントの連中を馬鹿にし!…と、同時にその鼈甲に

ついての説明も続け!…その鼈甲の事を[鼈甲石]と聞きなれない言葉でマサツグ達に

話しをすると、その鼈甲石を再度マサツグ達に差し出して行く!…が、その一方で

マサツグは混乱!…先程の光景に余程驚いたのか言葉がしどろもどろ!…すると

そんなマサツグの様子にオリハがツッコミ!…一旦落ち着く様に言葉を掛けて行く

と、マサツグはやはり戸惑った様子で返事をする!…しかしオリハの言葉は聞き

入れた様子で、徐に深呼吸を!…


「落ち着け…って…ま…まぁ、じゃあ深呼吸でもするか…」


__……すぅ~…はぁ~…すぅ~…はぁ~………


「如何?…落ち着いた?…」


「あ、あぁ…な、何とか?……」


やはり頭が回って居ない様子で言葉が可笑しく!…それでも深呼吸をし始め!…

で、その様子にオリハも落ち着いたか?と徐に声を駆け出し…その問い掛けに

対してマサツグが落ち着いた?と何故か疑問形で返事をすると、オリハは呆れて

見せて行く!…その際ずっと差し出されて居る鼈甲石はずっとドンドン達の手に!…

一向に受け取らない様子にドンドン達も戸惑い!…と、その一方でオリハもある

提案を考えた様でハッと目を見開き!…それを提案する様に混乱するマサツグに

一度戻る事を口にすると、その際一番のネックについても話をする!…


「……ッ!…とにかく質問は帰り道でも出来ると思うから…

その鼈甲を持ってまずモツさん達と合流しましょ?…

目的の物は手に入ったし…

いつまでもドンドン達に持たせ続けるのも大変だろうし…

……特にコレを持って帰る方法を考えないと!…」


「ッ!……確かにそうだな!…ここまで大きいとさすがに!…

アイテムポーチに入るかどうか?…何なら取り出すのも苦労しそうだし…

さすがに四○元ポケットみたいにとは行かないだろうからなぁ?…

…まぁとにかく!……ドンドン?…」


オリハは二人だけの知恵では足りない!と…モツにも協力を願う事を口に!…

何ならネックと言うのもそのデカさに困った様子で言葉を漏らし!…そのオリハの

言葉にマサツグもピクっと今気が付いた様子で反応をすると、次にはその言葉の

意味を理解する!…確かに幾らアイテムポーチが四次元万歳!と言っても、その

入口に入らなければ意味が無い!と…何なら某・青狸ロボットみたく行かない!

と口に!…とりあえずオリハの意見を聞いた様子で一旦落ち着き、その上で徐に

ドンドンの事を呼び出すと、ある質問を口にする!…


「ッ!…へい!…何でやしょう?」


「これがその…本物なのか?……」


「あぁ、間違い無いぜ兄弟!!!…

コイツは俺っち達でも稀に見る超一級品のアダマンタイトだぁ!!!」


「……ふむ…とまぁ太鼓判を貰った所で一旦よし!!…

じゃあ一回モツ達の所に戻って如何やって持って帰るか会議だな?…

…それに一日経過したからシロの事も!…何か心配して無ければいいけどぉ?…」


マサツグがドンドンを呼ぶとドンドンは元気に返事!…その際マサツグは改めて

これが目的の物であるかどうかを確認し!…するとドンドンは用意した鼈甲を

見て自信満々に頷いて見せ!…余程良い物であるのか、稀に見る超一級品!と

アダマンタイトを持って堂々とそう返事をして見せると、マサツグも素直に聞き

入れた様子で返事をする!…そして一旦はこれで目的はOKと言った感じで言葉を

漏らすと、オリハの言い分を聞いた様子で洞窟の方を振り向き!…と、同時に

シロの事もふと思い出した様子で言葉を口に…その際心配の余りまたロケット

頭突きを受けるのではないだろうか?と不安を覚えて見せて居ると、とにかく

そのアダマンタイトを受け取って行く!…


 ------------------------------------------------------------------------------

            超高硬度鼈甲・アダマンタイト

               レア度 SS

 長い年月を掛けて蓄積され、また長い年月が経つ事で強度が増し…そして

 古い角質として剥がれ落ちたモノがアダマンタイトとされており、これを

 用いて作られた武具は滅多な事では壊れない…ある種最強の鉱物として

 有名になっている。尚これを用いるには相当な練度と設備を使わねば加工

 が叶わず、これを加工出来る者はもはや生きる伝説とされており…ある種

 の憧れの材料としてもまた扱われており、市場に出回る事は滅多になく…

 出回った際は法外な金額が付く等、とにかく騒ぎに事欠かない鉱石と

 なっている。

 ------------------------------------------------------------------------------

「ッ!?……いやそこそこ重いぞ!?…よくこれを持ち上げる事が出来たな!?…

…オマケにゴツイし、大きいし、運び難い!!…

…いっそ引き摺った方が良いかぁ?…」


さてドンドン達からそのアダマンタイトを受け取る!…が、大きいが故に

持ち難く!…と同時にやはり重いのかマサツグは若干フラ付いて見せ!…

一体その体の何処にそれだけのパワーがあるのか?と…思わず疑問を持ち

ながら何とか態勢を整えて見せると、一旦は地面に置いて見せる!…そして

手持ちに縄を持って居る事から引っ張ろうか?と…色々考えながらモツ達の

待つ洞窟の中へと戻って行くと、最終的にはさも某・世紀末漫画の様に!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…ぜぇ!…ぜぇ!…な、何で?…

何で俺は今シ○ウ様みたいな事をしてるんだ?…

…てかオリハも手伝えってんだ!…この野郎!!…」


この時のマサツグの様子と言うのはさも巨大な岩を背負っている様な状態であり、

某・漫画で言う所の聖帝○字陵の天辺の岩を運んでいる様な!…とにかく中々に

しんどいと!言った具合にマサツグは息を切らして居り!…その際オリハに

手伝うよう文句の言葉を口にすると、オリハは無理と言って拒否をする!…

と言うのもそんな状態の人間の補助など出来る筈もない!…いや寧ろ邪魔になる

可能性が高く!…


「ッ!…無茶言わないで欲しいなぁ~!…

ただでさえ兄さんが既に補助し難い状態で運んでいるのに!…

一体如何やって補助をしろって言うのさぁ~!!…

…それにあと少しで合流するし、今更って気もするけどぁ?…」


「ッ!?…テ、テメェ!…俺が悪いって言いたいのかぁ?…」


何ならどう補助をしろと言うのか?と逆に文句を!…この時同時にもう直ぐ

モツ達と合流をする事を口にすると、ただマサツグの後ろを付いて来る!…

因みにこの時アダマンタイトを剥がしてくれたノーム達はと言うと、オリハと

同様にマサツグの後を付いて回り!…マサツグが一人で運んでいる様子に

凄い!と…と、同時にハラハラとした何か緊張感の様なモノも覚えて居ると、

マサツグがオリハの文句に噛み付き始める!…その際チラッとだけ振り返って

いつもの様に言葉を漏らすと、ドンドンが慌てた様子で仲裁を!…


「ま、まぁまぁここは落ち着いて兄弟!!…確かに運び難いってのも分かるが…

ここで言い争ってても仕方が無いだろぉ?…

それにオリハ?…の姉さんの言う通り!!…もう直ぐで一番奥に辿り着くから!…

もう少しの辛抱を!!…」


「……ッ~~~!!!…

アンタなんか大ッ嫌い!!!…  ×2

ツーーーン!!!……」


相変わらずマサツグ達の事を兄弟と、落ち着く様に言葉を口に!…何なら今ここで

言い争っても事態が好転しない事を更に続け!…もう直ぐの辛抱だから!と…

マサツグを宥める様に何とか戸惑いながらも仲裁に入って見せようとすると、

その一方では互いにジト~っと!…微妙な感じで睨み合いを続けており!…そして

次にはさもどこかで聞いた事が有る様な感じで奇妙な事を口にすると、互いに

そっぽを向き合ってはツ~ンとする!…その際その二人の様子と言うのはある種

仲がいい様にも見られるモノで、ドンドンもそれを目にするなりツッコミを口に!…


「……何だかんだで息ピッタリじゃないですか…あははは……」


「……ッ!…そういえば?…ドンドン聞いても良いか?…」


「ッ!…あぁ如何したってんだい?…」


「いやぁって言うのもさぁ?……このアダマンタイト採取する時…

いとも簡単に剥がしてたじゃん?…

それってドンドン達は案外力持ちって事なんじゃ?…

何ならこれそこそこ重いし辛いし…

ワンチャンその怪力であいつ等を撃退する事も出来たんじゃ?…」


喧嘩をしつつも大丈夫なのか?と、二人の様子に苦笑いをして見せ…と、ドンドンが

苦笑いをしている一方でマサツグもふと…徐に疑問を覚えた様子でスッとドンドンの

事を呼び出し!…ドンドンも呼ばれた事でピクっと気が付いた様に反応を露わにして

見せると、マサツグに用件を尋ねて行く!…するとマサツグの口からはある質問が…

と言うのもやはり先程のアダマンタイトを剥がした事で出来たのでは?と…それこそ

最初のデグレアントの話をし出し、自分達の力だけでも如何にか出来たのでは?と

質問をすると、ドンドンは理解した様子で返事をする!…


「ッ!…あぁ~それは無理なんだわ!…」


「ッ!?…え?…」


マサツグからの問い掛けに対してドンドンはケロッと!…納得した様子を見せつつも

無理!ときっぱり返事をし!…となるとその返事を受けてマサツグも思わず困惑して

見せ!…一体何故?とばかりに続けてドンドンへ質問をしようとすると、その質問を

するよりも先にドンドンが言葉を!…その際自分達の能力について説明をする様に

語り出すと、その最初の質問に対しての答えも口にする!…と言うのもドンドンが

言うには…


「いやぁって言うのも…俺っち達が力持ちなんじゃなくて!…

!…

あぁ~っと、もっと分かり易く言うと…俺っち達ノームはぁ…

その物に大地のマナが含まれている物なら!…ある程度の

大きさや重さを無視して扱う事が出来る!…

えぇ言わば大地母神様の恩恵を受けているんだ!!…

だから大地のマナがふんだんに含まれているアダマンタイトなら

さっきみたいに行くんだが…あの人間達を相手に能力を使う事は出来なくて…」


「ッ!…げ、限定付きか!…なるほど!……ッ!…

じゃあじゃあ!…その大地のマナが含まれている物なら言うて

何でも行けるんだろ?…いけるんだろ?…

その力が使えるなら巨大な岩を相手に向かって投げつけたりは?…」


何でもアダマンタイトを引っぺがした際に使ったのは力は力でも物理ではなく!…

ノーム達の特性によるモノだと!…この時ドンドンは何やら説明し辛そうにも

頑張って話を口にし続け!…自身の得意とするマナが含まれている物なら扱える

事を!…さも自慢げに胸を張りながらマサツグ達にそう説明をして行くと、同時に

デメリットについても話をする!…その際例に挙げたのはまさにあの事件の首謀者

達であるデグレアントの連中で有り!…大まかに言うと生物相手には使えない!と…

と、それを聞いた所でマサツグも納得!…限定付きである事を戸惑いながらも口に、

しかし他にも撃退する方法が有った事についても触れて行くと、それに対しても

ドンドンが説明をする!…


「……も、勿論最初はそうやって撃退をしては居たんだが…

途中からあの風の魔法を使う連中が表立って動き出して…」


「ッ!…あぁ…アイツか……なるほど……」


それこそ最初は胸を張る等そんな様子を見せて居たのだが、デメリットを話し

出した辺りから急に元気が…と言うのも俯き落ち込む様なそんな素振りを露わ

にし…マサツグの問い掛けに対して勿論!と言った具合に一応話しをするの

だが、ずっととは行かなかった様子で顛末を話す!…何でも途中からバルディ

アナが出て来た事で総崩れとなったらしく、その話をする際お葬式モードに!…

何ならその話を聞いてマサツグも納得した様子で返事をして見せ!…さすがに

アレを相手にするのは無理か…と一人納得した具合にノーム達の実力を計って

いると、そもそもの話も口に!…


「それに皆が皆戦闘が得意と言う訳じゃあ無かったので……

まともに戦えたのはコロッグと俺っち達職人ノーム位しか……」


__ズズウウウウゥゥゥゥゥン!!…ッ!?…ッ~~~……


元より戦闘職で無い事をドンドンが話し!…更には全員が本格的な戦闘に不慣れ

である事も口にし!…とりあえず現状戦えたのはコロッグにドンドン達と!…

男性ノーム達の中でも約十数人しか居なかった事を続けて話すと、更にノーム達は

ズウゥン!と一気に落ち込んで見せる!…それはある種自分達の不甲斐なさを

痛感して居る様にも見せて行くと、そんなノーム達の落ち込み様にオリハも

ビクッと!…空気が悪い!と言った反応を思いっきり露わに!…そして次には

何とかこの空気を払拭したい!と言った具合に何か別の話題を探し始めると、

ふとある話題を思い付く!…


「ッ!!…あ、じゃ!…じゃあじゃあ!!…

何でこのアダマンタイトが超一級品なのかを教えて!?…

…さっきから気になってたんだけど……

普通は新しい甲羅の部分の方が一級品で貴重!…

って言われてそうなんだけど?…」


この時思い付いた話題と言うのもアダマンタイトについて!…オリハは戸惑った

様子ながらもドンドンに質問!…その際自身が思って居る考え等も口にして行き!…

具体的な理由について如何いう部分が?と言う風に尋ねて行くと、次の瞬間

ドンドンがピクっと!…さも息を吹き返す様に頭を上げる!…そしてそのオリハの

言葉に対して素人!…とばかりに、人差し指を左右に振る様な反応をして見せ!…


「…っ!……チッチッチ!!…

それは素人の考えってモンだぜオリハの姉さん~?…」


「…そ…そうか…」


「まずこの説明をするにはアダマンタイマイが主食にして居る物から

話さねぇとな!?……アダマンタイマイの主食は岩や鉱石!…

更にはそこいらに有る樹とかばかりで!…それらに含まれるミネラルや

塩分を栄養源に生きていてぇ…その結果があの大きく抉れた霊峰の姿で!…

って言うのもあれは長い年月を掛けて代も重ねて!…アダマンタイマイが

徐々に徐々にと削って行った結果があの姿なんでぇ!!…

…って、話が脱線しちまったなぁ?……えぇ~っと……っ!…

…で、その食べた岩や鉱石はアダマンタイマイの胃の中で養分に変わると

甲羅や骨の元になって行き!…それは層を重ねる様に体を作って行って!…

結果として出来たのがそのアダマンタイト!…だが本来なら古い鼈甲は自然に

剥がれて新しい鼈甲が出てくるんだが!…たまにその古い鼈甲が剥がれない

まま新しいのと一体化する!…変わった鼈甲が出来て来る事が有るんだわ!…

そしてそれが更に成長するとあんな風に黒くなって超一級品の

アダマンタイトに!!…勿論今まで食べて来た養分がギュッと濃縮されて居て!!…

色んな鉱石を食べて来たおかげでそのアダマンタイトは鼈甲で有りながら

色んな金属!!…鉱石の様な性質を持つ異様な物に生まれ変わるんだ!!…

そしてそれを[鼈甲石]って呼んでて!!…」


分かって無い!とばかりにドンドンはオリハに言葉を!…その際キザに否定を

された事でオリハも戸惑った様な反応を見せると、そこからエンジンを掛けて

行く!…と言うのもこの瞬間ドンドンは饒舌!…この手の話なら任せろ!と

ばかりにマシンガントークを!…それはさも得意な事になると早口になる様に

加速して行き!…ドンドンはイキイキとした様子で雑学も交えながらに説明を

続けて見せて行くと、あのオリハを圧倒する!…


「……ほ、ほうほう…」


「中でもこのアダマンタイトは俺っちが見て来た中では一番質の良い

アダマンタイトなんだわ!!!…色も濃いしツヤも申し分ない!!!…

おまけによっぽど養分や鉱石の質が良いのを食べて来たのかこの滑らかさ!!!…

まるで兄弟達の為に用意されたかの様な極上品に仕上がっている!!!…

これで物を作った日には!!…向こう数千万年は劣化知らずだろうなぁ!!!…

アァッハッハッハッハッハッハッハ!!!!…」


そしてそれを聞かされているオリハも戸惑った様子で話を聞くと、もはやただ

相槌を打つ事しか出来ず!…が、そんなオリハの事など御構い無し!…畳み

掛ける様に漸く本題の質についてドンドンから見た結論を口にすると、最後には

大笑いをして見せる!…とまぁここまで話を聞いた所で漸くドンドンの話も

小休止!…オリハもこれで何とか雰囲気だけでも変わった!とばかりに安堵

しようとするのだが!…そこから更にドンドンの話しに火が点いたのかオリハは

延々とドンドンの話に付き合わされる事に!…もはや違う意味で長く辛く苦しい

戦いに!…一人身を投じる羽目になってしまうと、他のノーム達から同情の目で

見られる事になるのであった!…

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