戦記×戦記

王国を脅かす黒騎士

黒騎士襲来

　王国、マーズ。千年もの間、戦争もなく、平和な国だった。
　そんなマーズに千年前と同じ悲劇が起きようとしていた。

　マーズの城下町。
「カーラ。今日は早いな。王宮で何かあったのか。」
「八百屋の主人。いっつもこんな朝、早いのか。」
「俺は、職業柄いつも朝方だ。でも、カーラにこんな朝早く会うとは。何かあったか。」
「今日から、重要な任務に就くんだ。凄いだろ。」
「重要な任務って、どんな任務なんだ。」
「王子側近だよ。」
「本当か。」
　二人がそう話していると、カーラの友、インザが店の中から、出てきた。
「インザ、聞いたか。カーラが王子側近になったそうだ。凄いよな。」
「そうなんだ…。」
「どうした、浮かない顔して。カーラを祝福してやれ。」
「カーラ。」　
「そろそろ行かないと。」
　インザが、カーラを祝福する前に、カーラは王宮へと、向かった。
　
　マーズの王宮。
「見ない顔だな。認められたもの以外、この王子側近長。アグロが通す訳には、行かぬ。何者だ。」
「今日から、王子側近となるカーラと言います。アグロ殿、これからよろしくお願いします。」
「そ、そうか。そうとは知らず、済まなかった。」
「いえ、滅相もありません。」
「フリーグ王子には、もうあったのか。」
「まだです。」
「なら、挨拶に行くことだ。どんな人物か、知る必要があるだろう。」
「は、はい。分かりました。」
　アグロは、そう言うと、カーラをフリーグの元へ、連れてくれた。
「この者は、カーラという新たに側近になった者です。フリーグ王子。私は外の警備に行って参ります。若い者同士、話も通じると思いますよ。」　
「それならいいがな。カーラ。」
　カーラは、受け答えに困りながらも、
「そうかも知れないですね。王子。」
　と、答えた。
「王子か。」
　そこから、何分か沈黙が続いた。

　マーズの王室。
「貴様、誰だ。」
「第一の騎士、ターナバードなり。大王、地に落ちろ。」
　王の悲鳴が響いた。
　それと同時に、二人の元にアグロが戻ってきた。
「王子。黒装備をした騎士共が、王国を襲撃して来ました。」
　その時、三人は、まだ気付いていなかった。黒騎士の襲来が世界を動かず大冒険になるとは。