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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章三十一節 疑惑の心と荒れるパーティとマサツグの弱点?…-

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さて一騒動後…すっぽんぽんのシロに服を着せて一段落すると、いつの間にか

日が暮れて来たのか時刻は夜に…洞窟内に差し込む日の光も徐々に小さくなって

暗くなり…それに合わせて城内全体も比例するよう徐々に暗くなる様な感覚を

覚えると、その様子に女王がハッと反応!…次にはマサツグ達に城へ泊まり

休むよう話を持ち出す!…それはちゃんと女王としても客人として迎え入れる!

と言った言葉でもあるのだが、モツがここで警戒した様子である事を!…


__パアァ……


「ッ!…今日はもう遅くなってしまいましたし…

この城でお休みになって下さいまし?……また明日…

後日改めて色々とお話をさせて貰いたいので……」


「…ッ!…ちょっと待った!……それはそれでこちらは有り難いが…

あの大臣は如何するつもりだ?……ここまで来る間にラグナス…

じゃなくてシルター…だっけか?…

女王様が居ない間に色々とやっていたと話を聞いて更に俺達を

襲おうとして来た様だが?…それも…偽の女王様まで用意してまで…

そこまでされるとさすがにこちらとしても不信感が有る!…と

言えば通じましょうか?」


「ッ!!…モツ様それは!?…」


「ッ!…モツ、さすがにそれは!…」


と言うのもモツは一旦待ったの言葉を口にすると、ここに来るまでの間の事を

女王に問い出し!…特にマグダラスの件について訪ねると若干眉間にしわを

寄せ!…正直にここに泊ると自分達の身が危ないのでは?と問い掛け出すと、

これにはシルビィもハッ!と…戸惑った表情で女王の代わりに言い訳をしよう

と慌て出す!…勿論モツの疑心も分かる事なのだが、それ以上にシルビィの

女王の名誉を守ろうとする必死さが滲み出て!…と、その様子からさすがに

アヤやリーナがモツを止めようと声を掛けて手を伸ばす一方!…しかし

それよりも先に女王がシルビィに制止を促す様に言葉を掛けて見せて行くと、

更に言葉を続けて話す!…


「いえ!!…疑われても仕方が有りません!…

暫くの間霊廟に引き篭もり大臣の暴挙を許したのは私の不徳の致すところ…

…指摘されても致し方有りません…」


「女王様!!……」


自らその事に関して自分に非がある事を口にすると、女王は俯き言葉を続け…

そしてやはりハティビィエールが言っていた通りに霊廟なる場所に籠って居た

らしく…この代表長の凶行について反省をしている言葉を続けて見せると、

チラッと扉の向こうに視線を向ける!…それはまるで後でケジメを付けさせる

ようにも見えると、またもや扉の向こうからは若干ながら軋む音が!…と、

ここでシリアスな展開に見せて居る一方!…またマサツグもその項垂れる女王を

見て発作的にスッと頭に向けて手を伸ばしそうになって居ると、次にはオリハに

止められる!…誰にも気付かれる事無くそんな珍事を見せて居た!…そして

そんな様子を余所に更に女王は言葉を口にして見せると、自ら提案を更に提示!…


「…ですので、貴方様方を私のお客様と致しまして…

近衛の者を一人づつ着けさせて頂きたいのです!…

もし何かが有りましても直ぐに対処が出来るように!…

…勿論、その近衛達も何か怪しい動きをしたと言うのなら…

処罰して頂いても構いません…

……今の所はこの程度の事しか出来ませんが何卒…」


「…うぅ~ん…」


「……ッ!!」


この時の女王の提案はマサツグ達にボディガードを着けると言う事で、女王と

しても今出来る誠意と言うのはこれしかない!と…やはり申し訳なさそうに

この事を話して俯き戸惑い!…モツもその話を聞いて少し悩んだ様子を見せて

行くと、次にはシルビィやラグナスが思わず自分が護衛をする!と…言いたげな

様子を露わにする!…しかしその様子に気が付いたのか女王がそれを許さない!

と言った視線でギラリと睨むと、二人を一瞬で牽制して見せ!…


__…ギランッ……ッ!?……ッ…ギリィ!!…


と、睨まれた方もビクッと委縮!…となると何も言えない様子でただただ固まり!…

モツの答えに何か緊張を覚える様なそんな感情を持ち出すと、同時に睨まれた事に

ついても疑問を持つ!…さてそうして女王に睨まれ動けなくなった一方で、改めて

マグダラスに対して奥歯を噛み締め怒りを燃やし!…するとそんな悩む様子のモツに

マサツグが言葉を…その悩むモツの肩に向けて手を伸ばすと、あっけらかんとした

答えを出す。


「……まぁ、良いんじゃないか?…モツ…」


「ッ!…ヤブ…」


「これまでも俺達似た様な事を経験して来てるんだから!…

それ位慣れっこで自分達で対処も出来るだろ?……それに!…

ここで泊まるのを断ったら何処で野宿をするんだ?…

逆に外で寝るにしてもそっちの方が危ないし!…

大所帯で女性も多し!…野宿の連荘れんちゃんは可哀そうだと思うぞ?…

…護衛に関しては俺達じゃなくて、親父とくまさんにお願いしたいし……な?」


マサツグはまるでモツを説得する様に声を掛けると、さも大丈夫!とばかりに

言葉を…となるとそんなマサツグの言葉にモツも戸惑った具合に返事をして

見せ!…振り返ってマサツグの表情を確認すると、そこで笑って話す!…呑気な

マサツグの様子を目にして行く。するとマサツグは更にこれ位の事は慣れっこで

ある事を話して行くと、同時に外の方が危険!と…その他にも色々と理由がある

様子で話し続け!…ここはご厚意に預かる事をモツに説得し続けると、これには

モツも折れた様子…と言うより次には呆れて見せる!…


「な?ってヤブ、お前……はあぁ~…

…試す様な真似をして申し訳有りませんでした、女王様…

色々と有ったので疑ってしまいました…」


「ッ!…いえ…私の方こそ到らず申し訳ありません……

ですが、これだけは約束します!…

貴方様方の安全は私の命を賭けて御守り致します!!…」


そのマサツグの楽天的思考にモツも自分が馬鹿らしく思えると、次には溜息を

吐きながら頭を掻き!…と、同時に女王が居る方を振り向き始め!…そして

自分でも何か試していた事を告白すると、女王に頭を下げて謝り始める!…

それはモツとしてもパーティ全員の命を守る為の演技で有り、女王も分かって

居た様子でモツに改めて謝罪!…と、互いが謝る奇妙な光景が作られて行き!…

結果として今晩この城内に泊まる事が決まって行くと、各々はその用意された

客室に…更に護衛付きで案内される!…因みに護衛はマサキとくまさんとアヤと

リーナの四人だけで、残りのマサツグ達は要らない!と…と、ここでも信用を

して居ないとかそう言うのではなく、ただ単純にそんなに人が要らない事を

申し出ると、それぞれが部屋へと案内される!…そしてその道中シルビィは徐に

モツへ質問を…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「…モツ様少し宜しいでしょうか?……」


「……何だ?」


シルビィが何か思い詰めた感じで声を掛けると、モツも何と無く察したのか

ピクッと返事…となると自ずと気まずい雰囲気になって行き!…部屋へと

案内される者達もその不穏な空気を感じで黙ってしまうと、如何にも重苦しい

空気になってしまう!…さながらそれはドレッグの工房にてあった精神と時の

部屋状態になって行くと、シルビィは意を決した様子でモツに先程の事に

ついて話を!…


「…私自身も理解しているつもりです…

ですが如何しても御話したい事が御座います!…

…先程の女王様とのやり取りですが…納得が行きません!…

如何してあの様にお疑いに?…

私が尊敬した女王様はその様な方では!!…」


「……言葉を返す様で悪いがそれはお前達の知る女王様であって、

俺達が知っている女王様では無い…

確かに初対面であれは些か悪いと思ったが…

パーティメンバーを守る為仕方が無かったんだ…」


「ッ!?…ですが!………」


シルビィ自身もアレは仕方が無い!と割り切って居る様ではあるのだが、それでも

納得が行かなかった様子で苦言を口に!…と言うのもやはり女王の事を今だに尊敬

している様子であの態度はあんまりであった!と…モツに文句を言いつつ女王の

擁護に回ろうとするが、モツがそれを一刀両断!…逆にシルビィへ言葉を返す!…

その際シルビィが尊敬して居るのを余所に自分は自分で必要であった事を主張する

と、それはそれ!これはこれ!で押し切り!…と、そんな反論にシルビィも

戸惑い!…しかし分かって居る以上如何にも言葉が出て来ない様子で落ち込み出す

と、更に重々しい空気に…シロが不安を覚え始める!…因みに護衛が居る組はこの

時既に部屋へと案内されており、この場には要らない組のマサツグ達だけ!…


「ご…ご主人様~…」


「マサツグ~…」


「……よしよし…シロに早い光景だよな?…うん…

で、フィロはどちらかと言うとそれを楽しむ側だよな?…」


「んな!?…そんな事は!!………無いぞ?…」


「心当たりが有る様で?…」



この一歩間違えれば修羅場と言わんばかりの状態にシロも不穏がり!…マサツグに

摺り付き不安である事を訴えるよう名前を呼ぶと、フィロもそれを見てハッ!と…

同じくマサツグに擦り寄って見せる!…それこそ今まで構って貰えなかった分甘える

様にくっ付いて行くと、猫撫で声でマサツグに不安がり!…と、そんな二人の様子に

マサツグも至って平常運転!…不安がるシロにはあやす様に声を!…逆にフィロに

対して嘘を吐け!とばかりにツッコミを入れると、フィロはそのツッコミに対して

文句を!…しかし如何にも引っ掛かる様子で返事をする!…となるとそんなフィロの

マサツグも更にツッコミを入れるよう漏らして見せると、一方で目的の部屋に辿り

着いたのか…


__コッ…コッ…コッ…コッ…


「……着きました…ここがモツ様のお部屋になります…」


「……そうか…」


__ガチャッ!…キィ~~!…


やはり最後まで気まずい状態で終わってしまい!…シルビィが明らかに落ち込んだ

様子で声を掛けると、モツもそれを聞いて部屋に…ただ一言だけ返事をする…

それは傍から見て居るとまるで別れ話になった恋人同士の様に見えてしまい!…

さすがの朴念仁マサツグもこれには反応すると、次にはシロ達と同じく何か戸惑い!…と、

そんなマサツグ達の事など御構い無し!…モツも扉に手を掛け部屋の中に入ろうと

すると、マサツグがハッとした様子で声を掛ける!…


「…ッ!!…モ、モツ?…お疲れ!…」


「…ゴメン……」


__ッ!!…クルッ?…バタンッ!!…


慌ててマサツグがモツに労わるよう声を掛けると、その次の瞬間モツが言葉を…

それは誰に向けて言ったのか分からないがゴメンと聞こえ…その言葉にマサツグ達や

シルビィがハッと反応をして見せると、そのモツの背中に視線を向ける!…しかし

向けた所で既にモツは部屋の中へと入って行く様子だけが映って行き、最後まで

確認する事が出来ないまま扉はバタン!と…と、そんな様子にマサツグ達は驚いた

様子を見せる一方!…シルビィは何か後悔をする様なそんな反応を露わにすると、

そのモツが入って行った扉を見詰めては自身の胸に握り拳を!…さも押し当てる

様にして自責の念に囚われてしまう!…となると今度はその様子にふとマサツグ達が

気付いて行くと、困惑した様子で固まってしまい!…


__…ッ!!…ッ!!……


「………シロチャン?…ドウシタライイトオモウ?…」


「……シロニハワカリマセン…」


何故かマサツグが片言でシロに質問をすると、シロも釣られて片言で返事!…

もはや二人揃ってロボットの様になってしまい!…ただ如何する事も出来ない

ままに固まって居ると、フィロはそんな二人の様子に呆れ…パルシィももう

眠い!とばかりに目を擦る!…そしていつまでも動かない様子に痺れを切らして

しまったのか…次にはマサツグの服の裾を引っ張って見せると、助言の言葉を

口に…


「……とにかく一度声を掛けて見ては如何なのだ?…

聞かぬ事には始まらぬゆえ…覚悟を決めて声を掛けよ?…」


「…ッ!…だ、だよな!!…

助言サンキュ!!…

……で、では…シルビィ?…」


「ッ!!……」


__クルゥ~リ……ポロッ!…ポロポロッ!…ッ!?!?!?……


まるでパルシィも幼児退行した様に愛らしく!…等と言って居る場合では勿論

なく!…その助言を受けてマサツグがハッ!と我に返ると、まずはパルシィに

感謝の言葉を!…そしてシルビィに声を掛ける!…その際も何か緊張をした

様子で声を掛けると、シルビィも呼ばれた事でピクッと反応!…そして次には

クルッとマサツグ達の方へと振り向き始め!…マサツグ達もそんなシルビィの

反応を見てホッと安堵する様子を見せるのだが、そうは問屋が卸さない!…

まるで恋人と破局してしまった様に静かに泣くシルビィの様子を目にする!…

となるとそんなシルビィの様子を見て更にマサツグとシロが慌てた反応を見せる

と、シルビィも自身が如何なって居るのかに気が付いた様子で!…


「…ッ!!…も…申し訳御座いません!…

はしたない所をお見せしてしまって…」


「え?…えぇ?…」


自身が泣いている事に気が付き!…慌ててシルビィが涙を拭いマサツグ達に謝って

見せるのだが、その肝心のマサツグとシロはと言うとまたもや驚いた状態で硬直!…

これまた機能停止状態にへと陥ってしまう!…となると今度は頭の中で再起動をし

始めると、同時にその解決策を模索し!…が、ここまで恋愛に疎いマサツグから

すればプレミアム懸賞問題に匹敵する問題で有り!…完全に如何したら良いか

分からず!…通路の真ん中で子持ちパパが子供を抱えた状態で固まって居ると、

その様子にもう一人が反応!…先程まで存在感が薄かったオリハが呆れて見せる!…


「…はあぁ~…兄さんは肝心な時にポンコツになる…

シルビィ?…大丈夫?…」


「ッ!…は、はい…も、申し訳有りません…」


オリハとて別にそこまで経験が豊富と言う訳ではない!…だが極端なまでに女性の

涙に弱いマサツグとは違い静かに泣くシルビィに対して声を掛けると、チラッと

ばかりにマサツグを見る!…それこそまるで情けない!と言った様子で確認する

一方、シルビィも自身に戸惑った様子で泣き続け…そして泣き止む事も出来ない

のか、ドンドン零れ出ると言った具合に更に慌てても見せて行くと、オリハも

オリハで更に続ける!…


「……とにかくここで立ち話も何だし、部屋に行こ?…

落ち着くまで付いて居てあげるから…」


「申し訳有りません…申し訳有りません……」


この時も労わる様に寄り添いシルビィの肩に腕を回すと、そのまま部屋へと

向かおうとし!…シルビィもシルビィでオリハに対して謝罪の言葉を!…

と、この間今だにマサツグとシロは固まった様子で戸惑って居り!…本来なら

その様子にツッコミ!…だがそんな気力もない具合でただ呆然と立ち尽くす

そんな反応を見えて居ると、フィロがマサツグの服の袖を引っ張って見せる!…


__クイクイ!…クイクイ!…


「…お~い、まさつぐや~い!!

速く着いて行かんと置いて行かれてしまうぞ~?」


「………。」


__パタパタ!…パタパタ!…


オリハとシルビィが先に行ってしまう事を口にしつつフィロが声を掛けてもウンとも

スンとも言わない!…ただシロと一緒に固まった様子で目を見開き今だ戸惑い続けて

見せると、フィロも更に行動に出る!…と言うのもマサツグの前に立って行くと、

手をパタパタと振って跳ねたりするのだが…幾らフィロがアピールをした所でやはり

マサツグは動かず!…その様子を見てフィロも溜息を吐く様なそんな反応を見せて

行くと、オリハの言う事を理解する!…


「…はあぁ~…駄目じゃな…目が点になっておる…

…その様なまでにショックを受ける様な事だったのかや?…

にしてもまさか魔王をも薙ぎ倒す英雄様がよもや女性の涙に弱いとは…

…ッ!!……もしやこれは使えるのでは!?…」


目の焦点が合って居ない様なただ遠くを見て居る様な?…とにかくそんな様子に

フィロも呆れ!…首を左右に振ってやはり駄目だと言う事を口にすると、改めて

意外な弱点にも若干驚く!…そして今度は如何やってマサツグを移動させるか?

で腕を組むと、その場で悩む様子も見せるのだが…その考えも直ぐに脱線して

邪な方に!…ふと気が付いた様子でハッ!とした反応を見せると、次には悪い

笑みを浮かべて見せる!…それこそこれを利用してマサツグにあんな事やこんな

事を考えるのだが、そんなフィロの事等お構いなしに!…もはや眠気がピーク

なのか!…パルシィが愚図る様にしてスススとマサツグに近づいて行くと、次には

先を急かして見せる!…


「…ふあぁ~……ッ…マサツグとやら!…

玉藻前が妙な事を思い付く前にさっさと動かんか!…

呆けるのなら部屋に着いてから呆けるが良い!!…」


__グワッシ!!…グイグイ!!…グイグイ!!…


「クックック!……ッ!?…あぁっ!!…

マ、マサツグの押して何所へ行く気じゃ!!…

それもマサツグの尻を鷲掴みにしおって!!…

うらやま!!…ッ!…ゲフンゲフン!!…けしからんのじゃ!!!」


パルシィはマサツグの背後に回ると腕を伸ばし!…そしてマサツグの尻に手を添えて

行くと、無理やりにでも後ろから押し!…と、悪い笑みをいまだに浮かべて見せて

居るフィロもふと…その様子に気が付いたのかそのパルシィの様子を見てあっ!と

驚き戸惑った反応を露わにすると、次には文句を口にする!…それこそ何処に連れて

行くのか!?と慌てる一方、自身の本音もポロリと漏らし!…となるとそんなフィロ

の言葉にパルシィも呆れ!…溜息を吐きながらフィロに手伝うよう声を掛けると、

構わずグイグイと押して見せる!…


「…はあぁ~…心の本音がボロボロだぞ、玉藻前?…

お前も余計な事を考えている暇が有れば手伝うが良い!!…

さすがの私も大の男と一匹を押して運ぶのは骨が折れる!!…

せめて元の姿であれば!!…」


「ッ!?…何でわっちが!!……と言いたい所じゃが仕方ない!…

このままでは本当にこの通路で寝なければ行かなくなるかも知れぬ故な!…

ここはわっちも!!……あっ!!…

決して合法的にマサツグの尻を触れるからじゃ無いからな!?…

勘違いするでないぞ!?…」


パルシィもさすがにこれはシンドイ!と言った様子でフィロに手伝うよう声を

掛けると、フィロはそのパルシィの言葉に当然とばかりに反抗!…が、それも

少し間を開けた後に訂正をし始め!…言われた通りにマサツグの背後に回って

手伝う素振りを見せて行くと、何やら言い訳を口にする!…この時自分は移動

の為と口にすると、マサツグの尻を撫で回す様にして後ろから押し!…と、

同時に変態染みた笑みをも浮かべ始め!…フィロの助平タッチもとい尻を

グワッシ!と掴む様子にパルシィもドン引きして見せると、チベットスナギツネ

の様な視線を送る!…


さてそうして幼女二人に尻を掴まれながら押され移動をして行くと、幸いにも

オリハ達との距離は然程開いては居なかった様子で…


__グイグイ!…グイグイ!!…


「よいしょ!!…よいしょ!!…」


「…ッ!…兄さん遅い!…って、まだその調子なの?…

……はあぁ~…いい加減目を覚まして~~!!……」


__トッ…トッ…トッ…トッ…ンギュッ!!…


「ッ!!…いぃ~だだだだだだだ!!!…

ハッ!!…ここは!?…」


フィロとパルシィの共同作業でマサツグは押されて運ばれて行き!…そこで先に

シルビィを部屋に入れて休む様に指示を出したオリハの姿を見つけて行くと、

オリハもマサツグ達に気が付いた様子!…次には文句を零して見せる!…と、

同時にこれまたまだマサツグが固まった状態である事にも気が付いて行くと、

次には近付くなりマサツグの頬を抓り!…するとマサツグも痛がる様にして途端に

反応!…この時某・竜玉を集める物語のミスター土星の様に反応をすると、ふっと

我に返って見せる!…そして辺りを見回す様にして戸惑って見せると、オリハも

オリハでそんなマサツグの反応に噴き出してしまい!…


「……ぷッ!…何でミスターサ○ン風?……

とにかく部屋に着いたみたいだから後のフォローは任せたよ?…

…後、私は隣の部屋だから何か有ったら一応…じゃあ…」


「ッ!?…うえぇえぇ!?…って、あ…あぁ…」


__…ガチャ!…キイィィ~…バタン!…


「……すぅ~……はぁ~……よし!!…」


「……ッ!…フィロ?…なんでそんなにニヤニヤしてるですか?…」


マサツグの痛がり様にツッコミを入れつつ!…とにかく後の事は丸投げする様に

マサツグに言うと、一応とばかりにもう一つ!…自身が隣に居る事も話して行く!…

と言うのも何か有ったら頼れ!と言った具合に言葉を残すと、オリハは用意された

自室へと向かい!…と、我に返ったばかりのマサツグも何の事やら?…やはり

戸惑った様子でその返事にも何か無理やり納得する様なそんな反応を見せて行くと、

次にはその場で立ち尽くす!…そしてオリハが自室に入って行った所でマサツグも

自室と思わしき部屋の前へフッと振り向くと、今度は一度深呼吸を挿み!…と、

その一方でシロもマサツグと同時に我に返り!…ふとフィロの様子に気が付いた

様で、何やら自身の手を見てはニヤニヤする…そんなフィロの様子を見て不思議に

思った具合に声を掛けると、そのフィロの隣ではパルシィがまた!…横流し目に

チベットスナギツネと化して見せるのであった。


さて話は戻って部屋の前!…意識がハッキリと戻った所でオリハにシルビィの

任されたマサツグはドアノブに手を掛けると、部屋の中に入ろうとするのだが…


__ガッ!……


「…ッ!………」


__………イラッ!…


何故か妙に緊張しては入れない!…マサツグ自身も今までにない体験にまた戸惑った

反応を見せて行くと、これにはパルシィもピクッと反応!…そして煮え切らない様子

にイライラする!…しかしそんな事など知らないマサツグはまた硬直状態に入って

行くと、中々に部屋に入れず!…ただその扉のドアノブを握ったまま汗を掻き!…

その間にもパルシィが更にイライラを積もりに積もらせ待たされて続けて見せて居る

と、遂に我慢の限界!…背後からマサツグにタックルを決める!…


「…ッ~~~!!…さっさと!!…開けんかあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


__グッ!!…ドン!!…


「うわあぁ!?…ッ~~~!!!…ダハァ!!…はぁ!…はぁ!…

え!?…な、何!?……ッ!…」


「チッ!!…一撃でダメなら!!…フン!!」


「え、ちょ、まっ!!!…」


煮え切らない様子に実力行使!…パルシィはマサツグの背に向かってタックルを

一発!…と、マサツグも不意にタックルを掛けられた事でフラ付き戸惑い!…

しかしシロを抱えている事から倒れる訳には行かない!と…シロを抱えながらに

何とか踏ん張り耐えて見せると、次には何!?とばかりに背後を見る!…すると

そこにはまだ倒れない様子を見てかもう一発!と言わんばかりに構えるパルシィを

見つけると、フィロも若干戸惑った様子で見ている姿が有り!…と、またもや

パルシィがマサツグに突撃!…そして二度目となる背中への強打を決めて行くと、

さすがのマサツグも耐え切れなかった様子で遂には!…


__ドゴオォォ!!…バアアアァァァァァァンン!!!…


「ッ!?!?…」


「ブファァ!!…」


パルシィのタックルはマサツグごと扉をぶち破る事になり!…当然中でマサツグ達を

待って居たシルビィもビクッとすると、途端にその扉をぶち破って来た者達の確認を

する!…しかしそこでぶち破って来た者達の確認をすると、その正体はまさかの

マサツグ達と言う事で!…となると状況が飲み込めずシルビィは勿論困惑して見せ…

蹴破られたマサツグもシロを庇い!…自身の顔面からその部屋の床に着地をして行く

と、そのままピクピクと痙攣!…一方でパルシィが怒った様子で言葉を続ける!…


「全く!…一度落ち着いたかと思えばまた急に縮こまりおって!!…

貴様にもナニが付いて居るのであろうが!!…ちょっとは度胸を見せんか!!…

…妙な所でたどたどしくなりおって!…

…これが本当にあの玉藻前を惚れさせた男だと言うのか!?…」


__トットットットッ…ボスン!!…


「…ッ?……ッ?…」


「いたたたた!…シロとは違うインパクトが有った!…」


吹き飛ばしたマサツグをそのままに!…その男らしくないマサツグに喝を入れる

よう言葉を口にすると、何ならレディにはふさわしくない言葉も零して見せる!…

そして次にはその部屋に用意されて有るベッドの内に一つ!…そこに向かって

歩いて行くと、飛び込む様にしてベッドに倒れ込み!…と、今だ状況が見えない

様子でシルビィは戸惑い!…マサツグも徐々に動ける様になって行くと、シロを

抱えて起き上がる!…その際大事そうに抱えてシロの事を守って行くと、フィロと

シロの二人から心配をされ…


「大丈夫かえ、マサツグ~?…」


「ッ~~~!!!…ッ!…ご、ご主人様~?……ッ!…

ご、ご主人様お鼻が!…」


フィロは後からゆっくりと入室…その際起き上がったマサツグに向かい歩いて行く

と、特段パルシィを責める事は無く…と言うのもフィロも薄々感じて居た様子で

これも良い機会!と…同じくマサツグに対して若干の苛立ちを覚えて居た具合に

流してしまうと、ただ普通に怪我の心配をして見せる!…そしてシロもシロで

咄嗟にマサツグが守ってくれた事でノーダメージに済ますと、次にはハッとした

反応を見せ!…と、流れる様にマサツグの顔をスッと覗き!…そこには若干鼻を

擦った様子のマサツグの顔を見つけて行くと、慌てた反応を!…マサツグが怪我を

した事に心配をする!…さてそうしてただ部屋に泊まるだけこの騒がしさ!…

となると隣の部屋のオリハも五月蠅い!と思いつつ!…次にはシルビィもハッ!と

して見せ!…慌ててマサツグに駆け寄るそんな様子を見せて行くと、何故か謝罪を

するのであった!…

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