H・I・M・E ーactressー

誠奈

文字の大きさ
352 / 688
第22章  日常10:僕、決めた!

しおりを挟む
 でもさ、現実を目の当たりにすると、どんなに強く決心したと思っていても、多少は揺らいでしまうわけで……

 和人と別れ、長井さんに連絡を入れてから事務所に寄った僕は、社長さんと長井さんを前に、一回り身体を小さくしてしまう。


 だってね、二人共怒ってはないんだよ?
 なのに凄く……、今まで僕に見せたこともないような、すっごーく難しい顔をしてるんだもん。

 しかも二人して資料片手に、コソコソお話ししてるしさ……

 そんな状況で萎縮しない方がおかしくない?


 それでも意を決して、「あの、それで僕……」と言いかけたその時、社長さんが手に持っていた資料を、テーブルの上に広げた。

 「これ……は……?」

 大体の予想は、和人からも話を聞いていたし、何となくだけど出来てた。

 でもまさか現実になるとは、僕だって思ってなくて……


 「キミの話は分かった。辞めるなら辞めて貰って構わないよ? でもそのまえにちゃんと仕事して貰わないとね?」

 僕は恐る恐るテーブルの上に広げられた資料に視線を落とした。

 「えと、これって……」
 「キミが好きなの選んで良いから」
 「え、でもこれ……」

 テーブルの上の資料をいくつか手に取ってみるけど、そのどれもがSMプレイを含んだ陵辱モノか、集団レイプモノばかりで……

 「あの……、他には……」

 不安のせいか、半泣きになって社長さんを見ると、社長さんは眼鏡の奥に薄ら見える目を細めて、穏やかに笑いながら、「それ以外にはないよ」と、お顔と同じ穏やかな口調で言った。

 「そん……な……」

 僕はその瞬間、和人が言ってたことの意味が分かったような気がした。

 これまで僕は、長井さんが持って来てくれるお仕事に「嫌」って言ったことはないし、寧ろ僕自身が楽しめるようなお仕事ばっかだった。

 でもそれって、よくよく考えてみると、最初に僕が言ったからなんだよね……

 「SMとかレイプモノだけはNGだけど、それ以外ならOK」って。


 はあ……、今頃になって思い出したよ僕……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

スライムパンツとスライムスーツで、イチャイチャしよう!

ミクリ21
BL
とある変態の話。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

処理中です...