H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第3章  scene1:屋上

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 先っぽが見えるようにずらしたパンティはそのままに、両足を軽くクロスさせ、肩紐をずらしたブラを片手で押さえて小首を傾げる。

 サラサラと、風に煽られて肩を滑る髪が擽ったくて、肩にかかった髪をスルッと掬った瞬間、まるでその時を待っていたかのように、カメラマンさんが高速でシャッターを切る。

 だから僕は心の中で囁くんだ。


 もっと僕を見て、って。
 その目で僕を犯して、って。


 そう願った途端、僕の中でスイッチが入ったようで、僕はカメラマンさんがシャッターを切るタイミングに合わせてパンティを少しずつずらし、とうとう元気百倍になった中心全体をカメラの前に晒した。

 風とシャッター音に混じって、カメラマンさんがゴクリと息を飲む音が聞こえる。
 ううん、カメラマンさんだけじゃない、レフ板を持つ監督さんも、他のスタッフさん達も、皆心做しか顔が赤くなってるような気がする。


 そっか、皆僕を見て興奮してくれてるんだね?
 ふふ、じゃあもっと興奮させちゃおうかな♪


 僕はクロスさせていた足を若干内股気味に開き、片手で下着を更にずり下げ、腰を少しだけ前に屈めるとグーにした手を口元に寄せた。瞼をそっと伏せ、カメラのシャッターが切られるタイミングでバチッと瞼を開く。
 上目遣いでカメラのレンズを見る目は、普段よりも水分増量だ。
 変なスイッチのおかげもあるんだろうけど、スチール撮影が苦手な僕が、何度か撮影を経験するうちに自然と身に付けた、小悪魔なHIME顔だ。

 ただ、いくら視姦されて興奮している僕でも、やっぱりそれなりに恥じらいはあるわけで……

 その顔をキープ出来るのはほんの僅かな時間。
 カメラマンさんはその一瞬を逃すことなくレンズに収めようと、無心でシャッターを切り続けた。

 そうして最後のシャッターを切ったところで、監督さんが「オッケーィ!」の声と共に、僕に向かって中……じゃなくて、親指をピンと立てて見せた。

 「最高だったよ、HIMEちゃん」

 僕にこの日一番の賛辞を送りながらね♪
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