ANGELIC CONVERSATION

誠奈

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ANGELIC CONVERSATION

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 「うぅっ……あ……はぁ……も、や、だぁ……」

 両手をベルトで拘束され、素っ裸で冷たい床に転がされた俺は、ソファに座り、缶ビールを傾ける和人に懇願する。

 「なぁ、これ……外してくれ……よ……」

 胸の先端に取り付けられたクリップ状になった二つの赤いのローターが、低く不気味な機械音を響かせながら小刻みに振動する度、全身の毛という毛が総毛立つような快感に身体が震える。

 「なに、まだ足りないの? ホント、アンタってイヤラシイよね?」

 和人が残っていたビールを一気に飲み干し、空になった缶をテーブルに置いた。

 「ち、ちが……っ……」

 そして徐に立ち上がったかと思うと、抵抗する間もなく俺の身体はひっくり返され、腰を持ち上げられた。双丘を限界まで両の指で押し広げられ、そこに宛てがわれる冷たい感触に、俺の身体がビクンと跳ね上がった。

 「やだ、そんなの無理……だっ……て……、あっ、くっ……!」

 和人が手にした極太のバイブを、何の潤いも与えられないまま捩じ込もうとするが、当然受け入れられる筈もなく、そこは必死の抵抗を続ける。

 「……んだよ、力抜けって……。欲しいんでしょ?」

 冷たく言い放たれ、俺は何度も首を横に振って反論する。

 「欲しく……ない……そんなの……欲しくなんか……」


 俺が欲しいのは……
 俺が本当に欲しいのは……


 不意に零れ落ちた涙がフローリングの床を濡らした。




 何でこんなことにっなてんのか……、元はと言えば、多分……いや、確実に俺が悪い。


 別れた昔の恋人の写真や思い出の品を、クローゼットの奥に大事に保管してあったから。

 でも俺だって、そこに仕舞ったことも、何なら存在すらもすっかり忘れてたんだ。
 なのに、たまたまとはいえ和人が見つけてしまうなんて、想像もしていなかった。


 こんな風に嫉妬に駆られることも……
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