(仮)異世界で私に家族ができました

白兎

文字の大きさ
11 / 26

家族は長男でした-第一号-

しおりを挟む



「説明って言っても、あまり言うことないんだけど。」
「別に構わないよ。私は翠のことならなんでも知りたいからね。」

......言ってて恥ずかしくないのかな?
因みに言われてる私はとても恥ずかしい。しかもそんな事言われたことないし、イケメンが言ってくるから余計に恥ずかしい。

顔には出ていないと思うけど、ロイは分かるんだろうな。
.....あっ。そんな事より?説明しないと。

「これは私が物心ついた時にはもう生えてた。父は、私と出会った時には翼じゃなくて左手の甲にタトゥーの様なものがあったと言ってた。今も翼を納めると出るからいつも手袋とか手を隠せるものをつけてる.......いくら姿を偽っても、これだけは偽れなかった。」
「そうか、今まで大変だったね。これからは、私がスイを守るから安心してくれ。」
「.....ありがとう。」
「あぁ、私はスイの家族だからな。」

......一瞬頭が真っ白になった。
ロイの言っていることが理解できなかった。

「えっ........今、なんて。」
「あっ、すまない許可もなく。えっと、私はスイの家族になりたいと思っている。」

(家族?ロイが?)

「なんで?」
「私が、そうしたいと思ったからだ。」
「......。」
「ダメかい?」

頬に暖かい何かが流れた。
最近は涙がよく流れるな.....良いことでも悪いことでも

「いいの?本当に家族になってくれるの?」
「あぁ、でも、本来は私がその言葉を言わなければいけないのだけどね。」

困った様でいて、楽しそうに微笑むロイ。
家族だと言ってくれた。それが......ただ嬉しかった。

「ロイ、私は養子なの。」
「えっ....養子?」

「そう.....孤児院にいた気味の悪い私を助けて育ててくれた。母は6歳ぐらいの時に、父は中学三年生の時に他界した。」

「.......そうか、ありがとう。」
「どうしてお礼なんて言うの?」

暗い話をされて嫌な気分になったのはロイの方なのに

「スイは、私の事を信じてくれたから話してくれたんだろ。」

“それが嬉しかったんだ”と言われて
私の方が救われたような気がした。

嬉しかった

.....本当に敵わない。その心が眩しくて暖かくて心が満たされていく様な気がする。


「ありがとう。」


涙を流しながら笑う私を見て、ロイは............抱きしめてきた。
驚いた私は......私の涙は止まってしまった。

「えっと、ロイ?なんで私、抱きしめられてるの?」

そんな雰囲気だったっけ?

「えー。だってスイが可愛かったんだから仕方ないし、せっかく家族になったんだしね。抱きしめるぐらいいいじゃないか。」
「いやっ、たぶん違う気がする。いろいろと。」
「まぁ、そんな事は置いといて......私は、なんのポジションかな?兄それとも父?」
「.......兄かな。兄弟欲しかったし。」

お父さんって言うには、なんか違う感じがするし

「そうか、なら、お兄ちゃんって呼んで欲しいな。」
「いいよ。」
「......えっ?いいの?」
「別に嫌じゃないし。」
「なんかあっさりOK出たから拍子抜けだ。」
「で、これからどうするの?ロイにい。」

(ズキューン!!.........っ///)

「今なんて。」
「えっ、これからーー」
「その後!」
「ロイ兄?」

(ズキューン!!..........っ///)

「可愛い過ぎる、スイは私を殺す気かい?」
「....なんで?ロイ兄って言うのはロイ呼びで慣れちゃったから今更お兄ちゃんなんて言いにくいなと思って。」
「いや、良いんだよ。たぶんこれからスイの家族は増えていくと思うしね。......という事は私が長男か。いや良いな。」

なんだか変な思考に入って行った様な気がするのは私だけ?
あっ、此処には私とロイ兄以外いないんだった。

「そうだスイ。此処じゃなくて別の世界、異世界で暮らさないか?」
「異世界?魔法とかある、ラノベとかで有名なあの?」
「そうだ。まぁ、神界経由だけど。」
「神界?」 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

転生?憑依?したおっさんの俺は【この子】を幸せにしたい

くらげ
ファンタジー
鷹中 結糸(たかなか ゆいと) は、四十目前の独り身の普通という名のブラック会社に務めるサラリーマンだった。だが、目が覚めたら細く小さい少年に転生?憑依?していた。しかも【この子】は、どうやら家族からも、国からも、嫌われているようで……!? 「誰も【この子】を幸せにしないなら俺が幸せにしてもいいよな?」

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。 敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。 結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。 だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。 「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」 謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。 少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。 これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。 【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

処理中です...