H・I・M・E ーactressー

誠奈

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第13章  scene3:待合室

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 いつもならスタジオのシャワーを借りるところだけど、そんな気分にもなれなくて、僕は松下さんの体液を僅かに体内に残したまま、車の後部座席に乗り込んだ。


 別に精液が残ってたって、お腹を壊すことはあっても、男の僕が妊娠するわけでもないし……
 どうでもいいや……

 スタジオの後片付けを手伝う長井さんと城田さんを待つ間、僕はお気に入りのフワモコブランケットを頭からすっぽり被ると、リュックの中からHIME専用スマホを取り出した。

 こんな時に相談出来る相手と言ったら、一人しかいない。
 そう、僕のお姉ちゃん的存在でもある、同じく男の娘アイドルのKAZUだ。
 僕は無料のメッセージアプリを立ち上げると、KAZUとのトーク画面を開いた。


 でも何て言ったら良いの?

 唐突に、『僕のお尻、ガバガバだった?』ってストレートに聞く?
 それとも、『HIMEのお尻の締まり具合はどうだった?』ってやんわり聞く?


 「はあ……、どっちにしたって聞きづらい……よね」

 僕は考えに考え抜いた末、『KAZUに聞いて貰いたいことがあるの』とだけメッセージを送ると、用済みのスマホをリュックに仕舞った……けど、すぐに取り出した。

 てっきり仕事中かと思ってたし、もし仕事中じゃなかったとしても、相原さんとのデート中かもって思ってたから、まさかそんなに早く返信が来ると思ってなくて……
 僕は急いでKAZUとのトーク画面を開くと、桜木くんイチオシの、HIMEによく似たキャラクターのスタンプを送った。
 ウルウルおめ目のスタンプだ。

 すると今度はKAZUの方から、KAZUによく似たキャラクターが、頭の上に?マークを浮かべて、何度も首を傾げるスタンプが送られて来た。

 
 だよね……、いきなり泣き顔のスタンプ送って来られたら、当然そうなるよね。
 僕だってきっとKAZUと同じ反応すると思うもん。


 僕はフワモコブランケットにくるまったまま深い溜息を一つ落とすと、ついさっき松下さんから言われたことを、そのままメッセージに入力してKAZUに送った。
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