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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章五十一節 再会の職人と複合武器とオリハの剣-

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慌てて玉座から降りてマサツグ達がそのドワーフの所まで掛けて行くと、そこには

未だ膝に手を着き息を切らすその姿が!…その際そのドワーフの背中には何やら

武器を背負っている様子が見られ!…と、その背負っている武器と言うのも双剣と

刀!…何方もドワーフが扱う物としては些か特殊で!…そのドワーフの老人が

そこまで機敏に動ける様には見えない!とハティが疑問を持って居ると、マサツグが

そのドワーフの老人を知っている様子で名前を呼ぶ!…そして息切らしている

様子に心配をする!…


「ド、ドレッグのジッチャン!!…だ、大丈夫か?…」


「ぜぇ!…ぜぇ!…ふぅ~…さすがに老体には堪えるわい!…

…して、遂に始まってしまった様じゃな?…

…あと嬢ちゃんが増えている様にも見える…」


言わずもがなそのドワーフの老人と言うのはあのマサツグ達の装備を作ってくれた

ドレッグの事で、ドワーフファミリアでの約束を果たしにここまで来た様子で

遠路遥々はるばる!…そしてマサツグの心配する声に対して手をスッと突き出して大丈夫!

とジェスチャーをして行き!…その際本音も漏らす事でウケを狙い!…更には薄々

分かって居た様子でこの状況に若干悲観!…そして疑問を持った様子でマサツグと

一緒に付いて来たシロとハティの二人を交互に見ると、まるでシロが分裂した様な

言い方を!…思わず目を細め疑問を持った様なそんな表情を向けて行く!…

するとそんなドレッグの視線に対してハティは若干人見知りをする様なそんな

反応を見せて行くと、一方でシロはドレッグを見るなりいつもの様に手を上げて

声を掛け!…


「もじゃもじゃのお爺ちゃん!!」


「ッ!…んん~?……ッ!…

コッチがあの嬢ちゃんと言う事か…

ではコッチのお嬢ちゃんは?…」


この時シロは人見知りをする事無く天真爛漫!…その際そのやり取りをチラッとだが

見て居る者達も少なからず居り!…そのシロの無邪気な様子にやはり何かアイドルを

目の前にして居る様な身悶える反応ぶりを露わにすると、一方でドレッグはシロが

挨拶をしてくれた事でシロを識別!…やはり双子である事から何方が何方で有った

かが分かって居なかった様子を露わにする!…そして識別出来た所でシロにスッと

笑って見せると、今度はハティの方にも視線を向け!…


__ッ!…ッ…スッギュゥ!…ッ!……ッ?…


と、ドレッグに視線を向けられた事でやはりハティはビクッとして!…次には

隣に居るシロの手に向けて手を伸ばし!…ギュッと握って大丈夫!と言う安心感を

得ようとすると、シロも突如手を握られた事でハッ!と…ハティの方を振り向いて

首を傾げて見せる!…勿論マサツグの知り合いである事からハティもドレッグが

不審者でない事は分かっているが、それでもやはり何か不安を感じる様で!…

するとその様子にマサツグも気が付いた具合で苦笑いをしてしまい!…ここで

自己紹介をする様に!…ドレッグに自ら如何言う事か?を事情説明し始めると、

二人間を取り持とうとする!…


「…あぁ~あははは…話すと長くなるんだが…そうだな?…

簡単に言うとシロは如何やら双子だったらしい!…

で、こっちの人見知りをしている方が妹で!…

コッチもフェンリルの皇女様だ!…」


「ッ!…なんと双子!?…

ほほぉ…珍しい事もあるモンなんじゃな!…」


マサツグは簡単にハティがシロの双子の妹である事を話して行くと、こちらも

フェンリルで皇女様!と…何ならシロも皇女様であった事を伝える様に話しを

して行き!…するとドレッグもその話を聞いて直ぐに理解を示す!…さすが

年の功!行った所か!…然程悩まずスッと受け入れた様子で双子と言う事に

驚いて見せると、マサツグから視線を移してまたハティに!…となるとハティも

勇気を振り絞って返事をする!…


「ッ!…は、初めまして!…なのです…」


「ッ!…あぁ宜しくな?…可愛らしい王女様!…

ワシの名は[ドレッグ]!…[ドレッグ・ノーマインズホルマン]と言う!…

…なぁにそんな怯えんでも取って食いはせん!…

ただのしがない鍛冶屋の親父じゃよ!…」


シロと手を繋ぎながらオドオドしても!…まず最初に初めまして!の言葉を口に

すると、ドレッグもピクッと反応をして見せ!…そして自らも自身の事を名乗り

始める!…それは礼儀に礼儀で返すよう威圧感の無い様にフッと笑って見せると、

不器用ながら会釈をして見せドレッグ!と…その際自身の事を別に工匠の様に

言う事は無く!…ただのしがないと言って謙遜をする様な自己紹介をし!…


「ッ!…は、はいです!…ハティは……ッ!…ッ…」


「…ッ!…んん?…如何したんだ?…」


「ッ!…な、何でも無いです!…ハティはハティです!…

[ハティビィエール・ラグナクロス・フェンリル]なのです!…」


となるとそう自己紹介をされた事でハティも返事!…が、この時一瞬ピタッと

止まり…何か悩む様なそんな反応を露わにすると、マサツグもそれに気が付いた

様子でハティに声を!…しかしハティはそうマサツグに声を掛けられた事で

我に返る!…そして何でもない様子で慌てて見せると、次には自身の名前を

ちゃんとフルネームで答えて見せ!…何ならドレッグに倣って会釈も返し!…

ドレッグもそんなハティの様子を見て驚き!…礼儀正しいお嬢ちゃんと言う

イメージを持つと、また言葉を!…何故ハティと言うのかを理解する!…


「ッ!…ハティビィエール!…なるほど?…故にハティと言う訳か!…」


「…ッ!…って、そう言えばドレッグのジッチャンは何でここに?…

って、ンなモン言わなくて持って所か…って事は出来たのか?…」


まるで何かその名前にある意味にも気が付いた様子で笑いながら言葉を零すと、

一方でマサツグが改めて用件を尋ね始め!…と言った所で思い当たるのはその

背中に有る武器しか無く!…ドレッグにその背中に背負っている物がそうなのか?

と…その武器を指差しながら確認の言葉を口にすると、ドレッグもそのマサツグの

言葉でまたピクッ!と…今度はマサツグの方へと振り向き始める!…そして!…


「ッ!…あぁ!…出来たとも!!…

あの狼の嬢ちゃんのドラッケンナイトに!…お主の化け物刀もな?…」


「ッ!?…化け物刀?…」


ドレッグは双剣の方がオリハの武器であるドラッケンナイト!と…そして刀が

マサツグの方である事を話す際、その持って来た刀を化け物と語り!…何なら

これを作成する際何か悲しい事が有ったのか?…突如ふと若干視線を逸らして

ドレッグは悲しげな表情を!…となるとそんな表情を見て!…マサツグも途端に

疑問を持つ様なそんな反応を露わにすると、次にはそのドレッグが背負っている

刀をマジマジ見詰める!…一体何が?とばかりに戸惑って見せる!…すると

そんな神妙な雰囲気を見せて居ると、マサツグ達が居ない事に気が付いたのか!…


__…おぉ~い!!…ッ!……チラァッ?…


まるで空気を読んだかの様にそこへオリハがグッドタイミングにやって来て!…

遠方よりマサツグ達を大声で呼ぶ様に声を掛けると、当然マサツグ達もその呼ぶ

声にピクッと反応!…そして一斉にチラッと確認をして行く!…するとそこには

手を振りながらコッチコッチ!とばかりにアピールをするオリハの姿が遠くから

見られ、オリハもマサツグ達に気が付いて貰えた所で途端に駆けて更に近付き!…


「おぉ~い!!…一体何をして?…

って、ドレッグさん!?…って事は!!…」


「ッ!!…おぉ~久方ぶりじゃな!…狼の嬢ちゃん!!…

…ッしょ!……ほれ?…今度はちゃんと約束のモノを作って来たぞ?」


と、ここで初めてマサツグが話している相手と言うのがドレッグと分かり!…

オリハは直ぐにハッ!と反応して次には目をキラキラ!と…待ってました!と

ばかりに期待した言葉も漏らして行くと、ドレッグもオリハへ気さくに挨拶!…

そして背負っていた武器の内、双剣の方を手に取って見せる!…するとその双剣を

オリハへ手渡すよう今度はスッと差し出して行くと、オリハもそれを見て慌てて

駆けて来て!…


__ッ!…ダダダダダダダダダ!!!…ザザアアァァ!!!…ガッシ!!!…


「ありがとうドレッグさん!!!…」


「ムゴッ!!…ムゴムゴムゴムゴ!…」


それこそドレッグへ向かって飛び込んで行く様に!…何なら途中でブレーキを

掛けるが結局止まれず!…そのままドレッグごと受け取る様にガバッ!と

抱き締めに掛かってしまうと、とにかくオリハはドレッグを抱き締めたまま

感謝の言葉を!…一方でドレッグも抱き締められたまま恐らく返事の言葉を

口にする!…その際ドレッグもやはり男である様子で何か頬を染めている様子が

チラッと見られてしまうと、マサツグはそれを見て何故か悲しい表情を浮かべ!…


__………。


「…ッ!…んん?…ごしゅじんさまぁ?…如何したのですかぁ?…」


「ッ!…いや…別に…」


その際マサツグの悲しげな表情に気が付いた様子でシロが声を!…それこそ

不思議そうに首を傾げ!…ハティも気付いて一緒に釣られて首を傾げるそんな

様子を見せて居ると、一方でマサツグもそう声を掛けられた事でピクッと反応!…

そのシロ達の問い掛けに対して何でも無い!と返事をする!…では何故そんな

悲しげな表情を浮かべたのか?と言う話であるのだが、その理由はオリハの

中身にあって!…


{…分からないって悲しいなぁ…

中身はもう二十後半を迎えてる男だってのに!…

多分ジッチャンはオリハを女の子だと思ってるんだろうなぁ~…}


「ムゴムゴッ!…ムゴムゴッ!!…」


__…はあぁ~……ッ?…


それはプレイヤーだからこそ分かる!…いや、実の家族!…実の兄弟だからこそ

分かる悲しい事実であって!…ドレッグが知らない事を悲しいと言うか何と言うか…

何か申し訳ない気持ちになり!…その知らない事だけが唯一の救いである様に!…

その様子をジッと見詰めてただただ悲しげな表情を浮かべて居ると、ドレッグも

紳士にオリハを宥める!…しかしやはり頬を染め耳も赤くして見せる!…そして

それに気が付いている以上、更にマサツグは申し訳なくなり!…思わず溜息を

吐いてその事実を胸に秘め!…一方でそんな様子を見せるマサツグに更に首を

傾げる!…シロとハティも揃って不思議そうな表情を浮かべて見せると、やはり

マサツグの事を見詰めて行く!…さてそうしてオリハからの拘束が解けたのは

数分後の事で、オリハはドレッグからその双剣を受け取るなりすぐさま抜刀!…


__チャキッ!!…スラァ!!…ッ!!…フォン!!!…


「こ、これは!!…」


さすがに二本一気に抜刀は出来ないのでまずは一本だけ受け取り、そして軽く

素振りをする様に勢い良く振り抜き!…するとまだ日が高い事からかその剣は

日の光を反射して見せ!…まるで強烈なライトを点けたかの様にチカッ!と

輝き!…その輝きにマサツグやシロ達!…何なら作った本人でさえも怯ませる

光量を放って行くと、オリハもその刀身を見て次には驚く!…その見事なまでの

鏡面仕様に目を見開く!…するとドレッグも徐々に怯みが解けて来た所で

言葉を口に!…そのオリハの武器の仕様について説明を!…


「…如何じゃ?…見事なモンじゃろ?…

あのエイブレントの小僧の剣にも負けん透き通った銀の様な輝き!!…

そして軽く掛かる虹の光沢!!…更にはも施してある!!…

…まさに!!…ワシが今まで打ってきた武器の中でも!!…

間違い無く五本の指に入る会心の出来じゃて!!!…」


「ッ!…?…」


と言うのもドレッグ自身も認める程の会心の出来であるらしく、その鏡面仕様を

自画自賛!…それこそその輝きを出せるのは自分だけ!と言った様子で話して

行き!…更には何か秘密が有るのか?…仕掛けがある事も話してそして改めて

自慢の武器を作り出せた事を口にすると、オリハはその仕掛けとやらに興味を

持った様子!…その事をドレッグに尋ねて行く!…するとドレッグもその質問を

受けて一旦その手に握る鞘をベルトに佩くよう指示をすると、もう一本の剣を

オリハに差し出し!…


「ッ!…よしよし!…

ではその鞘を一旦ベルトに佩いてくれ!…そしてこの剣も!…」


「え?…う、うん…」


__シュルッ…キュッ…キュッ……チャキッ!…シュルッ…キュッ…キュッ…


となるとその指示を受けてオリハも思わず戸惑ってしまい、だがそれでも素直に

そのドレッグの指示に従って見せ!…その際今持っている剣の鞘を一旦衣装の

帯に佩き!…そして改めて二本目も受け取り!…同じく衣装の帯に佩いて二本目も

スッと抜刀しよう!と…するとそこでドレッグがオリハに更なる指示を!…

その抜いた剣の両方の柄をくっ付けるよう様に!…ジェスチャーも交えて指示を

出す!…


「…よし!…ではそのもう一方の剣も抜いて!…両方の柄を合わせる様に!…

…こう!…キュッ!っと捻って見てくれ!…すると如何じゃろう?…」


「ッ!…え?…わ、分かったやって見る!…」


__……ッ…スゥ…ピタッ…カチッ!…ッ!……ッ!!…


と、その指示を受けて更に戸惑う反応を見せるオリハ!…だがそれでもドレッグの

言う通りにその両方の剣の柄をスッと合わせ行くと、今度は捻って見せ!…すると

次にはまるで爪が噛み合う様なそんな音が!…宛ら傘を開こうと爪を外した様な

軽い手応えを感じ!…と、それを感じて片手を離し!…何と無く予想が付いた様な

とにかくその剣を片手に持って見せると、二本の剣は柄からくっ付いて離れない!…

まるで今まで使っていた両刃剣の様になってしまう!…するとそれを見てオリハも

ハッ!と更に驚く様なそんな反応を見せて居ると、ドレッグもこれがその仕掛け!と

ばかりに!…


「…うむ!…不具合は無さそうじゃな?…」


「ッ!…これって!…」


オリハが剣を合体させた所で問題がない事を確認して行き!…頷きながら笑顔で

それで良い!とばかりに言葉を口に!…と、そんなドレッグの言葉を聞いた事で

オリハも更にハッ!と…次には振り返って確認して行き!…今まで自分が使って

来た武器の数々を知って居るのか!?と戸惑い驚くそんな表情を浮かべて見せると、

ドレッグはさも知って居る!とばかりに言葉を!…その仕様理由について話し

始める!…


「…確かお前さんは両刃剣を扱って居ったじゃろう?…

それにそのお前さんの手からは色々と武器を転々と試した様子が見て取れる!!…

特に双剣・両刃剣・野太刀!!…が、手に馴染んで居ったのじゃろう!!…

故に少し仕様をな?…弄って見る事にしたのじゃ!!…

…それならば如何なる大群を相手にしても!!…

狭い所でやり合うにしても!!…その時に応じて戦える!…

武器の切り替え時間を!!…極力無くした物となって居る!!…

…言うなれば!…[]と言うヤツじゃな?


勿論それは一番にこの武器を扱うであろうオリハの事を思い話し出すと、

オリハの練度から最適の武器を考え出した様子で!…特にドレッグが

言うには双剣・両刃剣・野太刀!と言った所で…今までまさにオリハが

使ってきた武器の事を看破しており!…更にはその戦闘スタイル!…

戦い易さも踏まえて敢えて合体出来る形状!…一個の武器としてまとめ

上げた事を口にすると、それをドレッグ曰く[]!と…

オリハに言って説明をする!…するとその言葉を聞いてオリハもハッ!と

して見せると、その武器を手にジッと見詰め!…


「ッ!…マルチ!…ウェポン!!…」


__…クルクルッ…フォンッ!…フォン!!……ッ…


まるでドレッグの言葉を復唱する様に!…戸惑い混じりにその言葉を漏らして行く

と、その武器を掲げて更に何度かクルクルと…感触を確かめる様に遊ばせ素振りを

して見せる!…と、一方で更にそのドレッグの話も続きを見せる!…と言うのも

オリハに打ってつけの武器である事を説明すると同時に!…その渡した武器を扱う

上での注意点をオリハに説明し!…何でもただ合体させずに扱うだけなら特に

問題は無いのだが、合体させた際のその柄の摩耗具合について話しをして行き!…


「そうじゃ!!…その場面ごとに使い分け戦える!!…

恐らく今もお前さんにとって打ってつけの武器となって居る!!…

しかし幾つか注意点があってなぁ?…と言うのも!…

当然の事ながら何度も付けたり外したりすると!…

その柄の金具が馬鹿になる!…それこそ中途半端にくっ付いたり!…

或いは戦っている最中に外れてしまう事だってあり得る!!…

…故に!!…メンテナンスはしっかりな!?…

怠って戦って居ればそれは自分に返って来る!!…

努々忘れるでないぞ?……そしてその金具に限界を感じたら!!…

ワシの所に持って来い!!…完璧な状態で修復して見せようぞ!!…」


「ッ!……ッ…」


それは合体のオンオフの回数を重ねる事によって摩耗する!と…とまぁ普通に

話しを聞けば当たり前の話ではあるのだが、ちゃんとその注意説明をする辺り

ドレッグらしく!…そしてその上で使用者のメンテが必要不可欠である事も

話して行き!…摩耗具合を確かめる事によって使用者の命を繋ぐ!と…ドレッグ

自身もオリハの心配をしている様子で!…再度注意を促す様に話しをすると、

ちゃんと生きて戻ってくれば修理する事も約束!…保証が付いて来る事を口に

する!…するとその話を聞いてオリハももう一つハッとした表情を浮かべて

見せると、その手渡された武器を見詰め!…と言うのも改めて今自分が握って

いる武器は自分の命と同格!と…ぞんざいに扱えば簡単に散らし!…大切に

扱えば自らの命を守れるモノである事を再度確認すると、まるで黄昏る様に

ジッとただただ見つめる!…そして失った武器の事を考えて行く!…


さてそうしてオリハが軽いノスタルジー?な感覚になって居ると、最後に自身が

考えた武器の名前をドレッグが口に!…


「…して最後にその武器の名前なんじゃが…

その嬢ちゃん達の事を守れる剣と考えて!…[フェンリル・ガード]!…

と言うのは如何じゃろうと思って居る!!…」


「ッ!…[フェンリル・ガード]!……ッ…」


__ッ!……ッ?…ッ!…プッ!…ッ~~…


宛ら自身が作った作品にちゃんと名前を付ける様に!…その際シロとハティを

守れる様に!と願いも込め!…その名を[フェンリル・ガード]と!…守護剣と

しての名前を考えた事を口にすると、オリハもピクッ!と反応するなり振り返る!…

そしてその名前を復唱する!…そして更にそこからチラッとシロとハティの事を

見詰めて行くと、二人は揃ってそのオリハの視線に気が付いた様子で!…

と、次には揃って[なぁに?]とばかりに首を傾げ!…オリハもそんな二人を見て

思わず笑ってしまって居ると、ドレッグも更に続ける!…オリハにある確認をし

始める!…


「そうじゃ!!…お前さんにとっても大事な娘達なんじゃろ?…

だったら守ってやらねば!!…その最後まで見届けるつもりでな!!…」


「ッ!!……うん!…そうですね!…」


と言うのもオリハにとっての双子の存在について尋ねて行き!…宛ら覚悟を

持たせる様なそんな問い掛け方をして行き!…と、そんな風に言われた事で

オリハも途端にハッ!として見せ…何なら今日だけでも何度ハッ!とした事か…

しかしとにかくそう言われた事で決意を固め!…覚悟を決めた表情を露わに

すると、オリハはドレッグに返事!…その名前を受け入れた様子で納刀する!…

…のだが…


        ----------------------------------------------------------------------

            狼竜双刃剣・フェンリル・ガード

                レア度 SS

             ATK+700   MATK+150   


                [護りの誓い]

     自身が決めた対象物、或いは対象者が居る時のみ自動で発動。

     自身のDEFを1.5倍に能力を引き上げ、怯み等のアクションを

     軽減する。尚その対象物・或いは対象者に危機が迫っている

     場合、ATKを1.3倍+AGIを1.5倍に能力を引き上げる。

                [反撃の匠]

     反撃時のクリティカル発生・ダメージ率が大幅にUPする。

                [竜の息吹斬り]

     この武器で相手の属性攻撃を無力化した場合、吸収し二倍の

     力にして相手に撃ち返す事が出来る。尚、味方等に属性付与

     された場合も同意とし、攻撃した相手に大ダメージを与える。

                [パリィの極み]

     通常防御が1/2の確率でパリィ判定に変わる。尚自発的に

     パリィを成功させた場合、稀にスタン・よろけを強制的に

     追加で与える。

               
        ----------------------------------------------------------------------

__…グッ…ッ!…ッ~~…グッ!…グッ!!………


「…あ、あのぉ~…ど、如何すれば解除が?…」


納刀するに当たってまずはその両刃剣状態を解除しなければいけない訳で、

オリハは合体させた時と同じく逆に捻って剣を外そうとするのだが!…

幾らその柄の部分を捻っても全く外れる気配はなく!…何なら引っ張っても

全然ビクともしない!…それこそ力任せにやって見るが、勿論の如くただ

TPを地味に消費するだけで!…となるとその解除方法に悩んでしまい!…

いい雰囲気だったのが一転!…何とも締まらない様子でオリハがその解除

方法について戸惑った具合に質問をすると、ドレッグもそれを言われて

ハッ!と気付いた様子!…途端にオリハへ説明をする!…


「ッ!…あ、あぁ~そう言えばまだ説明しとらんかったなぁ~!…

いやぁ~スマンスマン!!…あぁ~っとじゃなぁ~?…そこのホレ!…

何やらスイッチの様なモノが左右に在るじゃろ?…

それを押しながら捻って!…」


「ッ!…こ、これですか?…ッ…あっ!…で、出来たぁ~!…」


それこそオリハに解除の説明して居なかった事を口にすると、ドレッグは

笑いながら謝罪をし!…と、次にはちゃんとその両刃剣からの解除方法を

説明して行き!…オリハも直ぐさまそれを聞いてスイッチを探し!…

そこで簡単にバネで出来ているであろうスイッチの様な突起物を!…

その柄の側面に見つけて言われた通りに押し込みながら捻って見せると、

先程までの固さが嘘の様に!…カポンッ!と簡単に解除される!…すると

オリハも無事解除出来た事でホッと安堵して行くと、今度は途端に先程の

ドレッグの言葉を思い出してかその金具を心配し!…


__…ッ!!…ッ……ッ!…


それは先程力任せに外そうとした事で早速壊してしまったのでは!?と…

心配をした様子で両方の柄をバッと見て!…何かパーツ等或いは爪が折れて

いないかを慌てて確認すると、ドレッグがその様子を見てピクッと反応!…

そしてオリハに安心をするよう声を掛け出す!…その際その理由に柄が

例によってアダマンタイトで出来ている事を話して行くと、早々壊れる事は

無い!と…が、その心配する心が大事!と言って褒めて行き!…


「ハッハッハッハッ!!…そんな直ぐに壊れはせんわい!!…

なんせあのアダマンタイトで作ってあるからのぅ?…

しかしまぁそれは良い傾向じゃ!…

ちゃんとしっかりメンテナンスをするんじゃぞ?……してマサツグよ…

お前さんに言われた刀じゃが…」


__チャキッ!…シュル……ッ!…ガッ!!…ッ!?…


一方で今度は話しをマサツグに移し出し!…と、途端にドレッグは神妙な顔を

して見せ!…マサツグにその修復出来た刀を渡そうとして見せると、オリハの

時と同様!…まずは背中から降ろして行く!…となるとそんな様子を見て

マサツグもハッとするとドレッグに手を!…その出来た刀を受け取ろうとする

のだが!…その受け取る間際にドレッグが突如マサツグの手を掴み!…それこそ

待った!を掛ける様に手首を握り!…マサツグを見詰め意味深な事を!…

何やら嫌な予感を放って行く!…


「…気を付けるのじゃぞ?…

少しでも危ないと思ったら納刀するんじゃ!!……良いな?…」


「ッ!?…え?……あ、あぁ…」


それはまるで曰く付きでも渡す様な口振りで!…心配をした様子で眼光鋭く!…

何なら渡したくない!と言ったそんな反応すら見せて行くと、マサツグもそんな

言葉を掛けられた事で当然戸惑う!…だがそれでもドレッグから刀を受け取り!…

そのドレッグの言葉に同意をする!…そしてその刀の鞘に手を掛け完全に

受け取った所でスッと柄に手を掛けて行くと、次の瞬間ドレッグの言っていた

言葉の意味を何と無く理解し!…


__ガッ!!…チャキッ!!……ガッ…ゾワアァァ!!!…


「ッ!?…うわあぁぁ!?…」


と言うのもその手渡された刀は何処を如何見ても普通の刀!…強いて言うなら

白鞘で、まるで某・怪盗三世の用心棒が持って良そうな御神刀のフォルムを

しているのだが!…マサツグがその柄に手を掛けた瞬間!…本来なら寧ろそんな

邪気の様なモノは感じられないと思うのだが、何故か背筋がゾワゾワ!と…

まるで背中に何か虫が入って来た様な感覚を覚え!…マサツグも思わず驚いた

様子でバッ!とその柄から手を放して見せると、その一連の様子にオリハが驚く!…

と、同時にシロとハティもビックリする!…


「ッ!?…え!?…」


「ど、如何したのですか!?…ご、ご主人様ぁ?…」


「………。」


それこそ突如マサツグが驚いた事でオリハは飛び退き!…シロとハティは驚き様まで

シンクロさせると、何度も目もパチパチ!…そしてマサツグに何があったのか?を

シロが尋ね!…何か警戒をする様なそんな反応も露わにすると、一方でマサツグも

驚いた様子で自身の手を見詰める!…その柄に触れた手をジッと見詰めて固まるので

あった!…

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