10 / 12
真田和也 Ⅴ
しおりを挟む
それから2年後カンボジアで子供たちと駆けずり回ってた
着るものも食べるもの無頓着でいられる
子供達のお陰で心が満たされているから
髪もボサボサ髭も剃ってない
「Hello」
サングラスをかけた小柄な男がギターを抱えてにこやかに登場した
え?え?え?え?
「Hi everyone」
Blue BeeのTシャツを着たBlue Beeのボーカルπだ
ギターを弾きながら歌い出す
子供達は嬉しそうにπの周りに集まってクスクス笑ったり手拍子したりそれぞれに楽しんでる
俺は感動で金縛り
バンドが解散して消息の知れないπが目の前で歌ってる
「まじか?」独り言
「あれ?君日本人?」
いきなり後ろから声をかけられて振り返ると長い黒髪と切れ長の目の綺麗なお姉さんが立ってる
久しぶりに日本人見た
「君なんでこんな所にいるの?」
「なんで?と言われても…お姉さんも何でこんな所にいるですか?」
「私はπの奥さんです」
左手の薬指の指輪を見せてくる
「え?え?まじで?」
πの奥さんが日本人 ああハルに教えたい
πはバンドを解散していろんな所でボランティアで歌を歌っているらしい
「中学の時から大ファンなんです サインと写真いいですか?」
答えはNo
「じゃ握手してください 手を出す」
OK
握られた手
大きな逞しい木と降り注ぐ星屑
圧倒的な煌めき これがスターだ
俺は猛烈に感動した
Let's meet again somewhere in this world
またこの世界の何処かで会おうな
πが英語でそう言って片手を上げた
カッコ良すぎるぜπ
俺の帰国の日が近づいてた
日本に帰ると真っ先にハルの携帯に電話した
何回かのコールの後繋がった
もしもし?俺は弾んだ声で相手の確認もないままに ハル聞いてくれよと話し出した
「すいません 多分間違い電話です」
番号が変わってるとは思ってなかった
ずっと消さないでいたこの番号がもうハルのものじゃなかった
もうハルとは繋がる事が出来ない
ちゃんとした大人になろう
そう決めたのは康太がブランドを本格的に立ち上げたからだ
マルが母親に伝言していた
kooが大成功することを祈れ
日本に帰って髪を切り髭を剃り見なりを整えた
まだ貯金はあったけどそれを食い潰す生活には限界がある
そもそも高校中退の俺が就職出来るのか?
「カズ モデルになれば?」
母親が就職活動をしようとしている俺にそう言ってきた
「モデルなんてそんなに簡単になれるわけ?」
「親のコネがあるでしょうよ」
母親は自分を指さして笑った
それもありか?
次の目標はパリコレか?
背が高いという事だけでモデルとしては合格だとモデル事務所の社長が言った
目標はパリコレだと高らかに宣言すると大笑いされる
「あんたこの世界舐めてるわな」
そう言われながら握手する
こいつはモノになる 社長の声
ガラス細工のような繊細な尖った輝き
歪 だけど嫌じゃない
ついていこうと思える人間だった
でも1年後パリにいた
母親のコネでモデルをするのが嫌だったからという建前の理由
本当は人の心が見えすぎて日本は辛い
俺には言語の壁が必要だ
パリはフランス語の人が多くて英語が通じない人もいる
まだモデルとしては何者でもない
生活費は主に犬の散歩のバイト
日本語を教える代わりにフランス語を教えてもらったり言語には苦労するが楽しい
モデルオーディションは月に1度ぐらいはあったけど中々引っかからずどこかのブランドモデルになるのは程遠い
でも腐っていない
パリファッションウィークが始まった
koo1の服はマルが1番気に入ったデザインだったからかっちりしたジャケット
はっきり言って着る時が限られててあまり出番がない
だけど俺の一張羅 もしくは勝負服
俺は世界に1枚のBlue BeeTシャツにkooの服を着て颯爽と街を歩いた
パリファッションウィークは楽しい
街が華やいでウキウキしている
一角に人だかり
セレブでもいるのかな?
そう思って遠巻きにやり過ごそうとしたら見知った人が困り顔でタバコを吸ってた
「奥さん!」
俺はその人に手を振って近づいた
πの奥さん 名前を聞いてないことに気づいた
奥さんは不審そうに俺を見る
「πの奥さんですよね?」
奥さんはタバコを道路に投げ捨てて俺をじっと見る
「俺です!カンボジアでボール蹴ってた
あの時は髪がぐちゃぐちゃで髭はやしてた」
「え?君あの時の?嘘でしょ 別人じゃん
君なんでこんなところにいるの?」
カンボジアでの質問をまたするのか?
「俺にも色々あったんですよ
奥さんこそ何で?やっぱりパリコレですか?」
「奥さん奥さん言わないでよ 結婚公式に発表してなかったんだし って言うかもう離婚してるから 奥さんじゃないし」
え? ハルに教えてあげる前に離婚してた
「君の名前は?」
「真田和也です 奥さん 嫌お姉さんわ?」
「高橋あずさ 離婚はしたけど一緒にはいるの 私達も色々あるのよ」
乾いた笑いであずささんが指さした人だかりの中にπがいた
「アントン!」
あずささんが叫ぶ πってアントンなのか?
πが人だかりをかき分けて俺たちを見つけると俺にyou are gorgeous!と感嘆する
人だかりが一斉に俺を見た
あとは任せた 後でホテルに来て
あずささんがホテル名を書いた名刺を俺に握らせてπを救出すると手を振った
人だかりの移動が始まると久しぶりに恐怖を感じた ギラギラした目 怖い
俺は急いで走り出し人だかりをまいてタクシーを捕まえてホテルを目指す
息を整えホテルを告げると心の中で雄叫びを上げる
世界の何処かでまた会えた
「和也!」ホテルのロビーでキョロキョロしてたらお茶していたあずささんが俺を見つけてくれた
「思ってたより早く来れたね じゃ部屋行こうか」
え?
「バカ 何変な想像してんだよ アントンが部屋にいるから」
そうですよね
俺にこんな幸運が訪れていいのか?
部屋に入るとπがハグしてきた
逞しい木は少し衰え枯れ葉が出来ていたが煌めきは変わってない
早口の知らない言語で捲し立てられる
わからない言葉に出会うと世界は広いなと痛感する 2年放浪して行ってないのは戦争地域
あずささんが通訳してくれる
「あの物乞いのような汚い少年が見違えた
しかもすごくカッコいい服を着てる
その服を売ってくれ 言い値でいいから」
汚い少年とか濁してくれてもいいのにあずささんは忠実な通訳だった
No
「これは大事な服だから売れない
でも日本のブランドでkooと言います」
そう言ってkoo1のタグを見せる
「ああ残念 でもちょっと着るぐらいはいいかな?」
OK
俺はジャケットを脱いでπに着せた
俺よりだいぶん小さいπにはダボダボだ
鏡の前でジャケットと格闘して袖を捲ったり襟を立てたりそれなりに着こなして俺を満面の笑みで見る
ピクチャープリーズ
No
「アントンは写真とサインはしない主義なのよ」
「なんで?絶対ネットにあげません」
「そういう問題じゃなくてここだけの話
写真は魂を削られると思ってるしサインは自分の念がこもりそうで怖いのよ」
「残念 でもでも
俺の彼女がBlue Beeの大ファンで写真は諦めるけどどうしてもどうしてもサインが欲しい」
フランス語の勉強のためにいつも持ち歩いているノートとペンを取り出した
俺の必死さとあずささんがうまく通訳してくれたおかげで仕方ないとπがうなづいく
俺を後向きにして背中にπとだけ書いてくれた でも小さい 小さすぎる それにボールペンだから洗濯したら消えそうだ
πが書いてくれたと誰も信じてくれないだろうな それでも嬉しい thank you
πは本当に服が気に入ったようだったけど流石に返してもらいたい
鏡の前でポーズを決めるπの横に立つ
パシャリ カメラのシャッター音
鏡に写るπと俺をあずささんが撮った
びっくりして振り返る
「見て 最高にイカす」
差し出されたカメラを覗くとπと服しか写ってない俺
πは小柄だから俺の肩までも身長がない
πはムッとしたみたいだったけど写真を見ると満足したのかジャケットを返してくれた
「その写真送ってください」
「いつか いつかね」
あずささんが寂しそうな顔で俺を見たからついつい心を覗きたくなったが手を握る理由がない
またパリコレの季節になった頃
あずささんが撮ったであろう隠し撮りっぽい写真でπのインスタが開設されてSNSが盛り上がった
だけど1日でアカウント削除
ボランティアで歌ってるπ
子供たちと笑ってるπ
露天で買い食いしてるπ
そして俺とのツーショット
Borrow your friend's nice clothes #koo3
あずささんから勝手に写真使ってごめんとメッセージが入って全然大丈夫ですと返信
私は全然大丈夫じゃなくて
意味深 すぐに電話する
「どうしたんですか?」
「アントンが死んだ」
青天の霹靂とはこういう事だろう
後でわかったけどあずささんは結構有名なフォトグラファーだった AZUという名前で紛争地帯での写真を撮っていた人らしい
πが写真嫌いなのになぜフォトグラファーと恋に落ちたのか理解し難いが引退して世界中を旅する記録をこっそり残したあずささんの気持ちはわかる
写真を撮り続けていた頃は誰にも見せる気はなかったかもしれない
だけどπの事を世間の人に記憶して欲しいと思ったんだろうな
死んだことは本当に近い人しか知らないから世間に知られたらあんたがバラしたと思うからね
俺に話したことを後悔したようだった
「話すわけないじゃないですか」
聞いた俺も信じられないしπが死んだなんて誰も信じない
「馬鹿らしいけど私が写真を撮ったからアントンの魂削ったのかもって思う時があるよ」
「そんな事」
「アントンは特別だったから」
そう言って言葉に詰まって電話の向こうで泣いているのがわかる
俺も泣きそうで慰められない
切るね
はい お元気で
着るものも食べるもの無頓着でいられる
子供達のお陰で心が満たされているから
髪もボサボサ髭も剃ってない
「Hello」
サングラスをかけた小柄な男がギターを抱えてにこやかに登場した
え?え?え?え?
「Hi everyone」
Blue BeeのTシャツを着たBlue Beeのボーカルπだ
ギターを弾きながら歌い出す
子供達は嬉しそうにπの周りに集まってクスクス笑ったり手拍子したりそれぞれに楽しんでる
俺は感動で金縛り
バンドが解散して消息の知れないπが目の前で歌ってる
「まじか?」独り言
「あれ?君日本人?」
いきなり後ろから声をかけられて振り返ると長い黒髪と切れ長の目の綺麗なお姉さんが立ってる
久しぶりに日本人見た
「君なんでこんな所にいるの?」
「なんで?と言われても…お姉さんも何でこんな所にいるですか?」
「私はπの奥さんです」
左手の薬指の指輪を見せてくる
「え?え?まじで?」
πの奥さんが日本人 ああハルに教えたい
πはバンドを解散していろんな所でボランティアで歌を歌っているらしい
「中学の時から大ファンなんです サインと写真いいですか?」
答えはNo
「じゃ握手してください 手を出す」
OK
握られた手
大きな逞しい木と降り注ぐ星屑
圧倒的な煌めき これがスターだ
俺は猛烈に感動した
Let's meet again somewhere in this world
またこの世界の何処かで会おうな
πが英語でそう言って片手を上げた
カッコ良すぎるぜπ
俺の帰国の日が近づいてた
日本に帰ると真っ先にハルの携帯に電話した
何回かのコールの後繋がった
もしもし?俺は弾んだ声で相手の確認もないままに ハル聞いてくれよと話し出した
「すいません 多分間違い電話です」
番号が変わってるとは思ってなかった
ずっと消さないでいたこの番号がもうハルのものじゃなかった
もうハルとは繋がる事が出来ない
ちゃんとした大人になろう
そう決めたのは康太がブランドを本格的に立ち上げたからだ
マルが母親に伝言していた
kooが大成功することを祈れ
日本に帰って髪を切り髭を剃り見なりを整えた
まだ貯金はあったけどそれを食い潰す生活には限界がある
そもそも高校中退の俺が就職出来るのか?
「カズ モデルになれば?」
母親が就職活動をしようとしている俺にそう言ってきた
「モデルなんてそんなに簡単になれるわけ?」
「親のコネがあるでしょうよ」
母親は自分を指さして笑った
それもありか?
次の目標はパリコレか?
背が高いという事だけでモデルとしては合格だとモデル事務所の社長が言った
目標はパリコレだと高らかに宣言すると大笑いされる
「あんたこの世界舐めてるわな」
そう言われながら握手する
こいつはモノになる 社長の声
ガラス細工のような繊細な尖った輝き
歪 だけど嫌じゃない
ついていこうと思える人間だった
でも1年後パリにいた
母親のコネでモデルをするのが嫌だったからという建前の理由
本当は人の心が見えすぎて日本は辛い
俺には言語の壁が必要だ
パリはフランス語の人が多くて英語が通じない人もいる
まだモデルとしては何者でもない
生活費は主に犬の散歩のバイト
日本語を教える代わりにフランス語を教えてもらったり言語には苦労するが楽しい
モデルオーディションは月に1度ぐらいはあったけど中々引っかからずどこかのブランドモデルになるのは程遠い
でも腐っていない
パリファッションウィークが始まった
koo1の服はマルが1番気に入ったデザインだったからかっちりしたジャケット
はっきり言って着る時が限られててあまり出番がない
だけど俺の一張羅 もしくは勝負服
俺は世界に1枚のBlue BeeTシャツにkooの服を着て颯爽と街を歩いた
パリファッションウィークは楽しい
街が華やいでウキウキしている
一角に人だかり
セレブでもいるのかな?
そう思って遠巻きにやり過ごそうとしたら見知った人が困り顔でタバコを吸ってた
「奥さん!」
俺はその人に手を振って近づいた
πの奥さん 名前を聞いてないことに気づいた
奥さんは不審そうに俺を見る
「πの奥さんですよね?」
奥さんはタバコを道路に投げ捨てて俺をじっと見る
「俺です!カンボジアでボール蹴ってた
あの時は髪がぐちゃぐちゃで髭はやしてた」
「え?君あの時の?嘘でしょ 別人じゃん
君なんでこんなところにいるの?」
カンボジアでの質問をまたするのか?
「俺にも色々あったんですよ
奥さんこそ何で?やっぱりパリコレですか?」
「奥さん奥さん言わないでよ 結婚公式に発表してなかったんだし って言うかもう離婚してるから 奥さんじゃないし」
え? ハルに教えてあげる前に離婚してた
「君の名前は?」
「真田和也です 奥さん 嫌お姉さんわ?」
「高橋あずさ 離婚はしたけど一緒にはいるの 私達も色々あるのよ」
乾いた笑いであずささんが指さした人だかりの中にπがいた
「アントン!」
あずささんが叫ぶ πってアントンなのか?
πが人だかりをかき分けて俺たちを見つけると俺にyou are gorgeous!と感嘆する
人だかりが一斉に俺を見た
あとは任せた 後でホテルに来て
あずささんがホテル名を書いた名刺を俺に握らせてπを救出すると手を振った
人だかりの移動が始まると久しぶりに恐怖を感じた ギラギラした目 怖い
俺は急いで走り出し人だかりをまいてタクシーを捕まえてホテルを目指す
息を整えホテルを告げると心の中で雄叫びを上げる
世界の何処かでまた会えた
「和也!」ホテルのロビーでキョロキョロしてたらお茶していたあずささんが俺を見つけてくれた
「思ってたより早く来れたね じゃ部屋行こうか」
え?
「バカ 何変な想像してんだよ アントンが部屋にいるから」
そうですよね
俺にこんな幸運が訪れていいのか?
部屋に入るとπがハグしてきた
逞しい木は少し衰え枯れ葉が出来ていたが煌めきは変わってない
早口の知らない言語で捲し立てられる
わからない言葉に出会うと世界は広いなと痛感する 2年放浪して行ってないのは戦争地域
あずささんが通訳してくれる
「あの物乞いのような汚い少年が見違えた
しかもすごくカッコいい服を着てる
その服を売ってくれ 言い値でいいから」
汚い少年とか濁してくれてもいいのにあずささんは忠実な通訳だった
No
「これは大事な服だから売れない
でも日本のブランドでkooと言います」
そう言ってkoo1のタグを見せる
「ああ残念 でもちょっと着るぐらいはいいかな?」
OK
俺はジャケットを脱いでπに着せた
俺よりだいぶん小さいπにはダボダボだ
鏡の前でジャケットと格闘して袖を捲ったり襟を立てたりそれなりに着こなして俺を満面の笑みで見る
ピクチャープリーズ
No
「アントンは写真とサインはしない主義なのよ」
「なんで?絶対ネットにあげません」
「そういう問題じゃなくてここだけの話
写真は魂を削られると思ってるしサインは自分の念がこもりそうで怖いのよ」
「残念 でもでも
俺の彼女がBlue Beeの大ファンで写真は諦めるけどどうしてもどうしてもサインが欲しい」
フランス語の勉強のためにいつも持ち歩いているノートとペンを取り出した
俺の必死さとあずささんがうまく通訳してくれたおかげで仕方ないとπがうなづいく
俺を後向きにして背中にπとだけ書いてくれた でも小さい 小さすぎる それにボールペンだから洗濯したら消えそうだ
πが書いてくれたと誰も信じてくれないだろうな それでも嬉しい thank you
πは本当に服が気に入ったようだったけど流石に返してもらいたい
鏡の前でポーズを決めるπの横に立つ
パシャリ カメラのシャッター音
鏡に写るπと俺をあずささんが撮った
びっくりして振り返る
「見て 最高にイカす」
差し出されたカメラを覗くとπと服しか写ってない俺
πは小柄だから俺の肩までも身長がない
πはムッとしたみたいだったけど写真を見ると満足したのかジャケットを返してくれた
「その写真送ってください」
「いつか いつかね」
あずささんが寂しそうな顔で俺を見たからついつい心を覗きたくなったが手を握る理由がない
またパリコレの季節になった頃
あずささんが撮ったであろう隠し撮りっぽい写真でπのインスタが開設されてSNSが盛り上がった
だけど1日でアカウント削除
ボランティアで歌ってるπ
子供たちと笑ってるπ
露天で買い食いしてるπ
そして俺とのツーショット
Borrow your friend's nice clothes #koo3
あずささんから勝手に写真使ってごめんとメッセージが入って全然大丈夫ですと返信
私は全然大丈夫じゃなくて
意味深 すぐに電話する
「どうしたんですか?」
「アントンが死んだ」
青天の霹靂とはこういう事だろう
後でわかったけどあずささんは結構有名なフォトグラファーだった AZUという名前で紛争地帯での写真を撮っていた人らしい
πが写真嫌いなのになぜフォトグラファーと恋に落ちたのか理解し難いが引退して世界中を旅する記録をこっそり残したあずささんの気持ちはわかる
写真を撮り続けていた頃は誰にも見せる気はなかったかもしれない
だけどπの事を世間の人に記憶して欲しいと思ったんだろうな
死んだことは本当に近い人しか知らないから世間に知られたらあんたがバラしたと思うからね
俺に話したことを後悔したようだった
「話すわけないじゃないですか」
聞いた俺も信じられないしπが死んだなんて誰も信じない
「馬鹿らしいけど私が写真を撮ったからアントンの魂削ったのかもって思う時があるよ」
「そんな事」
「アントンは特別だったから」
そう言って言葉に詰まって電話の向こうで泣いているのがわかる
俺も泣きそうで慰められない
切るね
はい お元気で
0
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる