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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章三十節 マサツグの観察眼と子狼二匹とシロの親!-

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「…分かり易く言うと今の女王の目って…

俺の感覚で言うとまるで玩具を見詰めてる子供…

…こっちに興味を持っている時の目にそっくりなんだわ…

だからこちらから攻撃を仕掛けたりしない限りは襲って来ないと思う…

それとシロに狼の姿になれるのか?って質問の意味は…

単純にシロが狼の姿になれるかどうかの興味と…

あの母親に今のシロを見せてやりたい!って言う…

俺の味気ない親心みたいなモンなんよ!…

だからさっきシロに聞いたんだ!…これでOK?…」


迫って来るモツに対してマサツグが再度手を振り待った!を掛けると、その本当の

意味について話し!…と、その話を聞いてモツも理解した様な出来なかった様な…

マサツグの不思議理論に首を傾げ何か難しそうな反応を見せると、各々もそんな

マサツグの話に疑問を持つ!…と言うのもこれは信用していいのか?と言う疑問に

始まり!…言って居る意味が分からない!と言った反応もチラホラ!…とにかく

各々戸惑いに戸惑い!…揃いも揃って首を傾げるそんな反応を見せて行くと、

口には出さないが微妙な様子…各々その疑問について考え出す!…


{いつの間に女王の目を観察したんや?…

さっきからこの雰囲気でバトるかもしれんって言うてるのに…}


{…と言うか…そこそこ距離が有ると言うのに良く見えたなぁ?…

私でも確かにあの女王狼の目は見えても感情までは分からない…

……シロちゃんの影響かな?…}


{……そもそも…シルビィーナの時もそうだけど…

マサツグって妙に獣に強いような?…}


{フェンリルと分かる前のシロに懐かれたり…女王の目を見て

感情を読んだり…アヤでは無いが私もマサツグが本当に剣士かどうかが

怪しく思えて来たな……まぁ…剣の腕は立つが…}


マサキはこの緊張感の中いつ確認したのか?とマサツグの洞察力に驚き!…

と、くまさんも似た様な感じでやはり驚き!…自分でも分からない!と言った

具合に目を細めると、ジッと女王の事を見詰めて行く!…そしてアヤもアヤで

改めてマサツグがこう言った獣類に何故強いのか?と考えて行くと、リーナも

何か怪しむ様子を…と言っても敵として怪しむのではなく剣士として怪しみ!…

モツやオリハと同じ様に!…本当に剣士なのか?と言ったブリーダー説を考えて

行くと、各々腕を組んで唸り…納得が行かない反応を露わにする!…


「うぅ~ん…」×4


__ジィ~~~~!…


「……何故皆してこっちを凝視する?…

それも唸りながら?…」


「………。」


まるで示し合わせた様に四人が揃ってマサツグを凝視!…そしてマサツグも

そんな視線を感じて戸惑った反応を露わにすると、傍らではシロも首を傾げ!…

するとその肝心の話を聞いていたモツが目を閉じ始め!…自分の中でマサツグの

話を精査する様なそんな反応を見せて行くと、これまた静かにもなって見せる!…

となると万が一マサツグの予想が違えば大惨事も起こり得るこの状況!と一人悩み

考え出すと、安全を取るか?友の言葉を信用するか?で唸り続け!…が、それも

長くは続かない様子で次にはモツの中で結論が出たのか…


「……シロちゃん?…マサツグの言う通り…

あの時の様に狼の姿に戻れないのか?…」


__ッ!?…ざわッ!?…


「…ッ!…モツ?…」


「…良く考えたらヤブの方がシロちゃんと一緒の時間を過ごして来たんだから…

そう言う目を養っているだろうと思っただけ!…

それに俺もシロちゃんの狼の姿を見たい!って言うのと…

ヤブの気持ちが分からなくも無い!って思ったのが答えかな?…

…で、如何なんだ?」


目を開けるなりシロに対してマサツグと同様の言葉が出て来ると、その言葉に

一同は戸惑った反応を露わにする!…その際一同が戸惑う中アヤが代表をする

様にモツの名前を呼んで見せると、モツもピクッと反応するなりアヤに返事を…

と言うのも結果的にマサツグの勘を信じた様子で!…ついでに理由付けとして

自身もシロの今の姿を見てみたい事を口にすると、再度シロに声を掛ける!…

するとシロもそんなモツからの質問に対して若干驚いた様な反応を見せると、

戸惑いながらも返事を…


「え、えぇ~っと…試した事は無いです…でも多分出来ると思います!…

ご主人様に名前を貰った次からシロ!…人間さんになって居たので!…

変身も出来ると思うのです!…」


「ッ!…じゃあ実のお母さんに見せてやってくれないか?…

安心させるって意味でも…一度やった方が良いと思うから!…

…頼む!」


__ペコ!!…ッ!?…どよぉ!!!……ッ…


マサツグの影に隠れながらも出来る筈!と…何なら人型に変わった時の事を思い

出す様に話しをすると、その逆も出来る筈!と確信を持ち!…するとそのシロの

返事にモツもやってみてくれ!と言葉を口に!…何ならシロにお願いをする様に

頭を下げ!…今この場で実の母親に立派な姿を見せてやりたい!事を続けて行く

と、マサツグの代弁をして見せる!…その際周りの面々も突如モツが頭を下げた

事に驚いて見せると、一番に頭を下げられたシロが驚きを露わに!…が、その

モツの熱意は届いた様で!…シロも戸惑いながらもモツのお願いを聞いた具合に

返事をすると、その表情にやる気を見せる!…


「…わかりました!…やってみます!…」


「…ッ!!……ありがとうシロ!!」


__ぎゅぅぅ!!…なでなで…なでなで…


「えへへ♪…ご主人様♪…」


シロがマサツグの前に出て来るよう姿を現すと、モツやマサツグに対して定番の

ピーカブースタイルで身構える素振りを!…と、そんなシロの返事を聞いて

モツも頭を上げて行き!…次にはマサツグもシロがやる気になってくれた事で

安堵すると、シロの頭を撫でて行く!…その際しゃがみ込んで更にシロの事を

ギュッと抱き締めると、シロもシロでそのマサツグの感謝の表し様に喜び!…

マサツグを抱き締め返しては甘える様子を!…尻尾を振ってまた風を巻き起こす

様なそんな反応を見せて行くと、一方では…


__すりすり…パタパタパタパタパタパタ!!…


「………。」


__スリ…ッ!……すりすり…すりすり…


遠方からとは言えその様子はハティビィエールからも良く見えて居る訳であり、

何かその様子にまたもやイラッとしてしまい!…まるで嫉妬心を燃やす様な感情を

持って行き、その際隣に居る女王へ近付き摺り寄る様子を見せて行くと、自身の

心を宥めに掛かる!…と言ってもシロみたいにガバッ!と行くのではなくあくま

でも控えめに擦り寄って見せると、女王も気が付いた様子でハティビィエールに

擦り寄り!…と、互いに甘々タイムを挿んで行き!…シロも満足した所ですスッと

マサツグから離れて見せると、謁見の間中央にへと移動する!…


__……スッ…ッ!……テテテテテッ!……


「……よし!!…じゃあ見せてくれ!!…今のシロの姿を!!」


「はいです!!……ッ…」


__コオオォォォォォォ!!!…


「ッ!…え?…えぇ?…」


シロが駆けて行く様にして謁見の間中央に!…すると近衛兵達もその様子に若干の

警戒をし出し!…が、構わずシロはそのままそこに陣取り!…マサツグもそんな

シロの様子に指示を出す様にして声を掛けると、シロも元気良く返事をする!…

その際マサツグ達に対して背を向けると、肩幅に足を開いては目を閉じ瞑想を…

それはまるで力を溜める様に踏ん張って見せ!…徐々に自身の周りに気の様な

オーラを纏い始めると、その様子にマサツグが困惑!…さも自爆しそうな様子に

慌て出す!…となると当然近衛兵達も戸惑い出すと、遂には女王を守る様に陣を

形成!…しかしその一方でシロは止まらず!…いよいよ本当に自爆しそうなそんな

雰囲気を見せて行くと、雲行きがドンドン怪しくなる!…


「ちょ!…ちょっと!?…

狼の姿になるのにこの怪しい雰囲気は何!?…」


「…この分じゃと自爆でも出そうな雰囲気じゃのう…

…ちと不味くはないか?…」


「冷静に話していないでどうにかしてくれ!?

このままだとヤバイぞ!?…」


当然これにはマサツグだけでなく他の面々も困惑し出すと、ヤバいのでは?と

言葉!を…まるで自爆!…或いはスーパー野菜人になりそうな雰囲気にアヤが

慌て!…フィロも能天気に自爆しそう!と言葉を漏らして周りに意見を求めて

行くと、モツがツッコミの言葉を口に!…止めた方が良いのでは!?とマサツグ

に話す!…だが時既にお寿司!…シロは既に気が高まった様子でいよいよ解放

フォームに入り!…と、その一方で女王とハティビィエールは一斉慌てず!…

いや、ハティビィエールは若干戸惑って居るか?…とにかくシロを止める事無く

傍観する様に見つめて居ると、次にはシロの気が収束!…そしてやはり爆発を

巻き起こす!…


__シュウゥゥゥゥ!…ボオォンン!!!…ッ!?…うわああぁぁ!!!…


「ッ!!…ッ~~~!!!…クッ!!…貴様等!!…

スコルティナ様に自爆など覚えさせ!!…女王様の命を狙うとは!!!…

…やはり人間など俗物でしかないという事か!!!」


「…ッ!!!……待ちなさい近衛の者達よ!!!…

この者達と戦ってはいけません!!!…スコルティナは!!…」


この時謁見の間内は大混乱!…シロが巻き起こした氷の爆風は辺りを凍らせ!…さも

霧が発生した様に視界を遮り!…何ならその爆風が守りの陣を敷いて居る近衛兵達に

被害をもたらす結果になると、当然誤解は連鎖する!…と言ってもマサツグ達と近衛

兵達は共にシロの爆風を耐え切り、互いにダメージは負って居らず!…しかしシロに

自爆特攻を覚えさせたモノと考えると、近衛兵達は途端に身構え!…次にはマサツグ

達を討たん!と…突撃の動きを見せようとして行くと、女王が一方で待った!…だが

止まる事無く近衛兵達が突撃し出すと、辺り一帯は騒がしくなる!…


__ハアアアアァァァァァ!!!…


「……ッ!!!…致し方ない処置って奴!?…

とにかく相手の命は奪わない様に!!…

戦闘をしに来た訳じゃないからな!!!」


「…ったく、仕方が無い!!!」


「本当に!!…」


__ッ!!…スゥ~!!……ッ!…


当然目の前でメガ○テをされれば錯乱もする訳で!…一斉怯む事無く突撃して

来ると、マサツグ達も予想外の展開とばかりに慌て!…だがだからと言って

勿論やられる訳には当然行かず!…せめて峰打ちで留めるよう!…これも仕方が

無い!と言った様子で武器を握ると、迎撃の体勢に入って行く!…となると女王

としてもまさかこうなるとは思っても居なかった様子で慌てて見せると、若干

息を吸い込み!…と、女王が止まるよう吠えようとした途端!…その爆風の中で

まだ何かが居る様な?…向かって来る近衛兵達に対して目を光らせる者の気配を

感じると、次には息を呑んでしまう!…そして!…


__キランッ!!…シュン!!…バシバシバシィ!!…


「あぁ!?…」


「きゃあ!?…」


「うはあ!?…」


__カラン!!…カランカラン…


「…え?……この音って?…」


「それに悲鳴も……て事は…」


この時近衛兵達は煙の向こう側に辿り着く事無く何かにやられる!…それは軽い

悲鳴を上げると同時に武器を落としたであろう音が聞こえ!…そしてその向こう

側が見えないのはマサツグ達も同じであり!…何が起きたのかただ音だけが

聞こえて来て戸惑って居ると、徐々に爆煙も晴れてくる!…そして煙が晴れると

そこには何かにやられたであろう近衛兵達が姿が有り!…各々手を叩かれたで

あろうその手を押さえ!…と、同時にその近衛兵達の目の前には子狼二匹!…

その手を押さえる近衛兵達に対して唸って見せると、敵意を露わにして居た!…


__ヴヴヴヴヴヴヴ!!!…


{貴方達!…お母様の言葉が聞こえなかったのですか!?…

今すぐ攻撃を止めなさい!!}


{ご主人様には!!…指一本触れさせません!!!}


__ヒュウオォォォ……キラキラキラキラ…


それは狼の姿では喋れないのか?…テレパシーの様な方法で近衛兵達に制止を

促し!…片や注意で片や敵意!…シロとハティビィエールがそれぞれオコ!…

しかし命までは取らない程度に抑えて威嚇をして露わにして行くと、その際

自身の体にオーラを纏う!…それは冷気の様にゆったりと流れを見せて行くと、

青白くキラキラと輝き!…宛らそれはダイヤモンドダストの様に見え!…その

様子にハッ!と気が付いたモツ達が驚いて見せると、各々驚きの言葉を零す!…


「…ス、スゲェ!!…なんかキラキラ輝いてる!…

…あれがフェンリルの力なのか?…」


「…わ、分からないけど…今あの子に攻撃したら間違いなく!!…

こっちが凍り漬けにされる!!……そんな気がするわ!!…

小さくてもフェンリルはフェンリルって事でしょうね…」


「…綺麗な姿をして居るのに何故か恐怖を覚える!…

…なるほど……一国を簡単に滅ぼす力に納得が行く……」


__ッ!?……


その先に姿が見えたハティビィエールの様子にさすがフェンリルの子供!とモツが

感心をする一方!…アヤやリーナは若干の畏怖の感情を持ち!…と、アヤはこの時

迂闊に攻撃出来ない!と言葉を零して見せ!…リーナは伝承通り恐ろしい生き物で

ある!と…シロを見つけた時の様な驚きと戸惑い様子を露わにすると、改めて再認識

するよう続けて漏らす!…そしてこの二人の他にマサキやくまさん!…オリハも

驚いた表情で固まって居ると、そのオリハがふとマサツグの異変に気が付き!…


「…ッ!…ッ?…兄さん?…何を固まっているの?…」


「………。」


「…ッ?…ッ~~……ッ!?…ッ!?!?…」


マサツグの異変と言うのも黙って驚いている様子で有り、この時オリハが声を掛けた

所でピクリとも反応せず!…となるとオリハとしても不思議に思い!…一体何を見て

居るのか?とそのマサツグの見ている方に視線を向けると、そこでハティビィエール

と同様!…シロが子狼化した状態で何やら気を纏って居る様な様子を目にする!…

その際ハティビィエールは見た所氷だけの様に見えるのだが、シロはそれとは別に

もう一つ!…それはまるで吹き荒れる様に風圧を放ち!…何か緑色のオーラをやはり

自身の身に纏って見せると、もはや混色!…恐らく氷と風の両方の力を露わにして

居た!…


__バヒュウゥゥゥゥ!!…キラキラキラキラ…


「…シ、シロちゃん?……」


まるで首から後ろに向かって風が吹いて居る様にオーラは流れ!…そして自身の身に

出来たダイヤモンドダストを巻き上げ!…そしてそのオーラは流れに流れて尻尾へと

続き!…何とも幻想的な様子も露わにすると、それが本当にシロなのか?と…今まで

に見た事の無い様相にオリハも戸惑う!…そして思わず疑心暗鬼になるようシロの事

呼ぶのだが、シロはピクッとも振り返らず…と、マサツグも今だに驚きの表情を露わ

にし続け!…よく見てみるとあの拾った時より一回り大きくなっている事にもふと

気が付くと、更にマサツグが驚いて見せる!…


{……し、知らない間にこんなに大きくなっていたのか…

って、それでもやっぱハティビィエールと同じ位…

…って、それよりもあのオーラ?…闘気?…は何だ!?…

今まで一度として見た事が!?…}


__どよ!…どよ!……ジリッ…ジリッ…


そしてこの時近衛兵達もそんなシロの様子を見てとにかく戸惑った反応を見せる

と、思わずタジタジに!…言うなればハティビィエールはキラキラと輝く優雅さが

見られて綺麗なのだが、シロの場合は簡単に言うと吹雪!…ブリザード!…それは

その身で体現するよう威嚇と同時にオーラに現れ!…同時にシロの後ろに立つ

マサツグ達にも冷たい風が拭き込んで来ると、それは守って居る様にも見えて

行く!…そしてそのシロの様子に女王も驚いた反応で凝視すると、まさか!と

言った表情を!…それは狼の姿でもはっきりと伺え!…とにかく有り得ない!と

言った反応を見せると、同時に何か感動をする様な…ふと何か思い当たる節が

有るのか涙目にもなる!…


__…ッ!…ッ!!……ッ~~~……


「シ、シロ?……」


__ッ!…クルッ!…


思わず口が開いてしまう程の衝撃にマサツグはシロをジッと凝視し!…女王も

女王で何か喜ぶ様にして若干感涙!…となるとそれに気が付いた者達も驚き

戸惑い!…この状態は何!?とばかりに固まって居ると、次にはマサツグが

我に返った様子!…そして徐に恐る恐るシロの名前を呼んで見せる!…すると

シロは耳をピクッとさせる様に動かして見せると、途端に近衛兵達への威嚇を

止め!…すると今度はマサツグ達の方へとクルッと振り向き!…呼ばれた事が

嬉しいのか?…先程までの勇ましい様子が抜けてただの子犬と化してしまうと、

マサツグに愛嬌を振り撒き始める!…


{呼びました、ご主人様?}


__パタパタパタパタ!!…ハッハッハッハッハ!!…


「……何か心配して損した気分…はあぁ~…」


{…ッ?…え?…}


マサツグの方を振り向いて口から舌を出し、ハッハッと息を漏らしては尻尾を

振る!…それは舌を出している以外はいつもと変わらないシロの無邪気な様子で

有り、マサツグもこれには頭を掻き毟る様にして呆れて見せると、心配した事に

損を感じる!…何ならその事をまんま口にして溜息も付いて見せて行くと、

シロも何の事か分らず不思議そうに首を傾げ…と、一気に緊張が抜けて行き!…

若干思って居たのと違う所が有ったもののシロが狼の姿になった事に成功すると、

今度は近衛兵達にも動きが…


「クッ!…我々とした事が!…

…ッ!!!…こ、このオーラは!?…」


「まさか氷と風のオーラ!?…」


「氷と風!?…女王様でも氷のみである筈なのに!!…風までも!?…

最後にスコルティナ様が確認された時のご様子は!?…」


「確か生まれながらにして風を纏っていたと!……

と言う事はこの子狼!?…いやこのお方は間違いなく!!…」


「スコルティナ様ご本人!?…」×6


やっと怯みから解放された具合に動き出し!…その際自分達が子狼に後れを取った

事にショックを受けると、次にはシロの様子にハッと気が付く!…それこそ今まで

ちゃんと見て居なかった様でシロのオーラを目にすると、近衛兵達も有り得ない!

と動揺を…と言うのも近衛兵達の中でもまだ完全にはシロの事を信じ切れて

居なかった様子を露わにし出し!…しかしシロが二色のオーラを纏って居る事から

慌てに慌て!…色々と思い出す様に風のオーラを纏って居る事を重要視すると、

更に凄い勢いで慌ててふためく!…それは身振り手振りも合わさって声も引っ繰り

返る様子が伺えると、ここでラグナスとシルビィが動きを…


「……お久しゅう御座います…女王様…

女王様にご謁見叶いますは十年ぶりに御座いましょうか?…

ただいま…アレクシスホワイトファング・シグルーン…戻りました…」


「同じく…ラグナストロワ・アイスシルター…

この場にご無礼ながら参上した事を深くお詫び申し上げます…」


__……スッ…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…ヒタッ…


この時二人は徐に前へ出るよう歩いて行くと、シロとハティビィエールの居る中央

辺りにまで進み…そして二人が女王に対して傅き挨拶をし始め!…すると女王も

二人の方に向かい狼の姿でゆっくりと歩いて返事をすると、今度はちゃんと本物

なのか?…暫く歩いた後にシルビィの事をシグルーンと、ラグナスの事をシルター

と言って名前を呼ぶ!…その際女王はただ歩いているだけにも関わらず、何故か

気品を感じるそんな様子が伺え!…


「……本当にお久しぶりですね?…シグルーン…シルター…

シグルーンはスコルティナが誘拐された後直ぐに山を下りて…

シルターは後に続こうとした者達を慌てて止めて…

そしてシグルーンの跡を引き継ぎ任命した……それ以来になりますかね?…」


「ッ!!……ハハァ!…」


何ならその姿に思わずアヤとリーナが憧れを持つ様に頬を染め!…その歩いて来る

女王の事をただジッと見詰めるキラキラとした視線を送って居ると、その一方では

女王が…まずはシロとハティビィエールの隣を通り…シルビィとラグナスの前に

座って更に続けて見せると、最後に会ったのはあの時以来と…二人に確認をする

様に言葉を続ける!…となるとそれを聞いた二人としてもちゃんとそれが女王で

ある事を確認したのか、更に傅くよう深々と頭を下げ!…と、その一連の様子を

見てマサツグ達もホッと安堵!…そして謁見の間へと漸く足を踏み入れ始め!…

自分達も女王に挨拶をしようと近付き出すと、途端に近衛兵達がピリピリする!…


__スッ…コッ…コッ…コッ…コッ…


「ッ!!…貴様達それ以上女王様に近づくな!!!…

それ以上近づけば!!…」


「お止めなさい!!!…

このお客様達に敵意が無いのは見て分かる筈です!!…

それなのに武器を振り上げるとは何事ですか!!…

…これ以上お客様を侮辱すると言うのなら私が許しません!!…」


シロの事は信用出来てもマサツグ達は信用出来ないと!…途端に床に落とした武器を

手に取って見せると、すかさず身構える体勢に入り!…が、そんな近衛兵達の様子を

良しとしない具合に女王が一喝!…その際自身も若干力を見せる様にそのシロ達と

同じ!…いやそれ以上のオーラを放って見せると、近衛兵達に制止を促す!…すると

そんな女王のオーラを目にして近衛兵達もビクッとすると、次にはその場で立ち

怯み!…と、その女王の様子にマサツグ達もホッと安堵!…何なら女王自ら客人と

して迎え入れてくれた事に感謝をしつつその女王に対してジッと視線を向けて居る

と、更に女王は言葉を!…


「……勿論…その扉の奥で構えているマグダラス…貴方達もですよ?…」


「……ッ!?…」


何でもマサツグ達の背後に居るであろう者達に向けても警告の言葉を!…と言うのも

その背後に居る者達はあのマグダラスで有ったらしく、マグダラスも呼ばれた事で

驚いたのか!…その反動で若干扉が軋む様子を見せて行くと、女王は更に釘を刺す

ようジッと睨む!…まるで今までマグダラスがやって来ていた事を知って居るのか、

怒りも感じられる視線で睨み!…と、そんな女王の言葉に驚きつつ!…マサツグ達も

改めて女王に挨拶をする様にまた近付き始めると、女王がマサツグに声を掛ける!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……コッ…


「……貴方がスコルティナを育ててくれた方ですね?…

お初にお目にかかります…スコルティナの母にございます…」


「ッ!…あぁ、えぇ~っと?……ぼ、冒険者のマサツグです…

シロ!…じゃなくてスコルティナを拾いました…はい…」


既に分かって居る!…と言うよりシロの様子を見て察した具合に!…マサツグが

シロの育ての親である事を理解した様子で声を掛けると、自分がシロの母親で

ある!と…ご丁寧に頭を下げて挨拶をする!…それこそ相手は女王であると同時に

本当に狼か?と言いたくなる程に礼儀正しく、挨拶をされたマサツグも思わず

タジタジに!…それでも何とか女王に対して返事を返し!…これまた如何話を

広げたものか?と戸惑って居ると、そんなぎこちないマサツグに野次を!…

マサキとくまさんがちょっかいを掛ける!…


「おいおい!…見合いでも無いんやからスパッと行かんかい、スパッと!!…」


「ッ!…おとうさん!…

あの子こう言うのに弱いんやから野次は飛ばしたらアカンって!!…

でも頑張って~!!…」


「……ちょっと黙っててくれないかな?…あの二人は!!…」


「ッ!……クス!…フフフ!……失礼?…フフフフフフフ♪…」


「……ぷっ!…ククク!!…あぁっははははははははは!!…」


さも不甲斐ない!と言った様子でマサキが野次を!…堂々と男らしく振舞え!と

マサツグに言葉を掛けて行き!…と、そんなマサキの野次にくまさんもハッ!と…

マサツグの性格を知って居る上でマサキに静止を呼び掛けようとするのだが、

やはり親として見て居られないのか?…若干ながらに言葉を掛ける!…そして

後ろからやいのやいの!と二人が野次を飛ばして居ると、マサツグとしてもムッ

として見せ!…次には直接文句は言わないものの苦言を零し!…そのマサツグ達の

やり取りに女王が噴き出す様にして笑ってしまうと、次にはマサツグもそんな

女王を見て噴き出し!…ケラケラと緊張感が消えて行く!…そうして生みの親と

育ての親がそれぞれ面識を持って行くと、モツ達もそれを見て安堵する一方!…


__わっふ!わっふ!…{ご主人様~~!!}


「…ッ!?!?…」


__バッ!!…


「……ッ!?…え?…」


シロはもう大丈夫!と思ったのか…クルッと振り向きマサツグに向かい駆けて行く

と、やはり飛び掛かる様にして踏み切って見せる!…その際女王と笑って居ながらも

その狼の姿で走って来るシロの様子に気が付くと、マサツグもハッと慌てた表情を

して直ぐに受け止める態勢を取り出し!…となると先程まで一緒に笑っていた相手が

突如として慌てた様子を見せた事で!…何なら何かを受け止める様な態勢を取り

始めた事でその女王とラグナスがビクッと驚いた反応を見せて行くと、次にはそんな

驚いて居る二人を尻目に!…シロが遠慮無しに狐を描いて飛んで来る!…すると

マサツグも飛んで来たシロを受け止めようと腹筋に力を入れて行くと、腕を伸ばし

シロを受け止めようとするのだが!…


__クルクルクルクル…ポウン!!…


「ッ!…え?…」


「ご主人様~♪」


__ガッシ!!…


「んぶ!?!?…」


その飛んで来たシロはマサツグの目の前で突如として人型に戻って見せ!…上機嫌で

マサツグの顔に向かって飛び込んで行くと、まだまだ成長途中のサービスショットを

露わにする!…と言ってもちゃんと下着と靴は付けて居り、そのマニアックな光景に

マサツグも面食らった様子で戸惑って見せると、次にはいつものフェイスハガー!…

固めた腹筋を無意味にする!…さてそうしてマサツグがシロの格好を見て驚き戸惑う

反応を見せて居ると、シロはシロで御構い無しにマサツグに摺り付き甘え!…


「ご主人様、ご主人様~♪」


「んば!!…シ、シロ!?…お前服は!?…」


「え、服?…ッ!……いやん♥…」


「いやん♥じゃないよ、いやん♥じゃ!?…

あぁ~!…とにかく服、服!!…」


とまぁ勿論長くは続かない様子でシロを剥がし!…飛んで来たシロに慌てて服は

如何したのか!?と尋ねて行くと、シロもそれを聞いてピクッと反応をして

見せる!…そして言われて初めて気が付いた様子で自身の格好をチラッと確認

して行くと、そこで服を着て居ない事にシロは気が付き!…と、次にはポッと

頬を染めると恥ずかしそうに!…だが満更でも無い様子で両腕で自身の胸を

隠しながら嬉々として見せると、マサツグもその軽い反応にツッコミを!…次には

慌ててシロの着替えを出して行く!…因みに先程まで着ていた思われるシロの服は

謁見の間の所々に落ちて居り、マサツグがシロを着替えさせている間にオリハ達が

回収!…何ならそのシロを着替えさせている時のマサツグはまるで某・未来から

来た猫型ロボットの様に慌てて居り!…とにかくシロの服を手当たり次第に引っ張り

出しては一人アワアワと!…その女王の前でオカン振りを発揮するのであった!…

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