48 / 77
第1章 英雄の娘、冒険に出る
047 未完成の魔法
しおりを挟む
リーベは氷魔法『アイス』を応用して双円錐の氷塊を生成する。
昨日習ったメガ・ファイアは魔弾に宿る熱を内に籠め、効率化する繊細さが求められたが、それに比べればこちらはとても単純だった。料理でたとえるなら、ぶつ切りと皮むきくらいに難易度の開きがある。
だが、簡単だからと侮ってもいられない。
師匠であるフェアの指示に耳を傾け、目的の形を目指す。
「そうです。この形と大きさをよく覚えておいてください」
「はい! ……あの、撃ち込んでみてもいいですか?」
「どうぞ」
「よーし……」
リーベはキッと的を見据え、その中央に狙い澄まし、叫ぶ。
「アイスフィスト!」
ヒュッと空気を裂いて飛翔した氷塊は的を外し、背後の壁面で儚く砕け散った。
「ああ……」
落胆しているとフェアが淡然と言う。
「アイスフィストは魔弾の生成は簡単ですが、当てるのが非常に難しいんです。ひとまずは中央に限らず、的の何処かに当てることを目標にしましょう」
「は、はい!」
彼の言葉に励まされたリーベは、とにかく数をこなすことを念頭に置いた。
それから撃ち続けること十数回。ようやく的に命中させられた。
「はあ……はあ…………こ、こんなに当たらないものなんですね」
額に浮いた汗を拭いつつ、問いを重ねる。
「アイスフィストって、精度が良いんじゃないんですか?」
「言葉が足りませんでしたね。アレはあくまで、比較の話です。両者を突き詰めていった場合、メガ・ファイアは魔弾の放つ熱などが作用して大きく精度が落ちます。対してアイスフィストはよほどの距離を空けないかぎり、環境に左右されることはありません」
「ええと……?」
「要するに、術者の力が及ばない部分で精度が落ちるかどうか、と言うことです」
「なるほど……じゃあわたしの魔法が当たらないのは――」
「経験が足りていないということですね」
ずばり言われてリーベ肩を落としていると、フェアは小さく笑った。
「ふふ。ですが、気を落とすことはありません。この魔法は石を投げるようなものですので、慣れてしまえば存外容易く当てられますよ」
「だと良いんですけど……」
そう答えながら水筒を傾けていると、彼は仕切り直すように手を打ち鳴らした。
「さ、休憩はこのくらいにして、訓練を再開しましょう」
理屈はどうあれ、彼女のやるべきことは変わらない。今はそれに専念するだけである。
「アイスフィスト……!」
高速で宙を駆ける氷塊は的の縁に当たって砕け散った。
あれから日が暮れるまで何十回も撃ったが、命中率は3割と言ったところだ。初日で3割なら十分な気もしたが、アイスフィストは正確性が求められる魔法なのだ。動かない的が相手なら10割――しかもど真ん中に命中させられないと話にならない。
スタッフを構え直そうとしたその時、リーベは例の倦怠感を覚える……魔力切れだ。
「ふう……ふう…………すみません。もう限界です」
呟くように訴えるとリーベはへたり込んだ。脚の力が抜けて崩れ落ちたのだ。この違いは監督してくれていたフェアにも伝わっており、例の劇薬を手渡してくる。
「これを飲めば多少楽になるでしょう」
その言葉とは裏腹に、彼女はさらなるダメージを負う羽目になった。
「うげえ……」
苦みに嘔吐いているとヴァールたち剣士組がやって来る。
「魔力切れか?」
「ええ。少し早いですが、今日は切り上げた方が良いでしょう」
「そうだな。んじゃ、10分休憩したらテルドルに帰るぞ」
「は~い……」
それから彼女らは車座になって、各々休息を取っていた。その間、ヴァールは弟子の剣術について講評していた。
リーベから見て、フロイデは模範的な剣士だ。それは基本に忠実であるという意味ではなく、ケチの付けようがないという意味でだ。
しかし師匠の目からだと違って見えることをリーベは知った。それは時に厳しい言葉を交えつつ、長々と語り聞かせている様子から見て取れる。
(フェアさんはわたしのこと、どう思ってるのかな?)
彼は弟子を励ますことはあれど、厳しく叱責することはない。そういう方針というべきか、性格というべきか……何れにせよ、リーベは真相を知りたかった。
「…………」
どう切り出したものか、様子を伺いつつ考えていると、彼と目が合った。
「おや、どうかしましたか?」
「ああ、いや……その…………」
答え倦ねていると、聡い彼は弟子の心配を酌み、穏やかな笑みを湛えて、声なき問い掛けに答える。
「リーベさんは立派ですよ。たった3日でここまで進めたのですから、自信を持ってください」
「……でも……」
「私は言葉が足りないことはあるでしょうが、嘘は言いません。なので全て、言葉通りに受け取ってください」
「フェアさん……」
彼の微笑を見ていると澱のように積もっていた不安が解消されていく。自然、心も軽くなり、不安に感じていたのが馬鹿らしく思えてきた。
ちょうどその時、ヴァールが立ち上がる。
「うっし、帰るぞ」
その言葉を受け、リーベは脚に力を込める。
あの劇薬の効果か、不調は取り払われており、難なく立ち上がることが出来た。
帰る道すがら、ヴァールは相棒に問う。
「リーベの具合はどうだ?」
「ええ、至って順調ですよ。アイスフィストは命中に不安がありますが、メガ・ファイアの方は完璧です」
「そんな! 完璧だなんて、言い過ぎですよ!」
リーベが照れくさくなって口を挟むとヴァールは声をあげて笑った。
「フェアがそこまで言うんなら、よほど好調なんだろうよ!」
「もーっ! 揶揄わないでよ!」
彼は一頻り笑うと、急に神妙になって言う。
「そんだけ魔法が使えるなら、連れて行っても問題ないな」
「え?」
リーベは唖然として歩みを止めてしまった。
固定された視界の中で、フロイデが小さな口を、小さく動かす。
「冒険に出る、の?」
「そうだ――」
「で、でも! まだアイスフィストの方は全然ダメなんだよ!」
「わかってる。だが、最低限自衛できる魔法があるんなら今はそれでいい」
「…………」
釈然としないでいると、フェアが言い添える。
「不安に思う気持ちはわかります。可能であれば、あなたが納得できるだけの訓練をしてあげたいのですが、そうもいかないのです」
「どういうことですか?」
「ぼくたち、王都から派遣されてきた」
フロイデの言葉に、リーベはヴァールの手紙を思い出した。
第三級以上の魔物が数を増やしていると書いてあった(リーベにはその等級がなんなのかわからないが)。
「……そっか。みんな、仕事でここに来たんだよね」
「そう言うこった。お前を育てる前に、まずは使命を果たさないとなんねえ。じゃねえとギルドに怒られるし、余計な被害を招くかもしんねえからな」
「ごめんなさい。わたし、自分のことばっかりで……」
「自分を鍛えるのがお前の仕事だ。気にすんな」
「……うん」
不甲斐なさに押し黙っていると、ヴァールが決定を告げる。
「とにかくだ。明日は訓練を中止して、依頼選びと準備にあてる。いいな?」
メンバー全員から承知の声が上がると、彼はリーベに言う。
「リーベ。お前はリュックとかは持ってるのか?」
「うん。お父さんのお下がりを貰ったの。あ、あと中身も食べ物以外は一通り用意してあるよ」
「さすが師匠。用意がいいな」
「この分だと、明日は余裕を持って過ごせそうですね」
フェアの言葉にフロイデが項垂れる。
「? 何かあったんですか?」
「むう……」
フロイデは押し黙って口を開こうとしなかった。
心配になる中、ヴァールがケタケタと笑う。
「はは! こいつは最初、せっかく確認してやったのに『心配だから~』ってリュックをひっくり返して、あげく忘れ物をしやがったんだ!」
「ヴァール……!」
フロイデが顔を真っ赤にして黙らせに掛かるも、リーベは既に聞いてしまった。
冷静に見えて存外おっちょこちょいなその一面に、彼女は思わず噴き出してしまうのだった。
昨日習ったメガ・ファイアは魔弾に宿る熱を内に籠め、効率化する繊細さが求められたが、それに比べればこちらはとても単純だった。料理でたとえるなら、ぶつ切りと皮むきくらいに難易度の開きがある。
だが、簡単だからと侮ってもいられない。
師匠であるフェアの指示に耳を傾け、目的の形を目指す。
「そうです。この形と大きさをよく覚えておいてください」
「はい! ……あの、撃ち込んでみてもいいですか?」
「どうぞ」
「よーし……」
リーベはキッと的を見据え、その中央に狙い澄まし、叫ぶ。
「アイスフィスト!」
ヒュッと空気を裂いて飛翔した氷塊は的を外し、背後の壁面で儚く砕け散った。
「ああ……」
落胆しているとフェアが淡然と言う。
「アイスフィストは魔弾の生成は簡単ですが、当てるのが非常に難しいんです。ひとまずは中央に限らず、的の何処かに当てることを目標にしましょう」
「は、はい!」
彼の言葉に励まされたリーベは、とにかく数をこなすことを念頭に置いた。
それから撃ち続けること十数回。ようやく的に命中させられた。
「はあ……はあ…………こ、こんなに当たらないものなんですね」
額に浮いた汗を拭いつつ、問いを重ねる。
「アイスフィストって、精度が良いんじゃないんですか?」
「言葉が足りませんでしたね。アレはあくまで、比較の話です。両者を突き詰めていった場合、メガ・ファイアは魔弾の放つ熱などが作用して大きく精度が落ちます。対してアイスフィストはよほどの距離を空けないかぎり、環境に左右されることはありません」
「ええと……?」
「要するに、術者の力が及ばない部分で精度が落ちるかどうか、と言うことです」
「なるほど……じゃあわたしの魔法が当たらないのは――」
「経験が足りていないということですね」
ずばり言われてリーベ肩を落としていると、フェアは小さく笑った。
「ふふ。ですが、気を落とすことはありません。この魔法は石を投げるようなものですので、慣れてしまえば存外容易く当てられますよ」
「だと良いんですけど……」
そう答えながら水筒を傾けていると、彼は仕切り直すように手を打ち鳴らした。
「さ、休憩はこのくらいにして、訓練を再開しましょう」
理屈はどうあれ、彼女のやるべきことは変わらない。今はそれに専念するだけである。
「アイスフィスト……!」
高速で宙を駆ける氷塊は的の縁に当たって砕け散った。
あれから日が暮れるまで何十回も撃ったが、命中率は3割と言ったところだ。初日で3割なら十分な気もしたが、アイスフィストは正確性が求められる魔法なのだ。動かない的が相手なら10割――しかもど真ん中に命中させられないと話にならない。
スタッフを構え直そうとしたその時、リーベは例の倦怠感を覚える……魔力切れだ。
「ふう……ふう…………すみません。もう限界です」
呟くように訴えるとリーベはへたり込んだ。脚の力が抜けて崩れ落ちたのだ。この違いは監督してくれていたフェアにも伝わっており、例の劇薬を手渡してくる。
「これを飲めば多少楽になるでしょう」
その言葉とは裏腹に、彼女はさらなるダメージを負う羽目になった。
「うげえ……」
苦みに嘔吐いているとヴァールたち剣士組がやって来る。
「魔力切れか?」
「ええ。少し早いですが、今日は切り上げた方が良いでしょう」
「そうだな。んじゃ、10分休憩したらテルドルに帰るぞ」
「は~い……」
それから彼女らは車座になって、各々休息を取っていた。その間、ヴァールは弟子の剣術について講評していた。
リーベから見て、フロイデは模範的な剣士だ。それは基本に忠実であるという意味ではなく、ケチの付けようがないという意味でだ。
しかし師匠の目からだと違って見えることをリーベは知った。それは時に厳しい言葉を交えつつ、長々と語り聞かせている様子から見て取れる。
(フェアさんはわたしのこと、どう思ってるのかな?)
彼は弟子を励ますことはあれど、厳しく叱責することはない。そういう方針というべきか、性格というべきか……何れにせよ、リーベは真相を知りたかった。
「…………」
どう切り出したものか、様子を伺いつつ考えていると、彼と目が合った。
「おや、どうかしましたか?」
「ああ、いや……その…………」
答え倦ねていると、聡い彼は弟子の心配を酌み、穏やかな笑みを湛えて、声なき問い掛けに答える。
「リーベさんは立派ですよ。たった3日でここまで進めたのですから、自信を持ってください」
「……でも……」
「私は言葉が足りないことはあるでしょうが、嘘は言いません。なので全て、言葉通りに受け取ってください」
「フェアさん……」
彼の微笑を見ていると澱のように積もっていた不安が解消されていく。自然、心も軽くなり、不安に感じていたのが馬鹿らしく思えてきた。
ちょうどその時、ヴァールが立ち上がる。
「うっし、帰るぞ」
その言葉を受け、リーベは脚に力を込める。
あの劇薬の効果か、不調は取り払われており、難なく立ち上がることが出来た。
帰る道すがら、ヴァールは相棒に問う。
「リーベの具合はどうだ?」
「ええ、至って順調ですよ。アイスフィストは命中に不安がありますが、メガ・ファイアの方は完璧です」
「そんな! 完璧だなんて、言い過ぎですよ!」
リーベが照れくさくなって口を挟むとヴァールは声をあげて笑った。
「フェアがそこまで言うんなら、よほど好調なんだろうよ!」
「もーっ! 揶揄わないでよ!」
彼は一頻り笑うと、急に神妙になって言う。
「そんだけ魔法が使えるなら、連れて行っても問題ないな」
「え?」
リーベは唖然として歩みを止めてしまった。
固定された視界の中で、フロイデが小さな口を、小さく動かす。
「冒険に出る、の?」
「そうだ――」
「で、でも! まだアイスフィストの方は全然ダメなんだよ!」
「わかってる。だが、最低限自衛できる魔法があるんなら今はそれでいい」
「…………」
釈然としないでいると、フェアが言い添える。
「不安に思う気持ちはわかります。可能であれば、あなたが納得できるだけの訓練をしてあげたいのですが、そうもいかないのです」
「どういうことですか?」
「ぼくたち、王都から派遣されてきた」
フロイデの言葉に、リーベはヴァールの手紙を思い出した。
第三級以上の魔物が数を増やしていると書いてあった(リーベにはその等級がなんなのかわからないが)。
「……そっか。みんな、仕事でここに来たんだよね」
「そう言うこった。お前を育てる前に、まずは使命を果たさないとなんねえ。じゃねえとギルドに怒られるし、余計な被害を招くかもしんねえからな」
「ごめんなさい。わたし、自分のことばっかりで……」
「自分を鍛えるのがお前の仕事だ。気にすんな」
「……うん」
不甲斐なさに押し黙っていると、ヴァールが決定を告げる。
「とにかくだ。明日は訓練を中止して、依頼選びと準備にあてる。いいな?」
メンバー全員から承知の声が上がると、彼はリーベに言う。
「リーベ。お前はリュックとかは持ってるのか?」
「うん。お父さんのお下がりを貰ったの。あ、あと中身も食べ物以外は一通り用意してあるよ」
「さすが師匠。用意がいいな」
「この分だと、明日は余裕を持って過ごせそうですね」
フェアの言葉にフロイデが項垂れる。
「? 何かあったんですか?」
「むう……」
フロイデは押し黙って口を開こうとしなかった。
心配になる中、ヴァールがケタケタと笑う。
「はは! こいつは最初、せっかく確認してやったのに『心配だから~』ってリュックをひっくり返して、あげく忘れ物をしやがったんだ!」
「ヴァール……!」
フロイデが顔を真っ赤にして黙らせに掛かるも、リーベは既に聞いてしまった。
冷静に見えて存外おっちょこちょいなその一面に、彼女は思わず噴き出してしまうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~
犬型大
ファンタジー
突如として変わった世界。
塔やゲートが現れて強いものが偉くてお金も稼げる世の中になった。
弱いことは才能がないことであるとみなされて、弱いことは役立たずであるとののしられる。
けれども違ったのだ。
この世の中、強い奴ほど才能がなかった。
これからの時代は本当に才能があるやつが強くなる。
見抜いて、育てる。
育てて、恩を売って、いい暮らしをする。
誰もが知らない才能を見抜け。
そしてこの世界を生き残れ。
なろう、カクヨムその他サイトでも掲載。
更新不定期
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる