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番外編 ー朝月夜ー 其の一
一
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広大な敷地の中にあって、庭木に覆い隠されるようにひっそりと……、人目に付かないように建てられた古びた蔵。
そこに何があるのか……いや、そこに何がが隠されているのか、それを知ったのは、高等小学校を卒業する直前、翔真が十四才を僅かに過ぎた頃のことだった。
その頃翔真には、話し相手と称された使用人の潤一が充てがわれたが、友人も多く、勉強熱心な翔真には話をするだけの相手など必要もなく、帰宅してから夕食までの時間は、大抵自室で本を読んで過ごすか、その日学んだことを振り返る時間に充てた。
尤も、潤一だってただ話し相手として奉公に来たわけでもなく、使用人としての勤めも忙しく、とても翔真とのんびりと話をする時間なんてなかったのだが。
翔真は必死だった。
曾祖父の代から土地の名士として名を馳せて来た大田の名に恥じぬよう、いずれ自身が家督を継いだ時、広大な土地とそこに住まう小作人達の生活が守れるよう、大田家の長子長男としての役目を果たすため、翔真は持てる時間の限りを勉学に費やした。
そんな翔真の、と良い覚悟とも言える想いが打ち砕かれたのは、そう……あの季節外れの雪が、庭木を薄っすらと白く染めた日の夜のことだった。
そこに何があるのか……いや、そこに何がが隠されているのか、それを知ったのは、高等小学校を卒業する直前、翔真が十四才を僅かに過ぎた頃のことだった。
その頃翔真には、話し相手と称された使用人の潤一が充てがわれたが、友人も多く、勉強熱心な翔真には話をするだけの相手など必要もなく、帰宅してから夕食までの時間は、大抵自室で本を読んで過ごすか、その日学んだことを振り返る時間に充てた。
尤も、潤一だってただ話し相手として奉公に来たわけでもなく、使用人としての勤めも忙しく、とても翔真とのんびりと話をする時間なんてなかったのだが。
翔真は必死だった。
曾祖父の代から土地の名士として名を馳せて来た大田の名に恥じぬよう、いずれ自身が家督を継いだ時、広大な土地とそこに住まう小作人達の生活が守れるよう、大田家の長子長男としての役目を果たすため、翔真は持てる時間の限りを勉学に費やした。
そんな翔真の、と良い覚悟とも言える想いが打ち砕かれたのは、そう……あの季節外れの雪が、庭木を薄っすらと白く染めた日の夜のことだった。
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