わたしの愛した世界

伏織

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十章

10-7

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「ミミちゃん!大丈夫なの........?」


クロスの治癒魔法で、体の不調は取り除かれた(私を発見した時点で怪我は治せたはずなんだが、クロス曰く「忘れてた」らしい。クロスのことだ、そんなアホなことは十二分に有り得る)。と言っても、空腹ばかりはどうにもならない。なので、私は少し力の入らない足を何とか動かし、一階の居間に降りて来た。

窓際の椅子に腰掛けて編み物をしていたエリザが、足音に気づいて顔を上げた。そして私を見て声を上げ、私の後ろに居たクロスに気づくと、一瞬だけきつい目をした。背後のクロスが小さい声で、彼女に聞こえないように悪態をつく。だから、違うってば。


「エリザさん、事情は聞きましたが、本当に彼は何もしていませんよ。私が大きな岩に登った際に、どこかに引っかかって服が破けたんだと思います」


まあ、登っている時分には全く気づかなかったけど。
エリザは私の顔を見て、後ろのクロスを見て、視線を落として少し考えるような顔をした。「考えてみれば、クロスくんに服を破る力はなさそうだと思ってたのよ」彼女はクロスをどれくらいの虚弱体質だと思っているんだ。


「ごめんなさいね、疑ったりして」

「構いませんけど、僕のことあまりにも過小評価しすぎじゃありませんか?」


すねた様子のクロスは無視して、エリザに進められてテーブルにつく。彼女はすぐに台所に向かうと、冷たいミルクとパンを持ってきてくれた。


「スープは今温めるから、ちょっと待ってね」

「どうもありがとうございます」


と、エリザは台所に引っ込み、クロスが私の向かい側の椅子に腰掛けた。「“ねじ”はどうすんのさ」彼は肘をついて、ミルクを飲む私を眺めて言った。「それに、彼女は?」
エリザを旅に同行させる件のことだろう。まだ答えは出ていないので、答えようがない。肩に落ちた髪の毛を軽くひとまとめにして、右の肩に垂らした。面倒くさい、切ってしまおうか。

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