桜の葉が舞い散る季節、あなたの傍にいられたら

誠奈

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第3章

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 「ご、こめんなさい、俺……」


 咄嗟に俯いた顔が熱く感じるのは、きっとシャワーのせいだ。


絶対そうだよ。


 「ちゃ、ちゃんと温まって下さいね? シャンプーとか、適当に使ってくれて構わないんで。じゃ……」

 桜木翔真もどきを椅子に座らせ、シャンプーのボトルを手に握らせ、俺は風呂場を出た……が、

「えっ、何やっての!」

 俺の足はすぐさま風呂場にUターンをした。
 あろうことか桜木翔真もどきは、シャンプーのボトルの蓋を開け、注ぎ口に唇を寄せていた。

 「そ、それ、違うって!」

 慌てて取り上げたボトルを、桜木翔真もどきが恨めしそうに見上げる。そして返せと言わんばかりに、俺に向かって手を伸ばしてきた。


 何? 一体何なのこの人……、絶対おかしい。


 俺は桜木翔真もどきを家に連れ帰ったことを、後悔し始めていた。

 「ふざけてんですか?」

 そう、まるでふざけているとしか思えない行動に、俺は半分キレ気味にボトルのキャップを拾い上げると、それをボトルに嵌め込んだ。

 「さっさとシャワーしちゃって下さい」


 水道代だってバカになんないんだから……


 深い溜息と一緒に肩を落とす俺を、桜木翔真もどきはキョトンとした顔で見上げている。


 もしかして、分かってないとか?

 嘘だろ?
 マジ、ありえねぇ……
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