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-第七章-ウィンタースノー連邦-霊峰ウルフハウリング・後編~デグレアント帝国・前編-

-第七章九十五節閑話 囚人の失恋?と詰所の異変と某国の王子!…-

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さてこの話は前回の続きである!…まさかの自分の推しが実は女性であった事が

分かってしまい!…更にはつい先程まで戦い喧嘩をして居たのが本人である!と

言う事が更に分かると、リーナを見詰めてはプルプルと震え!…何やら現実を

受け入れられない様なそんな反応を露わにする!…その際勿論リーナとしても

別に意趣返しをしよう!と思って暴露をした訳では無いのだが、グラトニアの

反応に戸惑ってしまい!…


「…お、おい?…一体如何したと言うのだ?…

何でそんな驚いた様なショックを受けた様な表情で固まって?…」


__…ぷるぷるぷるぷるッ!…つぅ~…ッ!?…


となるとウンともスンとも言わなくなってしまった事でリーナが声を!…

それは反応が欲しい!とばかりに…その返事が返って来ない理由に何故?と…

未だ男装時の声で問い掛けて見せると、次にはグラトニアが泣き出す始末と

なって行き!…まるで小さな子供の様にプルプルと震える!…そして更には

その目から重力に従うよう一筋の涙が零れ落ちると、目の前でグラトニアが

泣き出したリーナもハッ!と更に慌て!…


「ッ!?…ちょ!?…なっ!?…

ど、如何したと言うのだ!?…グラ!!…」


__スッ…ッ!!…パンッ!!…ッ!?…


勿論状況が飲み込めていない様子で言葉を口に!…その際手を伸ばせば届きそうな

距離なので!…スッと手を伸ばしグラトニアを労わる様なそんな素振りを見せて

行くと、次には問い掛ける言葉を続け!…グラトニアの名前を呼ぼうとする!…

しかしそんなリーナの対応に対してグラトニアもハッ!として見せると、次には

涙を流し続けたままその手を払い!…まるで心配は要らない!と…寧ろリーナに

向かい余計なお世話!と言った具合に睨みを利かすと、次には文句を口に!…

行き場のない怒り?をリーナにぶつける!…


「如何したもこうしたも無いわよ!!!…そりゃ泣きもするわよ!!!…

密かに憧れていた騎士様がまさかの女だったって聞かされて!!!…

少ないお給料でブロマイドだって集めていたのよ!?…

写真集も出てたから買ったし!!……なのに!!…なのにぃ~!!!…

私の初恋だったのに!!!…返せ!!…私の初恋を返してよぉ~!!!…」


と言うのもまるで憧れを返せ!とばかりに、知りたくなかった真実に乙女に

なり出し!…そしてただひたすらにショックを受け!…何やらその自身の当時の

趣味?についてまで話をすると、さもその時は苦労をしていた様な!…更には

リーナにとっても聞き難い事実を知る事になる!…何でも本人の与り知らない所で

ブロマイドや写真集なる物が出て居たらしく、その話を聞かされた事でリーナは

当然戸惑い!…


「ッ!?…な、何を訳の分からない事を!?…

と言うかブロマイドとは何だ!?…

その写真集と言うのも私は全く知らないのだが!?…」


何故ならその当時はまだリーナが女性である事を隠して居た時であり、その事実を

知ってまさかバレていたのか!?と…しかも自身の与り知らない所でと言うがまた

厄介な所で有り!…盗撮をされていた事実が浮き彫りに!…そう言った恐怖の様な

モノを感じて!…慌てながら更にグラトニアへ詳しい話を尋ねようとすると、一方で

グラトニアは不貞寝!…ゴロン!とリーナに背を向ける!…そして身を丸め未だ

ショックを受ける様子を見せて居ると、リーナはその反応に更に慌て!…


「ッ!?…お、おい!!…私が悪いのか!?…

…ま、まぁ確かに女の身である事は隠していたが!!…

別に悪意があった訳では無いのだぞ!?…

…あ、あれは…おかあ…ッ!…は、母上がそうしろと言ったからで!!…」


__………。


何か空気的に自分が悪者の様に感じて行くと、グラトニアに質問をするよう

言葉を口に!…その際男装をして居た理由にもチラッと触れ!…その原因に

如何にもやはり王妃!…あのアムネスが関係している事を続けて行くが、

一方でグラトニアはそれを無視!…堂々と不貞寝を続けて見せる!…それこそ

聞こえていない様に頭から毛布を被って行くと、次にはリーナもそんな反応に

対して更に暴露するよう話しを続け!…


「ひ、姫の姿のままだと真実が見えて来ないからだ!と…

そう教わったから身分を偽って居ただけだからな!?…

べ、別にそう言う!…じょ、女性同士とやらには…ッ~~!!!…

わ、私にはちゃんと!!…マサツグと言う思うべき者が!!…」


そもそもとしてリーナは自分は悪くない!と声を大に…男装をして居た理由に

ついても立派な理由で!…姫のままだと民衆の声が聞こえない!…気遣われて

有耶無耶になり!…真実に辿り着けないから!とアムネスから教わった事を

口にすると、更には別の話を!…誤解を招かない様に!と暴走をする!…

と言うのも自分はノーマルである様にちゃんと男性が好きである事を話し出すと、

マサツグの名前を赤面しながら漏らし!…と、一方でそんな話を聞かされてか

グラトニアもピクッと反応を露わに!…しかし決して振り返る様子はコレと

言って無く!…まるで呆れる様なそんな態度を露わにすると、もう如何でも

良くなった様子で開き直り!…


「…一人で何を食っちゃべってるか知らないけど…もう良いわよ!…

どうせ傷が完治したらまた世間から隔離された地下牢獄!…

…ある意味で諦めが付いたって感じよ!!…はあぁ~…」


「ッ!…そ、そうか……ッ…」


それこそ諦めが付いたと言うか、今更知った所でどうしようもない!と…

その理由にこの休息も一時のモノ!とリーナに話し…怪我が治ればまた収監!…

もう恋も何も出来ない様なそんな不貞腐れようを話して行くと、それを聞いて

リーナもピクッ!と…何か同情をする様なそんな反応を露わにする!…その際

間違いとは言え自身を好きになってくれた者に対して何か負い目を感じて行くと、

徐々にグラトニアがそんな重罪人の様には感じられず!…と、次には二人の間で

如何にも気不味い空気が流れ!…リーナもそのまま固まってしまい!…

グラトニアの様子からこれ以上は何を言っても無駄だと悟ると、背を向け寝よう

とするのだが!…


「…アンタはちゃんとモノにしなさいよ!!」


「ッ!…え?…」


それは突如ツンデレの様に言葉が聞こえ!…リーナの恋を応援しているのか?…

リーナに対してさも自分の様にはなるな!とばかりに声を掛けると、その突然の

言葉にリーナは戸惑い!…寝返りを打つ事を途中で止める!…そしてチラッと

グラトニアの方へ視線を向けると、そこには背を向けたままのグラトニアが横に

なっているのが見えるのだが…しかし如何にもそのグラトニアの耳は興味津々で

ぴょこぴょこと動いているのが見えてしまい!…リーナもそんな様子を見て!…

また何か戸惑いの様なモノを感じて如何反応をしたら?と言った様子を露わに

すると、ただ言葉を漏らす!…と、同時に少しだけ空気が軽くなった様な感覚を

覚える!…さてそうして色々と有りながらも二人の間で何か少し友情の様な

モノを感じて行くと、次には自然と瞼が閉じ!…


__…ッ……ッ…ッ~~~…


色々と騒ぎまくっていた疲れもここに来て爆発!…もう動くのも億劫になる程の

ダルさを覚え…遂には力尽きる様に二人揃って夢の国へと旅立っていくと、漸く

辺りは静かになる!…しばしの休息に身を預ける!…そして本来ならばこのまま

次の日の朝を迎える事になる筈なのだったのだが、事態は急変する事になり!…

と言うのも時間的にはあのマグダラスの事変が収束した後で!…この時二人は

まだ寝て居り!…異変に気が付いたのは何処からともなく聞こえて来た悲鳴に

始まり!…


__…約数時間後……


{……ゃぁぁ~!!!…}


__ッ!?…ガバァッ!!…ッ!?…ッ!?…


それはハッキリと聞こえて来た訳では無いのだが!…二人は何か異変を感じ取った

様子で機敏にハッ!と…覚醒すると辺りを見回し!…その様子は宛ら野生の獣の様な

反応速度で!…だが互いにツッコむとかそう言った事は一切無く!…とにかくその

何処からともなく聞こえて来た悲鳴に対して!…やはり似た者同士なのか否応なしに

警戒の色を強めて行くと、今度はまるで信頼し合っている様に!…自然と二人の間で

会話をし始め!…


「…今のは!?…」


「…間違い無く悪ふざけの類では無さそうねぇ?…

…ッ!…それにこの臭いは……血!…

かなぁり物騒な事になってるのかしら?…」


話し始めはリーナからで!…まるでグラトニアにも聞こえた筈!とばかりに!…

確認の意味も込めてボソッと言葉を漏らして見せると、そんなリーナの問い掛けに

対してグラトニアも真剣に返事を!…飛び起きて辺りの気配を探る!…その際

さすが人狼と言った所か!…今の悲鳴が演技とかそう言うワザとらしいモノでは

ない事を口にすると、更にある事に気が付いた様子で!…と言うのもふと血の

臭いを嗅ぎ取ったらしく!…思わず鼻を抑えては臭い!とばかりに!…血の臭い

から穏やかでない事を悟って行くと、その話を聞いてリーナもハッ!と…次には

ベッドから起きて見せる!…この時まだ体は痛むのだが、何とか武器になりそうな

モノをスッと手に取り!…


__…ッ!…カランッ!…スッ…ヒュンヒュンッ!……


「ッ!…何をする気?…」


この時リーナが手に取ったのは手頃な杖!…恐らく松葉杖代わりの物だろうか?…

それぞれ二人のベッドに立て掛けられて有るのを見つけると、リーナはそれを手に

軽くスナップ!…武器として使える事を確認する!…となると隣で急にそんな

聞き慣れない音が聞こえて来た事でグラトニアも反応をすると、そこで身構える

リーナの姿を見つけ!…思わずその様子に質問を口に!…聞かなくても分かる所

なのだが!…何かその様子が可笑しく見えた感じで尋ねて行くと、リーナもそれに

対して真面目に返事!…更に警戒の色を強めて見せる!…


「あくまでも用心の為だ!!…お前も要るか?…」


「ッ!…いいえ?…

騎士様と違って一応体術にも精通して居るから!…」


その手頃な杖を剣の代わりに構えて見せると、この時更にグラトニアへ質問を

口に!…と言うのもグラトニアは丸腰の状態で身構えて居り!…不審者が武器を

持っていた場合!…不利なのでは?とその身の心配をするのだが、グラトニアは

その問い掛けに対して不敵に笑う!…何も問題無い!と返事をする!…その際

茶化す様にリーナの事を小馬鹿にすると、当然リーナもその言葉に対して

ピクッと反応をするなり反論をし!…


「ッ!!…き、貴様!!…この期に及んで!!……まぁ良い!!…

一応言っておくが!…私もそれなりに体術は心得ているのだからな!?…」


まるで弱者と言われた様な気がしてカチン!と怒りを!…だがグラトニアと

喧嘩をしている場合では勿論無く!…一旦保留にしてそれでも!…自分も

ある程度は体術が使える事を文句とすると、そのリーナの言葉にグラトニアも

ピクッ!と…次にはその反論が面白かったのか笑ってしまう!…この時笑うと

クスクスと静かに笑う程度で!…次にはあしらうようリーナに返事をして

行くと、改めて自分達の置かれている現状を整理し始め!…


「ッ!…フフフ!!…はいはい!……さて?…

この建物の出入り口は確かあの玄関の一か所だけなのよね!…

…窓から逃げるにしても高過ぎる!…オマケにこっちはまだ手負い!…

…となると隙を見て相手の背後に回るのが吉なんだけど…」


「…如何する?…敵の狙いが分からない故!…

下手に動きたくない所であるが!…」


その際逃げる事を先決とした様子で思考を纏め!…敵に見つからないよう

脱出をするにも!…玄関の位置が非常に不味く!…不審者と鉢合わせする

可能性が高い事を考えて行くと、現実的ではない!と…更に他の逃走路に

ついても考え始める!…しかし幾ら思い返した所で難点が多く!…何なら

自分達は負傷者で!…戦うにしても恐らく満足に戦う事が出来ない訳で!…

相手の隙を伺うしか他に無く!…相手の動きが分からない事で更に悩む

様子を見せて居ると、更に不審な音を耳に!…


__ぎゃああ!!……ぎゃあ!……チャプンッ!…


「ッ!?…徐々に近づいて来ている!?…」


「…それに何この…まるでは?…」


それは遠くより衛生兵の悲鳴と思わしき声が聞こえて来る同時に!…何やら

水の様なモノが並々と動く、何とも表現し辛い音が聞こえ!…するとその悲鳴が

再度聞こえて来た事で当然また緊張を覚え!…リーナが更に警戒をする様な

そんな反応を露わにすると、一方でグラトニアがその水の音に!…何か嫌な

予感を感じて見せる!…それは勿論何処かで聞き覚えがある!とか体験した事が

有る!とかそう言う話では全くなく、本能的な危機感を感じ!…だがやはり

迂闊に動けない事には変わりがなく!…何なら仕舞には足音が!…徐々に

こちらへ向かい近付いて来ているのが聞こえて来ると、緊張の糸はピンッと

張り詰める!…全神経がシュッと研ぎ澄まされる!…


__…コッ…コッ…コッ…コッ……チャプンッ!…ドプンッ!…


「…ッ!!…騎士様!!…ここは一か八か打って出るわよ!!…」


「ッ!?…何!?…貴様正気!!…」


謎の強襲者の足音で緊張は高まり、更に焦りも感じられ!…となると上手く考えも

纏められず!…逃走するにしても道がない!…同じ結論に何度も行き着き!…

遂にはその謎のプレッシャーに屈した様子で打って出る言葉を漏らして行くと、

一か八かともう一つ漏らす!…するとそんなマサツグみたいな事を言うグラトニアに

リーナも戸惑った反応を露わにする!…その際その言葉を聞いてピクッと反応を

して見せると、慌ててグラトニアの居る方を振り向き!…すると次には正気か

どうか?を確かめる言葉を口に!…するとグラトニアもそんな言葉を最後まで

言わさせる事は無く!…途中で遮る様に返事をすると、その覚悟の旨をリーナに

漏らす!…


「正気も正気!!!…

…こんな所で誰に殺されたのかも分からないまま!!…

簡単にくたばってやるモンですか!!……準備は良い!?…」


「ッ!?…ッ…ッ!!…致し方あるまい!!!…」


自身が大真面目である事を口にすると、反抗精神を剥き出しに!…それこそある

意味でこう言った状況には慣れて居る!と…だからこそただでは転ばない!と

言わんばかりに意気込み始め!…いつでも飛び出せる様に身構える姿勢を露わに

すると、もうやる事は決定したのかリーナに確認!…となると更にリーナも

その言葉で戸惑って見せる!…だがグラトニアの言う通り戸惑った所で何か

妙案が浮かぶ訳でも当然無く、今度は触発された具合に覚悟を決め!…すると

その近付いて来る気配に対して息を潜め!…まるで相手の気配を探る様な!…

さも暗殺者になった様な気持ちで身構える姿勢を取って行くと、次にはその

謎の者が物音を!…その姿を露わにする!…


__コッ…コッ…コッ…コッ……ガララララ…ッ!!…


「ッ!?…き、貴様は!…」


それは丁度リーナ達が居る病室の前でスッと足音が止むと、それに合わせて

二人が更に緊張をする素振りを見せ!…しかし一方でそんな中に居る二人の

事など御構い無しに!…次には病室の引き戸が開き!…そこで見覚えのない

魔術師を一人!…そしてもう一人仰々しい格好をした男性冒険者?の姿を

見つけて行くと、その男性冒険者?の方には見覚えがある様子!…リーナが

ハッとした表情を浮かべて見せる!…するとその男性冒険者?の方もリーナを

見つけた事で同じくハッとした表情を浮かべて行くと、血迷ったのか今度は

こんな事を口にし始め!…


「ッ!…あぁ!…ここに居られましたか!…

我が愛しの妃!…リーナ・ハイデルグ・スプリングフィールド!…」


「ッ!?…い、愛しの妃?…え、何?…ア、アンタの知り合い?…」


と言うのもその男性冒険者?はリーナを探して居た様子で嬉々として笑みを浮かべて

見せると、両腕を広げてはリーナを自身の妃!と…それはまるでもうとっくに結婚を

済ませている様なそんな態度を露わにして行き!…となると当然そんな言葉と態度に

二人は酷く困惑!…何なら気色悪い!とばかりに!…あからさまに引いた反応を

露わにすると、その際グラトニアがリーナへ本当に知り合いかどうか?を確認…

するとその問い掛けに対してリーナは身震いをしながら否定をする!…


「ッ??…そ、そそそ!!…そんな訳が無いだろう!?…

わ、私がす、好きなのは…マ、マサツグ!…ッ~~~!!!…」


「ッ!?…ッ…フッ…おやおや?…恥ずかしがるとはまた可愛い!…

しかし照れ隠しの相手にあの禍々しい男を選ぶのは…

少々ナンセンスと言った所ですが?…」


その際リーナは全身に鳥肌を立たせながら全力で否定!…そして改めて自身が

好きな人はマサツグ!と、乙女になりながらモジモジと話し!…何なら顔を

真っ赤にする程の夢中振りを露わにして見せ!…となるとその言葉が聞き捨て

ならなかった様子で男が反応!…ピクッと身動ぎするよう動きを露わに!…

そこから両腕を降ろして行き!…必死に怒りを堪える様に強がる言葉を口に

すると、リーナの事を可愛い!と漏らす!…と、同時にマサツグの事を

ディスっても行く!…まるでマサツグの事を闇落ちした何かであるよう!…

或いは魔王である様なそんな事を口にすると、その言葉を聞いたリーナが

ムッとして見せ!…


「ッ!!…黙れこの変態風情が!!!」


__ギュンッ!!…ッ!!…フォンッ!!!…


次にはマサツグを馬鹿にされた事でリーナが怒りを爆発!…この時自身の怪我を

押してでも!…機敏に動きその気色の悪い男へ向かい持っている杖を振り上げると、

袈裟斬りに斬って捨てるよう!…思いっきりフルスイングを繰り出して行く!…

しかし向こうもそれを黙って受ける程如何やら愚鈍でも無いらしく、次には簡単に

避けてしまい!…その際余裕とばかりに笑みを浮かべながらリーナに言葉を零して

行き!…


「…っと、少々血気盛ん過ぎかな?…我が妃よ?…」


「ッ!!…クッ!!…」


__ッ!!…ッ…ジリッ…


回避をしては一旦距離を!…まるでじゃれ合っているかの様に振舞い!…ナルシスト

全開でおいたが過ぎる!と言わんばかりの言葉を吐くと、リーナが更に鳥肌を!…

そして男を睨んで行く!…一方でリーナが攻撃を繰り出した事でグラトニアもハッと

我に返ると、身構え直しては自分は魔術師を請け負う!と…その際悟られない様に

一歩踏み出し!…少しでも相手を自身の間合いに入れようとすると、次にはそれを

読まれて居た様子で魔術師も行動!…無駄だ!と警告をして見せる!…


「…動かない方が身の為ですよ?…」


この時グラトニアも一応手負いではあるのだが、それでもその動きに淀みは無く!…

だがしかしその上を行く様に相手にはバレた様子で警告を受け!…それ以上は

推奨しないよう静かに言葉を口に!…ジッとするようグラトニアの身を案じて!…

一切グラトニアを見る事無くジッと杖を握り続けると、一方で突如魔術師に

声を掛けられた事でグラトニアも驚く反応を露わに!…思わず身動ぎをする様に

その動きを止めてしまう!…


「ッ!!…ッ!?…」


__チャプンッ!!…ゴポポポポッ!!!…


まさかバレるとは思っても居なかった様子で戸惑って見せると、次には自身の

足元に違和感を感じ!…となると相手を警戒しながらもチラッと自身の足元を

確認し出し!…するとそこにはあの先程まで聞こえていた水音の正体がそこに

在り!…まるでグラトニアの動きを拘束するよう!…あの水音を立てて足に

纏わり付く様子を見せていると、当然それを見てグラトニアが慌てる!…

まるでSAN値チェックに失敗をしたようパニックになる!…


「ッ!?…な、何よ!!…これぇ!!…」


「下手に動かなければ何もしません……そう…何もしません…」


「ッ!?…」


当然何とか藻掻いて脱出を!と試み始めるのだが、それは宛らトリモチの様に

纏わり付き!…何なら藻掻けば藻掻く程に纏わり付き!…一方で魔術師も

グラトニアに眼中はなく!…一応慈悲の心は持って居るのか?…抵抗をしなければ

危害を加えない様な事を口にすると、グラトニアを無視!…となるとグラトニアも

そんな魔術師に戸惑って見せる!…一方で肝心のリーナはと言うと、幾ら攻めても

攻撃が当たらない事に諦めを感じ!…


{…クッ!!…無暗に振り回した所で当たらないか!!…

…それにしても見覚えがある様な?…

一体何処で見たのか思い出せない所であるが…}


「…さて、そろそろお遊びはここまでだ!…

…本当に帰らないと父上に怒られる!…」


__ッ!…ヴウン!!…ッ!?…


諦めと言っても戦闘ではなく!…無策に杖を振り回しラッキーパンチを!と

言う意味で…だがまぁ当然そんな事が起きる筈も無い訳で!…まず攻撃が

当たらない事で焦りを感じ!…その上でふとその男性冒険者の顔を何処かで

見た事が有る事を考え出すと、一方でその男性冒険者も時間を押して居る!と…

次には自身の父親の事を口に!…何やら動く様な事を更に漏らすと、その言葉を

合図に魔術師が動きを!…何やら突如空間の裂け目の様なモノを出現させる!…

するとリーナもそれに気が付いた様子でピクッとその裂け目に目を向けると、

それが命取り!とばかりに男性冒険者が動き!…


「…隙あり!…」


「ッ!?…しまっ!!…」


__ドスゥ!!…ッ!?…ッ~~~…カランカランッ!…


それこそ嬉々としてリーナへ間近に接近して行き!…そしてその手に拳を握り!…

リーナの無防備な腹部目掛けてその拳を突き出してくと、リーナも再びハッ!と…

しかし反応した所で拳が刺さる!…それは深々とリーナの腹部に刺さって行くと、

その場でリーナに膝を着かせ!…と、その一撃でリーナを簡単に完全制圧!…

となるとそれを黙って見ている事しか出来なかったグラトニアは更に慌て!…

忠告を無視して!…


「ッ!?…ちょ!?…ちょっとぉ!!…っ~~~!!!…

この!!…離れなさいよ!!…」


__ゴポポポポポッ!!…ゴポポポポポッ!!…


リーナを助ける為に必死に藻掻く様子を露わに!…足を何度も動かし続け!…

何なら腕でも足を掴んで無理やりにでも引っこ抜くよう脱出を図ろうとするだが、

逆に水?が纏わり付く!…そして徐々にその水?は足を這い上り腰を飲み込む!…

その際抜こうとしていた両腕もガッチリ纏わり付かれて動かなくなると、

もう少しで水?が顔に届きそうな所まで迫り!…だがそれでもグラトニアは

抵抗を止めず!…最後の最後まで足掻く姿勢を見せて居ると、男性冒険者も

その様子に気が付くなり馬鹿にし出し!…


「ッ!…プッ!!…あっははははははは!!!…

無駄だって分かってて何で抵抗するのかなぁ?…

ホント魔物ってのは馬鹿で如何しようもない生き物だねぇ?…」


「ッ!?…グゥ!!!…」


「…もうこんな奴は良いから!…さっさと始末して帰ろう!…

そしてまずは謝罪を!…でないと大変な事に!!…」


まるで学習能力のない獣!と言わんばかりにグラトニアを馬鹿に!…となると

その言葉を聞いてグラトニアも男性を睨み!…それでも尚必死に体を揺らし

遂には顔にその水?の様なモノを付けてしまうと、そのまま呼吸を奪われそうに!…

一方で哀れとばかりに男性が見下す!…そして相手にする価値もない事を口に

すると、魔術師に始末するよう言葉を口に!…するとその言葉を聞いて魔術師も

ピクッ!と…それは命令に従う様に!…スッとグラトニアの方へ向き直る様子を

見せるのだが、次の瞬間!…


「エルレイド!!…フルーレエェ!!!」


__ッ!!…ババッ!!…ボウッ!!!…グンッ!!…ザパアアァァン!!!…


リーナが二人の隙を突く様にいつのも突き技を!…しかし寸での所で気配を悟られ、

不意打ちは不発に終わり!…その際二人はバックステップでその突き技を回避!…

するとその空振りに終わった突きはグラトニアの方へ!…拘束しているグラトニアの

水を吹き飛ばし!…本人諸共その病室の壁へ叩き付ける様にして暴発すると、

グラトニアはそのまま床に突っ伏し!…その最後のリーナの意地の見せ様に

男性冒険者は驚いて見せる!…


「ッ!?…おやおや!…その状態だっているのに…

まだそんな隠し玉を持っていたのかい?…」


「ッ!!…グッ!!…ッ…」


それこそ反応が遅れて居れば危なかった!と…何より満身創痍の状態でも打って

来た事に戸惑いを隠せず!…思わず笑ってしまう様なそんな反応を露わに!…

益々リーナに対して興味を持った言葉も口にすると、一方でリーナは技を外して

しまった事で歯を食い縛る!…不意打ちを失敗してしまった事にで息を切らす!…

それは本当に最後の希望を持って打った事を意味すると、体全体を使って呼吸を

するよう!…と、そんな様子を見て男性冒険者は更に笑い!…性根が腐っている

様子で言葉を!…


「ッ!!…フフフフ!!…これは!…

君とは尚の事愛し合える関係になりたいな!!…

…あの様子から見て放っておいても良いだろう…

…帰るぞ!…」


「ッ!…ハハッ!…ッ…」


宛ら面白い玩具を手に入れた!とばかりに!…そこに本当の愛は有るのか?…

早く挙式を上げたい様なそんな事を口にすると、ここで吹き飛ばされた

グラトニアをチラリッ…死んだか如何かを確認する!…それは生きていれば

始末すると言った冷徹な視線を向けるのだが、グラトニアはピクリともせず…

と、それを見て男性冒険者は死んだ!と認識!…これ以上相手にする価値も

ない!と言葉を零し!…付き添いの魔術師に帰る事を口にすると、魔術師も

それに従うよう返事!…そして魔法でリーナの体を浮かせて見せる!…

そして三人はそのまま魔術師の開いた次元の裂け目へと消えて行くと、

その場に何も聞こえない静寂が訪れ!…


と、次にグラトニアが目を覚ましたのは次の日の朝で!…勿論グラトニアは

死んで居らず気絶して居ただけ!…リーナとしても奇襲ではなく!…最初から

グラトニアを助けるつもりで!…あの技を繰り出した事をグラトニアが後々に

理解をすると、自身の不甲斐なさを呪う!…そして自身を助けてくれた事に

感謝をする!…すると今度はリーナが言っていたマサツグの事をグラトニアも

ふと思い出し!…その後この話の続きはあの第七章十二節へと繋がって行き!…

自分も助けに向かいたい事を旨に!…マサツグ達へと語って見せて行くので

あった!…

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