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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章四十八節 人狼達の洗礼?…とラグナスの実力と闘士としての誇り!-

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それはエントリーを終えてラグナスと共に闘技場の控室へ向かおうとした所…

徐にその受付をして居た兵士の一人がマサツグの事を呼び止めると、何か

言いたげなそんな反応を露わにし!…となると呼び止められた事でマサツグも

ピクッと反応すると、その呼び止めて来た兵士の方を振り返り…しかしそこで

見たモノは何か嘲笑う様な態度を見せる!…何なら他の兵士達も釣られて笑う

よう何か胸糞が悪い態度を目にして行くと、兵士達は構わず!…ただマサツグが

人間である事を馬鹿にし出す!…


「あぁ~っと…マサツグとか言ったか、人間?…」


「ッ!…ん?…」


「簡単にやられんでくれよ?…

お前がボコボコにされる姿を見たい連中が大量に居るんだからな!?…

まぁ…せいぜい頑張ってくれよ?…それとラグナス?…

こんな人間お前の敵じゃねえって所を見せてやれよ?…

ガァ~ハッハッハッハッハッハッハ!!!!…」


__アァ~ッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!………


それはまるで折角の見世物と言った様子でニヤニヤとしながら話し出すと、兵士の

誰もがマサツグが残るであろう事など信じて居らず!…この時机に片肘を突きながら

横柄な態度!…何ならラグナスをも巻き込むよう言葉を続け!…最後には全員揃って

その場で大笑いをして見せると、辺り一帯のその笑い声が響いて行く!…すると

そんな兵士達の様子にやはりフィロが真っ先にピクッと耳を反応させると、次には

逆にその兵士達をばかりにするよう言葉を口に!…


「…はぁ……ほんに見事なまでのよの?…」


それはいつものフィロ節であり!…何か呆れた様子で一つ溜息を吐いて見せると、

その兵士達を三下と!…まるでマサツグの相手にもならない!とばかりに言葉を

零す!…因みにこの時今だフィロはマサツグの小脇に抱えられており、如何にも

凄んだ所で決して迫力の無い締まらない様子になってしまうのだが!…それでも

そんなフィロの挑発に兵士達もピクッと反応!…次には聞き捨てならない!と

ばかりに言葉を零し!…


「ッ!…何ぃ?…」


「自分では勝てぬ相手に他の者をぶつけさせ…

それを見て喜ぶ!…それはまさに下種ではないかえ?…

その様な奴等を下種と呼ばずして何と呼ぶのか?…

生憎わっちには分からんが?……ふむ…

…この場合は一応紛い形にもこやつ等は兵士ゆえにぃ?…

穀潰しと言った所かや?…」


「ッ!!…何だと!?…」


笑うのを止めてその小脇に抱えられて居るフィロの事を睨んで行くが、フィロも

フィロで小物風情!と…全く持って怯む様子を見せない所か更に馬鹿にするよう

言葉を続け!…仕舞にはその座って居る者達の事を紛い者と口に!…とにかく

兵士と名乗るのも烏滸がましい!と言って嘲笑う様なそんな反応を見せて行くと、

次にはそれを聞いた兵士達も遂には黙って居られなくなったのか!…カチンと

来た様子でスッと立ち上がる!…そして徐に歩いて来るなりマサツグ達を取り

囲もうとするのだが、マサツグはそれに対して呆れた反応を!…


「…はあぁ~…何で一々面倒事を起こすかなぁ~この子はぁ?…」


「くふふふ♪…軽い準備運動と考えれば良いものじゃと思うが?…

それに向こうから先に仕掛けて来たのじゃ…これは正当防衛と言う奴じゃ♪」


「……私の事を忘れては居ないか?…玉藻の前?」


「……はて何の事かの?…」


元よりその兵士達の安い挑発など気にして居なかったマサツグは呆れ!…フィロに

何故わざわざ焚き付けるのか?と尋ねて行くと、フィロは悪びれもせずに返事を!…

と言うのも先に喧嘩を売って来たのは向こう!と話し!…楽しそうにウォーミング

アップの場を設けた!とばかりに無邪気に笑って見せて行くと、その一方では

パルシィが不服そうに!…このままだと自分も巻き込まれると言った表情を露わに

する!…何ならマサツグとキャッキャと燥いで居る事から忘れ去られて居るのでは?

と言葉を零すと、フィロはフィロですっ呆け!…と、そんなやり取りをして居ると

一方で兵士達が!…今まさにマサツグへ襲い掛かろうとするのだが!…


「ッ!?…な、舐めやがってぇ~~!!…目に物を!!…」


「そこまでですよ?…」


__ガッ!!…バキィッ!!!…


「うがぁ!!!…」


マサツグを取り囲んだ上で兵士達は逆上!…そして文句を口にしながら殴り掛かろう

として行くと、マサツグも諦めた様子で二人を抱えながら身構え!…が、次には

そのまま乱闘とは行かず!…ラグナスがその殴り掛かろうとする兵士の手をガッと

掴むと、今度はグルンと振り返らせてはその右頬にストレートを叩き込み!…と、

殴られた兵士はそのまま後ろへと吹っ飛び!…その他の兵士達もその様子に唖然した

表情を浮かべて行くと、何故!?とばかりに戸惑った反応を!…続けて言葉も

漏らして行く!…


「ッ!?…ラ、ラグナス!!…何を!?…」


「何をって、殴り飛ばしただけですよ?…」


「殴り飛ばしただけ…って、お前!!…」


勿論兵士達は理解出来ない!と言った具合に戸惑い慌て!…ラグナスにその殴り

飛ばした真意を尋ね!…と、その一方でラグナスはキョトンとした表情で返事を

口に!…別に特段可笑しい事はして居ないと…何も間違って居ない様子で言葉を

淡々と口にすると、更に兵士達を困惑させる!…その際その返事を聞いて兵士達は

ラグナスにも怒りを向けようとするのだが、逆にラグナスはその兵士達に対して

スッと怒りを露わにし始め!…


「寧ろこっちは今自分の感情を抑えるので必死なんですよ?…」


「ッ!?…何ぃ!?…」


「由緒有る女王様の兵士でありながらこの様な悪態をつき…

あまつさえ我々ライカンスロープ達にとっての聖地とも言える場所で

闘士を馬鹿にする…

こんな人狼族の風上にも置けない連中なら…いっそ…」


この時ラグナスはその殴った拳をフルフルと震わせ!…そして自身の感情が昂って

居る事を口に!…そしてそれは兵士達に向けて居るモノと眼光を強め!…兵士達も

そんなラグナスの様子に思わずビクッとする様な!…そんな動揺の色を見せて行く

と、ラグナスは更に怒って居る理由を口に!…その兵士達に向けて話し出す!…

と言うのもその兵士達の態度が気に食わなかった事から入り出すと、マサツグを

一人の闘士として見て居ない事にも怒りを燃やし!…そして話して行く内に怒りは

更に強くなり!…仕舞いには何か異様な雰囲気まで放ち出すと、マサツグ達をも

戸惑わせる!…その際気が付くとラグナスの両手にはあるモノが!…


__ヒュオオオオォォォ!!…ボオオオォォォォォ!!…


「ッ!?…あ、!?…

た、確か!…青白い方は氷の生成魔法!…だった、よな?…

じ、じゃあ!…あの赤黄色オーラは一体!?…」


「ッ!…なるほどの?…そう言う事か…

…あの扉の前で感じた違和感の正体はこれであったか!…」


「…だとしたら納得が行った!…

しかし技は簡単には習得出来ない筈!…

この者…相当な修練を積んでいるようだな!…」


「ッ!?…さっきから話が見えないんだが!?…

てかこれ如何するの!?…」


ラグナスは兵士達に対して構えて見せると、それぞれ左右の手には何やら色の

付いた闘気?…オーラの様なモノが握って見せ!…右手には氷と思われる魔力を

溜め、左手には赤黄色のオーラを溜めて居る様な?…それはマサツグの記憶にも

残っている様子で有り、次には思い出す様に言葉を口に!…しかしそれは片方

しか分からない様子で戸惑い続け…もう片方は何?と困惑した具合に漏らして

居ると、一方でフィロとパルシィが静かに理解!…更には驚きも露わにする!…

そして改めてラグナスの実力を認めた具合に漏らして行くと、さも強者と言わん

ばかりに言葉を互いに口に!…しかしそんな事を言って居る場合では当然無く!…

それよりもこの状態を如何するか!?とマサツグが慌てて見せて居ると、そんな

マサツグの事など御構い無し!…フィロが興奮気味に語り始める!…


「あれはじゃ!!…炎の魔力を左手に溜めて居るのじゃ!!」


「ッ!?…炎ぉ!?…」


それは珍しいモノを見た!と言った様子で嬉々とすると、その赤黄色のオーラの

正体を炎と語り!…と、マサツグもそれを聞いて途端に驚いた様子で有り!…

氷を扱うのは見て居ると…しかし炎を扱って居るのはこれが初めて!…そもそも

そんな扱える素振りを見せて居なかった事に驚いて見せると、更にパルシィも

会話に参加!…そのラグナスの凄さを語り始める!…その際パルシィもフィロと

同じ様に珍しいモノを見たとばかりに目を輝かせると、若干興奮気味に語り!…


「そうだ!…右手に氷の魔力を溜め込み!…左手で炎の魔力を溜め込む!…

どちらか片方ずつなら魔術を齧った者なら簡単に発現は出来るが!…

二つ同時となると話は別だ!!…

それなりの魔力を消費する上に均等に魔力を溜めなければどちらかが

意味の無い魔力の塊になり途中で消滅するか!…

そのまま暴発して自分に返って来るかの二択なのだが!…それが無い!!…

綺麗に均等に分けられてちゃんと溜める事に集中出来て居る!!…」


「その上更に驚くべきは互いに相反する属性で魔力を溜めて居る事なのじゃ!!…

先程そのカキ氷娘が言った通り失敗すれば只のスカ!…

はたまた爆発が待って居るのじゃが…

反する属性同士でやると更に難易度が跳ね上がる!!…

体得するにしても数十年…いや、普通に修行をしても体得出来るかどうか…

それほどまでに珍しい技術なのじゃ!!…」


「へぇ~!……って、そんな事を言ってる場合じゃねぇ!!…あぁ~もう!!…」


やはり高度なテクニックである事をマサツグに話し!…ただ二つ同時に魔力を

溜める事すら困難である事を話して行くと、更にフィロも補足説明を口にする!…

と言うのも相反する属性同士だと尚の事難しい!と話して行くと、さもマサツグを

含めて三人揃って実況解説と化し!…実況席はマサツグの小脇と言った所か?…

とにかく二人は珍しく凄い!と…その練度の高さについて続けて話しをして行く

と、一方でラグナスはやはり激おこ!…その兵士達を始末しようと睨みを利かす!…

そしてそのラグナスを前に兵士達も委縮して固まってしまうと、逃げられない状態に

なって行き!…と、その様子にマサツグもハッ!と…フィロ達の説明から我に返った

反応を見せて行くと、慌ててラグナスの仲裁を!…


__ンバ!!!…ダダダダダダダダ!!!…


{…幾ら馬鹿にされたとは言え!…暴れるのはさすがに不味いだろう!!…

…結局あの武器が如何言う原理で出来ているのかは分からないが…

とにかく早く止めないと!!!…}


フィロとパルシィを抱えたままラグナスの前へダッシュ!…その際先程の説明に

ついて良く分からなかった!と考え出すと、今は如何でも良い!と一人自分で

完結し!…ただ勝手に思考を慌しくさせて居り!…とにかくラグナスを止める事

だけを考えて行くと、次にはフィロがふと思った事を口に…パルシィも続けて

話をする!…と言うのもポイントはマサツグが今現在進行形でフィロとパルシィ

を抱えて居る事で有り、パルシィも何かモジモジとして居る事で…


「……してマサツグや?…

わっち達は何時放して貰えるのかや?…

そろそろ降ろして欲しいのじゃが…」


「……私もそろそろ…

この格好で抱えられているのはさすがに恥ずかしい…」


「ッ!…え?…ッ!!…しまった!!…」


__ザザァァ!!!……スッ…


その答えと言うのもいい加減そろそろ降ろしてくれ!と…と言ってもフィロは

ただ疑問に思った程度で別に何とも思って居らず、パルシィだけが恥ずかしそうに

モジモジとしながらマサツグにお願いを口にすると、ここまで来てマサツグは

忘れて居た様子でハッ!と…慌てて脚を止めて行く!…そして二人揃って地面に

ゆっくりと降ろして行くと、マサツグはまたコントをする様に話しを口に!…


「んしょ!…」


「ふぅ…」


「まさか二人を抱えている事を忘れているとは自分でも思わなかった!…

…って、そんな事を言ってる場合じゃ!…」


この時二人はそれぞれ地面に降りるなり反応を口に!…そしてマサツグも馴染み

切って居た様子で忘れて居た!と…自身の忘れっぽさ?について驚きの言葉を

口にすると、もはや焦って居るの居ないのか?…またもやただ一人勝手に慌て

始める!…その際やはりコント紛いな反応を一々見せて居ると、当然その一方では

ラグナスが両手に魔力を込めたままその兵士達の方へと歩み寄り!…更にその

兵士達へ威圧を掛けて行って見せる!…


__タッ…タッ…タッ…タッ…


「あ!…あぁ!?…」


「…人の事を馬鹿にしておきながら結局その様か?……

だとしたら尚の事!…侮辱された気がして到底許せるモノではありませんね…

これから戦う闘士を馬鹿にすると言う事は!…

大会に参加する者全員を馬鹿にすると言う事!!…

…きっちり罰を受けて貰う!!…」


もはや言葉すらままならない様子で兵士達は完全委縮!…目を見開いてはその

表情を恐怖に染め!…しかしその一方でラグナスは情けない!とまた一言口に!…

それは兵士としての心構えがなって居ない!と言いたいのか?…はたまた喧嘩を

売って来たにも関わらず!…その責任の取り方がなって居ない事に腹を立てて

居るのか何方とも言えない様子を見せて行くと、更に怒りを露わに!…それは

獲物を追う目付きへと変わって行く!…その際兵士達は引け腰になりながらも

何とか後ろへ後退りをするが、当然ラグナスが追い詰め!…となるとそんな

鼬ごっこを繰り返され!…遂には覚束ない脚で逃げていたせいか…その場で尻餅を

着く様に転けてしまうと、遂に緊張の一瞬が訪れる!…


__ジリ…ジリ……ガッ!!…


「ッ!!…うわあぁ!?……」


「ッ!?…ちょっと待…」


__バタバタバタァッ!!…


「いつつつ!…お、おい!!……ヒィ!?…」


兵士の一人が転ぶとドミノ倒しの様に他の兵士達も巻き込んで倒れて行き!…戸惑い

慌てながらも自分達のお尻を摩って痛みに堪える様子を見せると、次には最初に

転けた兵士に文句を言い出す!…しかしそんな事をやっている間にラグナスが兵士達

へと迫って行くと、いつの間にかその手には武器が具現化されており!…それは

それぞれ剣の様に形を変え!…自身の頭より高々と掲げて後は振り下ろすだけの状態

でその兵士達の事を見下して行くと、更に兵士達は戦々恐々!…ガタガタと恐怖に

震え始める!…だがそれでも尚!…


「…覚悟しろよ?……

お前達がやった事は我々ライカンスロープ族の誇りに置いて!…

やってはならない事の一つだったんだ!!…

…それを犯した者は誰であろうと罰を受ける!!…

…そう言う決まりなんだ!!…」


「ま!…待って!!…俺達は知らなくて!!…」


「問答無用!!…」


__…ブンッ!!!…ッ!!!…きゃああああぁぁぁぁぁぁ!!!!…


ラグナスは人狼族としてやってはならない事!と言い出すと、やはり許さない姿勢を

崩さず!…と、その一方で兵士達は命乞いを口にし出し!…それこそ言い訳に必死に

なって!…徐々に集まり出した観客達に無様な姿を見せる事になって行くが、もはや

御構い無し!…とにかく命だけは!と頭を下げながらに訴えて行く!…だがそれでも

ラグナスは聞き入れなかった様子で突如目をカッと見開くと、次にはその手の武器を

兵士達に向けて振り下ろし!…と、その瞬間兵士達ももう駄目だと思ったのか防御の

姿勢を露わにして行き!…身を丸めて両腕で攻撃を防ぐ様子を見せて行くと、その

様子に集まって来たギャラリー達も悲鳴を!…と言うのも異変に気が付いた様で!…

今まさに最初からトンデモナイ光景が起きそうになって居ると、次の瞬間!…


__シュン!!…ガキイィィィン!!!…


「ウグッ!?…」


__ザザザァ!!!…ッ~~~……ッ!?…


突如辺りに何かが弾かれた衝撃音が辺りに響くと、ラグナスは少しバランスを

崩した様子でよろめき後ろへ後退!…何ならラグナス自身も驚いた様子で何が

起きた!?と…自身の手を見て次に何に弾かれたのかを見て行くと、そこで

シルビィが槍を手に兵士達の前で仁王立ち!…そして呆れた様子でラグナスの

事を見詰めている姿を見つけて行く!…するとその突然の出来事に先程悲鳴を

上げていたギャラリー達も今度は絶句する様に固まりその様子を見せて居ると、

何も痛みを感じない事で兵士達もそぉ~っと…となると今度は兵士達は兵士達で

マサツグの背中を!…大剣を盾代わりに構えるそんなマサツグの姿を見つけて

行くと、こっちもこっちで驚いて見せる!…状況から言うとラグナスの攻撃を

防いだのはシルビィで有り!…そのシルビィの後ろにマサツグが受け止める

体勢で兵士達を庇って居り!…恐らく来るのが遅いマサツグを心配してシルビィは

ここまで出て来たのであろう!…とにかく呆れた様子でラグナスの事を見詰めて

居ると、マサツグも一息吐いて見せる!…


「……ふぅ…ちょっと待っただ!…

ラグナス…少しやり過ぎだぞ?…」


「…そうですよ大馬鹿者?…

貴方が私の教えを守っている事には感心しましたが…

それをこの大馬鹿者と同等の愚行で分からせるのでは意味が違いますよ?…」


まさかのシルビィ参戦にマサツグは戸惑わずにその構えていた大剣を戻して行くと、

ラグナスに諭すよう言葉を口に!…と、それに続くようシルビィも言葉を続けて

行き!…槍を軽く横薙ぎに振り!…一度はラグナスの事を褒める様に話しをする

のだが、やり方が間違って居る!と…何ならそれでは同じ馬鹿!と同類扱いをして

見せる!…そしてまだ怯んで居るのかラグナスもフラ付くそんな素振りを見せて

行くと、頭を手をやっては左右に振って意識をハッキリとさせ出し!…


__…ポンッ!…ブンブンブンブン!…


「…ッ!…マサツグ殿に…隊長!?…

隊長が如何してここに!?…」


頭を左右に振った事で意識がハッキリして来たのか…次にはマサツグが兵士達を

守って居る事、シルビィが自身を見下して居る事にまた戸惑い!…と、同時に

自分が何を喰らったのかを思い出そうと!…戸惑いながらもこの状況について

説明を求める様に言葉を口にして行くと、シルビィは更に呆れた反応を…そして

不服とばかりに言葉を零す!…と言うのもやはり連れて来るのが遅かった様で、

心配をして居た事を口に…


「旦那様の案内を任せたと言うのに…

一向に連れて来ないので心配になり様子を見に来た次第です…

そして闘技場の外に出ればこの騒ぎだったので何事かと…

思って見てみれば貴方が問題を起こしていたので粛清…ッ!…

コホンッ!……お仕置きをと…」


「…今誤魔化そうとしたけど結局ハッキリと言っちゃってるよねぇ?…」


「………。

…さて、何の事でしょうか?…旦那様?…」


{この子恍ける気だー!……}


ここに来たのは偶然と話し!…その際騒ぎを起こして居るラグナスに粛清を!と

考えて居た事を吐露するのだが!…さすがに粛清はやり過ぎと感じたのか…

それでもお仕置きの言葉に言い換え!…結局は折檻をするつもりで居る事を口に

すると、その場でスンと澄まして見せる!…するとそんなシルビィの様子に

呆れた反応でマサツグもツッコミを入れて行くと、シルビィは間を開けてから

マサツグにニコッと笑って見せ!…と、そのままスラッ恍けて言葉を口に!…

となるとマサツグもそんなシルビィの反応を見て思わず戸惑った具合に…心の

中で更にツッコミを入れて居ると、一方でラグナスも怯みから復帰!…徐に

シルビィに謝り始める!…


「……すいません隊長…

少し頭に血が上っていたようです…」


「…いえ、別に構いません…ただ驚きました…

…あの掟破りを繰り返す馬鹿弟子がちゃんと掟を守るなど…

これは…明日はブリザードでございましょうか?…」


「ッ!…た、隊長~…」


ここで漸く自分でも冷静さを欠いていた事に気が付いた様で、頭を抱えながら

ラグナスは反省を露わに…と、その一方でシルビィも分かれば良い!とばかりに

ラグナスを許し!…その上で自分でも驚いた事を徐に口にして行くと、また

過去のラグナスの話を!…やはり許して居ないのか面白がる様に話しをする!…

その際余程珍しい事であったのか、明日の天気の心配もし始め!…と、そんな

シルビィの言葉にラグナスもやはりタジタジ!…止めてくれ!とばかりにやはり

強く出れない様子で情けない声を上げて行くと、次にはその元の問題となった

兵士達が!…


__……ッ!!…バッ!!…


「き、貴様等あぁ!!…よくも!!…

よくも俺達をコケにしてくれたなぁ~!!!」


「ッ!……は?」×5


突如我に返った具合でハッ!と、そして慌てて立ち上がり!…と、また虚勢を

張るよう懲りずにマサツグ達へ食って掛かるよう言葉を口にし始め!…

マサツグ達もそれを聞いて反応を…一斉に声を揃えて恍けて見せる!…それこそ

マサツグとラグナスは眉を顰める様にして反応をすると、シルビィは表情を

変えずに寝惚けて居るのかとばかりに言葉を!…勿論まだその場にはフィロと

パルシィも居る訳で!…二人も揃って何か呆れた様なそんな表情を見せて居ると、

更に兵士達は怒りを露わに!…


「ふぅー!…ふぅー!!…絶対に!!…

絶対に許さないからな!!!…」


「…まだやろうって言うのかよ……

ここまで来ると違う意味で大した奴だよ…」


__……シュウウゥゥゥン!!…タッ…タッ…タッ…タッ…


兵士達三人揃って我慢ならない!と言った具合に睨みを利かし!…そして肩で

息をして見せ!…と、まだ懲りて居ないのか強がる兵士達にマサツグも呆れ…

その呆れも通り越してもはや感心すら覚えるとばかりに零して居ると、徐に

ラグナスが行動を…その手に魔力を溜め始める!…そしてまたその兵士達に

対して向かって行くよう歩き出すと、またマサツグがラグナスを止めようと

するのだが…


「…ッ!?…ラグナス!?…」


__ッ!…スッ…


「ッ!?…シ、シルビィ?…」


「大丈夫です…見て居て下さいませ…」


マサツグが兵士に向かって行くラグナスの様子に気が付いて行くと、慌てて前に

立つようブロックをしようとするのだが!…しかしそれを止める様にシルビィが

マサツグの前へ!…と、逆に邪魔をされた事でマサツグは戸惑い!…その真意を

シルビィに尋ねるよう声を掛けて行って見せると、シルビィは心配は要らない!

とばかりに返事…ただ見守る様にフッと笑いながら言葉を返す…そしてその一方で

ラグナスは再びその兵士達の前に立つと、また兵士達は慌ててふためき!…が、

やはりそんな兵士達の事等お構いなし!…今度は斬り掛かるのではなく武器を

突き付け!…いい加減に懲りろ!とばかりに叱咤すると、再度睨みも利かせて

行く!…


__ブンッ!!…ヴォン!!…


「ッ!?…ヒィッ!!!…」


「…全く!…本当に情けない!!…よくそれでここの兵士が務まるだ!…

…今先程お前達は私達に許さない!と言って居たが…

逆にこちら側からすればお前達に許しを乞う必要など一切無いのだ!!…

…それでももし!!…本当に許せないと言うのであれば!!…

我々と同じ闘士としてあの闘技場に立ち!!…

自分の腕でその汚名を雪いで見せろ!!…

…それ位の度量が無ければお前達は一生!!…

そこで負け犬の様に這い蹲って居るだけに終わるがなぁ!?…」


またラグナスに武器を突き付けられると兵士達は委縮!…そして情けない声も

漏らして行き!…しかしラグナスはそんな事等構わずに言葉を口にして行き!…

そもそもこの喧嘩を吹っ掛けて来たのはそっち!とばかりに!…まだ喧嘩を

売って来るようなら同じ舞台に上がって来い!と面と向かって文句を言うと、

その言葉に対して何も言い返せないのか…次には苦虫を噛んだ様な表情を浮かべる。


「ッ!?…グッ!!……ッ~~~……」


__ッ!!…ワアアアアァァァァァァ!!!…ッ!…


そして徐々に力無く俯くそんな様子を見せて行くと、遂には兵士達が意気消沈

してしまい!…と、その一方でやはりそのやり取りを見ていたギャラリー達は

ラグナスに羨望の眼差しを!…と言うのも大会に出る闘士と分かり!…人狼達が

黄色い歓声を上げるそんな素振りを見せて居ると、マサツグも改めて理解!…

本当にこの闘技場は神聖な場所である事を再認識する!…さてそうして一通り

やっとその兵士達とのケジメを着けると、ラグナスはその兵士達に背を向けては

戻って来て!…


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…


「…さて!…色々と揉めてしまい申し訳有りません!…

では改めて闘技場の中へと案内します!」


「あ?…あ、あぁ……」


__ザッ…ザッ…ザッ…ザッ……チラッ?…


{…余程さっきの言葉が堪えたのかな~?…

全然動く気配を見せないな…}


ラグナスは戻って来るなり何事も無かったかの様に振舞って見せると、改めて

マサツグ達をその闘技場の中へと案内をし始め!…と、そのラグナスの切り

変わり様にマサツグも戸惑い!…何かヤンキーの様な返事の仕方をしてしまうと、

更に戸惑いを露わに!…それでもラグナスについて行く!…その際チラッと

言い負かした兵士達の様子も見て行くと、そこにはもう立ち直れない程に

沈んでいる様子がそこに在り!…と、そんな様子にマサツグも思わず心配を!…

口には出さずただ心の中でポツリと呟くそんな事を考えて居ると、一方では…


「…全く!…貴方はいつまで経っても変わりませんね?…

仕事が遅い上に言い訳をする!…

いつになったら独り立ちしてくれるのですか?…」


「え?…わ、私ってまだ…

隊長から独り立ちしてない事になっているのですか?…」


「あははははは…」


シルビィがラグナスに対して文句を口に!…何も成長して居ない!とばかりに

言葉を零すと、そのシルビィの言葉にラグナスがショックを!…何ならまだ

独り立ちも出来て居ない様子で続けて言われ!…そのシルビィの言葉に思わず

問い掛けるよう質問を口にして行くが、シルビィからの返事は無い!…ただ

沈黙は肯定とばかりに流されてしまう!…となると更にショックを受けた様子

でラグナスが落ち込むそんな反応を見せて行くと、マサツグもただ苦笑いを

するしか無く…と、次には徐々に鉄格子状の上下開閉式の扉が見えて来て!…

その鉄格子から漏れ出る光に何か心無しとワクワクする感情を覚えて行くと、

同時に闘志を燃やす!…ここからが本番!と意気込むのであった!…

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