どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん

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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章五十二節 伝説の闘神の姫と圧巻の第四試合とフィロの聞き耳-

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割れんばかりの歓声が上がっている中!…

司会が大興奮で語る[闘神の姫]が遂にゲートから姿を現すと、

マサキやくまさんが呆気に取られる!…

と言うのもまず目に付くのはその格好から気になる訳で、

何故かクラシカルなメイド服を着て居り!…

そして決して派手なパフォーマンスをする事無く、

静かに闘技エリアに入場して見せ!…

両手で槍を握り姿勢を正して凛と澄ます様な…

そして次にはやっと槍を持ち直して一振りする!…

とにかく静かな立ち上がりを露わにすると、

司会及び観客達を魅了する!…

この時その異様なまでのお淑やかさに!…

誰もが思わず息を呑んだ反応を取って見せると、

フィロは一人驚きの声を上げ!…


「え?…えええぇぇぇぇ~~~シルビィじゃとおぉ~!?…

た、確かにあやつは出来るとは思って居ったが!!…そんな素振りは!?…」


「…だとすると魔王にも悟らせない位の演技力が有ったって事じゃないのか?…

シルビィ自身何かと隠している節が多々有ったし…

…と言うより前々からそれっぽい事を言っていたと思うが?…

…まぁ…俺もここまでシルビィが多芸だって事は知らなかったけど…」


「ッ!?…何と!…

わっちほとんど話を聞いて居らなかったから…

チンプンカンプンなのじゃ!…」


伝説の[闘神の姫]の正体…察しの良い者なら既に分かって居た事であろう!…

その正体はマサツグの従魔であるシルビィであり、

フィロは全く気付いて居なかった様子で本気の驚き様を露わにすると、

くまさんやマサキに対してまるで子供に戻ったよう!…

シルビィを指差しながら慌てて見せる!…

するとそんなフィロの様子にモツが苦笑いをしながら話しに混ざると、

シルビィがそれだけ隠し事が上手かったのだ!と…

と言っても色々と話して居た事から然程隠しては居なかった様子で、

更に笑い!…その事実を聞いてフィロは最初から!…

興味を持って居なかった事を口にすると、やはり子供の様にお道化るおどける

一方で司会がシルビィの本名を口にする!…


〈アレクシスホワイトファング!!!…ここに見参んん~~~!!!!〉


__ボワアァァァァンンン!!!!……


__オオオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!…


「………。」


堂々とシルビィの名前を闘技場内に響かせて行き、

今度はそれが試合開始の合図とばかりにドラの音も響かせ!…

するとそれを合図に闘士達が一斉に動きを見せ始めると、

やはりあの張り紙の効果でか…

一斉に畳み掛けるよう波となって突貫し出し!…

シルビィに向かい襲い掛かるようその手の武器を振り上げて見せるが…

シルビィは一切慌てる事無く落ち着いた様子!…

そしてスッと独特の槍の構えを露わにする!…

それはこの状態に対してまるで退屈と言わんばかりに!…

冷めた表情を浮かべて行くと、

次にはまるで獲物を狩る様に躊躇いの無い一撃を放ち始め!…


__ヒュン!!…バキィィィ!!!…


「ッ!!!…ブハアアァァァ!!!…」


__ヒュン!!…ドザアアァァァァ!!!…ッ!?!?……


まずは自分に近付いてきた一人の闘士の顔面に向けて一突き!…

勿論まるで狙い澄ました様子に鼻骨を狙い!…

と、この時一応相手を気遣っては柄の方で突いて行き!…

突かれた方もその一撃でいとも簡単にノックアウト!…

他の闘士達にもたれ掛かる様にして後ろへと吹っ飛び倒れて行くと、

そのシルビィの槍捌きを目の前に!…

まるで時が止まったかの様にピタッとその動きを止めて行く!…

その際一突きで倒された闘士はまるで死んだ様に、

その場からピクリとも動かなくなり!…

そうなると更に余分な戦慄を生み!…

全く衰えていない槍捌きにまたまた畏怖を持ち出し!…

闘志達が何かマゴマゴとする様なそんな反応を見えて居ると、

一方でシルビィは闘士達に声を掛け出す!…


「…さて、皆様……」


__ッ!!!……ザザッ!!…


「私としましてはこの様な前座に時間を割いている暇はありません…

本来ならここで問答無用で叩きのめして差し上げるのですが…

この後の事を考えると少しでも体力を残しておきたい…

…ですのでここで一つ提案がございます…

…皆様方には今回の大会を諦めて頂きたいのです…」


たった一人を倒しただけで場を制圧!…その在り様に観客達も驚きを隠せず!…

と、その一方でシルビィは丁寧に言葉を口にし出し…

まるで闘士達に問い掛けるよう全員に対して皆様と言って見せると、

そのシルビィの言葉に闘士達も警戒!…

何なら若干後ろに下がる様な反応も露わにする!…

しかしシルビィは構わず自身の話しを続けて行くと、この戦い自体を前座!と…

何なら他の闘士達を全く敵としても見て居ない様子で話して行き!…

全員にギブアップを勧める様に!…

ただ淡々と構えを乱す事無く話して行くと、それを聞いて居ると闘士達を騒然!…

困惑の渦へと飲み込んでしまう!…


__ッ!?…どよ!?…どよどよ!?…


「勿論嫌だと言うのなら仕方がありません…排除します!…

ですが今ここで戦闘を放棄すると言うのならその命だけは…

私が見逃して差し上げましょう…

…さぁ…ご懸命な判断をお願いします…」


__どよどよ!?…どよどよ!?…


「…出来れば早めに決めて頂きたいのですが?……」


当然闘士達はそんな話をされた事で戸惑い続け!…

一応戦っている最中だと言うにも関わらず隣の闘士と相談し合う様な反応を見せ!…

が、だからと言ってそのまま言われた通りに負けるのも釈然とせず…

各々どうしたら良いのか分からなくなり!…

ただただ戸惑う様にしてどよめき合って見せて居ると、

シルビィはそんな闘士達に対して判断が遅い!と…静かに圧を掛けて行く!…

それは私は短気!と言わんばかりに若干声を低くしてスッと漏らすと、

それを聞いた闘士達は更にどよめき!…

が、その一方でやはり物ともしない様子で動く者も当然居り!…

静かにシルビィの背後へ回り!…

その手に武器をしっかと握って今がチャンス!とばかりに振り被ると、

次には勢い良く飛び出して行く!…


「…シャアッ!!!…」


「……遅いです…」


__シュン…バキイィィィィ!!!………バゴォォォォオンン!!!


何なら貰った!とばかりに声を上げながら襲い掛かって行くのだが、

シルビィは当然把握していたとばかりに呆れ…

何ならその闘士に対して言葉をポソッと…

そして振り返り様にそのまま槍で薙ぎ払って迎撃をして見せると、

その一撃は見事にクリティカルヒット!…

その襲い掛かって来た闘士の右頬を捉えて行く!…

するとそこからはまるで野球の様に!…

その闘士が打ち流され吹き飛んで行くと、

そのまま受け身を取る事無く!…観客席側の壁に向かって衝突して行き!…

となるとこれまた闘士達は戦慄して青褪め!…さも勝てない!…

或いは殺される!と言ったそんな表情を浮かべて行くと、

武器を地面に落として戦意喪失!…その場に屈服するよう崩れて行く!…


__ドサッ!…ドサッ!…カラン!!…ガラガラガラガラ!…


「ッ……。」


「…ほほぅ?…これが伝説の[闘神の姫]と呼ばれた者の実力か!!…

その戦意を挫くだけの圧倒的実力を持ち!…

その言葉には重みを持たせ、相手を無力化してしまう!…

まぁ言うだけなら大した事はしていない様に聞こえるモノだが…

それを否応無しにやらせるとなると相当な殺気を纏わねばならん筈じゃ!…

しかしそれを最小限に抑えては!…周りの者観客達を無闇に刺激しない!…

…ここまで出来る様になるには相当な修練が必要な筈じゃが?…

シルビィの奴は完璧に出来て居る!…

一体ここまでの事をやるのに何をして来たのか?…

…うぅ~ん…少しあ奴めの事が気になって来てしまうのぅ?…」


「…どちらにせよこれがシルビィの本当の実力って事だろ?……

寧ろ俺からしたらこれをペットにする事に成功したヤブの実力の方を疑うが…」


闘技エリア内にただただ武器が転がる音だけが響き始める!…

そしてそれを黙ってシルビィがジッと見詰める様に立って居り…

観客席側でも何が起きて居るのか全く理解出来て居ない様子で呆然…

とても試合中とは思えない光景を露わにすると、

ここでフィロがその実力を認めたよう!…

不敵に笑いながらに言葉を漏らす!…

その際一体何が起きて居るのか?を解説する様に話しをすると、

それを隣で聞いて居るくまさんとマサキはポカ~ンと…

まるで話に付いて行けず!…

聞き流す様にしてさも石化した様に固まって居ると、

モツもその話を聞いて反応を!…

改めてマサツグが可笑しい!と苦笑いをする!…

さてそこからはもはや消化試合と言っても過言では無く…

戦う事を選択した闘士達は果敢にもシルビィへ向かって行くが、

呆気無く地面を舐める事になり!…


__ドサッ……ドサッ……


「…ふぅ……さて…

もう戦おうと考えている闘士は居ない様ですが…

まだ続けると言うのですか?…

…だとすると後は…誰を倒せば?…」


__ッ!!…ボワアァァァァンンン!!!!……


「………。」


結局シルビィはまるでマサツグと同じとばかりにその場から一歩として動かず!…

闘士全員を見事に屈服!…及び全滅させる事に成功し!…

と、それでも終了を告げない事に疑問を持ち!…

その視線をスッとそのドラ係の方へと向けて行くと、

次にはそんな視線を向けられた事でドラ係もハッ!と…

そして慌てて試合終了の音を鳴らして見せる!…

するとシルビィもそれを聞いて漸くスッと視線を戻して行くと、

次には一人その場を退場し始め!…

その際感情等も何もかもを置き去りにされたよう…

その場の全員が戸惑った反応を見せて居ると、司会もハッと我に返ったのか!…

それでもやはり戸惑った具合に言葉を漏らす!…


〈……ッ!…え…えぇ~っと…な、何が起きたのかは分かりませんが…

アレクシスホワイトファングがこの第四試合を一人で勝ち上がり!!!…

その伝説振りを我々に見せてくれましたあぁ~~!!!!…

先程その様子を目の当たりにしていた筈…なのですがぁ…何が何だか分からず!…

如何実況したら良いか未だに困惑しています!!!…ですが!!…

これでトーナメントに出場する闘士十二名が決まりました!!!…〉


この時正直な感想を口にするがそれでもシルビィが勝ち上った事を話し!…

これが伝説の所以なのか!?と言った具合に無理やり場を盛り上げようとすると、

改めてこれにてバトルロワイヤルは終わった!と…

続けてトーナメントの選出が決まった事も続けて話す!…

そして司会が一度黙ってその手元で情報を纏めて居るのか、

マイク越しに若干の雑音が混じり…

と、マイクを使って居るのかも分からないのだが…

それでも数分と掛からず!…

直ぐにその話をするよう一度咳払いをして見せると、早速本題に入って行く!…


〈…ヴォホン!!!…

第一試合ではワンマンショーを見せた人間の闘士…

マサツグとそのワンマンショーに辛うじて耐えたハドンとゴメス!!…


第二試合では二人の美しき戦姫が見せた圧倒的殲滅力!!!…

オリハとリーナ!!!…

そしてこれまた辛うじて立っている事が出来たゴライアス!!…


第三試合では我等がヒーロー…

ラグナストロワとその愉快な仲間達、ディンゴとクラバス!!!…


そして第四試合では良く分からないままに

試合を早期決着に導いた伝説の闘神姫!!!…

アレクシスホワイトファングのみとなっております!!!…〉


司会はまた今までの戦いを思い出させる様に語り出すと、

まずはマサツグの名前を口に!…

そしてオマケと言った具合に他二名の名前を続け!…

次に第二試合の話に入り!…オリハとリーナの名前をそれぞれ!…

そしてまたここでも生き残った者の名前を口にすると、

大いに盛り上げようと必死になる!…

そこから第三試合に入って行くと、気合を入れる様にラグナスの名前を口に!…

と、ここでもやはりオマケとばかりに他二名の名前を挙げて行き!…

最後に先程の第四試合!…

やはり人狼贔屓が有る様子でシルビィの名前を誇張すると、

以上で選出を決定させる!…

さてそれらの紹介を受けて観客達もまた熱を取り戻す様に盛り上がると、

また割れんばかりの歓声を!…


__ワアアアアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!…


〈…尚、本来なら後二人決まる筈が第四試合に出た闘士が

全員戦意喪失しており!!…代わりにリザーブから二名が出場との事!!…

…この二名に関してはまだ隠して置きたい!と…

マグダラス様の意向で伏せさせて頂きます!!!…

…さぁ、今後の戦いに更なる波乱が待って居るのかぁ!?…

これは要チェックです!!!…

…では、一度休憩を挟みまして皆様方は今の内に食事や

おトイレの方を済ませて置く事をお勧め致します!!!…ではでは!!…

午後からのトーナメントの方もよろしくお願い致します!!!…〉


そうして午後からもまだ楽しみがある!と…となると司会も更に説明を続け!…

この時に人数が足りない事についても触れて行くと、

またしても不穏な名前を口に!…当然その事について明かされる事も無い様で…

以上で話を終える様に一旦休憩に入るよう最後に言葉を残して行くと、

徐々に落ち着きも露わになる!…

さてそうして全体が一旦休憩を取る様に色々と動きを見せて居ると、

次にはモツ達も先程の話が気になった様子で心配をし始め!…


「……クソッ!…やっぱ甘くは無いか!…

誰か分からなくても周りの反応でどんな奴なのか位分かれば!…

ヤブに伝える事が出来たろうに!…あのクソジジィ!…」


「…確かにそれも気になるけど…それよりかよね?…

さっき楽しみの為って司会は言っていたけど…本当にそうだとは限らないし?…」


「ふむ…確かにそうだが……ッ!…

結局分からない以上こっちもどうしようもない…諦めるしかないな…」


と言うのも先程の話から何を仕掛けて来るのか?と…

やはり先程言って居た控えの選手の事が気になり!…

モツ達の方でも警戒の色を露わにすると、はぐらかされた事にムッ!と…

そしてそれがマグダラスの差し金である事に文句を漏らし!…

アヤもそんなモツの反応を見た上で!…

何故名前を伏せたのか?について疑問を持つと、悩んだ様子で腕を組む!…

するとそんな二人の会話にパルシィまでもが興味持つと、

そのアヤの言って居る事にその通り!と答え…

と、次にはふと何かに気が付いた様子でピクッと反応!…

分からない事を考えても仕方が無い様に話して行くと、

アヤが悩んだ様子のまま食い下がろうとするのだが…


「うぅ~ん…でも~?…」


「…それよりさっきから気付いているか?…

あそこの席に座る五人組…」


「ッ!…え?…」


やはり気になるのかアヤは言葉を!…

それこそ何か控えの選手に対して嫌な予感が働いている具合に話そうとすると、

次には遮る様にパルシィが言葉を!…

その際その前に警戒すべき者達が居る様子で不審な表情を浮かべて見せ!…

そしてふとモツ達にある方向を見るよう静かに氷で素早く矢印を作って見せると、

その方向を見る様に指示!…モツ達もそれに気が付いた様子で視線を向ける!…

するとそこにはまだ興奮冷め止まない人狼達に交じって!…

暗い色をしたローブを身に着ける五人組が観客席に座って居るを見つけて行き、

それを見てふと何か不気味に感じ!…

何なら五人共深々とフードを被っては容姿を全く見せず!…

まるで静かに隠れるよう…

モツ達のそんな五人組を見てアレは何?とばかりに感じていると、

更にパルシィが言葉を!…


「…恐らくあの者達はお前達と一緒の人間達だ。」


「ッ!?…え!?…」


「ここは人間嫌いの人狼達が集まる住処!…

幾らあの様にフードを深く被っているとは言え…

人間達より鼻が利く人狼達が反応しないとは何かおかしい!…

注意はしておいた方が良いぞ?…」


「ッ!!…ッ……」


この時パルシィは既に!…

そのフードを被って居る五人組の正体を軽くではあるが看破している様子で、

その正体を人間達と語り!…

と、そんなパルシィの言葉にモツ達も当然困惑を色を見せ始め!…

同時に戸惑いの言葉も思わずポロッと零して行くと、

パルシィはその五人組を見る事無く警戒の言葉を!…

場所的な意味も含めて注意を促す!…

するとそれを聞いて更にモツ達がハッとした様子で!…

再度悟られないようチラッと見ると、相手の様子を伺うのだが…

しかし幾ら確認した所で動きは無く!…

余計に何か不気味さだけが際立つそんな印象を受けて行くと、

ただ戸惑う事しか出来なくなる!…


さて、同じ観客席にてまた別視点!…と言うのも直ぐ近くに居るくまさん達が!…

ふとある事に気が付いた様子で反応をすると、モツ達は騒然として見せ!…


「…ッ!…あれ?…そう言えばフィロちゃんは?…」


__ッ!…え?…×4


「ッ!…い、いない!?…護衛の勝負をしていると言うのに!!…

玉藻の前は何所に!?……ッ!?…まさか、勝負を放棄して逃げたのか!?…」


「い、いやそれは無いと思うけど……本当に何所に行ったんだ?…

…ッ!…ま、まさか?…い、いやそれも無いと思いたいが?…」


この時くまさんが気が付いた事と言うのもフィロが居ない!と言う事であり、

誰もこの事を言われるまでフィロの姿が消えて居る事に疑問を全く持って居らず!…

と、ここで言われて初めて気が付いた様に反応して行き!…

特にパルシィが動揺を大きく露わに!…何なら逃げたのか!?とまで疑い出すと、

モツがツッコミを入れる様に無いと言う!…

と言うのもあの負けず嫌いが早々逃げる訳が無い事を考えると、

普通に心配をして行き!…何ならあの秋羊雲オータムクラウド国の事を思い出し!…

よもやまた誘拐されたので!?と思わず考えてもしまうのだが!…一方…


__カロン!…コロン!…カロン!…コロン!…


「ふん~ふふん~ふふ~ん♪…

さすがはマサツグ達じゃったのぅ!!…

圧倒的強さで雑兵を蹴散らす姿はまさに痛快!!…

…まぁ、迫力には欠けたが楽しい闘技じゃった!!」


__……~~~…ッ…~~…ッ!…ピタッ!……ッ?…


その肝心の姿を消したフィロはと言うと、闘技場ゲートの付近に姿を移し!…

まるで我が物顔で闘技場内を意気揚々と跳ね回って行くと、

観客席で心配をしているモツ達の事など御構い無し!…

とにかく控室に居るマサツグの元へと向かっていた!…

何なら先程位のマサツグが出ていた第一回戦を思い出すと、

一人上機嫌に笑って見せ!…と、その道中ふと何やら話声が…

フィロもそれを耳にして途端にピタッと…

興味を持った様子で脚を止めると、次には聞き耳を立てて行く!…


「のじゃ?…何やら声が……ここからかや?…ふむ、どれどれ?…」


「……おい!…

本当にアイツ等を大会に出すのか!?…

最悪死人が出る事になるぞ!?…」


「おい声がデカイ!!……俺だってそう思ったさ!!…

…でも、マグダラス様が大会を盛り上げる為だからって!!…

ワザワザ城の地下牢から引っ張り出して来たんだ!!!…」


{ッ!…マグダラス!…あのしょうもない半端なガキの事かや?…

…と言う事はもしかするとじゃな?……どれ?…

もう少し話を聞いてマサツグ達への手土産とするかや?…

…あわよくば!…くっふふふふふ♪……}


足音も殺す様にして移動して行き!…

そして何やら話声が聞こえて来る方へと向かって行くと、

そこで何やら中から光が漏れ出て居る扉を見つけ!…

となるとフィロも察した様子でその扉へと近付き!…

そっとその若干開いて居る扉の影に隠れるようしゃがみ込んで行くと、

次には勿論聞き耳を!…詳しい話を盗み聞く!…

すると中からは何やら物騒な話声が聞こえて来ると、

その話をして居る本人達も慌てて居り!…

と、話を聞く限り如何やらあの控え選手の話をして居る様であって!…

ここでもマグダラスの名前もポロッ!と…

となるとその名を聞いてフィロも更にピクッと反応をして見せると、

これはチャンス!と言った具合に居座り始める!…

そうしてそこから聞けた話の内容と言うのは…


「報酬は刑期の減刑…一人倒す毎に一年だってよ!?…」


「い、一年!?…た、確かにそれはデカイけど!…

それって焼け石に水なんじゃ?…

だってアイツらの刑期は百年以上ばっかで!…

…それにアイツらだって!…

そう言う話をした所で素直に言う事を聞く筈が!…」


「……それがマグダラス様が今回の大会に付き!…

闘士をウッカリ殺しても罪には問わないって言ったらしい!!…」


{ッ!…何じゃと?…だとするとマサツグやオリハの心配は無いじゃろうが…

あの猪娘とシルビィと腰巾着…そこら辺が心配になると言った所か!…

これは少し面倒になりそうじゃ~!……早くマサツグにこの事を伝えねば!…}


やはり始末を目論んでいるマグダラスの思惑の内容であり、

その囚人達の報酬と言うのも減刑の様で…

と、その話を聞いて相方の兵士も驚きを露わにして見せ!…

しかし次にはそれも無駄なのでは?と…

その出場する囚人達の刑期の話をし始めると、

如何に重罪人なのかを続けて話す!…

何でもその刑期と言うのは百を超えているらしく、

例え自分以外を全員倒したとしても減刑11年と言い!…

何ならそれで言う事を聞くとは思えない!と兵士は続けて語り!…

だがその話をし出した兵士もまるで!…

その囚人達がさも快楽殺人鬼であるよう!…

ある条件に食い付いた事を話して行くと、

フィロもそれを聞いて事態を理解!…マサツグに伝える事を即決する!…

となると急ぎその場を後にしてマサツグの所に向かおうとするのだが、

最後の最後で詰めが甘い所を露わに!…


__…スッ…カロン!…


{ッ!?…しま!!…}


「ッ!?…だ、誰だ!?」


「おい!!…話を聞かれたかもしれないぞ!?」


「とにかく捕まえるんだ!!」


フィロは立ち上がってその場を後にしようとすると、

自身の履いて居るこっぽりが小気味よい音を立て!…

と、気が抜けて居た様子で音が立ってしまった事にフィロは慌て!…

中で話をして居た兵士達もしっかり!…

その音を耳にした様子で反応をすると、同じく途端に慌て始める!…

そしてその音の様子から直ぐに外部のモノと察知した様子で!…

慌てて捕まえる事を口にすると、勢い良くその部屋から飛び出して見せる!…


__バアァァン!!!……ッ?…


「…い、居ないぞ!?…」


「そんな訳がない!!…

アレは間違いなく人の足音だ!!…

二手に分かれて探すぞ!!!」


「あ…あぁ!!!…」


__ダッダッダッダッダッダッダ!……


しかし次にその部屋から飛び出して来た兵士達が見たモノと言うのは、

何の変わり映えもしない…いつのも闘技場の廊下で…

辺りを見回した所でその怪しい人影等は何処にも無く!…

互いに疑問を持ちながらもやはり慌てながら二手に分かれる事を口にすると、

フィロの事を探し始める!…

そしてそのままその部屋の付近を二人とも後にして行くと、

フィロも自身の身の安全を確実にした所でフッと姿を現し!…


{……行ったようじゃな…}


__……バッ!!…スト…


「…ふぃ~!…一時はどうなる事かと思ったが…

案外忍者の真似事も役に立つ時が有るモノなんじゃな?…

…まぁあの阿呆共の目が節穴で助かったと言う事も有るが…

それより本当にあれは犬なのかや?…わっちの馨しいかぐわしい匂いにも気付かんとは…

…っと!…そんな事を言っている場合ではない!…

早くマサツグ達にこの事を教えてやらねば!!…」


__スゥ…カッ!…カッ!…カッ!…カッ!…カッ!…


因みにフィロが隠れていたのはすぐ頭の上の天井で有り!…

さも忍者さながらに張り付き兵士達をやり過ごすと、

今度は音を立てる事無く着地!…そしてホッと胸を撫で下ろして安堵する!…

何ならそれでバレなかった事に本人も正直驚いた様子で言葉を漏らすと、

ついでとばかりにその兵士達の事を小馬鹿にし!…

が、次にはそんな事を零している場合では無いと自己完結して行き!…

直ぐに慌てた様子でパッとマサツグ達の居る控室の方を振り向いて見せると、

身構えるなりバッと駆け出して行く!…

それこそ今度はこっぽりの音を気にする事無く、しかし兵士達には注意し!…

そしてその後は難なく到着!…

急ぎ駆け込むよう勢い良く控室の中に入って行くと、そこで奇妙な光景を!…


「…ッ!…着いた!!」


__バアァァァンン!!!…


「マサツグ!!…話がぁ!!……って、んん?…」


__カァ~~~~~ン!!!…


「お前は何でそう!!…女王の事となると向こう見ずになるんだ!?…

まぁ…確かにあの状況下で話を持ち出した俺にも非は有るが!…

それにしてでも!!…ちっとは俺達の事を信用しろっての!!!…」


「あああぁぁぁ~~~~~~~!!!♥♥♥」


フィロが目した光景と言うのは、

マサツグがシルビィにコブラツイストを掛けている!…

何ならシルビィも恍惚とした表情でもはや!…

快楽に溺れる様な声を上げる、何とも卑猥?な様子であった!…

その際マサツグは折檻としてシルビィに技を掛けて居るのだが、

シルビィは愛の鞭!と受け取っている様子で!…頬を染めては歓喜に震え!…

さももっとして欲しい!とばかりに全力で尻尾を振って見せると、

その様子にラグナスはドン引き!…オリハは呆れて頭を抱える!…

因みにリーナも絶句した様子で固まって居ると、ただ茫然と立ち尽くし!…

そしてそんな様子を目にしてフィロも思わず固まってしまい!…

これは何?とばかりに戸惑って居ると、

ラグナスがドン引きしながらもマサツグを止めに入り!…


「マ…マサツグ殿!?…ストップ!!…ストップして下さい!!!…

こんな隊長見るに堪えません!!!!」


「…ッ!!…そ、そうだぞマサツグ!!!…確かに気持ちは分かるが!!…

この後も色々とまだ戦いが残っているのだから!!…

ここでシルビィを締め落としては駄目なんだぞ!?…」


「フゥ~~ン!!!…ギブ!?…ギブ!?…」


「の、NO~~~~~~!!!!♥♥♥」


もう見て居られない!とばかりラグナスが必死に懇願!…

何なら自身の本音も漏らし!…

と、ここでリーナもハッと我に返ってラグナスの助太刀!…

一応マサツグの気持ちも汲み!…

その上でまだ大会が終わって居ない事を必死に話して!…

シルビィを解放するよう続けるのだが、マサツグは放さない!…

寧ろノリノリで問い掛け始める!…

するとその問い掛けに対してシルビィもまだ懇願する様に返事をすると、

もう混沌を極め!…と、そんな様子を目の前に!…

自分はここに何をしに来たのか?と…

思わず目的を忘れそうになっていると、それでもフィロはハッ!と…

目的を思い出すなりマサツグを止めに入るのであった!…

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俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

実家にガチャが来たそしてダンジョンが出来た ~スキルを沢山獲得してこの世界で最強になるようです~

仮実谷 望
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とあるサイトを眺めていると隠しリンクを踏んでしまう。主人公はそのサイトでガチャを廻してしまうとサイトからガチャが家に来た。突然の不可思議現象に戸惑うがすぐに納得する。そしてガチャから引いたダンジョンの芽がダンジョンになりダンジョンに入ることになる。

ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった

海道一人
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二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。 ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。 そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。 主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。 ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。 それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。 ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。

私のスキルが、クエストってどういうこと?

地蔵
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スキルが全ての世界。 十歳になると、成人の儀を受けて、神から『スキル』を授かる。 スキルによって、今後の人生が決まる。 当然、素晴らしい『当たりスキル』もあれば『外れスキル』と呼ばれるものもある。 聞いた事の無いスキル『クエスト』を授かったリゼは、親からも見捨てられて一人で生きていく事に……。 少し人間不信気味の女の子が、スキルに振り回されながら生きて行く物語。 一話辺りは約三千文字前後にしております。 更新は、毎週日曜日の十六時予定です。 『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しております。

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