193 / 369
第16章 To a new stage
13
しおりを挟む
大したことじゃない。
今までだって、何十人と観客のいる前で、全てを曝け出して来たんだ。
こんなこと、大したことじゃない。
見ず知らずの男に組み敷かれながら、何度も自分に言い聞かせた。でもいざ両足が開かれ、異物に身体を貫かれると、覚悟なんてもんは脆くも崩れ、悔しさと、情けなさに奥歯をきつく噛んだ。
それでも身体は正直な物で、どれだけ俺が拒んだところで、手練た相手の前ではその抵抗すらも虚しく、気付けば、与えられる快楽に身を任せ、声が枯れるまで歓喜の声を上げ続けた。
「最高だったよ。君みたいな子は初めてだ。また指名させて貰うよ」
シャワーを終え、帰り支度まで済ませた男が俯せた背中にかける声すら、朦朧とした意識の中ではやけに遠くに聞こえる。
勝手にしろ……
ドアの閉まる音を意識の片隅で聞きながら、俺は涙なのか汗なのか、濡れた瞼をそっと閉じた。
本当はそのまま眠ってしまいたかった。でも、不意に俺をここまで送り届けた男の存在を思い出して……
電話、しなきゃな。
ベッドサイドに置かれた椅子に、無造作にかけたジャケットに手を伸ばそうとするけど、身体が思うように動かない。
おかしいな……
そんなに酷く扱われたわけでもないのに、腕一本動かすのすら、今は億劫で仕方がない。それでもどうにか腕を伸ばしてスマホを手に取ると、唯一登録されている番号をタップした。
「あ、俺……。シャワーしてから降りるから」
まるで自分じゃないみたいな声に、自分がどれだけ激しく喘いでいたのかを、まざまざと思い知らされる。
最低だな、俺。
深い溜息と共に零れた涙が、握りしめたスマホの上にポツリと落ちる。
翔真、会いてぇよ……
殴られたって、どんなに酷い言葉で罵られたって構わない、それでもお前に会いたい。もしそれが叶わないのであれば、せめて声だけでも聞きたい。
ああ……、こんなことならスマホくらい持って来れば良かった。
そしたら声だけでも聞けたのに。
ミシミシと軋む身体に熱いシャワーを浴びながら、いくら願ったところで到底叶うことのないことばかりに思いを巡らせた。
今までだって、何十人と観客のいる前で、全てを曝け出して来たんだ。
こんなこと、大したことじゃない。
見ず知らずの男に組み敷かれながら、何度も自分に言い聞かせた。でもいざ両足が開かれ、異物に身体を貫かれると、覚悟なんてもんは脆くも崩れ、悔しさと、情けなさに奥歯をきつく噛んだ。
それでも身体は正直な物で、どれだけ俺が拒んだところで、手練た相手の前ではその抵抗すらも虚しく、気付けば、与えられる快楽に身を任せ、声が枯れるまで歓喜の声を上げ続けた。
「最高だったよ。君みたいな子は初めてだ。また指名させて貰うよ」
シャワーを終え、帰り支度まで済ませた男が俯せた背中にかける声すら、朦朧とした意識の中ではやけに遠くに聞こえる。
勝手にしろ……
ドアの閉まる音を意識の片隅で聞きながら、俺は涙なのか汗なのか、濡れた瞼をそっと閉じた。
本当はそのまま眠ってしまいたかった。でも、不意に俺をここまで送り届けた男の存在を思い出して……
電話、しなきゃな。
ベッドサイドに置かれた椅子に、無造作にかけたジャケットに手を伸ばそうとするけど、身体が思うように動かない。
おかしいな……
そんなに酷く扱われたわけでもないのに、腕一本動かすのすら、今は億劫で仕方がない。それでもどうにか腕を伸ばしてスマホを手に取ると、唯一登録されている番号をタップした。
「あ、俺……。シャワーしてから降りるから」
まるで自分じゃないみたいな声に、自分がどれだけ激しく喘いでいたのかを、まざまざと思い知らされる。
最低だな、俺。
深い溜息と共に零れた涙が、握りしめたスマホの上にポツリと落ちる。
翔真、会いてぇよ……
殴られたって、どんなに酷い言葉で罵られたって構わない、それでもお前に会いたい。もしそれが叶わないのであれば、せめて声だけでも聞きたい。
ああ……、こんなことならスマホくらい持って来れば良かった。
そしたら声だけでも聞けたのに。
ミシミシと軋む身体に熱いシャワーを浴びながら、いくら願ったところで到底叶うことのないことばかりに思いを巡らせた。
0
あなたにおすすめの小説
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる