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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章六十九節 語られる原因と譲れないモノと純真の一撃-

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マサツグとオリハの準決勝は無事に?終わり…観客席から飛び出して来たモツ達も

その観客席に戻れず二人と同じゲートへ戻って行く事になってしまうと、共に闘技

エリアを後にする。その際腕を負傷したマサツグ達は取り敢えず布切れでその傷を

止血をすると、疲れたと言った表情を浮かべるのだが…しかしこの話はまだ

終わらず!…その帰り際にモツからある質問を受けた事でマサツグとオリハの二人

がビクッとし反応を露わにすると、更に話しはややこしくなる!…


「……そう言えば何であんな大喧嘩をしていたんだ?…

あんな大事になるって事はそれなりの事が原因だったんだろ?…」


__ビクッ!!!…×2


「ッ!……原因を教えてくれないか?…

色々気になるし、それにくまさんからもよろしくって言われているし?」


「え…えぇ~っと?……」×2


と言うのもそのモツの質問と言うのは言わずもがな二人の喧嘩の原因で、一体何を

すればあんな大喧嘩になるのか?と…と、そう問われた瞬間二人はビクッと反応を

示し!…互いにそっぽを向き何やら答えたくない!と言った慌てる表情を浮かべて

見せると、モツも更に追及をする!…その際原因究明についてくまさんからの指示

でもある事を話して行くと、二人は更に冷や汗を掻いてはぐらかそうと言葉を

漏らし!…それはまるで自分達でもしょうもない理由と分かっている様子で、

やはりどうにも答えたくない!と言った反応を見せて行くと、この時モツの事を

チラリ…


__チラッ?…ッ!?…くま~~~!!……パキパキッ!…パキパキッ!…


するとこの時可笑しな物がマサツグの目に!…それはモツの背後から幽波紋スタ○ドが!…

と言うのは勿論冗談で有り!…しかしくまさんの影がスッと姿を現し!…マサツグ

の事をジッと見る様に視線を向けると、何故かにニコッと笑って見せる!…そして

徐々にそのくまさんの両手も影として見えて来る事になるのだが、くまさんはその

両手を重ね出すとパキパキ!と関節を鳴らして見せ!…それは今ここで言わねば

痛い目を見る事になる!と脅迫をする様に圧を放ち!…マサツグもそれを見て何か

命の危機を覚えて行くと、次には一人勝手に苦悶!…そして誤魔化す事を諦めた

具合に訳を話す!…


「ッ!!!…ッ~~~!!!…だああぁぁもう!!!…

…分かったよ!…話す、話します!!…原因はシロの事だ…」


「……シロの事?」


「ッ!!!…ちょ!?…兄さん!?…」


見事にくまさんの幻影の前に気圧された様子を見せて行くと、遂にはマサツグが

ギブアップ!…その際まだ本人くまさんには話して居ないから大丈夫!と言った具合で

諦めて見せ!…理由にシロが関係して居る事を口に!…となるとモツも気になった

様子で更に質問を続ける様にマサツグの言葉を復唱すると、オリハが慌てて声を

掛ける!…それは言ったら間違い無くくまさんの説教を受けると言った様子で

慌てて見せるが、逆にマサツグはオリハを説得する様に反論をし出し!…


「落ち着けオリハ!!…良く考えてみろ!!…

今ここで誤魔化そうが後で誤魔化そうが!…後の未来は一緒だ!!…

それどころか黙っていた分くまさんの怒りが増して!!…

重~い一撃が飛んで来る事になるんだぞ!?…」


「ッ!?……わ、私は悪くないからね!?…

きっかけは兄さんだからね!?…」


それは諭す様に落ち着け!と言葉を…何ならもう足掻く事を止めた様子で…

この後の展開についてももう想像出来た具合に話して行くと、今は最善の策を

取る様にオリハに話す!…するとオリハもそれを聞いて納得をしたのかハッ!

とした表情で固まって見せると、次には自分は無実と言い張り!…それは

まるで元の原因はマサツグに在るとばかりに責任を逃れ!…マサツグだけに

その責任を擦り付けようとして行くと、それにマサツグも更にハッ!と…

当然文句を口にする!…


「ッ!?…テ、テメェ!!…関係有るか!!…

既にこの騒動なんだぞ!?…

二人揃って大ダメージコース確定だ馬鹿野郎!!!」


{……やっぱり…どんな人でも親には中々歯向かえないんだろうなぁ…

…私もお母様の笑顔のお説教が怖くて歯向かえなかったし…

反抗期って何?って考えた事あるもんなぁ…}


それはもう遅い!と言った様子でマサツグがオリハに文句を言うと、オリハも更に

慌てる反応を露わに!…と、そんな二人の慌てる様子にアヤも何か同情をする様な

視線を向け…幾ら英雄と呼ばれて居ようが親には弱い!と…思わず自分と重ねる

様にその恐々とする二人を見て心の中で反抗期について考え出すと、一方でモツは

そんな二人に対してツッコミを!…それはじれったいとばかりに説明を求める!…


「いやいいから説明をしろ!!…結局一体何が原因なんだ?…」


「ッ!!…わ、分かったよ!…いや…実はな?……」


それはもういい加減にしてくれ!とばかりにモツが呆れて見せると、二人を一喝して

注意をし!…となるとそんなモツの様子にマサツグも慌てる始末になり!…まるで

コメディドラマの脇役の様な反応を見せる事になって行くと、漸く喧嘩の元となった

話を口にする!…それは遡る事準決勝第一試合が始まる前の事で有り…マサツグと

オリハが共に椅子に座ってはだらけた様子を露わにすると、マサツグが徐にある事を

話し出したのがきっかけで…



__約数時間前・準決勝一回戦開始前・控え室…



「……なぁオリハァ?…」


「…んん~?…何~?…」


「…少し質問して良いか?」


「…用件早」


事はまるでダル絡みをする様に…いやダル絡みなのだが…マサツグが気だるげに

オリハへ声を掛けて行くと、オリハも暇とばかりに返事をする!…それは次に

互いに戦う相手同士の姿にはとても見えず、ウダウダ・グダグダとしており…

が、マサツグはそんな事など御構い無しに話しを続け…質問がある様子でオリハに

声を掛けて行くと、オリハも回りくどい!とばかりに返事!…用件を早く言う様に

悪態をつく!…するとマサツグもそんなオリハに対してムッとする!…と言った

事も無く…ただ興味本位である事を口にし始めると、次にはオリハが乗り気に

なる!…と言うのも!…


「……いや…シロにチャイナドレスを着せるとして…

ミニとロング…どっちが良いと思う?…」


「ミニ!!!…

…って、言うのもロングだと大人びた印象が有るからシロちゃんには合わない

かなぁって!…それに色も赤の布地で金刺繍でだなぁ!!…シロちゃん髪短い

からシニョンは無理だけど…まぁ無くても十分に可愛いと言いますか!!…

とにかくシロちゃんにチャイナ服を着せるならミニかなって!!…っで、それに

対を成してハティちゃんは青の布地で…etcetc」


マサツグの質問と言うのもシロの着替え?に関するモノで…何の気なしにシロに

似合うモノについてオリハへ相談をして行くと、オリハは食い気味に返事をする!…

それはとてもウェルカム!と言った具合に突如ガバッと起きて見せると、次には

至って真剣な表情でその選択!…そして理由について熱弁し始め!…が、マサツグ

としてはそこまで聞いてはいない様子であらかた聞き流し!…オリハの意見を

聞いた所で直ぐに次の衣装について質問をすると、ここで事件が発生する!…


「そうかそうか……じゃあ、ディアンドルだったら如何?…

俺としては…」


「ッ!…ディアンドル?…

ディアンドルって言うとあのフレンチメイド服みたいな奴?…

だったらが欲しい所ではあるかなぁ!!…

ニーソは出来れば黒で生地が薄めだと尚の事良し!!!…

でもって!!…etcetc」


ここで少しばかり説明を…ディアンドルと言うのはドイツ南部からイタリアの

アルプス地方にかけての女性用の民族衣装の事であり、形状としてはドレスに

類似しており…そしてオリハの言う通り若干フレンチタイプのメイド服にも

似ている物もある訳で!…オリハとしてはそれを想像して尚自身の好ましい姿を

予想!…感じたままに自身の意見を言ったのだが…それを聞いたマサツグは

途端にピクッと固まる反応を露わにして見せ!…


__ピクッ!!……ギギギギッ…


「ッ~~~!!!……って、如何したの?…兄さん?……ッ!…」


次にはまるで錆び付いたロボットの様に首を動かしてオリハの居る方へと振り向いて

見せると、異議あり!と言った表情を浮かべて見せる!…するとそこからマサツグの

返事が聞こえない事にオリハも気が付いた様子で反応をすると、次には話の続きは?

と言った具合に振り向き声を掛けるのだが!…そこで目にしたモノとは奇妙な表情を

浮かべるマサツグの姿で!…オリハもそんなマサツグの表情を見て若干驚いた反応を

見せて行くと、続けて困惑の色を露わにする!…


「………。」


{…あれ?…何この顔?…まるでお前は何を言ってるんだ?って顔をしてるけど…

俺何か変な事言ったっけ?……いや、別に何も可笑しい事は言って居ない筈!!…

寧ろこの話を振って来たのは兄さんで!!…俺は全く悪くない!!…

でもこの表情は?…}


__……はあぁ~……スック…


この時その場に沈黙が訪れる…そして微妙な空気も流れ始め…オリハとしても如何

反応をしたモノか?と悩み出すと、自身の言動を振り返る!…しかし幾ら振り返った

所で別に可笑しい所は無く、寧ろこの話を振って来たのはマサツグを思い!…

遂には自分は悪くない!で自己完結!…しかし不気味などにまだマサツグは沈黙して

おり…そして何を思ったか徐にはぁ~っと溜息を一つ吐いて見せると、次にはスッと

立ち上がる。そしてそこからオリハを見下ろす様に構えて行くと、次にはオリハに

対して続けて言葉を…


「……あぁ~…オリハ君?…君は今ぁ?…

ディアンドルをミニスカにしてモノを言ったのかな?…」


「ッ!…え?…」


「…何でもかんでもミニスカにすりゃいいってもんじゃないだろぉ~

オリハさんよぉ~?…ディアンドルはセミで!…

膝小僧丸出しにするのが良いんじゃあないかぁ~!……それを君はぁ~!…

まるで秋葉原のメイドの様に言ってくれちゃってぇ~!…

もうフレンチは秋葉と日本橋でお腹一杯なんだよぉ?…ねぇ?…」


「ッ!!…ハァ?…」


まるで呆れた様に口を開くとネチネチ!…その際オリハの趣味も分かっている

様子で言葉を漏らし…となるとオリハもそんなマサツグの態度に対して戸惑って

見せ!…マサツグのその態度に何かイラッと来るモノを感じて行くと、マサツグ

は構わず話を!…今度は自分の意見を口にし出す!…と言うのもマサツグ自身

もうその手のモノは見飽きて居ると言った様子で語り出すと、オリハの意見を

否定!…するとそんなマサツグの言葉にオリハもカチン!と…途端に喧嘩腰に

なりつつスッと立ち上がって見せて行くと、勿論文句を口にする!…


「何言ってんのさ?…そっちが意見を聞いて来たから答えただけで!…

てかそう言うのが多いのは可愛いから!!…鉄板だから多いんでしょうが!!…

それをさも侮辱するみたいに言って!!…これは戦争になるよ、兄さん?…

…ニーソで愛らしさをアピールしつつ!!…少し色っぽさを出しながらの!!…

無邪気さでしょうが!!!…分かってないのは兄さん!!…アンタの方だ!!!!…

…それにフレンチタイプとディアンドルを一緒にしてる辺り!!…

兄さんの方が知識が低いと思うんだけど!?…」


当然自身の意見を否定された事にオリハは激怒!…そして更にフレンチタイプの

メイドについても語り出し!…多いと言う事は可愛い!…すなわち正義!と

ばかりに持論をバンバン展開すると、更にマサツグを馬鹿にする!…そうして

改めてシロの可愛さを最大限発揮するのはミニでニーソ!と…自身が正解である

事をマサツグに主張をするのだが!…それを聞いてまたもやマサツグがピクッと

反応を示して行くと、次にはやはりアメリカのコメディ映画の様な反応を!…


__カチンッ!!…


「……なにぃ?……フッ!…

…もう一度…もう一度言ってみろゴルァ!!!!…

シロのあの天真爛漫さを最大限発揮するならノーアクセだろうがぁ!!!…

無邪気さをアピールするなら素足の方が子供っぽくて良いだろうがぁ!!!!…

それに!!!…ディアンドルってのはお嬢さんって意味で!!…

本当にちゃんとした清掃とは言わば素足なんだよ!!!!…

…妥協点が有るとするなら可愛らしい靴下までだコノヤロウ!!!!」


「可愛い靴下ってどんな靴下だよ!!!!…

それこそニーソだって靴下じゃないか!!!!!…

コーデの事何も分かって居ない兄さんにだけは文句を言われたくないね!!!!」


それこそ最初は恍けた具合に言葉を漏らし、そして嘲笑う様なそんな反応も見せる

のだが…しかし次にはブチ切れた様子で言葉を吐き!…オリハに詰め寄る勢いで

こちらもうんちくと持論を展開すると、オリハと喧嘩をおっ始める!…そう、喧嘩

の原因とはシロをいかに可愛く見せれるか?の話であり!…どっちも一歩も退かない

様子を見せて行くと、更に熱は帯び!…となると控室内は一触即発の事態となって

しまい!…そこへ運悪く二人を呼びに来た兵士がやって来ると、それはあの準決勝の

様子へと繋がり!…


「…これより準決勝第一試合を……ヒィ!!…」


__クルッ!!…


「…漸く出番か!!…」


「……丁度良い!!…

どうせ戦うんだからそこでハッキリさせようや!!…

文字通り…ハッキリと!!…」


「…構わねぇけど…覚悟しろよ?…

俺は一切折れる気は無ぇからな?…」


勿論呼びに来た兵士はその今にも殺し合いが始まりそうな二人の様子におっかな

びっくり!…途端に怯えた表情を見せて行くと、二人も呼ばれた事で反応して

見せ!…となると互いに話し合いでは平行線!と悟って行き!…殴り合いで決着を

着ける!…絶対こうでないと許せないと言う固定観念VS自由に楽しみたい!と

言う上昇志向人間の意地の張り合いがこうして出来上がってしまうと、後のシルビィ

達との合流!…そこに繋がって行くのであった!…


さてそうなるとその喧嘩の原因を聞かされたモツはと言うと、当然!…勿論納得が

行かない様子で呆れて見せると、自分達はこんな事でアレだけヒヤヒヤさせられた

のか?とガックリ肩を落とし!…


「………。

…まさかそれだけの事で…

たかがそれだけの事で俺達はあんなにも冷や冷やさせられて居たのか…」


ただただ呆れを通り越して虚無…モツはこんな事の為にアレだけ警戒をして

居たのか?と…無駄な気苦労をさせられて居た事を悟って行くと、項垂れ

ながらもマサツグの隣を歩き続ける!…それはまるでゾンビの様に腰から

折れて見せて行くと、もはや溜息すら出ない程に二人に対して呆れ続け…

となるとマサツグもマサツグでそんな様子にピクッと反応!…それはムッと

する様な…しかし慌てて見せる様なそんな反応も見せて行くと、物申す様に

言葉を口に!…


「ッ!!…こ、こんな事とは心外な!!…

コッチは娘を思う気持ちを!!…言わばぶつけ合った訳であって!!…

それにどっちも真剣がゆえに!!…決してお遊びであんな事をしたとは!!…」


「…それでもいざそれを聞かされたコッチの身にもなってみ?…

まるで猫の縄張り争い!…犬の喧嘩の内容を聞かされた気分になる!…

…それもあんだけ大暴れしたのがこんな!…

もう情けなさ過ぎて怒る気にもなれん…」


__グサッ!!!…×2


「デュハァ!!!…」×2


それは自分達なりに信念があった様にも言うのだが、勿論内容が内容なだけに

モツには全く理解されず!…寧ろ呆れる様子は更に顕著に!…モツも改めて

自分達が置かれて居た立場について話して行くと、二人の事をバッサリ切る!…

となるとそれを言われた事で自分達も薄々感じていたのか、次にはそのモツの

言葉が刺さった様子で反応を!…何ならよろめく様にして怯んで見せ!…シロも

その話を聞いて自分のせい?と言った具合にスッと困った表情を見せて行くと、

その会話に参加をし出す!…


「…そうだったのですか…やっぱりシロが原因だったのですね?…」


「ッ!?…ち、違う!!…これはシロのせいじゃなくて!!…

負けられない戦いがそこに在ったと言うか何と言うか!!…」


「そ!…そそそ、そうだよぉ!?…

これには如何しても譲れない戦いみたいなのが有って!!…」


この時勿論自分のせいでこんな事になったのか?と感じて行くと、俯き落ち込んだ

様子で言葉を口に!…それはまるで夫婦喧嘩を前にした子供の様に落ち込んで見せ…

そんなシロの反応にマサツグとオリハもピクッ!と…気が付き途端に慌てた反応を

露わにすると、身振り手振りを交えながらに誤解と言う!…その際これはあくまでも

互いの意地のぶつかり合いである事を更に誇張してシロに話をするのだが、当然

結果を正せばその中心にシロが居る訳で!…となるとシロもそれを理解して居る

訳で!…次には若干震えながらも顔を上げ!…マサツグとオリハにその自身の顔を

見せて行くと、止めの言葉を口にする!…


「…ご、ご主人様が!…」


「ッ!…え?」


それは若干恥ずかしそうにポッと頬を染めて見せると、同時にその目を潤ませ!…

と、そこから上目遣いでマサツグ達の事を見詰めて行き!…モジモジとしながら

更にマサツグ達の事を口にすると、そんなシロの反応に二人は戸惑う!…それは

初めて何かシロに対して色っぽさ?の様なモノを感じて行くと、思わず見ている方

も頬を染めてしまいそうになり!…しかし次に出て来たシロの言葉と言うのは

マサツグとオリハの心を抉るモノで!…


「ご主人様とオリハ叔母さんが言ってくれれば…

シロはどんなお洋服でも着ますよ?…」


__デュクシ!!…×2


「え、えっちなのは恥ずかしいですけど…頑張って着ますから!…」


グリグリグリグリ!!…×2


と言うのも二人の用意する服なら何でも着る!と…そう言った物でも頑張って

着る!と言ったシロの健気な心が露わになると、二人の下心に杭を打たれ!…

そしてそれはただ杭を打たれただけでなくまるでドリルの様に回転をすると、

精神的追加ダメージを負わせ!…と、そんなダメージを負っている二人の事に

気付かず!…シロは念押しをする様にプルプルと震えながらに喧嘩は駄目!と

二人に言い聞かせるよう言葉を零すと、それを持って止めとする!…


「だから!!…だから喧嘩はもう…駄目ですよ?…」


__デュクシ!!!…×2


「ゴハァ!!!!…」×2


__くらぁ……ドサアァァ!!!…ッ!?…


それはシロも本気で心配をして居た様子!…何ならもう見たくない!と言った具合に

言われてしまい!…と、その心に刺さった杭は止めの一刺しを二人に与え!…二人も

それを受けて今度は吐血!…思いっきりその一撃が効いた様子でゆっくりそのまま

後ろに倒れて行くと、遂には仏の様な表情を浮かべて見せる!…それは勿論シロを

抱えながらに倒れて行くと、シロも突如マサツグ達が倒れ出した事で驚き戸惑い!…


「ご、ご主人様!?…オリハ叔母さん!?…しっかりして下さい!!!…」


「…オ…オリハよ?…」


「…な、何かなぁ?…兄さん?…」


「……如何やら我々は大きな間違いを起こして居たらしい…

…あの喧嘩は…とっても!…とっても!!…不毛なモノだったみたいだ……」


「……そうだね…」


{……最初から俺が不毛って言ったじゃん…}


シロの純真さに心を貫かれ!…その貫かれたダメージが一番堪えた!と言った様子で

マサツグが徐にオリハへ声を掛けて行くと、オリハもまるで憑き物が取れた様に!…

しかし致命傷である事には勿論変わらず!…オリハも絶え絶えの様子でマサツグに

返事をして行くと、ここで漸く!…自分達が間違って居た事を認め始める!…それは

心配をするシロを抱えながらに語って行くと、オリハも疲れたと言った具合に返事を

口に!…するとそんな二人の様子にモツもこれまたも一つ呆れ!…心の中で二人に

対してツッコミを入れて頭を抱える素振りを見せると、次にはそんなマサツグ達の

前に兵士達が集まり!…


__ガッチャガッチャガッチャガッチャ!!…


「…闘士マサツグよ!!

スコルティナ皇女を返して頂こうか!!…」


「ッ!……急にやって来たと思えば豪く高圧的な態度じゃねぇか!…

シロを逃がした責任はお前達に有るってのになぁ?…保護者失格だぜ?…」


「ッ!!…良いから早く返せ!!…」


それはシロを回収しにやって来た様子で、慌しくやって来ては上から目線でシロを

返せ!と言い出し…この時その言い様と来たらまるでシロを物の様に!…そして

倒れるマサツグ達に対して高圧的な態度も露わにして行き、それを目にして勿論

マサツグもカチン!と来た様子でゆっくりと上体を起こして行くと、次には兵士に

文句を言う!…その際そもそもの話として兵士達の怠慢が招いた事件である事を

口にすると、不敵に笑っては兵士を煽り!…と、そんなマサツグの煽りに対して

兵士達もムッとして見せ!…しかし事実である事に変わりはなく、まるで苦虫を

噛んだ様な表情を露わに!…これ以上の話は無用!と言った様子で更に迫って

見せて行くと、そこへ通路側に戻って来たのかハティの姿が!…


__タッタッタッタッタッ!!…


「……ッ!…あっ!…居たのです…」


「ッ!?…ハ、ハティビィエール様!?……ッ…」


__ッ!…ギンッ!!…ッ!?…バババッ!!……ッ!?……


それはマサツグ達を探して居た様子でハティが駆け回り、そしてマサツグ達を

見つけた事で声を掛け出し!…と、今度はハティも姿を現した事で兵士達が

更に戸惑い!…シロと同じくハティの捕獲を試みようとするのだが、ハティは

一睨みで牽制!…兵士達に道を開けさせて行く!…するとそんなハティの様子に

思わずモツ達も戸惑って見せると、一方でハティはマサツグに近付くなりある事を

続けて話し出し!…


「先生!!…お姉様の事はハティに任せて欲しいのです!…

…さすがにこの真っ赤っかな状態で戻る訳には行かないので…

一度お風呂に行きたいのですが…」


「ッ!……そうだな…ハティになら任せられるかな?…」


「ッ!…はいです!!…任せて下さい!!」


ハティがマサツグに話し出したのはシロを預かると言う事で、その際一度風呂に

入れて来ると提案をし!…と言うのも未だシロはマサツグとオリハの返り血で

血みどろフィーバー状態!…とても大丈夫と言える状態では勿論なく!…更には

マサツグが兵士達に対して不信感を持って居る事を考慮すると、自分に任せて

欲しい!と胸を張る!…そうしてハティがマサツグに対してフンス!と鼻息を

荒くすると、マサツグもハティならシロを任せられると納得し!…その際ハティに

一任するようわざわざ口に!…するとハティもそれを言われて更に張り切る様な

そんな様子を露わにすると、その血みどろのシロの近くへ移動をする!…

と、ここでふとアヤもハッとした様子で反応をすると、次にはそんなハティに

協力を申し出るよう声を掛け!…


「ッ!…あっ!…なら私も手伝おうかしら?…

…その様子だと子供二人でも大変そうだし?…

精霊魔法も使えるからある程度はカバーできると思う!…」


「ッ!…あっ!…じゃあ、お願いするのです!…

…んしょ!…ふぅ…歩けますかお姉様?…」


「ッ!…は、はいです…ありがとうなのです!…」


__ストッ……トッ…トッ…トッ…トッ………ッ!!…バッ!!…


さすがに子供二人でこの状態はキツイ!と、大人の手も貸す事をアヤが口にして

行き…と、そんなアヤの申し出にハティも助かる!と返事をして見せ!…そこから

シロをマサツグの腹の上から降ろし作業を!…その際血で足元を滑らないよう

注意の言葉も口にすると、シロも足元を注意する!…そしてハティの手を借り

ながら恐る恐る自身の足で立って行くと、特段何事も起きる事は無く…すると

二人はそのまま闘技場に常設されて有る風呂場へとスッと歩き始め!…アヤも

それについて行くよう二人の後を追い掛けると、三人はその場を後にする!…

さてそうなると次に困った様子を見せ始めるのは二人シロとハティの回収に来た兵士達で有り!…

ハッとした様子を見せると、途端に三人を追い駆けようと!…


「行かせませんよ?…」


__ガッ!!…ガクンッ!!…


「うわあぁ!?……ッ~~~!!…クソ、誰だ!?…

公務執行妨害で!!…ッ!!…」


慌てて追い駆ける様に兵士達は駆け出し!…しかし次の瞬間近くの柱の影より

誰かの声が徐にフッと聞こえて来ると、その兵士達の足に突如異変が!…

と言うのもまるで邪魔をされる様に足を掛けられ!…先頭が見事に引っ掛かると

そこから続けて後続もバタバタ!…まるで将棋倒しの様に事故が起き!…その

転かされた兵士も誰の仕業!?と言ってその正体を確認しようと顔を上げると、

そこでクラシックタイプのメイド服を目にし!…


「……公務執行妨害で捕まえようとするのなら…どうぞ、ご勝手に?…

ですがそうなれば只では済まないと思いますが?……宜しいでしょうか?…」


__パキ!!…パキ!!…パキ!!…


「ッ!!…と…とにかく忠告はしたからな!?…

ここは退いてやるが次は無いと思え!?…」


__ダッ!!…


言わずもがなこんな所でそんな物を着て居るのは一人しか居らず、そこに立って

居たのはシルビィで!…と、そんなシルビィの登場に兵士達も戸惑い!…

驚きの余り動けない!…一方でシルビィも構わずクールに忠告!…まるでただで

済まないのはどっち?と言った冷徹な視線を向けて行くと、その後ろでは

ラグナスの姿も!…何なら同じくその兵士達に対して敵意を向けて見せて居り!…

その際両手を重ね合わせると関節を鳴らし!…それは喧嘩なら買う!と言った

風格を全身から放ち!…そんな二人を前にして兵士達は恐々!…まるでテンプレの

様な台詞を吐いて見せると、慌ててその場を後にする!…さてそうして二人が

姿を現した事でマサツグ達も戸惑った反応を見せて居ると、次にはシルビィが

意味深な事を!…


「次は無いと思え…ですか…面白い事を言いますね?…

次が無いのはどちらなのでしょうか?…」


「……隊長…

貴方が言うと本当に洒落にならないので止めて下さい!…

それに相手は一般人ですよ?…」


「…ッ!…へ?…一般人?…」


と言うのもシルビィは裏でその兵士達を始末するつもりで居るのか?…その逃げる

兵士達の後ろ姿をいつもよりキンキンに冷える目で見て居り!…と、そんな眼差し

を向けるシルビィにラグナスは洒落にならない!と…苦笑いをしてシルビィに静止

を促し…その際さも彼らが正規の兵士達でない様な事を口にすると、それを聞いた

マサツグ達は戸惑った反応を…そして如何言う事か?と質問をしようとするのだが…


「いぎゃあああぁぁぁぁぁぁ!!!!」


__ッ!?…


次に聞こえて来たのはその逃げて行った兵士達のモノと思われる叫び声で、それは

明らかに何か悲鳴の様にも聞こえ!…となると突如そんな声が聞こえて来た事で

マサツグ達も戸惑い!…一体何事か!?と言った様子でその叫び声が聞こえて来た

方を振り向くと、そこには奇妙な光景が…それは先程の兵士達が別の兵士達に

捕まって居る様子で、もう反抗も許されない様に腕をギュッと決められており!…

となるとそんな光景を見たマサツグ達としてもヘ?っと…アレは何?と言った様子で

戸惑って居ると、ラグナスが事の経緯を話すのであった!…

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