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-第五章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~ドワーフファミリア編-

-第五章九十一節 アヤの弓とあの時の約束とスノーピースへ!…-

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「…お前さんのお望みの物はこれじゃな?」


__ガタッ!……ガタガタッ!……スッ…


「ッ!……凄い!…ちゃんと直ってる!!…」


ドレッグはアヤの目の前に一つの弓を差し出す。それはいつもアヤが使って居る

物に酷似しており、他にも色々と知らない物が付いて居るのだが…アヤはそれを

見るなり直って居る!と、さもいつの間にか修理に出していた様子で嬉々とする

と、ドレッグも笑って頷いて見せる!…そしてアヤが具合を確かめる様に弓を

手に取って行くと、ドレッグもその弓の何が駄目で改修をしたのかを話し出し…


「…かなり無茶をしておったようじゃな?…ミスリルの金具は摩耗でボロボロ!…

そしてやはり接近を許してしまった際に弓で身を守っていたせいか…

ハンドルグリップ(弓本体)に結構な傷があった!…

まぁそこら辺はある程度誤魔化す様にして補修をして、

金具は全部アダマンタイトに付け替えて!…

後は少しばかりガードとスタビライザーも付け足して見た!…

これで矢の装填がし易くなったのと、多少の攻撃も弾く事が出来る!…」


「…ッ!……嘘!?…凄い!!…」


ドレッグが言うには無茶をして居た!と…その時のアヤの様子が伺えた事を口に

すると、とにかく自身のやった工程を話し続ける。と、その一方でアヤも具合を

確かめる様に弓に弦をピンと張ると、次には徐に矢を番える動作を!…と言っても

本当に矢を番えるのではなく基本真似事!…その際他にも自身が良くやるであろう

動作を一通り!…そして違和感が無い事に!…何ならいつもに増して何か取り回し

易い事にもハッと気が付いて行くと、アヤは更に驚いて見せる!…その他にも

改めて付けられたスタビライザーが一応着脱可能である事にも驚いて行くと、

同時に折り畳み式である事にもこれまた驚き!…もはや面白いとばかりにこれは

有り難い!と…アヤも自身の弓が生まれ変わった事に感激を露わに!…単純に

思わず掲げてこれが自分の弓?とばかりに戸惑って見せると、ドレッグもそんな

アヤの様子を見て安堵する!…


「……ふぅ…気に入って貰えて何よりじゃ…

…それにしても一度その弓を解体して状態を見てみたんじゃが…

その弓はかなり変わっておるのぅ?…

上下リムにハンドルグリップ(弓本体)が霊木で出来ているとは!…

長年弓等も作って来たがこの様な変り種の弓は久しぶりじゃわい!!」


「ッ!…フフフッ!!…エルフ族の秘密技術の一つよ!…

…ただやっぱり木を使ってる分、耐久力に難が有るけど…」


そのアヤの反応から見て気に入って貰えた!と自覚をすると、ドレッグは若干

ホッと胸を撫で下ろす様な反応を…そして今回改修するに当たってドレッグが

驚いた様子で話しを口に!…と言うのも弓に使われた物にしては珍しい!と…

何か特殊な造りであった事を続けて話すと、改めて驚かされた!と語って行く!…

それこそまるで初めて見た!とばかりにアヤへ話すと、アヤもピクッと反応

してはエルフの秘術!と…笑ってドレッグに返事をして見せ、そしてやはり

作るに当たって難がある事もチラッとばかり話して行くと、ドレッグも納得した

様子で話しを続ける!…


「ッ!…あぁっはっはっはっは!!…

まぁ確かに木材よりは鋼鉄の方が耐久力が有る!…

しかし軽さにしなやかさは段違いじゃ!!…

それに一度解体して分かった事じゃが…不思議な事にその霊木はまだまだ現役!!…

それこそキズが目立つが…然程耐久力としては磨耗はしておらん!!…

…恐らくもう向こう数十年は持つじゃろうて!…

そしてそれはアヤ殿の腕が良いからこそであって!!…

弓自身がそれを物語る様に大して損傷はしておらん!!…

と言う事はつまりそう言う事じゃろうて!…

…当面は無理をしようが何をしようが折れる事は無いと思うぞ?…」


「ッ!…本当?…ならそれを聞いて安心したわ!…」


ドレッグは一部肯定するよう話をするが、直ぐにその木材の良さについても語り!…

何ならそのアヤの弓の耐久面についても話し始め!…ドレッグ自身不思議に感じて

いるのか?…リムに使われている霊木が健在である事を話して行くと、大まかな

保証も口にする!…そして続け様にアヤの腕がいい事も要因であるのではないか?と

話しをすると、アヤは少し照れた様子で反応し…とにかく最後は大丈夫!と、先程の

アヤの心配を払拭する様にドレッグが安心をするよう言葉を掛けて行くと、アヤも

それを聞いて安堵する!…さてそうしてアヤが安心した所で笑って居ると、ここで

ドレッグがハッと思い出した様な表情を見せ!…


「……ッ!…あぁそれとアヤ殿!…

その弓にもう一つある仕掛けをしておいた!」


「え?……」


「…まぁ、その仕掛けも今は見る事が出来んから…

そんな事も有ったな?程度で憶えておいてくれたらそれで良い!…

…何せその仕掛けが働く事は多分無いからな!!…」


「ちょ!…ちょっと!!

気になるじゃない!!…」


と言うのもガードやスタビライザーの他にも仕掛けがある!と、何やらドレッグが

意味深な事を口に!…となるとそんな事言われた側からすると当然気になるモノで

あり!…アヤは戸惑った様子で言葉を!…勿論聞いて居ない!と言った戸惑い様を

露わにすると、ドレッグの事を凝視する!…しかしドレッグはそんなアヤに対して

笑って見せると、お預けをするよう見せられない!と…その際有ると言う事だけを

アヤに話し!…ただ発動する事も無いと言う事だけを説明すると、更にアヤを

ヤキモキさせる!…そしてアヤがそんなドレッグに対して教えるよう詰め寄って

行くそんな素振りを見せて行くが、ドレッグは笑うばかりで!…


「あっはっはっはっはっは!!…

まぁ…気にせんで良い!…

時が来たら自ずと分かる!!…」


「えぇ?……」


ドレッグはただ時が来れば分かる!と…具体的に何が有るのかだけは頑なに説明

しようとしないで居ると、これにはアヤも戸惑い続ける!…それは何か性能が

変わるのか?…それとも窮地を救ってくれる何かなのか?…ただ笑うばかりの

ドレッグにアヤも戸惑い続ける始末で!…徐々に何か呆れる様な…そんな反応も

チラッと思わず見せて居ると、次には武器の吟味が終わったのか…マサキが

ドレッグに声を掛ける!…


「…お~い、ドレッグさ~ん!?…」


「ッ!…ん?…何じゃ~?…」


「武器決まりましたから後の残った武器は如何したら良いですか~?」


「ッ!…あぁ~っと、そうじゃのぅ…

…まぁとりあえず置いておいてくれぇ!…

店に出すなり何なりして処理するからのぉ!!…」


呼ばれた声にドレッグが反応して振り返ると、そこにはやはりマサキがヌンチャクを

手にして居る様子が!…何ならくまさんに至っては武器を持たずにミトンを手に!…

オリハとリーナも満足したのか、興味が薄れた様子でカウンターから離れて行く様子

を見せて行くと、各々が自由に行動をし出す!…その際マサキがドレッグを呼んだ

理由を口にすると、ドレッグもそれに対して返事して見せ!…と、次には残った

武器をカウンターから片付け出し…マサキもそれを見て後は任せる様にその場を

離れると、次にはマサツグ達が思った事を口に!…


「……親父…何でヌンチャク?…

てか、このゲームにヌンチャクって有ったのか?…

……格好も格好だからもうソレにしか見えないんだが?…」


「有ったとしても裁縫師なのに武器がヌンチャクって!…

…殺意高過ぎないか?…何なら兄さんだし…」


「くまさんにいたっては素手?…なのか?…

…一応ミトンはして居るが…間違い無く変わり種である事には変わらないぞ?…

……と、まぁ話した所で…一応は全員の装備が何とかなったって所だな?…

…とりまこれで霊峰に挑める!…」


と言うのも改めて選んだ武器が可笑しい!と、マサキのヌンチャクは勿論!…

くまさんのミトンは武器なのか?と…思い思いに言葉を口にした所で疑問を

持ち!…更には格好と相まって!…ジョブ的にも色々とツッコミ所が多い事を

口にして居ると、漸く本当の意味で装備が整った事に安堵する!…これにて

全員の完全武装が叶った訳で、これで一応は霊峰に挑める!と…と、この時

各々が来ている物に目を向け観察!…念の為全員がちゃんと新たな装備で

居るかを確認して居ると、次にはドレッグに声を掛けられる!…


__ガシャガシャ!…チャキッ!…


「…ッ!……そうじゃ!!…

マサツグ殿にオリハ殿!!…ちょっと良いか!?」


「ッ!…ん?…どうした?」


「ッ!!…私の武器が出来たの!?…」


「あぁいや…その事なんじゃが…」


この時ドレッグはカウンターに在った武器を元の棚に戻して行き!…そしてハッと

した様な反応を見せると、徐にマサツグとオリハを呼び!…と、ドレッグに呼ばれた

事でマサツグ達もピクッと反応!…呼んだ?と言った具合に返事をして見せ…そして

ドレッグの居る方にへと向かい近づいて行くと、ここでオリハがハッとした様子で

反応をする!…と言うのも例のドラッケンナイトの武器が出来たのか!?と期待に

胸を膨らませる表情を見せるのだが、ドレッグはその問い掛けに対して何かバツが

悪い表情を!…しかし呼んだ本題とはそれで合っている事に違いはなく!…何か

モジモジとした様子でマサツグ達に視線を…そしてスッと姿勢を正し!…オリハに

向かって真っ直ぐ頭を下げる様子を見せて行くと、次にはオリハに謝罪をする!…


「……スマン!!…まだ出来ておらんのじゃ!!…

オリハ殿のドラッケンナイトの武器はもう少し時間が掛かる!!…

…何か途轍もないモノが出来そうな予感はするのじゃが!…

如何にも形に出来んで!!…

…と言っても元はワシの責任である事には変わらない!!!…

この通り!!…今は暫く待って欲しい!!…許してくれ!!…」


「ッ!?…えぇ~!?…」


「…ぷっ!……そんな文句を言ってやるなよ!…」


まずドレッグがオリハを呼んだ理由とはその事で!…武器が出来て居ない事を

口にすると、素直に時間が掛かる事も続けて話し!…何でも珍しく制作に

戸惑って居る!と…素直に真っ直ぐオリハへ頭を下げ続け!…時間が欲しい事も

続けて了承をして貰える様に説明をすると、オリハはショックを受けた様子で

言葉を零す!…それはまるで子供の様に、シロにも似て来たのか膨れて見せ!…

と、そんなオリハの様子にマサツグも噴き出し!…オリハに宥めるよう声を

掛けて見せて行くと、次にはマサツグにも頭を下げ出す!…


「それとマサツグ殿!!…」


「ッ!?…こ、今度はコッチ!?…」


「マサツグ殿にいたってはサマーオーシャンのあの洞窟で約束をしたのに!!…

まだオリハルコンの使い道はまだ決まっておらんのじゃ!!…」


「ッ!………あ、あぁ~アレね?…」


クルッと踵を返すとマサツグの方に!…そしてオリハの時同様頭を下げ!…となると

突如こちらにもその謝罪が飛んで来た事でマサツグも戸惑い!…思わずツッコミの

言葉を口にして居ると、ドレッグは構わず話を続ける!…と言うのもあのホルンズ

ダンジョンでの事を引っ張り出すと、まだオリハルコンは如何にも出来て居ない!

と…ちゃんと約束を覚えて居た様子で話しをし始め!…マサツグに頭を下げ続けた

ままやはり時間が欲しい事を口にすると、マサツグは一瞬フリーズ!…そして次には

依頼した忘れて居た様子で反応する!…そして気にして居ないよう今思い出した様な

反応をすると、ドレッグは更に二人の約束について話をし!…


「…ワシの見積もりじゃと恐らく…オリハ殿の武器はあとどれ位掛かるだろうか?…

しかしマサツグ殿達と一緒に霊峰へ行っている間には出来て居るとワシも思う!…

故に戻って来次第ワシが届けに行く故!……そうじゃのぅ?…

とにかくスノーピースで待って居て欲しい!!…これがオリハ殿への話で!…」


__………コクリッ…


「…問題はマサツグ殿の方なんじゃが!…

恐らくこのままだとまた何を作るかで結局悩み時間を潰しかねん!!…

そこでじゃマサツグ殿!!…お前さんに聞きたい!!!…」


何でもドレッグが言うには難航する!と、何ならその武器が出来る日程についても

未定と語り…が、それでも大体の時間の予測をすると待って欲しい!とオリハに

続け!…この時受け渡し先についても予め場所を決めてしまい!…必ずオリハに

届ける事を約束すると、一旦はこれにて落ち着きを見せる!…その際オリハはその

話を聞いてもやはり膨れたままの表情なのだが、一応は納得した様子で頷き…

と、次にはマサツグとの話にまた踵を返し!…そして質問がある様子でバッと迫る

ようドレッグがマサツグに声を掛けると、マサツグも驚いて反応する!…


「ッ!?……」


「お前さんはどの様な武器が欲しい!?…やはり剣か?…それとも槍か?…」


「ちょちょちょ!!…ちょっと待て!!!…一旦落ち着いてくれ!!!…

俺はそんなに焦ってないからゆっくりやってくれても!……」


それこそ迫って来るドレッグの様子にマサツグも思わず引いた様な反応を見せる

が、構わずドレッグはマサツグに問い掛け!…何なら悩みを払拭してくれ!と

ばかりに懇願するよう!…とにかく色々と武器の種類を上げてマサツグの意見を

聞こうとすると、その様子にマサツグも更に困惑!…一旦落ち着かせようと

ドレッグに待った!を掛けて見せる!…そして改めて自分自身でも忘れて事を

認めるよう焦って居ない事を口にするが、ドレッグはその言葉に対して納得出来ない

様子で!…


「いぃや、そうはいかん!!…

あの時の約束も守れぬ様では職人と名乗る前に人として失格じゃ!!!…

じゃから今度こそマサツグ殿にしっかりと尋ねたい!!…

…おまえさんはどの様な武器を望む!?…」


「え?…えぇ??…」


__ジィ~~!…うるうる…うるうる…


自身のプライドを引き合いに出すと許せない!と、そして友人との約束も守れない

自分にも怒りを覚え!…となるとドレッグは再びマサツグに何が良い?と質問を

し始め!…終いには何やらマサツグに縋る様な!…何か突発的なアイデアが欲しい

具合に視線を送って見せて行くと、更にマサツグを戸惑わせる!…それこそその

視線は身長的にも上目遣いになって行くと、某・金融会社のCMのチワワの様にも

見え!…するとそんなドレッグを見てマサツグもウッ!となって仕舞いにはギブ!…

何とかドレッグに分かった!と…声を掛けて止めさせる様に納得した返事を口に

すると、正直辛そうに言葉を零す!…


「ッ!!…ッ!?……わかった、わかったから!!…

その縋りつく様な視線を止めてくれ!!!…

その目を見てると一時期流行ったチワワのCMを思い出す!!!…」


「…チワワって…兄さん…

相手はいい年した爺さんだと思うのだが?…」


「ッ!!…おぉ!!…では、教えてくれ!!…

お前さんはどの様な武器を望む?…」


「……うぅ~ん…って、言われてもぉ…

……ッ!…うん?…オリハルコン?…オリハルコンって言えば?…」


マサツグは見たくない!と言いたげな様子で言葉を口に…するとオリハもそれを

聞いてツッコミを口に!…が、その肝心のチワワ爺さんは何とも思っても居ない

様子でマサツグの言葉を聞いて安堵して見せ!…そして何がいいか?と三度

マサツグに質問をして行き!…ここでマサツグも何か少し悩む様なそんな反応を

して見せて行くと、次にはハッ!と…オリハルコンついでにある物を手に入れた

事を思い出し!…徐に自身のアイテムポーチを弄り出すと、その手に入れた物を!…

何時ぞやの「古い風化し錆びた刀」をスッと取り出す!…


「…ッ!…あっ…あった…これこれ!…」


__ガサゴソガサゴソ…チャキッ!……


「……ッ?…この刀は…あの時の?…」


「あぁ、コイツをベースに修復をして見てくれないか?…

…丁度あのオリハルコンの鉱脈の中に埋まってたんだし!…

案外相性が良いのかもしれない!…何ならアダマンタイトもある事だし!…

最悪そっちで修復する事も視野に入れて!…

後、俺自身武器の中で刀が好きだからさ!…扱い易いし!…

…とにかくそれでやってみてくれないか?…」


マサツグがアイテムポーチから「古い風化し錆びた刀」を取り出すと、ドレッグも

覚えていたのか言葉を…と、マサツグもそんなドレッグの言葉を聞いて頷いて

見せ!…あの時出来なかった修復依頼をここで…改めてドレッグにお願いをする

よう差し出して行くと、同時に頭を下げて見せる!…その際最悪アダマンタイトで

修復を試みる様にもお願いをすると、最後に自分は刀が好きである事も語り!…

するとドレッグもそんなマサツグの様子を見て驚き戸惑い!…そしてマサツグから

手渡された刀に手を…恐る恐る柄らしき部分にグッと力を入れて行き!…鞘から

その刀身の抜刀を試みると、何やら不穏な音が聞こえて来る!…


__チャキッ!…ガッ!…ガッ!!…ガガガッ!!…


「ヌッ!!…クッ!!……中々に!…手強いな!!…」


__ギギギギッ!!…ズオオォ……カランッ…


「……ふぅむ…最初見た時同様にボロボロじゃのぅ……

コイツを修復するとなるとかなりの技量が要求されそうじゃ…」


ドレッグがその風化した刀を鞘から抜こうとする度に錆びた金属の音が…それは

鞘の中でぶつかる様にして不穏な音を立てて行き、その度にドレッグもビクッと

反応をして見せ!…何ならドレッグ自身手強い!と言葉も漏らして行き…細心の

注意を払いつつ!…なんとか少しづつでも鞘からその刀身を引き抜いて行って

見せると、遂に苦労の末にその刀身が露わになる!…その際その刀身は見事な

までに刃がボロボロになっており、峰だけが残っている様な状態に!…すると

そんな刀の姿を見てドレッグも思わず眉間にしわを!…やはり変わっていない!

と言葉を口に!…と、同時に修復するのが難しい様な事も口にすると、マサツグが

ドレッグに質問をする!…


「……出来ないのか?…」


「ッ!…いや、出来るぞ!…

これを修復すれば良いのじゃな?…」


ドレッグの悩む表情にマサツグも思わず不安を隠せない様子で言葉をポツリ…

するとドレッグもそれを聞いて反応して見せ!…その際心配をさせない様に

ハッキリ断言!…修復は出来る!とマサツグに話し!…この時最終確認を取る

様にマサツグへ声を掛けて行くと、同時に笑顔を浮かべて見せる!…となると

マサツグとしてもそんなドレッグの反応を見て若干明るい顔を見せると、再度

ドレッグに確認の言葉を掛け!…


「ッ!!…出来るんだな?…」


「任せてくれ!!…

あの時の約束は反故にしてしまったがこれこそは守って見せよう!!!

必ずやこのボロ刀を神刀そのものに…見事に復活をさせて見せよう!!!

このドレッグの命!!!…ガイア神に賭けて進ぜよう!!!!」


「いやそこまで気負わなくても良いからな?…」


__ジト~~~……


マサツグの問い掛けに対してドレッグは胸を叩いて返事!…その際再度約束をする

様に言葉を口にし!…今度は絶対に守る!とばかりに大袈裟な物言いをして見せ!…

もう約束は破らない!と…余程自分が許せないのか終いには神に誓いを立てる様な

事まで口にすると、マサツグが大袈裟とばかりにツッコミを入れる!…さてそうして

マサツグとドレッグがこうして改めて約束を交わした事で何か友情が芽生えた様に

笑い合って居ると、そのマサツグの直ぐ隣ではジト~!と…ドレッグに視線を向け

続けては何か言いたげ!…オリハが降男マンそうな表情を見せて居た!…そして!…


「……で、私の武器は?…勿論忘れてないよね?…」


「うおあぁ!!!…」×2


__ジト~~~……


「も、勿論じゃ!!…勿論オリハ殿の武器も仕上げる!!!…約束じゃ!!!」


それは釘を刺す様に言葉を口に!…依然としてドレッグにジト~とした視線を

向け続け!…何ならそんなオリハの様子に忘れていた!と…もはや話が終わった

様に!…マサツグとドレッグが揃って驚いた反応を見せて居ると、更にオリハは

ドレッグを見詰める!…それはマサツグと違って信頼していない様にも見えると、

ひたすらに目で抗議を続け!…となるとそんなオリハの視線にドレッグも

タジタジ!…慌てて大丈夫!と弁明し出し!…とにかくオリハに理解をして

貰おうと話して行くが、更にオリハから追及を受ける!…


「……本当に?…兄さんの時よりテンションが低いような?…」


「ッ!?…本当!!…本当じゃ!!…」


{…まだ出会ってそんな時間が経った訳じゃないけど…

ジッチャンがあんなに動揺している姿を見るのって初めてだな…

…それも世界で数えられる程の鍛冶師が……}


まるで嫌味な取り調べをする刑事の様にドレッグへ声を!…何なら先程のマサツグ

との約束を引き合いに出し!…それこそジワジワと追い込む様に目付きも変えて

本当かどうか?と尋ねて行くと、更にドレッグを動揺させる!…この時ドレッグも

見た事が無い慌て様を露わにすると、オリハに両手を突き出しては左右に振り!…

と、そんな様子にマサツグも初めて見たとばかりに若干驚き!…ドレッグの新たな

一面を見た!と…心の中で何か珍しいモノを見た気になって居ると、次にはモツが

声を掛ける!…


「…なぁマサツグ?…」


「…ッ!…ん?…何だモツ?」


「一度スノーピースに戻るんだよな?…」


「…え?…ま、まぁそうだが?…如何した?…」


モツはマサツグに声を…この時何か質問がある様子で声を掛け!…マサツグも

呼ばれた事でピクッと反応をして見せると、モツに返事をして行く!…と、

ここまでは別に特段可笑しな事は無いのだが、ここからが少し可笑しく…

と言うのも次にはモツが付いて来る様子で話しを続け!…その際次の行先に

ついてマサツグに質問をするのだが、この時のモツは何か不安げな様子を

見せており!…となるとそんなモツの様子にマサツグもハッと気が付いて行き!…

一体何が有るのだ?と…そのモツの様子を気にしながら肯定をするよう返事を

すると、更にモツから奇妙な質問を受けて行く!…


「ッ!…じ、じゃあ…あの町の市長…

…と言うか…開拓者と言うか……代表者?…

には会った事は有るか?…」


「……ッ?…いや?…

スノーピースの町は着いて直ぐにコートを買いに行ったり…

ギルドで更新したりリーナと出会ったりで…

そんな長く居た訳じゃないから会った事は無いぞ?……

てかそんな市長とかに会いたい!って思った事も無いし…

…ってか何で?…」


モツからの質問と言うのはその次の行き先であるスノーピースの市長?の話で、

単刀直入に会った事が有るか?と…この時も何やら要領を得ない様な分かって

居ない様な感じで言葉を口に!…しかし肝心なのは会ったかどうかであるらしく!…

マサツグの答えに何か緊張をした面持ちでモツが返事を待って居ると、当然

そんな様子にマサツグが疑問を持って行く!…しかしマサツグは取り敢えず

あの街でやった事を口にすると、まだ会っていないと返事!…何ならそれに

続けて如何した?と…何故そんな事を聞いて来たのか?についてモツに質問を

して行くと、モツは戸惑った様子で返事をする!…


「ッ!!…い…いやぁ別に~!?…

只会った事が有るのかなって疑問に思っただけだよぉ~?…」


「……ッ?」


この時マサツグの質問に対してモツははぐらかす様に返事!…何ならいつにも無く

慌てた様子も露わにし、マサツグも当然更に疑問を持つものであるのだが…別に

問い詰める程のものでも無いと自己完結すると、それ以上は聞かず…ただモツに

対して首を傾げるだけに止まって居ると、モツもそれ以上の追撃が無い事に…

ホッと安堵する様子を見せて行く!…しかしやはりその質問してからのモツは

何処か落ち着きが無い様で、妙にソワソワしており…


「…ほっ……ッ~~…」


「…………なぁ?…」


__ッ!!…ピュ~~~!!!……ッ!……ッ?…


となると当然気になる訳で!…マサツグもやはり如何言う事か?を尋ねようとする

のだが、モツはハッと察知すると逃げる様にその場を後にする!…さてそうして

モツを捕まえる事の出来ないまま…疑問を抱えたままその日一日を終えると翌日を

迎え!…この時点で一応は霊峰に挑む準備を整え!…そしてドレッグの工房に長居

をするのもどうか?と考え始めると、その日の内にスノーピースへの出発を進めて

行く!…勿論ドレッグにお世話になった事を口にすると、ドレッグも笑顔で

見送り!…


「……じゃあ長い間世話になったよ!!…

ドレッグのジッチャン!!!…

…まぁ、無理をしない様にな?」


「おう!…マサツグ殿達も気を付けてなぁ!!…

霊峰には化け物が沢山居ると聞いておるからな!!…

喰われるでないぞ!!!」


「ッ!…あっはははは!!…

毛頭喰われるつもりはサラサラ無いよ!!…じゃ!!…」


「「「お世話になりました~~!!!(なのです!!・なのじゃ!!)」」」×10


__ガチャッ!!…ギイィィィ~~~……バタンッ!!……ふぅ~…


マサツグは無理をしない様に労りの言葉を!…するとそれに対してドレッグも道中の

安全を口に!…何なら霊峰についても軽く触れ!…聞いた程度ではあるが霊峰に化け

物が居る事を続けて話すと、警戒を怠らない様に促して行く!…するとそれを聞いて

マサツグも笑って返事をすると、大丈夫!と言って見せ…だがドレッグの忠告は聞き

入れた様子で笑顔を見せ!…最後に全員でお世話になったお礼の言葉を口にすると、

一同は工房を後にする!…そうして工房に残ったのはドレッグだけで、ドレッグも

一気に静かになった事で寂しそうに溜息…が、そんな事も言っては居られない様子で

気分を切り替え!…マサツグに頼まれた刀の修復!…並びにオリハのドラッケン

ナイト武器の制作に着手すると、その手にハンマーを持つのであった!…

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