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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章九十節 返って来た法衣組と知らない気遣いと嫉妬の嵐!-

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__ガチャッ!!…ギイィィィ~~~……


「はぁ!…はぁ!…何てすばしっこいの!?…

全然追い付けなかった!……」


「ッ!!…アヤ、戻ったのか!?…」


__やいのやいの!!…やいのやいの!!…ッ!!…


さてアヤは走ってフィロを追い駆けて来たのか?…息を切らしながら工房に戻って

来ると、改めてフィロの素早さに驚き!…と、ここでまた人手が増えた事でモツも

安堵!…その際アヤに思わず当たり前な事を尋ね出すと、アヤもそこであるモノを

見つける!…と言うのも言わずながらマサツグを巡ってシロとフィロが喧嘩をして

居る様子で有り!…何ならフィロは例によって開けて居り!…と、そんな様子を

見てアヤも察し!…フィロに注意をするよう言葉を口にするのだが、フィロは

抵抗の意思を見せる!…


「ッ!!…ちょ!?…ちょっとフィロ!!…

その格好はしないってくまさんと約束をしたでしょ!?

早く着崩れを直しなさい!!!」


__ガシッ!!!…


「ッ!!…放せ!…放すのじゃ!!…まだわっちは戦えるのじゃ!!!…

それにくまさんと約束をしたのは迷惑を掛けなければと言う事で!!!…」


「現在進行形で掛けているわよ!!!」


それこそ若干しゃがんでフィロの肩を掴むと、一旦はマサツグから引き剥がそう

とするのだが…フィロは興奮収まらない様子で暴れて見せ!…アヤの手から逃れ

ようと!…まだ終わっていない!と意味不明な事を言いながら奮闘ぶりを見せ

ようとすると、くまさんとの約束を改め始める!…その際口にしたのは迷惑を

掛けなければ問題無い!と言う事で、それに対してアヤはツッコミを入れ!…

とにかくこの状態は不味い!と…何とかアヤだけでも止めに入ろうとし続けて

居ると、そこへ遅れながらもマサキ達!…やはり息を切らしながら工房にへと

戻って来る!…


__ガチャッ!!…ギイィィィ~~~……


「ぜぇ…ぜぇ…ぜ…全然追いつけへん……

それどころかごっつしんどいわ……」


「…もう諦めてランニング感覚で走ってましたぁ~…

…それでもしんどい……ッ!…」


__やいのやいの!!…やいのやいの!!…


一応はアヤに付いて来ようとして居たらしいのだが、やはり付いて来れなかった

様子でバテて居り…何ならくまさんに至ってはもはや諦めて居た具合に苦笑いを

して見せ!…それでもしんどかったのか肩で呼吸をする様なそんな様子を露わに

すると、次にはその工房内の騒ぎに目を向ける!…するとそこには例に漏れず

シロとフィロが喧嘩しており、先に帰って来たであろうアヤが仲裁に入っていて!…

何なら喧嘩の原因であるマサツグはフェイスハガーを受けており!…フィロはまた

着崩しては羽交い絞めに!…何ならモツとリーナも恥ずかしがって止めに入れず…

とにかくそんなカオスな状態に何と無く察したのか…呆れた様子で二人が溜息を

吐いて見せると、次には事態の収拾に動き出す!…


__……はあぁ~……


「……しゃ~ない!…とにかくこの喧嘩を止めるか…

…帰って来て早々これかい!……くまさんも頼めるか?…」


「ッ!…だとするとやっぱりフィロちゃんやね?……分かった!…」


__ドッ…ドッ…ドッ…ドッ…ド…


マサキが冷静に状況を判断すると、思わず愚痴を零し…それでもくまさんに手伝う

よう声を掛けると、マサキはくまさんに指示を…迂闊に自分が介入出来無い事から

くまさんに頼み!…くまさんも察した様子で恐らくの目星を付けて行くと、アヤが

抑えるフィロの方へと近づいて行く!…その際まだこの時くまさんが笑顔で迫って

来ている事を知らずに暴れて居ると、フィロはアヤとシロの両方に喧嘩を仕掛け!…


「えぇい、放すのじゃ!!!…今日と言う今日こそは!!…

キッチリとこの白いのに分からせてやるのじゃ!!!」


「ちょ!!…暴れないで!!!…それ以上暴れると本当に危ないから!!!…」


「ご主人様は渡しません!!!…

ご主人様はシロのご主人様です!!!!」


「……シロ~?…そろそろ顔が蒸れて暑くなってきたんだが~?……」


後ろからくまさんが近づいて来ている事など御構い無し!…フィロはアヤの拘束

から逃れようと必死になり!…となるとアヤもそんなフィロを逃がすまい!と

踏ん張り拘束を続け!…シロもシロでマサツグの顔に張り付いたまま文句を!…

マサツグも呑気にそろそろ離れて欲しい的な事をシロに言うが、当然聞き入れて

貰えそうにないで居た。さてそうしてヒートアップして行く一方!…ここで

くまさんがアヤの後ろに!…


__ヌゥ~~…ッ!?…ポンッ…


「ッ!?…何じゃ!!…まだわっちをとめ……ッ!?…」


この時アヤも自身の背後から熊の手が生えて来た事で驚きを露わに!…しかし

その手は暴れるフィロの肩へと伸びて行き!…するとそんな様子に気が付いた

モツとリーナは思わず青褪め!…黙ってその様子を見守って居ると、次には

そのモフモフの手は軽くフィロの肩を叩き…フィロもピクッと反応して文句を

言うよう振り返って行くと、そこでニコニコと笑うくまさんの姿を目撃する!…

その際くまさんの表情は確かに笑って居るのだが、目は決して笑っておらず!…

と、そんな様子を目にしてフィロもピタッと止まって見せ!…次には何か本能的に

危機を感じ…徐々にその強気の姿勢も子狐の様にシュンと…遂には震える様な

そんな反応を見せて行くと、その表情を青褪めさせる!…さてその一方で

くまさんはフィロを眼下に捉えると、徐に言葉を口に…


「…この騒ぎは何かなぁ~?…フィロちゃん?……」


「お…お義母様!!……」


「…言ったよねぇ~?……

別に迷惑が掛からなければ良いって言ったけど…

迷惑が掛かったら怒るよ?って言ったよねぇ~?…」


「い…いやこれは!?…」


この騒ぎは何?とばかりにくまさんが言葉を…するとフィロも慌てた様子で

お義母様!と…となると次には下の根も乾かない内にこれ?言うよう説教を

口に!…徐々に圧を強めて更にフィロを追い込んで行くと、フィロも戸惑った

様子で弁明する!…この時当然会話は笑いながら言っている様に聞こえる

のだが、くまさんの背中から出るオーラは決して笑って居らず!…それはまるで

春野原スプリングフィールドのギルド職員・クラリスを彷彿とさせる光景であり!…その

くまさんの様子を見たモツとリーナが更に青褪める様な反応を見せて行くと、

次には目を擦って確かめ始める!…


「ッ!?…あ、あれ?…何であの光景が?…」


「ク、クラリスが居る様に!?…い、いや!…そんな筈は!?…」


「迷惑を掛けたら怒るって言ったよねぇ~?…

何で舌の根の乾かない内にやっちゃうのかなぁ~?……」


「こ…これには海より深~い訳が!……」


「ど・う・し・て・な・の・か・なぁ~?…」


「……~~~ッ!!!」


まるで既視感がある光景にモツは困惑!…リーナもクラリスの事を知っている

様子で戸惑い慌て!…その一方で怒るくまさんは更にフィロへ詰め寄って行き!…

学習能力が無いのか?と尋ねる様にフィロへ声を掛けて行くと、フィロも必死に

言い訳を口にしようとして見せる!…しかしくまさんの圧が強くてか思う様に

言葉が出ず!…更に詰め寄られる結果に!…何ならくまさんは既に止めを刺す

態勢に入っており!…完全に萎縮するフィロを眼下に!…これでもか!とばかりに

圧を掛けると、ここでアヤも何故か釣られて青褪め始める!…


{ほ…本当に何者なのこの人!?…

何でこの人を見ているとお母様を思い出すの!?…}


「……~~~ッ!!!」


この時アヤからすればくまさんはさも自身の母親クリミアと重なって見えているのだろうか、

それを思い出してかアヤは青褪め!…と、その一方でくまさんもフィロに顔を

近付けて睨みを利かし!…フィロが若干涙目になりそうになって居ると、ここで

マサツグにも動きが…と言うのもシロもその様子を見て思わずビビり!…若干

だが拘束が緩んでしまうと、マサツグは限界とばかりに行動!…その隙を狙って

シロを引き剥がしに掛かって行く!…


__……ッ!…ガッシ!…ッ!?…


「……よっこいしょ!!!」


__スポ~ン!!…グラァ…ッ!!…


その際手早くシロの両脇に手を入れると、すぐさまシロを引き剥がしに掛かり!…

と、ここでシロもピクッと反応して見せると、やはり今のフィロの姿を見せられ

ないのか!…慌ててマサツグに再度しがみ付こうとするのだが、時既にお寿司!…

マサツグに勢い良く引き剥がされてしまう!…それはまるで脱げなかった兜が漸く

脱げたかの如く!…シロはその反動で大きく仰け反り!…となると同時にフラッと

両者がバランスを崩してしまい!…シロがマサツグの手から落ちそうになって

しまうのだが、マサツグもここで根性を出す!…


「ッ!!…わわわ!!!」


「…ッ!!……うおっと!!!…」


__ガシッ!!…トットットット!……ダァン!!…


慌てるシロをマサツグが再度捕獲!…そしてすかさず自身の胸元に持って来ると、

マサツグは後退する様にフラ付き!…だがそこで転ける事無くバランスを取り!…

何とか踏み止まるようクルッと回ってバランスを取って見せて行くと、シロと共々

事無きを得る!…さてそうして自分でも危ないと漏らしつつ辺りを見ると、そこで

フィロがくまさんに圧を掛けられている現場を目撃し!…と、同時にフィロの

着物が開けている事にまた気付き!…


「……ふぅ~……危ない危ない!…

…で、さっきから何の騒ぎなんだって…

…フィロ?…ッ!……はあぁ~…なるほど?…」


「ッ!…マ、マサツグ~!……」


__……スッ…ッ!…フゥ~……


そこから察した様子でハアァ~っと溜息!…するとフィロもマサツグが漸く

動きを見せた事に気が付いたのか、終いには助けを求めるよう声を掛け…

と、ここでくまさんも圧を掛けるのを止めて見せ!…後の処理をマサツグに

任せるようアヤからも離れて見せて行くと、アヤもホッと安堵する!…

さてそこからはマサツグも呆れた様子で色々と今まで遭った事を纏め出すと、

それらを口にして確認を取り!…


「…はあぁ~…何と無く状況は理解した…

どうせまた俺に色仕掛けをして周りに止められた口だな?…

そんでもってシロが俺の顔にガッチリホールドをしていたのは…

このフィロの格好が原因だな?…」


「…はいです…(なのじゃ…)」


この時マサツグがフィロに視線を向けて行くと、そこには完全にくまさんに毒気を

抜かれたであろう様子が…若干涙目になってはショボ~ンとしており、シロも何か

何処と無く反省をして居る様なそんな様子を見せて行くと、マサツグにしがみ付き

伏せていた。そしてマサツグの問い掛けに対して誤魔化す事無く返事をすると、

やはりそこに覇気は無く…二人揃って意気消沈!…アヤも息を切らしてフィロを

抱え!…マサツグも完全に理解した所で徐にフィロへ声を掛けて行くと、ふとある

事を話し出す!…


「…はあぁ~……フィロ?…」


「はいなのじゃ…」


「お前はそんな格好をしなくても十分可愛いから!…

一々肌蹴るんじゃない!…

それでなくてもお前の普段の格好は凶悪なんだからな?…」


「……ッ?…それって…如何言う?…」


それこそ呆れ切った様子で声を掛けると、さすがにフィロも反省した様子で素直に

聞き入れ…アヤから放されると地面に立ち…その場で俯きプルプルと震える様な

そんな態度を見せて行くと、マサツグはフィロに注意をする!…その際フィロが

可愛い事を認めて行くと、何か派手になられる事に困ると言い!…と、そんな

マサツグの言葉にフィロは疑問を…となると如何言う事か?と質問し出し、思わず

首を傾げる様なそんな素振りを見せて行くと、マサツグは更に呆れて見せる!…


「…お前……まさか気付いていないのか?」


「……ふぇ?」


__……ッ?…


それこそこの時マサツグは呆れつつも気付いて居る筈!と言った様子で尋ねる

のだが、フィロは本気で気付いていない様子で再度マサツグに首を傾げ…と、

そんな反応に周りも困惑!…一体何の話をして居るのか?…全く付いて行けて

居ない様子を露わにすると、更にマサツグは話しを続ける!…


「……その着物に着替える前から…

お前って他所の冒険者達に色々と見られていたんだぞ?…

普通にして居れば可愛いし!…

その上反則的な体付きをしているから良く付け狙われそうになって!!…

その度に俺が睨みを利かせて居たんだぞ?…

…まぁキッチリ気付いて居なかったみたいだが…

…んまぁとにかく!!…必要以上に目立とうとするな!…

あと落ち着きも持て!!…俺の身にもなって……って、ンン?…」


__ぱあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!…


と言うのもフィロは素で可愛い分更に目立つと面倒になる!と…マサツグが周りの

視線を気にして居た事を話し!…何なら危うく攫われそうになった場面もあった

らしく!…とにかくそんな感じでマサツグが恰好的にも!…性格的にも落ち着きを

求めるよう声を掛けると、フィロは初めて知った!と…言わんばかりの様子で目を

見開く!…何ならそれが嬉しかったのか頬を染めパァッ!と明るくなって見せると、

マサツグを凝視し!…と、マサツグもここでフィロの視線に気が付いた様で…

フィロが凝視して来ている事に不思議そうな表情を見せて行くと、次にはフィロが

質問をする!…


「……その言葉は言い換えるとわっちの事を看ていてくれたと言う事か?…」


「…え?」


「わっちが可愛いと不貞の輩から狙われるから!……

わっちを守る為にマサツグが守ってくれたと!?……」


やはりフィロは凄く嬉しい!とばかりに笑みを見せると、今にも感情を爆発させ

そうな!…とにかく目を輝かせてはマサツグに詰め寄り!…そんなフィロの様子に

マサツグも戸惑った様子で反応をすると、更にフィロは確認を続ける!…それは

余程守って貰うと言う事が無かったからであろうか、もはや恋する乙女と化して

おり!…何ならその様子にシロとリーナもムッとし出し!…違う意味でまた何か

騒動が起きそうになって居ると、マサツグも気恥しそうに!…照れながらも

フィロに答えて見せる!…


「……はあぁ~そうだよ!…お前が秋雲国で一回誘拐されてからずっとだ!!…

…まぁ、あの時は魔王だからって勝手に大丈夫って思ってたけど…

それでもこうも簡単に誘拐されるって分かった今となっては心配なんだよ!…

…何ならもう掛け替えの無い大事な仲間な訳だしな!…」


「ッ!!!…ッ~~~~~~!!!!

マサツグ~~~!!!!♥」


「どわあぁぁ!!!…」


マサツグは秋雲国での事を引き合いに出すと、今でも後悔している様子で話しを…

と言うのもあの時フィロが攫われたのは自身の責任!と語って見せ!…それ以降

あの様な事が無い様に!…些細な事にも目を向けて居る事を続けて話すと、フィロ

を仲間!と認めている様子で話をする!…その際照れながらも優しくフィロに

笑って見せると、それがフィロの心に刺さったのか次には感情を爆発させ!…

この時フィロは突如喜びを噛み締める様にギュッと目を閉じ!…そしてマサツグに

向かって飛び掛かり!…マサツグも驚いた様子でフィロの事を受け止めて行くと、

次には慌てて抱えて見せる!…何故ならこの時やはりフィロの着物は開けたままの

状態であり、しかしフィロは構わずマサツグに甘える始末で!…


「マサツグ!!♥…マサツグ!!♥…

マサツグ!!♥…マサツグゥ~~~!!!!♥」


「お、落ち着けぇ!!…とにかくちゃんと着ろぉ!!…

あ、あくまでも掛け替えの無い仲間と言っただけで!!…

別に嫁が如何こうとは言ってないからな!?……」


フィロはマサツグの胸に向かって飛んで行くと顔をグリグリ!…それはまるで

子犬の様に甘えに甘え!…何なら何度もマサツグの名前を呼んで見せ!…

マサツグもそんなフィロに対して誤解の無い様に言葉を付け添えて話しをする

と、同時にフィロの着物を直そうとする!…しかしフィロが暴れる様にして

甘えて来る事で上手くは行かず、難航の様子を露わに!…するとそんな様子に

シロやリーナもムッとし出し!…が、その一方でフィロは今だに喜びに溢れ

返って甘えて居り!…マサツグに擦り寄りながら言葉を口にし始めると、

それでも感無量と話をする!…


「良い!…良いのじゃ!!…今はそれで良いのじゃ!!!…

マサツグがわっちの事を見てくれていると言う事が分かっておればそれで良い!!…

これでわっちの事が嫌いと言われれば死んでしまうやもしれなかったのじゃ!!!」


「わかった!…分かったから!!…

とにかくそのグリグリを止めてくれ!…」


「むぅ~~~~~!!!!」


__ピョイッ!!…グイィ~!!…グイィ~!!…


フィロとしても今までの扱い上…若干不安になっていた面もあったのか、とにかく

マサツグに甘えに甘え!…と、そんな様子で甘えて来る事にマサツグもタジタジ!…

だがそれよりも格好の方で慌てに慌て!…当然あられもない姿で擦り寄るフィロの

様子に良しとしない者達がカチンと来る!…そしてマサツグが手を焼き続けて居る

と、遂にはシロがフィロを引き剥がしに掛かるのだが!…それでもフィロが離れる

様子は全く見えず!…それどころかマサツグに今のスタイルを変える気は毛頭無い

事を口にすると、フィロは満面の笑みを浮かべて見せる!…


「後、この誘惑方法を改める気は無いからの?…」


「ッ!?…な、何ぃ~~~~!!!」


__ッ!?……グイッ!…グイッ!……ッ!!…ガシッ!!…


それこそ嬉しそうに頬を染めて意地悪っぽく笑うとマサツグもその言葉で更に

戸惑う!…理由は言うまでも無くフィロの言動これに尽き!…となるとそんな

フィロの言葉にシロも極端に反応をして見せ!…何かショックを受けた様な

そんな表情をして見せると、思わず引き剥がす手を止めてしまう!…すると

そんな二人の反応に今度はリーナが!…今にも参戦する!腕を捲り!…と、

そんな様子にモツも気付き!…ここでリーナが入れば更にややこしくなる事を

想定すると、慌ててリーナを止めに入る!…さてそうして色々とまたややこしい

状況になって来ると、次にはフィロが信念を変えない理由を口に!…


「…だってこの考えを改めなければ…

マサツグはずっとわっちの心配をしてくれると言う事じゃろ?…」


「ッ!?……」


「じゃあわっちはこの考えを改める気は無いのじゃ!!…

…わっちだって女子なのじゃ♥…守るより守られたい♥

じゃから今よりもっとマサツグを誘惑して心配を掛けさせてやるから!!…

存分に覚悟するが良いぞ?♥」


「ッ!?……はあぁ~~…」


何でもフィロは味を占めた様にマサツグへ言葉を!…今まで通りなら構って貰える!

と言う事に気が付き!…となるとそれならばそれに乗っかるようニヤッと頬を染め

ながら悪い笑みを浮かべて見せ!…全く反省をして居ない様子を露わに!…

マサツグもそんなフィロの態度に戸惑い続けるよう思わず仰け反る様なそんな反応を

見せて行くと、更にフィロは話を続ける!…と言うのもやはり女の子としては守って

貰いたい!と言うモノが有るらしく、それを味わえるのなら頑張る!と明言し!…

何なら気付いて居なかった分、更に頑張る様なピーカブーも見せ!…マサツグも

そんなフィロの様子に呆れてしまい!…頭を抱える様なそんな反応を見せて居ると、

シロも更に膨れて見せる!…


「ッ!!!!…むぅぅぅ~~~~~~!!!!!」


__ぷるぷるぷるぷる!!…ジィ~~~!!!……チャキッ!!…スラアァ~……


「ッ!?…待った!!…待っただリーナ!!…聞いてなかったのか!?…

ヤブは嫁とは認めて居ない!!…だ、誰か!!…誰か手伝ってくれぇ~!!!」


これには当然シロもお冠!…フィロの事を完全に敵として認識すると、若干涙目に

なりながらも再度引き剥がそうとし!…その一方でリーナの方でも不穏な影が!…

やはりシロと同じく敵と認識した様で!…早速鎧の性能を試さん!とばかりに剣を

抜くと、フィロに襲い掛かろうとして見せる!…しかし勿論ながらモツがそれを

必死に止めに入ると、誰かに手伝うよう声を掛け!…と、その呼び声にアヤがハッ

と!…リーナが今にも暴れそうな様子を目にすると、慌ててモツと同様止めに

入る!…


「ッ!!…ちょ、リーナ落ち着いて!!!…あくまでもアレはフィロの!!…」


「…マサツグを誑かすキツネは仕留めないと!!…」


「ッ!?…目が座ってるじゃない!!!…何処まで本気にしてるのよ!?…」


錯乱して居るリーナにアヤが声を!…しかしリーナは聞く耳を持たない様子で

前進しよう!と、羽交い絞めにしているモツごと引っ張ろうとし!…何なら

フィロに対して殺意が芽生え!…何やら覚悟を決めた様な恐ろしい目をして

居る事にアヤが気付くと、リーナに戸惑いのツッコミを入れる!…さてまた

現場が慌ただしい様子を見せて居る中!…これにてマサツグの女難の相は更に

ややこしいモノへと変わり!…と、その一方でフィロに対しても粛清が!…

静かにくまさんが忍び寄り!…難無くそのくまさんの手によってフィロが

捕獲される結末を辿って行くと、次には工房内に悲鳴が!…そしてまた服屋の

時同様快音が辺りに響くのであった!…


さて、そうしてフィロの尻がシバかれた事によって各々が落ち着きを取り戻すと、

このタイミングでドレッグがふぅ!…とばかりに休憩に入り!…


__カン!!…カン!!……


「…フゥ~!!……ッ!…おぉ!!…

アヤ殿達も戻って来ておったのか!!…」


「え?…え、えぇ…と言うかさっきから騒いでいたのに…

今気が付いたの?…」


「いやぁっはっはっはっは!!!…

作業に没頭していると他の音が耳に入らんでな!…

…で…どじゃ?…あのババァの孫殿の仕立てに問題は無いか?…」


今更になってアヤ達が帰って来ている事に気が付き!…腰を叩きながらドレッグが

アヤ達に声を掛けると、アヤ達もそんな言葉に驚いて見せる!…と言うのも結構

騒いで居た筈なのだが、本当にドレッグは気付いて居なかった様子でキョトンと

しており!…何ならその問い掛けに対してドレッグが笑い出す始末であり!…本人

曰く集中すると外の音が耳に入らない事を口にすると、ただただケラケラと笑って

見せる!…さてそうして一頻り笑って見せると、次にはアデルの法衣の具合を

尋ね!…何ならこの時においてもリディスはババァ!と…孫は孫殿と明らかに

格差をつけてアヤ達に質問をして行くと、その言葉にアヤも思わず戸惑う!…


「ッ!?…バ、ババァの孫殿!……え、えぇ!…問題無いわ!!…

寧ろこんな良い物を仕立てて貰った事に対して尊敬する位!!…

…くまさんもマサキさんもフィロも…皆大丈夫みたいよ?」


「…俺は返って来た親父が真島の兄貴に変わってて…

くまさんが何処かの教育番組に出て来そうな格好で

帰って来た時は目を疑ったけどな?…」


「…ふむ、そうかそうか!!…それなら良いんじゃ!!…

…これであの孫娘も自身を持てるじゃろう!!…」


「……ッ?」


この時アヤ達はドレッグとリディスの仲を知らず!…ただその聞き慣れない言葉

遣いが出て来た事で戸惑い!…だがそれも最初だけの話であり!…本題に入ると

アヤは笑顔に!…全員が満足良く出来である事を話して行くと、ドレッグも

それを聞いて安堵する!…その際マサツグもマサキとくまさんの格好を見て思った

事を口にすると、若干焦った様な表情を見せ!…と、そんな話を聞いてドレッグも

頷き!…何か笑顔で意味深な事を口にすると、その言葉にアヤ達が反応する!…

しかしそこから聞き返すと言った事はする事はなく、ドレッグはハッ!とした

様子ではぐらかし!…


「…ッ!……あぁ!…何でもない、気にせんでくれ!…

それより今までの話を聞いている限り!!…

お前さん達はあの霊峰に挑むのじゃろ?」


「え?…えぇ……」


「だとすると今のお前さん達の武器では少し!…

いや!!…かなりシンドイ道すがらになるじゃろう!!…

今の所はマサツグ殿とモツ殿の武器だけをグレードアップしたに終わり!…

お前さん達の武器はまだ何も手を付けて居らんからな?…」


途端に話題をマサツグ達の目的の話に!…その際霊峰に挑む事を口にし、その

真意についてアヤ達に尋ね!…と、ここでマサツグの代わりにアヤが返事!…

一応そのつもりで居る事をドレッグに戸惑いながらも返事をして見せ…急に何を?

とばかりに戸惑った様な反応を露わにして居ると、ドレッグも話の本題に入って

行く!…と言うのもドレッグ自身霊峰に挑むに当たってまだ準備が足りていない!

と、徐に武器の話をし始め!…するとドレッグは近くの棚の方へ振り向くと、

そこから何やら包みを取り出し!…その包みをカウンターの上に!…それぞれブチ

撒ける様にしてマサツグ達の前に広げて見せると、そこから武器を選ぶ様に話しを

続ける!…


__ガション!!…ブファサ!!…ッ!!…


「じゃからワシがお前さん達の武器を勝手に作ってみた!…

…まぁ間に合わせと言ってもアダマンタイト!…

十分な強度に威力は勿論!!…吟味する価値はあると思う!!…」


「……武器かぁ…てかアダマンタイトで間に合わせて!!…

サラッとエゲツナイ事言うてるで?…」


カウンターの上に広げられたのはドレッグ謹製の武器達!…何なら本人曰く

間に合わせで作られた物ばかりらしいのだが、それでも手を抜いて作られて

いない事は目で分かり!…マサキもそれらを見てトンデモナイ事を言って

居る!とドレッグにツッコミを入れて行き!…そして予め自身で注文をした

武器を!…アダマンタイト製のヌンチャクを手に取って見せて行くと、軽く

具合を確かめ始める!…


__…スチャッ…フォン!…フォフォン!…フォンフォンフォン!!!…


「はあぁ~!!!…」


「…そうやね……とは言え調教師テイマーの武器って何?…

パッと思い付くのは鞭とかだけど…」


「あっ!…個人的に興味有るから見たいです!…」


「あぁ、それなら私も!!…」


それこそ十分間合いを取って手慣れた様子で振って見せると、さもブルースリー

の様に巧みに扱い!…と、その一方でくまさんも忠告を聞き入れて武器を選び!…

何なら調教師テイマーの武器とは何ぞ?と…戸惑った様子を見せて居ると、オリハや

リーナまでもが興味を持ち出す!…さてそうしてカウンターの上に並べられて

有る槍や剣と言った物にも目を向けて居ると、アヤも別注で何かを頼んだのか?…

ドレッグの前に立っては笑みを浮かべ!…ドレッグもそれを察してスッとある

モノを取って見せると、アヤの前に差し出すのであった!…

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