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第8章 009
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黒瀬の見解によれば、弘行の死亡推定時刻は午前8時かから10時の間。
その間にも翔真は弘行からのメールを何度か受け取っていて、それは弘行が持っていた携帯電話の履歴からも確認が出来る。
(一体誰が……?)
普段滅多に考え事などしない翔真の脳内は、最早パンク寸前……いや、思考停止寸前の状態にまで陥っている。
眉間に深い皺は寄り、額にも、そしてギュッと握った手のひらにも、ベッタリと汗が滲み……
「アハ、アハハハ……、なんか俺、頭真っ白になっちゃったみたい……」
変な笑いすら込み上げて来る。
そんな翔真の様子にみかねたのか、黒瀬は一つ咳払いをすると、「そうですね……」と小さく言って席を立ち、視線だけを本木に向けた。
「私自身セキュリティに関しては全くの無知なので、その道のプロでもある本木さんにお任せするとして……」
言いかけてポットに残っていたコーヒーを自分のカップに注ぐと、それ程乾いていたわけでもない口にコーヒーを含み、喉を鳴らすことなく飲み込んだ。
「鑑識と検死を行ってみないと正確なことは言えませんので、あくまで仮定にはなりますが……」
そして、しっかりと前置きをしてから、ビッシリと書き込まれた手帳のページを捲った。
その間にも翔真は弘行からのメールを何度か受け取っていて、それは弘行が持っていた携帯電話の履歴からも確認が出来る。
(一体誰が……?)
普段滅多に考え事などしない翔真の脳内は、最早パンク寸前……いや、思考停止寸前の状態にまで陥っている。
眉間に深い皺は寄り、額にも、そしてギュッと握った手のひらにも、ベッタリと汗が滲み……
「アハ、アハハハ……、なんか俺、頭真っ白になっちゃったみたい……」
変な笑いすら込み上げて来る。
そんな翔真の様子にみかねたのか、黒瀬は一つ咳払いをすると、「そうですね……」と小さく言って席を立ち、視線だけを本木に向けた。
「私自身セキュリティに関しては全くの無知なので、その道のプロでもある本木さんにお任せするとして……」
言いかけてポットに残っていたコーヒーを自分のカップに注ぐと、それ程乾いていたわけでもない口にコーヒーを含み、喉を鳴らすことなく飲み込んだ。
「鑑識と検死を行ってみないと正確なことは言えませんので、あくまで仮定にはなりますが……」
そして、しっかりと前置きをしてから、ビッシリと書き込まれた手帳のページを捲った。
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