勇者として召喚されたはずだけど、勇者として歓迎されませんでした

くノ一

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戦争 終章

248.動き出す者達

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「・・・うむ。あやつは快楽に飲まれて死んだか」
「魔王様の言われた通りになりましたね」
「これで幹部は総勢5人ですか。カナデア、ファンナ、リガル、クジャク、ガララシェア・・・、良き仲間が失いますか」

 魔王城、そこの玉座の間に5人の幹部と魔王がいた。
 そして状況の説明をしている最中だ。
 扉の外には兵士達が厳重に巡回をしていた。

「最終防衛ラインのここを突破されると少々厄介だ。アーメイヤ、出来るか?」
「命令とあらば」
「セイランとベレニアスはこの魔王城の警備に当たってくれ」
「分かりました」
「分かってますよ」

 魔王は次々と幹部に命令を出していく。セイランとベレニアスがそれぞれ口にした後に、

「「その命令とあらば従います」」

 2人同時に同じ事を口にした。
 それを見ていた男の幹部が声を上げた。

「俺らはどうするんですか?」
「そうだった。お前達はアーメイヤの援護に回れ。一筋縄ではいかないだろう」
「分かりました。だけど、期待はしないでくださいね」

 そして、次々と玉座の間から幹部達は次々と去っていった。
 そして誰もいなくなった空間に彼は少し笑うのだった。


「何?西の騎士団が最前線だって?」
「みたいですね。我々も進行するべきかと」
「確かにな。手柄を独占されるのは間尺が合わねえ。全騎士団移動だ」

 騎士団長と思われる人物が声を上げると、騎士達は慌てるかのように準備を始めた。
 そこへと2人の女性が向かって来る。

「もう移動?幹部との戦闘で皆疲れきってると思うけど」
「コンビ勇者か。西の騎士団連中が最終決戦始めようとしてるんだ。休憩してる暇なんてないさ」
「ふぅん。そう」

 わずか2日ほど前、彼らが攻略していた砦には幹部がいた。名はガララシェア。大剣を操る大男だった。
 勇者が総力挙げて討伐した。勇者達も無傷では済まず、中には重症になった者もいる。
 それらの討伐した後は、少しの安らぎを彼らに与えていた。

「今となっては十分休息は取れた。全総力を北へと進軍する時だ」
「ま、何が起ころうとしてるのか、定かではないけどね」

 桜はため息を吐いていた。今出来る範囲をする為にコンビ勇者達は喋りながら、その場を去っていった。

「さあ、相手はどのように動くか」

 もう半分程の戦力しか残ってない中央騎士団。後方にはまだほとんどが生き残っている後方騎士団もある。
 その為に、彼は行動を起こすのだった。
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