居候は厨二病。

Musk.

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厨二病、勉強会をする。

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食後ののんびりした団らんの時間――。

私達はお互いの世界を知る勉強会を開いていた。

「俺はクリス=シュナイダー=アレクサンドリアだ。」

えっ長い……。

「えーと…クリスシュナイ………長いからクリスさんね。国はどこから?」

「フリスコードという国から来た。」

うーん聞いた事無いなぁ…。やっぱり異世界か。

「すみません、フリスさん。やっぱり分からない国です。」

「俺はフリスじゃない、クリスだ。」

あっ間違えた……………。


まぁまぁいいじゃない。とお母さんが呑気に入ってきた。

「じゃぁ今度はこっちの番ね。私は佐々木 雪子。こっちは旦那の佐々木 勇気。そしてこの子が娘の佐々木 まどかよ。」

よろしく……と呟いて改めてクリスの顔を見る。うわぁ綺麗な顔!!透き通るような白い肌、大きくて綺麗な青眼、長くてフサフサのまつ毛、スっと通った鼻筋、絹糸のような金髪……異世界ってこんな美少年ばかりなのかしら。

って事は私が異世界に行ったら美少女になるの!?

私が1人デュフフと妄想を広げている傍で、お母さんは日本の説明をしていた。


「なるほど……何となく分かった。しかし覚えられないのでメモをしよう。雪子、紙とペンをくれないか。」

「やだ、雪子だなんて!お母さんって呼んで。勇気さんの事はお父さんって呼んでね。」

息子が出来たようで嬉しい!と鼻歌を歌いながらお母さんは紙とペンを取りに行った。やっぱり呑気だな。


「えっ日本語書けるんだ。」

私はクリスが書いているメモを見て驚いた。

「ニホンゴ…?なんだそれは。俺はフリスコード語を書いているだけだ。」

「えっだって日本語……。」

そう言えばクリスって日本語喋れてる!異世界の人なのに!

どういう事?私が混乱しているとお母さんがチートよ、と答えた。

「チート?」

「そう、主人公がやたら魔力強いとかそう言うご都合設定よ。まぁいいじゃない、今から日本語の勉強教える手間が省けたわ。」

確かに今から教えていたら大変だな…。私はチートとやらに感謝した。


「さて、もう遅いし勉強会はここまでにしましょう。

クリスちゃん、お風呂に入ってきたら?疲れたでしょ?」

「クリス……ちゃん…?それにお風呂ってなんだ。」

「えっクリスってばお風呂に入らないの!?汚いっ!」

「汚いとはなんだ。身体ならいつも訓練後に大衆浴場で洗っているぞ。」

「あっお風呂ってその大衆浴場のこと。びっくりしたなぁ。」

「そっかクリスちゃんは騎士団に居るから団員皆で入るのね?日本にも大衆浴場はあるけど家にあるお風呂は大衆用じゃないわ。」

「ふふん、俺は騎士団の中でも上の方だからな。いつも1人で入る。」

「えっクリスって上の方だったんだ!」

「見てわからないか俺の威厳が。剣さばきは団長には負けるがドラゴンの扱いや魔法の腕は団1番…いや、国1番だ。」

えっ何この才色兼備。まだ若いのに凄い。

「そう言えばクリスって私と同じくらい?16?」

「何!?お前も16か!お前はまだ13ぐらいかと思ってたぞ。」

えっなにそれムカつく。確かに背は小さいけど13は無いだろ!


「あらあら、同い年だったのねぇ。ほら、クリスちゃんお風呂の準備出来たから入ってきなさい。」

「……クリスちゃん………。」

「あっお風呂上りはこれに着替えてね。」

お母さんはそう言うとお父さんの昔使ってたパジャマを渡した。

「!?なんだこれは!こんな物着れるわけ無いじゃないか!」

あっこんな物とかやめて。お父さん傷付いてる。

「やだクリスちゃんってば、お風呂上りにまた団服着るつもりだったの?ダメよ、お洗濯します。」

「しかしこれはあまりにも薄すぎる!!これでは魔物が襲ってきたらやられるではないか!」

「クリスちゃん言ったでしょ?日本には魔物はいないの。裸で寝ても大丈夫なんだから。」

「しっ…しかし!」

「クリスちゃん、ルール。」

クリスはとぼとぼとお風呂場に向かった。

お母さんクリスの扱いを短時間で習得したな…これはチートってやつなのかな…。

そんな事を考えているとお風呂場から
「狭っ!!」
というクリスの声が聞こえた。

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