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-第六章-ウィンタースノー連邦-スノーピース~霊峰ウルフハウリング・前編-

-第六章八十五節 女王の遺言とおかあさんの言葉と一欠けらの希望-

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誰もが突然の展開について行けず膠着状態!…そしてモツ達もその謎の五人組に

対して警戒!…怒りを燃やす形で固まって居ると、一方では女王もハティにさも

遺言とばかりに言葉を口に!…そしてそれを聞いたハティは青褪め!…理解が

出来ていない!…いやしなくない!と言った様子でただただ酷く困惑する様な…

とにかく今何が起きているのかとても判断に困る様子を露わにすると、女王は

もう一度言葉を口に!…今度はハッキリと絶え絶えながらに口にする!…


「……私が…死ん…だら……ハ…ティは…この…冒険…者…さん…達と…

一緒に……この…霊峰やまを…降りる…のです!!…」


「ッ!?……」


自身でももう長くは無い事を悟っている様子で!…最後にハティの事を考え!…

もう王族としての責務等も背負わなくて良い!とばかりにマサツグを信頼した

形で霊峰やまを降りる様に話をすると、ハティはその言葉に固まってしまう!…

それは静かに目を見開きスゥッと涙を流し始めると、女王も苦しそうに息を切らし

ながら涙を零し!…と、その言葉は勿論シロの耳にも届いて行き!…シロも酷く

戸惑った様子!…一体何が何だかこちらも分かって居ない感じで目を見開き固まって

居ると、女王は更に無理をして言葉を!…


「……ハティ…貴…方…辛…い…気持…ち…に…

気付…いて…あげ…れ…なく…て…ごめん…な…さいね?…

最…後ま…ちゃん…ハティ…の事…見て…あげら…れ…て…

本…にゴメ…ね?…」


「ッ!!!…おかあさまぁ!!…そんな!!…

嫌です!!…置いていかないで下さい!!!!…

ハティは!!…ハティはまだ一緒におかあさまと!!!!…」


自身が事切れる前にまだ伝えたい事が有る様子で必死に口を!…その際ハティの

闇に気付けなかった自分を悔い!…今からでも遅くはないとばかりに泣きながらに

謝罪の言葉を口にすると、ハティもその言葉を聞いて更に感情的に!…女王の体に

覆い被さっては嫌だ!と言う!…それは必死に懇願するよう置いて行かないで!と

訴えるのだが、無情にもその心音は徐々に弱く!…そして空しくハティの縋る言葉

だけが木霊して行き!…女王もそんな中でも更に言葉を!…今度はシロに対して

最後の言葉を残し始めると、同じ様に謝罪をする!…


「……ティナ?…」


「ッ!?……」


「ゴメ…ね?…本…なら…一緒…に…過ごせ…た…筈…なのに…

誘…拐…なん…かに攫…わせちゃ…って?…

私…不甲斐…無い…ばかり…こ…な!…こ…な!!…辛…思い…させ…ちゃって…

ゴメ…ね?…」


「ッ!!!!…………」


この時女王に呼ばれたシロも思わず怯える様にしてビクッと反応をして行くと、

横になる女王の姿に恐怖を感じ!…そしてその様子にやはり動けず仕舞いに

なって行き!…一方でそんなシロの様子に気付いているのか居ないのか…もはや

近くに居るのかすら分かって居ない様子で言葉をポロポロと零し出すと、やはり

後悔の言葉を…自身の不甲斐なさを呪って行く!…それはさも自分のせい!…

守って上げられなくてごめんね?…とばかりに自分を責めると、更にポロポロと

涙を流し!…と、そんな女王の姿を見てシロもハッと目を見開き!…今まさに

大切な人が死にそう!と…改めてその事を実感をした様子でポロポロと同じ様に

涙を流し始めて居ると、一方ではこの現況を作った原因が飄々と!…マサツグを

相手に素顔を晒す!…


__ファサッ…


「これで良いでしょうか?……ではご挨拶を…

僕の名前はダグレス…「ダグレス・ディスティリア・デグレアント」…

デグレアント帝国の王子で正統後継者…

そして栄えあるデグレアント帝国のです!!!…」


「ッ!?…勇者!?…王子!?…」×2


それは見事なまでに勘違いをしている様子でドヤ顔を決めると、別に名乗れとも

言って居ないのに勝手に自身の事を名乗り出し!…何ならその名乗り出した者は

デグレアントと!…自らが王子であり勇者でもある事を名乗って行くと、その

王子がこんな所に居る事で困惑!…マサキとくまさんが言葉を漏らす!…すると

その言葉にもそのダグレスと言う者が反応すると、更に調子に乗った様子で言葉

を!…


「はい!!…僕は唯一無二にして絶対的正義!!…

この魔剣にも選ばれ!…文武両道にも恵まれ!…

何から何まで愛された選ばれし者!!!…それがこの僕なのです!!!!」


それはさもエリートとばかりに踏ん反り返り!…俗に言う意識高い系?…いやただの

高飛車の様な感じでポーズを決めると、更にドヤ顔も再度決める!…その際自慢を

する様にその手に先程の奇妙な剣を構えて見せると、自分が一番カッコいいと言った

様子で怪しげな光を放ち!…と、その一方で女王もそろそろ限界が来たのか…最後に

言いたい事は言った!…もう思い残す事は無いとばかりに笑みを浮かべると、女王は

シロとハティに正真正銘最後の言葉を!…お別れの言葉を口にし出す!…


__ヒッグ!!…グス!!…おがあざまぁ~!!…おがあざまぁ~!!!…


「…こ…な…何も…出来…なか…った…母…親だけ……

何…残し…て…上げ…られな…かった…けど…

ハティ?…ティナ?………私…子…として!…

生まれ…来て…れて!……あり…が…とう!!………ッ…」


闘技場内にただハティの泣きじゃくる声だけが木霊し!…そしてそんなハティと

女王の様子に観客達も何とも言えない悲しみに包まれ始めて行くと、女王は最後に

二人に感謝!…自分の娘として生まれて来てくれた事に礼を言う!…それだけは

何事にも代えがたい幸福であった!と言う様に!…息も絶え絶えながらにこれ

だけは!と…言って徐々にその呼吸も薄くなって最終的に聞こえなくなってしまう

と、遂には沈黙!…もう何も喋らないままに目を閉じる!…するとそんな様子を

見て更にハティがパニックを起こすと、必死に女王を起こそうと声を掛けるの

だが!…


「ッ!?!?……お、かあ…さま?…

おかあさま?…おかあさま!?…おかあさま!!!…」


__ゆさゆさ!…ゆさゆさ!…………。


幾らハティが女王を呼ぼうが反応は無く、更には幾ら揺り動かそうともやはり

その反応が返って来るは無い…ただ力無くその場で横になり続ける様子を各々

目にして行き…そして様子から誰もが察してしまう!…一気に絶望ムードへと

落ちて行くそんな雰囲気を感じられると、まるでこの世が終わった!とばかりに!…

誰一人としてその現実を受け止められないそんな反応を露わにする!…


「ッ!?……嘘…だろ?…」


「そんな!?…折角ここまで着たのに!!…やっと再会出来たのに!!!…」


「………。」


その際モツも女王が死んだ事に酷くショックを受ける反応を見せて行くと、守れ

なかった事に絶望し!…その際女王の体がある方をジッと見詰め!…その目を

見開き今見えるその光景が信じられない様子で言葉を零すと、アヤもその隣で

ショックを口に!…それはシロとハティの気持ちが分かる様子で言葉を零すと、

何なら折角の再会がこの様な形で決着が着いてしまった事で悲しみも露わに!…

と、同じく女王に仕えて居た二人も有り得ない!とばかりにその場で固まり!…

各々言葉を漏らして行くと、とても絶望する様子を露わにする!…


「…ッ!?…じょ!?…女王…様…が!?…」


「…亡く…なら…れた!?……」


ラグナスは呆然と立ち尽くす様にして青褪めて見せると、ただ一点にその女王の

体を見詰め!…と、その隣ではシルビィも同じ様に反応をして見せ!…自身の

口に両手を当て!…その信じられない光景に体を小刻みにプルプルと震わせる

そんな反応を見せて行くと、膝から砕けて座り込む!…そして自身の中で夢なの

では!?と疑い始める!…しかし幾ら見直そうとも目を擦ろうともその光景は

何も変わらず…依然としてその場に女王が横たわっており!…と、そんな面々

よりももっとショックを受けるのがハティであって!…無情にもその女王の体が

冷たくなって行く!…直にその感覚を感じて更に死んでしまった事を自覚すると、

更に大声で泣きじゃくる!…


__…ッ…ッ~~!!!…うわあああぁぁぁん!!!…あああぁぁぁぁん!!!!…


ただ現場にはハティの泣き叫ぶ声だけが木霊する!…それはあまりにも悲痛で

有り!…思わず耳を覆いたくなるほどのモノであったのだが、誰一人として

そんな反応を見せない!…ただ俯きその事実に悲しみ震える!…そして何故

女王が死ななければいけなかったのか?と考え出すと、勿論その五人組に対して

怒りを!…と、そんな様子を闘技場全体が見せて居る中…シロも俯きその様子に

悲しみ方を震わせる様子を見せると、ここである変化が…シロがある事を口に

する!…


「……!!……」


「ッ!?……」


それは近くに居たマサツグにもハッキリと聞こえる言葉で、その倒れる女王の事を

間違い無く[母親]と呼び!…それはここに来て初めての言葉で有り!…マサツグも

思わず驚いた様子でピクッと反応!…そして振り返りシロの様子を確認すると、

そこで女王が死んでしまった事に涙する!…

の様子を目にして行く!…その際シロはその横たわる女王へ向かいゆっくりと歩き

出して見せて行くと、今にも倒れそうな感じでフラフラと!…それはまるであんよを

し始めた子供の様に!…両手を伸ばし一歩!…また一歩と女王の体に向かって歩いて

行くと、更に言葉も口にする!…


「おかあさん!!…死んじゃヤなのです!!…

まだ!!…まだシロは!!…は!!…

教えて貰いたい事!!…甘えたい事が!!…

たくさん!!…たくさん!!!…有るのです!!!…」


「ッ!…シロ……」


そこには正真正銘シロが母親に甘えようとする姿がハッキリとあり、そして泣き

縋る様子も当然伺え!…その際シロは自身の事をと言い!…その際まだまだ

やりたい事が有った!と…教えて欲しい事もたくさんあった事を涙ながらに口に

すると、やっとの思いで女王の元に!…そしてハティと同じく女王を抱えて号泣

をし出す!…それは皮肉にもここでやっと家族が一つになった様にも見えて行く

と、次にはマサツグの中で何かが弾け!…


__……パアァァン!!!…


「おかあさん!…死んじゃ!…

…ッ~~~!!!…ヤなのですぅ~~~!!…

うわあああぁぁぁん!!!…あああぁぁぁぁん!!!!…」


それが何なのかは自分でも勿論分からない!…しかしこの時何かが弾けて消え!…

ただシロの悲痛な叫びがマサツグの中で満たされる様なそんな感覚を覚えて行き!…

マサツグもそれに合わせて若干静かに俯き始める!…そしてただ黙ってその様子を

見詰めるかの如く硬直すると、一方でダグレスと言う者はその女王の最後を確認する

なり言葉を口に!…今まさにマサツグに言ってはいけない言葉を平気で漏らす!…


「…ッ!…プッ!!…あっははははははは!!!…

?…

いやぁ!…このまままだ抵抗して来る事になったら面倒だと思って居たけど…

案外思ったほど?…」


__ピクッ!!…クルゥリ?…


それはさも楽しげに女王の死に対して何とも思って居ない様子で笑って見せると、

何なら女王が死んだ事に対して喜ぶよう言葉を!…その際女王が先に弱っていた

事や自身が不意打ちをした事等!…全く気に留める事無く調子に乗り出し!…

さも自分の力で倒したよう大した事が無い!とまで言って見せると、その言葉に

マサツグも当然ピクッと目に見えて反応を!…そして俯いた状態のまま振り向き

始める!…その際まだ殺気は飛ばして居ないのだが、その背中からは更に黒い

外套が激しくたなびき!…それはマサツグの怒りに比例するようシロとハティを

守る様に!…大きくその規模を広げる様子を見せて行くと、ダグレスは怖いもの

知らずなのか?…最後の地雷を踏み抜いて行く!…


「…正直?…?…

英雄さんもそんな気にしなくても!…て言うか何をそんなモノ好きな事をやって…」


__ゴオオォォゥ!!!…ヴァワッサァ!!!…バッシュウゥゥゥ!!!…ッ!?…


それは本当に言ってはいけない!…決して超えてはいけない最後の一線を悠々と

超える!…それはここに来るまでのマサツグとシロの関係を…それは本当の親で

ないにしろ絆を否定する言葉で有り!…何なら女王の気持ちも踏みにじる!…

マサツグ自身女王の気持ちを痛いほどよく分かって居る為!…この言葉だけは

如何しても聞き逃す事が出来なかった具合に反応をすると、もはや誰が相手で

あろうと絶対に許さない!…見事なまでに自身でも引くほどの殺意を覚える!…

そしてそれは当然マサツグの黒い外套にも当然反映されると、たなびくを通り

越してまるで巨大な翼に変わるよう!…もはや畏怖の象徴と化し!…コイツ等だけは

絶対に始末する!と言った感情を露わにすると、闘技場全体にプレッシャー!…

完全な魔王と化として顕現する!…そしてこの時更にダグレスはもう一つ大きな

誤算を生む事に!…


__ッ!!!…ブッチン!!!……スッ……ッ………


と言うのもそれはモツ達の存在!…勿論今までのマサツグとシロの関係を見て

来ており!…そして女王の様子も当然見て!…そんな内情を知って居るだけに

同じ様に決して許せず!…各々もマサツグ同様静かに怒りを!…何なら羽交い

絞めにして止めていたマサキの拘束をくまさんとオリハが解いて行くと、自らも

そのダグレスに対して殺意を!…並々ならぬ様子で放ち始める!…それこそ

モツもあともう一押しでマサツグ同様の魔王化に至りそうなまでに怒りを燃やす

と、その前兆に背中から黒い靄を!…と、とにかく全員が一度落ち着く様に

呼吸を挿み!…その上でもう一度そのダグレスを含む!…五人組に対して明確な

殺意を向けて行くと、次にはマサツグが先行!…その力の片鱗を露わにする!…


__……スゥ…キンッ!……ググッ!!…ボゴオォ!!…


それは誰一人として気付く者は居なかった…マサツグは未だダグレス達を睨む様に

立って居るのだが…何処からともなくキンッ!と鍔鳴りの様な軽い音が聞こえて

来ると、次の瞬間展望デッキは崩落!…と言うのもその展望デッキを支えていた

であろう柱の二本が気付くと袈裟斬りに斬られており!…更には袈裟に斬られた

せいか、その展望デッキの重さで断面から滑る様にして崩れ去って見せて行くと、

そのまままるで闘技エリアに雪崩れ込むよう!…ダグレス達を乗せたままガラガラ

と崩壊する!…となるとその突然の事にダグレスも当然驚きを露わにして見せると、

その他の面々も驚くわダグレスを心配するわでとにかくパニックの状態に!…


「ッ!?…な!?…ななななな!?…」


「ッ!?…ダグレス殿下!?…」


__キャアアアアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!……


そうして慌てている間にもその五人組は闘技エリアへ放り出され!…勿論そんな

光景に観客達もパニックに!…となると誰もが逃げ惑いその一瞬の出来事に理解が

出来ず!…一方で放り出されるよう闘技エリアに転がって来た者達はそれぞれ

戸惑った反応を露わにすると、同時にぶつけたであろうヵ所を摩りもする!…

しかしそんな時間も与えないと言った様子で次にはその者達の前に人影が、その

人影の正体と言うのもいつの間にか闘技エリアの方へ移動して来たモツ達で!…


__ゴゴゴゴゴゴゴ!!!!……ッ!?…


「…おやおや…これはこれは…」


当然取り囲む様にしてその五人組を包囲して行き!…誰もが怒りの余り感情を

失った様にその地面に座り込む五人組の事を見下ろして見せると、一触即発の

事態に!…何ならその手には既に武器が握られて居る始末となっており!…

たまたまその様子を見た観客達の目から見てもマサツグに負けず劣らずの殺気を

ガンガン放つと、その五人組の事を牽制する!…そしてその様子にいち早く

気付いたダグレスもさすがに戸惑った様子で言葉を零すと、一方でマサツグが

ふとある事に気が付いた様子で!…


「…ッ!!…待てよ!?…ひょっとして!?…

シロ!!…ハティ!!…スマンちょっと退いてくれ!!!…」


__バッ!!!…ッ!!!…ヴゥン!!…


と言うのも突如何かを思い出した様子で!…マサツグがハッと我に返るなり慌てて

その横たわる女王の方へと振り向いて行くと、そのまま駆け寄ってある事を確認!…

その際ガッシと掴んで離さないシロとハティの事も若干引き剥がしに掛かって

行く!…そして勢いそのままに突如スッと女王のステータスを開き出すと、グッと

その画面に目を凝らし!…と、実はこのゲームにおける鑑定アプレェィザァルと言うのは非常に

便利な仕様となっており!…一度調べた事のある対象物はいつでも再確認が可能!…

何ならそのもちゃんとで情報として

見れる仕様となって居ると、とにかくマサツグは急ぎその画面を確認!…そして

その事を知らないシロとハティは互いにマサツグの行動に戸惑って見せる!…


「ッ!!!…嫌です!!!…シロはおかあさんから離れたく無いです!!!…」


「ハティも!!…ハティも嫌なのです!!!…

おかあさまはまだ!!…まだ!!!…」


当然突如引き剥がされた事に驚き戸惑って見せるのだが、それでも直ぐに再度

女王の体へ縋り付こうとして行き!…何ならマサツグに対して反論の言葉を

口にして見せ!…涙ながらに二人揃ってまだ離れたくない事を訴えるのだが、

マサツグは御構い無し!…女王の頭を抱えてしまうと、調べる事に必死になる!…

その際別に独り占めをして居る訳では無いのでマサツグの反対側に回ればその眠る

女王の顔を見れるのだが、この時ショックのあまりシロ達はその事に気付かず!…

と、その一方でマサツグの調べ物にもある進展が!…それは調べているマサツグ

本人も驚きを露わに!…思わず目を見開きその事だけを凝視すると、まだ希望が

ある様子でこう叫ぶ!…


「…ッ!!!…スゥ~!!…モツウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ!!!」


__ッ!?…バババッ!!!……


「女王様あぁ!!…まだ!!…まだ息が有るうぅ!!!!」


「「ッ!?…な!?…なにぃ~!?」」×2


 ---------------------------------------------------------------------------------

「母神のフェンリルクィーン(A・R・F)」
  
   Lv.160  レジェンドユニークモンスター 二つ名「母神」

   HP  100 / 768000  ATK 2500   DEF 1600


 SKILL:不屈の肉体 狼王の牙(HP吸収)


 バッドステータス 

 毒:??? 呪い:???

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それは軽く息を吸って五人組に睨みを利かすモツ達の方へ振り向き出すと、次には

モツの事を大声で呼び!…となるとそんなマサツグの呼ぶ声にモツも思わず

ピクッと反応をして見せ!…何ならその他の面々達も!…更にはダグレス達も

思わず何事!?とばかりに反応をすると、マサツグは構わず慌てた様子で言葉を!…

まだ女王に息がある事を口にする!…するとそれを聞かされたモツはハッとした

様子で驚いた反応を露わにすると、一方でダグレスも違う意味で驚いた反応を!…

と言ってもスキルのお陰でギリギリ存命!…虫の息である事に変わらない事が

明らかになると、その事を聞いたシロ達も当然反応!…ハッと涙を流しながら

目を見開く!…


「ッ!!!…ふぇ?……お、おかあさんッ!?……」


__……ッ~~…ッ~~…ッ!!!…ッ~~~!!!…


「ッ!!…よかったなぁ!!…」


それはマサツグの言葉が信じられない様子で、だがマサツグがそんなウソを言う

筈が無く!…となるとシロは真実を確かめる為にマサツグの体を攀じ登り!…

ハティはそのマサツグの脇からヒョコッと顔を覗かせ!…シロもマサツグの肩から

同じく顔を覗かせて行くと、改めて女王の眠る姿を凝視!…そこで虫の息ながらに

まだ呼吸をする女王の寝息?を耳にする!…それは確かに生きていると言う事を

証明するモノであり!…それを耳にした二人はハッとした様子で目を見開くと、

今度は歓喜した様子で涙を流し!…と、そんな二人の様子を見てマサツグもホッと…

思わず涙目になりながら良かった!と言葉を零して見せ!…しかし予断を許さない

事も重々承知して途端にハッと真剣な表情を見せて行くと、一方でモツから

質問が!…


「…マ、マジか!!…ッ!!…よ、容態は!?…」


それは勿論女王の状態を尋ねるモノであって、慌てた具合にマサツグへ言葉を!…

しかし一方でふと思い出した様にダグレスの牽制も勿論忘れず!…バッと振り

返っては再度睨みを利かす!…まるで蛇に睨まれた蛙の様にダグレスの動きを

拘束して行くと、一方でマサツグもその問い掛けに対して返事を口に!…とても

戸惑った様子で状態を説明し始める!…それは厄介な事になって居る!とばかりに

話し出すと、その治療にも悩んでいる様子で!…


「ッ!……かなりヤバイ!!!…

本当ならエンドコンテンツクラスにあったHPはもう雀の涙程度しかないし!!…

何より前の記憶が正しければエリクサーで回復させる事も出来ない!!!!…

おまけに毒ってるし、呪いも受けてるしで!!!…

多分回復魔法も全部反転してダメージになるよう面倒な事になって居る!!!!…

…確かにまだ生きているとは言え!!…ほぼ万事休すだ!!!……」


「ッ!?…はぁ!?…呪いだとぉ!?…これまた面倒な!!…

解呪系のアイテム!!……なんて今持ってる訳無いし!!…如何すれば!!!!…」


厄介な事にこのまま放って置いても死ぬ事を説明!…それは毒を盛られて居た事を

話し出すと、同時に回復も出来ない事を更に続けて話して行き!…と言うのも一番

厄介なのは呪い!と…このゲームにおける呪いと言うのは一部回復効果を覗いて

その効果が反転!…逆にダメージになってしまう事を説明すると、モツもそれを

聞いて戸惑う言葉を!…やはりマサツグと同じく厄介!と零す!…その際呪いを

解呪するアイテム!と言って何かないか?と考えるのだが、都合よくそんな物を

持ってはいない!と自分でツッコミ!…となるとその解決策にマサツグとモツとで

悩む事に!…一方でまだ女王が生きている事を知って驚いた表情を!…ダグレスが

若干ムッとした様子も露わにすると、再度仕留めに掛かろう!と動きを見せる!…


「クソッ!?…まだ生きているだって!?……化物め!!…

やっぱり一筋縄じゃ行かなかったのか!!…

このままだと僕の英雄伝に傷が付いてしまうじゃないか!!!…」


この時女王にまだ息が有る事をマサツグから聞かされ!…仕留め切れなかった事に

対して悔しさを滲ませるそんな反応を露わにすると、女王を仕留めようとした真の

目的をポロッと漏らす!…と言うのも別に恨みが有る!とかそう言うのではなく、

ただ単純に身勝手な理由で女王に危害を加えたらしく!…何なら自分の事しか

考えて居ない様子で女王を睨み!…そしてこのままだと目的が頓挫してしまう事に

対しても遺憾の意を示して行くと、先程からダグレスの事を心配する者が!…


「いかが致しますか!?…殿下!…」


「……仕方ないな!…パラメリア!!…」


__コクリッ!…スッ…バッ!!!…


それはダグレスからの指示を待つ声であり、その者は大して身構える事無く

質問を口に!…と、その問い掛けに対してダグレスもクッと苦虫を噛んだ

表情を浮かべ!…次には苦渋の決断とばかりにその者に指示を!…何なら

その者の名前を呼んで強硬手段に出る様なそんな覚悟ある言葉を発して行く

と、そのパラメリアと呼ばれた者も頷き返事!…そしてスッと立ち上がるなり

妖し行動を見せようとするのだが!…


__ッ!!!…チャッ!!…ギリィィィ!!!…


「そこ!!…動くんじゃ!!…」


__ッ!!…ヒュン!!!…バキィィ!!!…


それを許さない!とばかりにアヤが反応!…その際既に弓を引き、その者に対して

後は矢を放つだけの所まで持って行くのだが!…そのパラメリアと呼ばれた者も

すぐさま反応!…相手に矢を放たれる前に水弾を放つ!…それは少し前に近付こう

として居たマサキに向けて撃ち出したモノと全く同じで、大きさとしても1cm位

で!…しかし威力としては十分に有り!…アヤが番えた矢だけを破壊!…その際

水しぶきとその砕けた矢の破片でアヤの事を怯ませて行くと、モツも思わずアヤの

心配!…ダグレスに対して注意を逸らす!…


「きゃあッ!!!…」


「ッ!?…アヤ!?…」


__ッ!!…バババッ!!……チャキ!!…ッ!?…ッ~~~……


結果としてダグレス達も何とか立て直す機会を得て!…すぐさま取り囲むマサキ達に

身構える素振りを見せて行くと、臨戦態勢を整えて行く!…となるとモツもハッと

した様子でバッと視線を戻して行くが、時既にお寿司で!…もはや戦いは避けられ

ない様子が全面に!…一方でパラメリアと呼ばれた者も何やら妖しい雰囲気で呪文の

様なモノを唱え続けると、次には見覚えのある空間の歪みを生成!…そして何かを

呼ぶ様に号令を出すのであった!…

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