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一章
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しおりを挟む「どうも........」
もちろん男性の下着なんて、しかも新品ではなく私物なんて、履くのは少々躊躇われる。だが、背に腹はかえられないものだ。いわゆる異世界で、下半身は裸、そして当方女という状況だ。他人の下着だとしても、無いよりはマシだ。
マントで見えないように隠しながら、私が下を履いている間に、少年は椅子に座ってテーブルに膝をついていた。
「履いてくれて良かった。もし男物を嫌がったらどうしようかと思った。目のやり場に困るからね」
「まぁ、私もノーパンは心許ないしね。ありがとう。ーーーーちゃんと洗濯してあるよね?」
「当然のこと聞かないでくれる?........じゃ、座って」
促され、少年の向かいの椅子に座った。座ってみて気付いたが、椅子に対してテーブルの大きさが微妙にミスマッチだ。不便なレベルではないが、少しテーブルが大きい。テーブルの真ん中に小さな丸い鏡が置かれていた。鏡面は上に向かって置いてあるが、天井を映してはいなかった。鏡の中には、何やら暗い空間があるように見える。
「中を見て」その前に説明をして欲しい気持ちはあったが、世の中には百聞は一見にしかずという言葉もある。それに、彼が先になんの説明もしないのは、彼なりの考えもあるのだ。それを私の都合で思い通りにさせるのは、気が引ける。
椅子から立ち上がって、その鏡を覗き込んだ。すこし体勢がキツかったので、椅子に膝を乗せてテーブルに両手で体重をかけた。
鏡の中は真っ暗で、何にもないように見えた。が、よく見ると暗闇に浮かび上がる影があった。
「君が死ぬ直前だよ」
と、言われても、よく見えないのでピンと来ない。どうやら中央に人が横たわっているようなものが見えるが、これが私なのだろうか。「ちょっと見やすくするね」少年が右手を翳すと、鏡の中の光景がじんわりと明るくなっていく。便利なものだなぁと感心しつつ、目を凝らした。
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