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第二ミッション
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俺がこの世界に来てから二週間が経った。
もうこの二週間はこの世界で何をしに来たのか忘れていたのかってくらいのことをしていた。
まずショッピングモールを女性たちに周知させ、家具や家電なんかを説明するのに始まり、それを女性たちの家や部屋に設置をして家を改築した。
雑貨や服などに関しては俺は欲しいものを与えてもいいと思っていたのだがそこはアナスタシアが修行や仕事をした分から報酬を与えるってことで労働による対価に変わった。
ただ思った以上に女性たちがやる気になって生産性やら修行の具合がすごく良くなっている。
さらに言えば現時点での士気は九十一%と最初よりも高く維持できている。
アナスタシアからのお願いはまだ二つ目が来ていないからロールミッションの変化はないが。
でも出ていなかったロールミッションで『ロールミッション:熾天使ガブリエルを復活させる』をクリアできてこれまた経験値が貰えて色々と上手くいきすぎている。
本当に上手くいきすぎていて怖いくらいで面白くない。でもここの生活は悪くないから面白くないわけではないか。
こんな長期間になるとは全く思っていなかった。デーモンブラッドを倒して終わりかと思ったがこれはまだまだかかりそうだ。
逆に星宮さんの方はレベル上げとお金稼ぎをしながら情報収集をしていれば、重要キャラであるプネウマ王国の王子に出会えたみたいで魔神やデーモンブラッドについて知ることができて協力関係になったと進展があったみたいだ。
「ん?」
スマホがバイブレーションしたことに気がついてスマホを見ればアナスタシアからメッセージが来ていた。
『話があるわ。こっちに来なさい』
少し遅れるということを返信をしてから俺は一緒に寝ていたエレナとクセニアを起こす。
☆
「遅いわよ」
「ごめんごめん。早く行こうとはしたんだけど遅れた」
「ふん、言い訳なんて聞きたくないわ。この私を待たせたのは事実なのだから」
「悪い。あとでお詫びはするから」
「当然ね」
俺の言葉を待っていたと言わんばかりに機嫌を良くしたアナスタシア。
「それよりもあなたの次のやることを伝えるわよ」
「ようやくか」
「どこかの誰かさんが余計なものを作ってくれたおかげでね」
「でもどこかの誰か様は楽しんでいるような気がするけどなー」
「さぁ、誰でしょうね」
要するにショッピングモールやら色々な環境を変えてしまったせいで次のお願いを言う時期がずれたのか。
「それで次のお願いはなんだ?」
「次はプネウマ王国に行き、協力者に手紙を渡しなさい」
「……そんなことでいいのか?」
「えぇ。でも晴明が出向きなさい。強いて言うならそれが条件ね」
えっ、聖地を作るよりも簡単なんだけど。
「なにか危険なことでもあるのか?」
「さすがに分かるわよね。そうよ、その協力者がデーモンブラッドかもしれないのよね」
「確定じゃないのか?」
「私が前に会った時、デーモンブラッドの気配がなかった」
デーモンブラッドの気配は天使の力を持つアナスタシアたちは分かる。逆もしかりで捕まっていたわけだが。
「それならどうしてデーモンブラッドかもしれないって思っているんだ?」
「……この場所を教えていたのがその協力者だけなのよ」
「なるほど。そこで襲撃してきたのがデーモンブラッドだからそいつがデーモンブラッドか、その陣営かもしれないってことか」
アナスタシアは頷いて答える。
「分かった。行ってこよう」
「デーモンブラッドの力は分かるわよね?」
「そればバッチリだ。初見だと分からなかったがもう把握している」
デーモンブラッドと最初に会った時はその力が何なのか分からなかった。だがすでにそれが魔神の力だと分かったからデーモンブラッドは俺でも看破できる。
「明日に出るが、それでもいいか?」
「いいわよ」
王都に行くのは二週間ぶりかー。ロールミッションにある冒険者の項目は一切やっていないがまあやるつもりはない。
「他の子たちにはしっかりと大丈夫だと伝えておきなさい」
「あぁ、そうだな」
俺の強さを知っていたとしても心配することはおかしくないからな。
「アナスタシアは心配してくれないのか?」
「ふん、私が? 何をバカなことを言っているのかしら?」
鼻で笑ってくるアナスタシアだが俺は特に何も思わなかった。
「あなたのことを一番信じているのはこの私よ? 私はあなたに称賛以外の言葉をかけるつもりはないわ」
俺の勝ち以外信じないというわけか。いいじゃないか、それくらいの期待がちょうどいい。
それに俺はその期待すらも越えて見せると思っているんだからな。
「あぁ、お前は俺の勝利だけを見て生きていけ」
「何を当たり前のことを言っているのかしら」
それでも口は笑っているアナスタシアを可愛く思う。
☆
「じゃあ行ってくる!」
「行ってらっしゃい!」
「王子様早く帰ってきてくださいね!」
「とっとと終わらせてこいよ!」
俺はアナスタシアやエレナたちに見送られ、この〝アンゲロス〟を出発する。
昨日はエレナやエイミーにこのことを言えばついていくと譲らなかったが丁寧に説明すれば分かってくれた。
逆に俺がいなくなった後にここが教われる可能性があったから神馬と神子の一体を護衛に置いておくことにした。
まあここに入るためには神鳥による結界、神羊による空間断絶、中に入っても神性をどうにかしなければいけないから大丈夫だろうとは思っている。
でもこの世界は分からないことがまだあるから油断はできないから神馬も一応置いている。
アナスタシアの手紙を手に、俺は神羊の力でプネウマ王国までひとっ飛びした。
二週間ぶりのプネウマ王国ではあるが神子からの情報で久しぶりの感じはしない。
ここで気を付けないといけないことは俺の顔が割れているかどうかが分からないことだ。
もしもデーモンブラッドたちが情報を共有できたとすれば、殺したとは言えデーモンブラッドの一人と接触しているからバレているかもしれない。
そういうことを考えれば姿を偽ることは悪くないだろう。
下手に隠さず俺の正体が分かっていればスィオピ家みたいに変な罪を被せられるかもしれないからな。それに戦うことになるのはほぼ間違いないだろうから姿は偽っておかないと。
すでに神鳥で姿を偽りながら王都を歩けば目的の建物が見えてきた。
元々のスィオピ家には劣る公爵家のヒェリ家。まあ今ではヒェリ家の方が力は大きくなっているけれどとアナスタシア談。
「おっ」
ある情報を手に入れて俺は少し回り道をすることにした。
回り道をした先には、こちらに向かってきている星宮さんたち一行が見えた。
こうして肉眼で見るのは初めてだから見ておきたいなーと思ってこうして回り道をした。
星宮さんに他プレイヤーの三人。さらにフードで顔を隠しているこの国の王子が一緒に行動していた。
ふむ、やっぱり生で見る星宮さんは格別に美人だな。神子の視線ではどうしても違和感があるが肉眼はそうではない。
星宮さんの肩に乗っていた神子はこちらにチラッと視線を向け俺もまた目を合わせる。
てかこうしてあの神子と会うのも久しぶりだな。二週間ぶりか。そしてその神子から久しぶりー的な視線を受け俺も頷きながら星宮さんたちとすれ違う。
「ん? 神子? どこを見ていたんだい?」
おっ、これが星宮さんの生ボイス。いいねー、この声も素敵だ。
「なんだか……大事な人を見ている感じがしたね」
星宮さんの指摘に俺はギクッと、神子もギクッとなった。
そういえば最近の星宮さんは神子のことをかなりよく理解できるようになっていたな……よし、とっとと向かおう。
ここで出会うのは意味が分からないからな。
俺は立派な屋敷であるヒェリ家の前に向かって門番に話しかける。
「なんだ貴様は。用がないのならば立ち去れ」
「いえいえ、私はこれを届けに参ったのですよ」
俺は手紙をその門番に渡した。
「どこから……こ、これは!?」
門番はその手紙の裏にあるスィオピ家の紋章を見て驚愕の声を上げた。
「私はその家の遣いでしてねー。それを渡すように言われているのですよー」
「……しばし待て」
胡散臭そうなやつの口調にしたのは何となくだ。
門番は二人いるため片方の門番が急いで屋敷の中に入り、片方の門番に見張られつつ待つこと数分で門番が出てきた。
「今日の夜の鐘がなる頃、もう一度うかがってほしいとのことだ」
「いきなり来たものだからしょうがないですよねー。それなら私はそれまで王都の観光で時間を潰させてもらいますー」
そう言われて俺はその場から離れる。
本当に観光するつもりだし本屋があるのならアンゲロスの彼女たちのために買っておきたいところではある。俺も気になるし。
ただ、それをさせてくれる気はないらしい。ヒェリ家から俺を追ってくる奴らがいた。
でも俺としてはそうしてくれた方が嬉しいとまで思っているからな。だってようやく体を動かせるし思いっきり戦うことができるからな。
殺気が駄々洩れの奴らが襲い掛かって来やすいように路地裏に向かえば思った通りに俺を挟むように前後に二人ずつ立ちはだかった。
「おやおや、私に何か御用で?」
「死ね」
俺の問いかけに答えずに一人が剣を持ち襲い掛かってくる。
「全く、答えてもいいだろう」
周りに気が付かれないように俺はこの場にいる五人を別次元に飛ばし、襲い掛かる男にクロスカウンターで頭だけをぶっ飛ばした。
「答えればもう少しは生き永らえていただろうに」
やっぱり一発受けてやった方が良かったかな? でも殴りたい気持ちが滾ったからしょうがない。
「ほら、来いよ。お前らはどうせここから抜け出せないんだから」
「て、てめぇ! よくもスコットをやりやがったなぁ!」
「何を言っているんだ? お前は戦いに来ているんだろ?」
「待て! 迂闊に――」
激昂してナイフを手に襲い掛かってくる男の攻撃をあえて受けることにした。
顔に当たったナイフは俺に一切傷をつけることなく折れた。
「――は?」
「戦いに来ていて殺されないと思っているのか? 戦いは生きるか死ぬかだぞ」
俺は男の頭をつかみ、地面に叩きつけた。
少し感情が昂っていたから地面が大きく揺れ、男の頭がぐちゃぐちゃになってベッタリと手に脳みそやら血がついていた。
「支援しろ!」
「くそぉ!」
一人は俺に近づき、もう一人は火の魔法を放ってきた。
火の魔法はそのまま受け、近づいてきた男は殴りかかってきたから体で受ける。
「で? お前らはヒェリ家が俺を殺すためによこしたんだよな?」
俺がそう質問するが一切答えてくれない。
「答えてくれてもいいだろう? ま、殺すのは変わりないけど」
殴りかかってくる男の腕を手刀で切った。もはや拳力が強くなりすぎてこういうこともできて刃物いらずだ。
「ぐぅ!」
腕を切られてもなお距離をとろうとしているのはさすがだと思った。
「そんなに下がりたいなら送ってやるよ」
男の胸を蹴り、後方支援をしている男にぶつけた。
「ぐあ……! だ、大丈夫――」
後方支援をしている男は飛ばされた男を確認すれば、胸がえぐれて心臓が破裂している男の姿が体の上にあった。
こういう力加減もかなり上手くできるようになった。でもアンゲロスは思いっきりできないからな。彼女らが危なくなるから。
「ああ……ああ、ああああああああああああああああ!?」
死体の男が体の上にある状態で叫ぶ男。
「おいおい、こんなことも想像できずにここに立っているのか? それならお前は最初から戦わない方が良かったな」
俺の言葉は男には届かず、慟哭していた。
「お前らは俺を殺してきているのに仲間が殺された途端に被害者ぶるのか。はっ、お似合いの末路だ」
未だに反応しない男に拳から押し出される空気砲により頭を消し飛ばした。
この世界で今までに戦った奴らはしょうもない奴らばかりだなー。もう少し本能のままに戦いをしたいものだ。
俺は別次元から現世に戻り死体は少し遠くの路地裏に転移させておいた。
俺が怪しまれることはないがまあ念のためってやつだな。さーて、本屋やら服屋に行って時間を潰すかー。
☆
この世界の文字も問題なく見ることができ本をそれなりに買った。神羊による別次元に本を収納して、数冊だけを手元に置いた。
ベンチに座ってその数冊を読んでいれば王都が騒がしくなっているのが分かった。
「おい、かなりひどい状態の死体が発見されたらしいぞ」
「酷いって?」
「首が無かったり胸がえぐれたりしているらしい」
「えっ……こわいなー」
俺が殺したやつらが無事に見つかったのだろう。
そして部外者からすればその死体が発見されれば殺人鬼がこの王都の中にいるってことで騒がれる事態になるか。
でも俺はそんなことを気にせずに読書で時間を潰す。
「うん?」
神子から思念が入り王子様がヒェリ家と接触して、王子様と一緒に付いて行くことになったと教えられた。
うーむ、これはもしかしなくても俺を倒すため、俺がプネウマ王国の敵になるように仕向けているのか?
まあ面白そうだから止めなくてもいいと神子には伝えておく。
さすがに死ぬようなことがあれば止めてもいいがそうなることはないだろう。洗脳はされるかもしれないがそうなっても対処できるのが十二神獣のすごいところだ。
……それにしても、このままだと本を読んでも時間を潰せないぞ。よし、どうせだからウォーミングアップも兼ねて冒険者ギルドでBランククエストを受けるか。
ロールミッションもあるし経験値とお金稼ぎにはなる。そうと決まれば冒険者ギルドに向かうか!
☆
ふぅー、冒険者ギルドで大変だった―。
Bランククエストの討伐依頼だけを受けたのはいいけどそれが異常にも速すぎて疑われてしまっていた。
討伐依頼はそのモンスターの一部を証拠として持って帰らなければいけないのだが、俺はちゃんとそれをやった。
だが異常に速すぎたことでそれが偽物なんじゃないかってことを疑われたんだ。でも鑑定しても本物であると確認されてクリア。
そしてまたクエストを受けて速攻で戻ってくればまた疑われて鑑定すれば本物。というのを何度も繰り返し行われた。
最後らへんでは冒険者ギルドの受付嬢さんを連れて行って確認してもらったからな。
その結果ちゃんと俺の無罪と一緒に強さも証明され、明日にでもAランク昇格クエストを受けてほしいと言われたが保留にした。
そんな大変な冒険者ギルドでの一幕を経て夜の鐘が鳴るのを確認した俺はヒェリ家を訪ねた。
「昼間に来たものですけど、入ってもいいですかね?」
「入れ」
幸い同じ門番だったため俺がそう言えば快く入れてくれた。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
「いやー、ご丁寧にありがとうございますー」
若い執事が俺のことを案内してくれるみたいで屋敷の中に入る。
屋敷の中を神馬の力で確認すればある場所に集中しているのが分かる。どうやら本格的に俺を殺そうとしているのが分かるな。
どうするのかが見物だな。
まあ念のためにアナスタシアたちにメッセージを送っているから遅くなっても問題はない。
「お連れしました」
「入ってもらえ」
執事がノックをすれば中から若い男性の声が聞こえてきた。
「ようこそおいでくださいました。お待たせして申し訳ございません」
中には茶髪のイケメンが爽やかな笑みで出迎えてくれた。広い応接間は俺が入って来た扉の他にもう一つ扉があり、そちらに星宮さんたちがいるのが分かった。
「いえいえ、こちらこそ突然訪問したので謝ることはないですよー」
さて、ここからどうなるのか。
「それよりもこの手紙を読みました」
手紙の内容は無事に逃げれたことを伝える文章だとアナスタシアから教えられている。
「ふざけているのか。これは全くの偽物だ」
手紙をビリビリと破るヒェリ家の男がどうするのか見守る。
「アナスタシアたちをどこにやった? マギア機関の復活を阻止するために拉致したのはお前だな」
「何を言っているのか全く分かりませんねー」
「ほざくな、デーモンブラッド」
おぉ、俺がデーモンブラッド認定されている。
「魔神の復活はここで阻止する! そしてアナスタシアたちを返してもらうぞ!」
ヒェリ家の男がそう言えば扉から俺を囲むように人が押し寄せてきた。そこには星宮さんたちと王子がいた。
「アナスタシアを……エレナを返せ!」
王子は何か高そうな剣を抜いた。しかも聖なる力が宿っているみたいだ。
「お前がスィオピ家を没落させ、エレナに苦しい思いをさせたんだな……!」
いやいや、それはこの場にいるデーモンブラッドがやったことでしょうよ。それにプネウマ王国がしたことじゃんか。お前じゃんか。
ま、そんなことを言っても無駄だし、王子がどんな強さなのか興味がある。
「お前の首でスィオピ家の無罪を示す!」
「まぶっ」
強い光を放ちながら俺の肩に剣を振り下ろしてきた。
「おぉ、まあまあだな」
「……は?」
俺の肩に来た衝撃は一人目のデーモンブラッドほどではないがそこそこの攻撃力があった。
ただ王子はこの一撃が相当自信があるものだったらしく、傷一つついていない俺を見て信じられないものを見る目をしていた。
「もう一回チャンスをやる。うってこい」
「ッ! 舐めるなぁ!」
一回目よりもさらに力を籠めた剣で俺の胴に薙ぎ払った。
だがまたしても俺に傷一つ付けれず、完全に威力が止まった状態で俺に剣が当たっていた。
「これが全力か。剣は良さそうだが使い手の力量不足ってとこか?」
後半の感想は神猿が思っていることだ。こいつは武器のことに関して言えばかなり見る目がある。
「嘘だろ……王子様の全力の一撃だったんだぞ……」
黒川さんが驚いたようにそう呟いた。
「攻撃しろ!」
ヒェリ家の男がそう言えば周りにいる人たちが全員で俺に襲い掛かって来た。
星宮さんたちや王子は殺せないにしてもこいつらは殺してもいいだろう。デーモンブラッド側だし。
そうじゃなく知らなかったとしても、戦いに来ているんだからしょうがないよな。
この場には星宮さんたち四人と王子、ヒェリ家の男と冒険者らしき六人とデーモンブラッド一体の計十三人がいる。
殺していいのはまあ冒険者らしき六人とデーモンブラッドの七人だけだな。
「えー……まあいいか。来い」
王子が持っている武器がほしいほしいと言い続けている神猿を顕現させる。
その代わりデーモンブラッド以外の冒険者を相手にしろと伝えていたところ、顕現した瞬間に小間切れになった冒険者六人。
「ウキ!」
そして王子が持っている剣を王子の手から奪おうとする。
「な、何をするんだ!」
「ウキキ! ウキ!」
「何を言っている!」
神猿は「お前が持ってても意味ねぇだろ。ワイが使ってやる」と言っている。でもそれはこの場にいる俺と神子しか分からないことだ。
「さて」
俺の背後から剣を振り下ろしてくるデーモンブラッドの剣を片手で白刃取りをする。
「お前は楽しめそうだな、デーモンブラッド」
「はぁ!? どういうことだよ!?」
俺の言葉に反応したのは黒川さん。
「簡単な話ですよ。ヒェリ家はスィオピ家の協力者であったはずなのにデーモンブラッドと手を組みスィオピ家を陥れた。それだけの話です」
俺はデーモンブラッドの剣を折り、振り返れば思った通り俺を案内した若い執事がデーモンブラッドで俺から距離をとった。
「騙されてはいけません! 混乱はデーモンブラッドの思うつぼです!」
ヒェリ家の男が俺の言葉が噓だと言い張る。
ただな、ここでデーモンブラッドを殺すのは簡単だがクリア条件の『魔神の召喚阻止』は王子にも色々と頑張ってもらわないと行けない気がするんだよなー。
だからこいつがデーモンブラッドであることを素早く分かってもらう方がこちらの味方にしやすい。
これで変に俺がデーモンブラッドのままこの場を終わったら残ったヒェリ家が変に立ち回るかもしれない。
「これを見ればすぐに分かると思いますよ、冒険者さんたち」
俺はデーモンブラッドに近づき顔面をつかみ逃げられないようにしてから、アナスタシアたちのおかげで紋章がある場所を見分けれるようになったため腕を神龍の炎で服だけを燃やした。
すると二の腕のところにアスタロトの紋章があることはこの場にいる誰もが見た。
「デーモンブラッドの紋章。これを見れば誰がデーモンブラッドか分かるでしょう」
「ホントだ……」
空門さんが呟いたがこの部屋に響く。
「デーモンブラッドがそいつなのは分かったからこいつをどうにかしろ!」
すでに剣を神猿に奪われ取り返そうとしているが一切取り返せていない王子が情けなくそう言う。
神猿はうっとりとしながら剣を見つめていたからもう使い物にならない。
「こ、これは驚きだ! まさかお前がデーモンブラッドだったのか!?」
「下手な芝居はやめろ。もうお前がデーモンブラッド側なのは確定だぞ」
「何を仰る! 私は騙されていたのですよ!」
「それならどうしてアナスタシアの手紙を偽物だと破り捨てた?」
「ここに来る途中で偽物とすり替わっていたみたいですね……」
「あれには俺の紋章が刻まれていたんだ。だから偽物じゃないことは俺が分かっている」
俺のハッタリが通じて黙り込むヒェリ家の男だが、その前に拘束から抜け出すために魔神の力を使い始めたデーモンブラッドを片付けないといけないらしい。
さらにもう一体のデーモンブラッドが逃げようとしていることに気が付いたから何もしていない人たちに任せることにした。
「ここにはもう一人デーモンブラッドがいるのでそっちを任せてもいいですか?」
「どこ!? そいつ!?」
空門さんが言ったのはヒェリ家の男だがそいつは違う。
「違います。今屋敷から急いで出ている女です」
「分かった! そっちは大丈夫!?」
「もちろん。そっちの方が危ないと思いますけど」
空門さんは元気よく反応をしてくれる。
「その前に剣を返してくれ!」
「返してやれ」
「ウキ。ウキ、ウキキ」
「えっ、何かすごい剣が出てきたんだが……」
「それと交換なと言ってます。あぁ、もう間に合いそうにないので俺が送りますね」
こんな悠長に話をしている場合ではないのだがな。でも会話は大事だからしょうがない。
何より俺が他プレイヤーと出会ったことで嬉しくなっているからな!
俺は神猿の手を五本出して五人を包んだ後に窓を突き破ってもう一体のデーモンブラッドの方に飛ばした。
さらにコッソリと逃げようとしていたヒェリ家の男の意識を神犬の能力で断ち切ってこの場には俺とデーモンブラッド、あと神猿だけしかいなくなった。
「さぁ、やろうか」
「……貴様、何者だ?」
おっ、珍しく敵から話しかけられたから少し嬉しくなる。
「分かっているだろ? 俺は天使の守護者だ」
天使は天使でもアナスタシアたちは天使の力を受けた人間だが、まあそんなのは些細なことだ。
それに真面目にハッキリと答えるのならばガブリエルさんから言われた神の遣いが正しいのだろうがバカ正直に答えるわけがない。
「それならば我らの邪魔をするものだ」
「そんなに怖いか? 彼女たちが」
「フン。不穏因子を消しているだけに過ぎない。あれらを怖いと思うほど我らが神は弱くはない」
「おいおい、冗談は止せよ。あんな力ごときでてめぇらの神が強いと思っているのか?」
「貴様に何が分かると言うのだ」
「お前らの味方、一人殺したからな」
俺の言葉に目を見開いたデーモンブラッド。
「……やはり殺したのは貴様か」
「大したことはなかったから魔神も大したことはないんだろう。だから生き続けていたいのなら外界にずっと引きこもってろ」
俺の言葉に殺気増し増しで新しく抜いた剣で俺に斬りかかってくる。煽り耐性がないのかわざわざ乗ってくるのかは分からないがやる気なのはいいことだ。
それに魔神の力も発揮してくれているから動きが良く、かなりの速さで剣を振って殺しにかかる。
だから俺はそれに合わせて拳で応戦する。
「ほらほら! もっと速くしろよ!」
「くぅっ!」
俺の拳の強さで剣も強化しないといけないし、俺の体も温まって来ているから俺の拳も速くなって対処できなくなっているデーモンブラッド。
「ほら折れたぞ!」
剣が耐え切れず折れたことで俺はデーモンブラッドの体を均すように全身に拳を叩きこんであげる。
最初は耐えようとしていたが俺の加護により力は抜けていき数秒後には物言わぬものへと成り果てた。
そして出てきた魔神の力は虚空に消える前に消したことでロールミッションを達成した。
「さて、あっちに行かないとしんどいだろうなー」
あの四人+一人の実力は神子から伝えられているから大体分かるが、まあ勝てるわけがないと分かっている。
俺がやってもらいたかったのは足止めだしな。
もうこの二週間はこの世界で何をしに来たのか忘れていたのかってくらいのことをしていた。
まずショッピングモールを女性たちに周知させ、家具や家電なんかを説明するのに始まり、それを女性たちの家や部屋に設置をして家を改築した。
雑貨や服などに関しては俺は欲しいものを与えてもいいと思っていたのだがそこはアナスタシアが修行や仕事をした分から報酬を与えるってことで労働による対価に変わった。
ただ思った以上に女性たちがやる気になって生産性やら修行の具合がすごく良くなっている。
さらに言えば現時点での士気は九十一%と最初よりも高く維持できている。
アナスタシアからのお願いはまだ二つ目が来ていないからロールミッションの変化はないが。
でも出ていなかったロールミッションで『ロールミッション:熾天使ガブリエルを復活させる』をクリアできてこれまた経験値が貰えて色々と上手くいきすぎている。
本当に上手くいきすぎていて怖いくらいで面白くない。でもここの生活は悪くないから面白くないわけではないか。
こんな長期間になるとは全く思っていなかった。デーモンブラッドを倒して終わりかと思ったがこれはまだまだかかりそうだ。
逆に星宮さんの方はレベル上げとお金稼ぎをしながら情報収集をしていれば、重要キャラであるプネウマ王国の王子に出会えたみたいで魔神やデーモンブラッドについて知ることができて協力関係になったと進展があったみたいだ。
「ん?」
スマホがバイブレーションしたことに気がついてスマホを見ればアナスタシアからメッセージが来ていた。
『話があるわ。こっちに来なさい』
少し遅れるということを返信をしてから俺は一緒に寝ていたエレナとクセニアを起こす。
☆
「遅いわよ」
「ごめんごめん。早く行こうとはしたんだけど遅れた」
「ふん、言い訳なんて聞きたくないわ。この私を待たせたのは事実なのだから」
「悪い。あとでお詫びはするから」
「当然ね」
俺の言葉を待っていたと言わんばかりに機嫌を良くしたアナスタシア。
「それよりもあなたの次のやることを伝えるわよ」
「ようやくか」
「どこかの誰かさんが余計なものを作ってくれたおかげでね」
「でもどこかの誰か様は楽しんでいるような気がするけどなー」
「さぁ、誰でしょうね」
要するにショッピングモールやら色々な環境を変えてしまったせいで次のお願いを言う時期がずれたのか。
「それで次のお願いはなんだ?」
「次はプネウマ王国に行き、協力者に手紙を渡しなさい」
「……そんなことでいいのか?」
「えぇ。でも晴明が出向きなさい。強いて言うならそれが条件ね」
えっ、聖地を作るよりも簡単なんだけど。
「なにか危険なことでもあるのか?」
「さすがに分かるわよね。そうよ、その協力者がデーモンブラッドかもしれないのよね」
「確定じゃないのか?」
「私が前に会った時、デーモンブラッドの気配がなかった」
デーモンブラッドの気配は天使の力を持つアナスタシアたちは分かる。逆もしかりで捕まっていたわけだが。
「それならどうしてデーモンブラッドかもしれないって思っているんだ?」
「……この場所を教えていたのがその協力者だけなのよ」
「なるほど。そこで襲撃してきたのがデーモンブラッドだからそいつがデーモンブラッドか、その陣営かもしれないってことか」
アナスタシアは頷いて答える。
「分かった。行ってこよう」
「デーモンブラッドの力は分かるわよね?」
「そればバッチリだ。初見だと分からなかったがもう把握している」
デーモンブラッドと最初に会った時はその力が何なのか分からなかった。だがすでにそれが魔神の力だと分かったからデーモンブラッドは俺でも看破できる。
「明日に出るが、それでもいいか?」
「いいわよ」
王都に行くのは二週間ぶりかー。ロールミッションにある冒険者の項目は一切やっていないがまあやるつもりはない。
「他の子たちにはしっかりと大丈夫だと伝えておきなさい」
「あぁ、そうだな」
俺の強さを知っていたとしても心配することはおかしくないからな。
「アナスタシアは心配してくれないのか?」
「ふん、私が? 何をバカなことを言っているのかしら?」
鼻で笑ってくるアナスタシアだが俺は特に何も思わなかった。
「あなたのことを一番信じているのはこの私よ? 私はあなたに称賛以外の言葉をかけるつもりはないわ」
俺の勝ち以外信じないというわけか。いいじゃないか、それくらいの期待がちょうどいい。
それに俺はその期待すらも越えて見せると思っているんだからな。
「あぁ、お前は俺の勝利だけを見て生きていけ」
「何を当たり前のことを言っているのかしら」
それでも口は笑っているアナスタシアを可愛く思う。
☆
「じゃあ行ってくる!」
「行ってらっしゃい!」
「王子様早く帰ってきてくださいね!」
「とっとと終わらせてこいよ!」
俺はアナスタシアやエレナたちに見送られ、この〝アンゲロス〟を出発する。
昨日はエレナやエイミーにこのことを言えばついていくと譲らなかったが丁寧に説明すれば分かってくれた。
逆に俺がいなくなった後にここが教われる可能性があったから神馬と神子の一体を護衛に置いておくことにした。
まあここに入るためには神鳥による結界、神羊による空間断絶、中に入っても神性をどうにかしなければいけないから大丈夫だろうとは思っている。
でもこの世界は分からないことがまだあるから油断はできないから神馬も一応置いている。
アナスタシアの手紙を手に、俺は神羊の力でプネウマ王国までひとっ飛びした。
二週間ぶりのプネウマ王国ではあるが神子からの情報で久しぶりの感じはしない。
ここで気を付けないといけないことは俺の顔が割れているかどうかが分からないことだ。
もしもデーモンブラッドたちが情報を共有できたとすれば、殺したとは言えデーモンブラッドの一人と接触しているからバレているかもしれない。
そういうことを考えれば姿を偽ることは悪くないだろう。
下手に隠さず俺の正体が分かっていればスィオピ家みたいに変な罪を被せられるかもしれないからな。それに戦うことになるのはほぼ間違いないだろうから姿は偽っておかないと。
すでに神鳥で姿を偽りながら王都を歩けば目的の建物が見えてきた。
元々のスィオピ家には劣る公爵家のヒェリ家。まあ今ではヒェリ家の方が力は大きくなっているけれどとアナスタシア談。
「おっ」
ある情報を手に入れて俺は少し回り道をすることにした。
回り道をした先には、こちらに向かってきている星宮さんたち一行が見えた。
こうして肉眼で見るのは初めてだから見ておきたいなーと思ってこうして回り道をした。
星宮さんに他プレイヤーの三人。さらにフードで顔を隠しているこの国の王子が一緒に行動していた。
ふむ、やっぱり生で見る星宮さんは格別に美人だな。神子の視線ではどうしても違和感があるが肉眼はそうではない。
星宮さんの肩に乗っていた神子はこちらにチラッと視線を向け俺もまた目を合わせる。
てかこうしてあの神子と会うのも久しぶりだな。二週間ぶりか。そしてその神子から久しぶりー的な視線を受け俺も頷きながら星宮さんたちとすれ違う。
「ん? 神子? どこを見ていたんだい?」
おっ、これが星宮さんの生ボイス。いいねー、この声も素敵だ。
「なんだか……大事な人を見ている感じがしたね」
星宮さんの指摘に俺はギクッと、神子もギクッとなった。
そういえば最近の星宮さんは神子のことをかなりよく理解できるようになっていたな……よし、とっとと向かおう。
ここで出会うのは意味が分からないからな。
俺は立派な屋敷であるヒェリ家の前に向かって門番に話しかける。
「なんだ貴様は。用がないのならば立ち去れ」
「いえいえ、私はこれを届けに参ったのですよ」
俺は手紙をその門番に渡した。
「どこから……こ、これは!?」
門番はその手紙の裏にあるスィオピ家の紋章を見て驚愕の声を上げた。
「私はその家の遣いでしてねー。それを渡すように言われているのですよー」
「……しばし待て」
胡散臭そうなやつの口調にしたのは何となくだ。
門番は二人いるため片方の門番が急いで屋敷の中に入り、片方の門番に見張られつつ待つこと数分で門番が出てきた。
「今日の夜の鐘がなる頃、もう一度うかがってほしいとのことだ」
「いきなり来たものだからしょうがないですよねー。それなら私はそれまで王都の観光で時間を潰させてもらいますー」
そう言われて俺はその場から離れる。
本当に観光するつもりだし本屋があるのならアンゲロスの彼女たちのために買っておきたいところではある。俺も気になるし。
ただ、それをさせてくれる気はないらしい。ヒェリ家から俺を追ってくる奴らがいた。
でも俺としてはそうしてくれた方が嬉しいとまで思っているからな。だってようやく体を動かせるし思いっきり戦うことができるからな。
殺気が駄々洩れの奴らが襲い掛かって来やすいように路地裏に向かえば思った通りに俺を挟むように前後に二人ずつ立ちはだかった。
「おやおや、私に何か御用で?」
「死ね」
俺の問いかけに答えずに一人が剣を持ち襲い掛かってくる。
「全く、答えてもいいだろう」
周りに気が付かれないように俺はこの場にいる五人を別次元に飛ばし、襲い掛かる男にクロスカウンターで頭だけをぶっ飛ばした。
「答えればもう少しは生き永らえていただろうに」
やっぱり一発受けてやった方が良かったかな? でも殴りたい気持ちが滾ったからしょうがない。
「ほら、来いよ。お前らはどうせここから抜け出せないんだから」
「て、てめぇ! よくもスコットをやりやがったなぁ!」
「何を言っているんだ? お前は戦いに来ているんだろ?」
「待て! 迂闊に――」
激昂してナイフを手に襲い掛かってくる男の攻撃をあえて受けることにした。
顔に当たったナイフは俺に一切傷をつけることなく折れた。
「――は?」
「戦いに来ていて殺されないと思っているのか? 戦いは生きるか死ぬかだぞ」
俺は男の頭をつかみ、地面に叩きつけた。
少し感情が昂っていたから地面が大きく揺れ、男の頭がぐちゃぐちゃになってベッタリと手に脳みそやら血がついていた。
「支援しろ!」
「くそぉ!」
一人は俺に近づき、もう一人は火の魔法を放ってきた。
火の魔法はそのまま受け、近づいてきた男は殴りかかってきたから体で受ける。
「で? お前らはヒェリ家が俺を殺すためによこしたんだよな?」
俺がそう質問するが一切答えてくれない。
「答えてくれてもいいだろう? ま、殺すのは変わりないけど」
殴りかかってくる男の腕を手刀で切った。もはや拳力が強くなりすぎてこういうこともできて刃物いらずだ。
「ぐぅ!」
腕を切られてもなお距離をとろうとしているのはさすがだと思った。
「そんなに下がりたいなら送ってやるよ」
男の胸を蹴り、後方支援をしている男にぶつけた。
「ぐあ……! だ、大丈夫――」
後方支援をしている男は飛ばされた男を確認すれば、胸がえぐれて心臓が破裂している男の姿が体の上にあった。
こういう力加減もかなり上手くできるようになった。でもアンゲロスは思いっきりできないからな。彼女らが危なくなるから。
「ああ……ああ、ああああああああああああああああ!?」
死体の男が体の上にある状態で叫ぶ男。
「おいおい、こんなことも想像できずにここに立っているのか? それならお前は最初から戦わない方が良かったな」
俺の言葉は男には届かず、慟哭していた。
「お前らは俺を殺してきているのに仲間が殺された途端に被害者ぶるのか。はっ、お似合いの末路だ」
未だに反応しない男に拳から押し出される空気砲により頭を消し飛ばした。
この世界で今までに戦った奴らはしょうもない奴らばかりだなー。もう少し本能のままに戦いをしたいものだ。
俺は別次元から現世に戻り死体は少し遠くの路地裏に転移させておいた。
俺が怪しまれることはないがまあ念のためってやつだな。さーて、本屋やら服屋に行って時間を潰すかー。
☆
この世界の文字も問題なく見ることができ本をそれなりに買った。神羊による別次元に本を収納して、数冊だけを手元に置いた。
ベンチに座ってその数冊を読んでいれば王都が騒がしくなっているのが分かった。
「おい、かなりひどい状態の死体が発見されたらしいぞ」
「酷いって?」
「首が無かったり胸がえぐれたりしているらしい」
「えっ……こわいなー」
俺が殺したやつらが無事に見つかったのだろう。
そして部外者からすればその死体が発見されれば殺人鬼がこの王都の中にいるってことで騒がれる事態になるか。
でも俺はそんなことを気にせずに読書で時間を潰す。
「うん?」
神子から思念が入り王子様がヒェリ家と接触して、王子様と一緒に付いて行くことになったと教えられた。
うーむ、これはもしかしなくても俺を倒すため、俺がプネウマ王国の敵になるように仕向けているのか?
まあ面白そうだから止めなくてもいいと神子には伝えておく。
さすがに死ぬようなことがあれば止めてもいいがそうなることはないだろう。洗脳はされるかもしれないがそうなっても対処できるのが十二神獣のすごいところだ。
……それにしても、このままだと本を読んでも時間を潰せないぞ。よし、どうせだからウォーミングアップも兼ねて冒険者ギルドでBランククエストを受けるか。
ロールミッションもあるし経験値とお金稼ぎにはなる。そうと決まれば冒険者ギルドに向かうか!
☆
ふぅー、冒険者ギルドで大変だった―。
Bランククエストの討伐依頼だけを受けたのはいいけどそれが異常にも速すぎて疑われてしまっていた。
討伐依頼はそのモンスターの一部を証拠として持って帰らなければいけないのだが、俺はちゃんとそれをやった。
だが異常に速すぎたことでそれが偽物なんじゃないかってことを疑われたんだ。でも鑑定しても本物であると確認されてクリア。
そしてまたクエストを受けて速攻で戻ってくればまた疑われて鑑定すれば本物。というのを何度も繰り返し行われた。
最後らへんでは冒険者ギルドの受付嬢さんを連れて行って確認してもらったからな。
その結果ちゃんと俺の無罪と一緒に強さも証明され、明日にでもAランク昇格クエストを受けてほしいと言われたが保留にした。
そんな大変な冒険者ギルドでの一幕を経て夜の鐘が鳴るのを確認した俺はヒェリ家を訪ねた。
「昼間に来たものですけど、入ってもいいですかね?」
「入れ」
幸い同じ門番だったため俺がそう言えば快く入れてくれた。
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
「いやー、ご丁寧にありがとうございますー」
若い執事が俺のことを案内してくれるみたいで屋敷の中に入る。
屋敷の中を神馬の力で確認すればある場所に集中しているのが分かる。どうやら本格的に俺を殺そうとしているのが分かるな。
どうするのかが見物だな。
まあ念のためにアナスタシアたちにメッセージを送っているから遅くなっても問題はない。
「お連れしました」
「入ってもらえ」
執事がノックをすれば中から若い男性の声が聞こえてきた。
「ようこそおいでくださいました。お待たせして申し訳ございません」
中には茶髪のイケメンが爽やかな笑みで出迎えてくれた。広い応接間は俺が入って来た扉の他にもう一つ扉があり、そちらに星宮さんたちがいるのが分かった。
「いえいえ、こちらこそ突然訪問したので謝ることはないですよー」
さて、ここからどうなるのか。
「それよりもこの手紙を読みました」
手紙の内容は無事に逃げれたことを伝える文章だとアナスタシアから教えられている。
「ふざけているのか。これは全くの偽物だ」
手紙をビリビリと破るヒェリ家の男がどうするのか見守る。
「アナスタシアたちをどこにやった? マギア機関の復活を阻止するために拉致したのはお前だな」
「何を言っているのか全く分かりませんねー」
「ほざくな、デーモンブラッド」
おぉ、俺がデーモンブラッド認定されている。
「魔神の復活はここで阻止する! そしてアナスタシアたちを返してもらうぞ!」
ヒェリ家の男がそう言えば扉から俺を囲むように人が押し寄せてきた。そこには星宮さんたちと王子がいた。
「アナスタシアを……エレナを返せ!」
王子は何か高そうな剣を抜いた。しかも聖なる力が宿っているみたいだ。
「お前がスィオピ家を没落させ、エレナに苦しい思いをさせたんだな……!」
いやいや、それはこの場にいるデーモンブラッドがやったことでしょうよ。それにプネウマ王国がしたことじゃんか。お前じゃんか。
ま、そんなことを言っても無駄だし、王子がどんな強さなのか興味がある。
「お前の首でスィオピ家の無罪を示す!」
「まぶっ」
強い光を放ちながら俺の肩に剣を振り下ろしてきた。
「おぉ、まあまあだな」
「……は?」
俺の肩に来た衝撃は一人目のデーモンブラッドほどではないがそこそこの攻撃力があった。
ただ王子はこの一撃が相当自信があるものだったらしく、傷一つついていない俺を見て信じられないものを見る目をしていた。
「もう一回チャンスをやる。うってこい」
「ッ! 舐めるなぁ!」
一回目よりもさらに力を籠めた剣で俺の胴に薙ぎ払った。
だがまたしても俺に傷一つ付けれず、完全に威力が止まった状態で俺に剣が当たっていた。
「これが全力か。剣は良さそうだが使い手の力量不足ってとこか?」
後半の感想は神猿が思っていることだ。こいつは武器のことに関して言えばかなり見る目がある。
「嘘だろ……王子様の全力の一撃だったんだぞ……」
黒川さんが驚いたようにそう呟いた。
「攻撃しろ!」
ヒェリ家の男がそう言えば周りにいる人たちが全員で俺に襲い掛かって来た。
星宮さんたちや王子は殺せないにしてもこいつらは殺してもいいだろう。デーモンブラッド側だし。
そうじゃなく知らなかったとしても、戦いに来ているんだからしょうがないよな。
この場には星宮さんたち四人と王子、ヒェリ家の男と冒険者らしき六人とデーモンブラッド一体の計十三人がいる。
殺していいのはまあ冒険者らしき六人とデーモンブラッドの七人だけだな。
「えー……まあいいか。来い」
王子が持っている武器がほしいほしいと言い続けている神猿を顕現させる。
その代わりデーモンブラッド以外の冒険者を相手にしろと伝えていたところ、顕現した瞬間に小間切れになった冒険者六人。
「ウキ!」
そして王子が持っている剣を王子の手から奪おうとする。
「な、何をするんだ!」
「ウキキ! ウキ!」
「何を言っている!」
神猿は「お前が持ってても意味ねぇだろ。ワイが使ってやる」と言っている。でもそれはこの場にいる俺と神子しか分からないことだ。
「さて」
俺の背後から剣を振り下ろしてくるデーモンブラッドの剣を片手で白刃取りをする。
「お前は楽しめそうだな、デーモンブラッド」
「はぁ!? どういうことだよ!?」
俺の言葉に反応したのは黒川さん。
「簡単な話ですよ。ヒェリ家はスィオピ家の協力者であったはずなのにデーモンブラッドと手を組みスィオピ家を陥れた。それだけの話です」
俺はデーモンブラッドの剣を折り、振り返れば思った通り俺を案内した若い執事がデーモンブラッドで俺から距離をとった。
「騙されてはいけません! 混乱はデーモンブラッドの思うつぼです!」
ヒェリ家の男が俺の言葉が噓だと言い張る。
ただな、ここでデーモンブラッドを殺すのは簡単だがクリア条件の『魔神の召喚阻止』は王子にも色々と頑張ってもらわないと行けない気がするんだよなー。
だからこいつがデーモンブラッドであることを素早く分かってもらう方がこちらの味方にしやすい。
これで変に俺がデーモンブラッドのままこの場を終わったら残ったヒェリ家が変に立ち回るかもしれない。
「これを見ればすぐに分かると思いますよ、冒険者さんたち」
俺はデーモンブラッドに近づき顔面をつかみ逃げられないようにしてから、アナスタシアたちのおかげで紋章がある場所を見分けれるようになったため腕を神龍の炎で服だけを燃やした。
すると二の腕のところにアスタロトの紋章があることはこの場にいる誰もが見た。
「デーモンブラッドの紋章。これを見れば誰がデーモンブラッドか分かるでしょう」
「ホントだ……」
空門さんが呟いたがこの部屋に響く。
「デーモンブラッドがそいつなのは分かったからこいつをどうにかしろ!」
すでに剣を神猿に奪われ取り返そうとしているが一切取り返せていない王子が情けなくそう言う。
神猿はうっとりとしながら剣を見つめていたからもう使い物にならない。
「こ、これは驚きだ! まさかお前がデーモンブラッドだったのか!?」
「下手な芝居はやめろ。もうお前がデーモンブラッド側なのは確定だぞ」
「何を仰る! 私は騙されていたのですよ!」
「それならどうしてアナスタシアの手紙を偽物だと破り捨てた?」
「ここに来る途中で偽物とすり替わっていたみたいですね……」
「あれには俺の紋章が刻まれていたんだ。だから偽物じゃないことは俺が分かっている」
俺のハッタリが通じて黙り込むヒェリ家の男だが、その前に拘束から抜け出すために魔神の力を使い始めたデーモンブラッドを片付けないといけないらしい。
さらにもう一体のデーモンブラッドが逃げようとしていることに気が付いたから何もしていない人たちに任せることにした。
「ここにはもう一人デーモンブラッドがいるのでそっちを任せてもいいですか?」
「どこ!? そいつ!?」
空門さんが言ったのはヒェリ家の男だがそいつは違う。
「違います。今屋敷から急いで出ている女です」
「分かった! そっちは大丈夫!?」
「もちろん。そっちの方が危ないと思いますけど」
空門さんは元気よく反応をしてくれる。
「その前に剣を返してくれ!」
「返してやれ」
「ウキ。ウキ、ウキキ」
「えっ、何かすごい剣が出てきたんだが……」
「それと交換なと言ってます。あぁ、もう間に合いそうにないので俺が送りますね」
こんな悠長に話をしている場合ではないのだがな。でも会話は大事だからしょうがない。
何より俺が他プレイヤーと出会ったことで嬉しくなっているからな!
俺は神猿の手を五本出して五人を包んだ後に窓を突き破ってもう一体のデーモンブラッドの方に飛ばした。
さらにコッソリと逃げようとしていたヒェリ家の男の意識を神犬の能力で断ち切ってこの場には俺とデーモンブラッド、あと神猿だけしかいなくなった。
「さぁ、やろうか」
「……貴様、何者だ?」
おっ、珍しく敵から話しかけられたから少し嬉しくなる。
「分かっているだろ? 俺は天使の守護者だ」
天使は天使でもアナスタシアたちは天使の力を受けた人間だが、まあそんなのは些細なことだ。
それに真面目にハッキリと答えるのならばガブリエルさんから言われた神の遣いが正しいのだろうがバカ正直に答えるわけがない。
「それならば我らの邪魔をするものだ」
「そんなに怖いか? 彼女たちが」
「フン。不穏因子を消しているだけに過ぎない。あれらを怖いと思うほど我らが神は弱くはない」
「おいおい、冗談は止せよ。あんな力ごときでてめぇらの神が強いと思っているのか?」
「貴様に何が分かると言うのだ」
「お前らの味方、一人殺したからな」
俺の言葉に目を見開いたデーモンブラッド。
「……やはり殺したのは貴様か」
「大したことはなかったから魔神も大したことはないんだろう。だから生き続けていたいのなら外界にずっと引きこもってろ」
俺の言葉に殺気増し増しで新しく抜いた剣で俺に斬りかかってくる。煽り耐性がないのかわざわざ乗ってくるのかは分からないがやる気なのはいいことだ。
それに魔神の力も発揮してくれているから動きが良く、かなりの速さで剣を振って殺しにかかる。
だから俺はそれに合わせて拳で応戦する。
「ほらほら! もっと速くしろよ!」
「くぅっ!」
俺の拳の強さで剣も強化しないといけないし、俺の体も温まって来ているから俺の拳も速くなって対処できなくなっているデーモンブラッド。
「ほら折れたぞ!」
剣が耐え切れず折れたことで俺はデーモンブラッドの体を均すように全身に拳を叩きこんであげる。
最初は耐えようとしていたが俺の加護により力は抜けていき数秒後には物言わぬものへと成り果てた。
そして出てきた魔神の力は虚空に消える前に消したことでロールミッションを達成した。
「さて、あっちに行かないとしんどいだろうなー」
あの四人+一人の実力は神子から伝えられているから大体分かるが、まあ勝てるわけがないと分かっている。
俺がやってもらいたかったのは足止めだしな。
0
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